
見城徹(けんじょうとおる)は1950年、静岡生まれの起業家ですが、その編集手腕は高く評価されており、「伝説の編集者」という異名を持っているほどです。
数多くのアーティスト本や小説、雑誌などをベストセラーへと導きましたが、その略歴は慶応義塾大学を卒業後、角川書店へ入社し、1993年に幻冬舎を自ら設立。
出版不況と言われる中でも成長し続けて、10年後の2003年にはジャスダックへ上場を果たしますが、ハゲタカファンドとの攻防戦の中で、2012年にMBOを実施して上場を廃止しました。
数多くの経営者から「兄貴」と慕われる人柄なので、人徳が高いだけでなく、一流経営者としての手腕には疑いの余地がないでしょう。
そこで今回は、一流のビジネスパーソンと言える”見城徹”の名言集をご紹介したいと思います。
ビジネスマンに伝えたい言葉ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
見城徹の名言集まとめ
伝説は、悪名からしか始まらない。
見城徹はこの理由について「常識から外れることを人は”悪”と呼ぶからだ」と語っています。
ちなみに「悪名」と「悪人」は全く違う意味なので、間違えないように注意しましょう。
何人も死からは逃れることができない。
生きるというのは、死に向かって前進していくことでもあります。
つまり「人間いつかは死ぬ」ということです。
それであれば、充実した人生にした方が良いですよね。
どうすれば充実した人生にできるのか?
この答えはとても簡単です。
朝顔を洗って鏡で自分の顔を見た時に「もし明日死ぬとしても、今日これからのスケジュールは変わらないだろうか?」と自問自答すれば良いだけです。
もしそれでスケジュールが変わるなら、あなたの人生は充実していません。
「明日死んでも良い」と思えるような生き方をしましょう!
僕は毎朝、「今日は命を捨てる日さ」と思って、家を出る。
実際に死ぬわけではありませんが、これくらいの覚悟で仕事へ向かうそうです。
そして激しい交渉をする時には「俺の屍を越えて行け」という気概で臨んでいるそうです。
”屍を越える”というのは、目の前にいる相手を殺してその上をまたいでいく時の表現なので、「俺の屍を越えて行け」という表現には「死ぬ気で臨んでいる俺の覚悟を舐めるなよ」という意味が込められています。
常識とは、その時代の支配者たちにとって、都合よく作られたものでしかない。
常識を疑ったところにイノベーションの種は隠れています。
常日頃から常識を疑う癖をつけましょう。
リスクがなければ、大きな失敗はしないが、劇的な成功もない。
リスクとリターンはトレードオフの関係性なので、リターンが欲しければリスクを取るしかありません。
覚悟が定まった時、自分の限界を超え、道は開ける。
覚悟を決めるというのは、命を賭けることです。
サラリーマンをしていると、たとえ大きな失敗をしたとしても、せいぜい出世に響く程度なので、決して死ぬようなことはありません。
しかし経営者(創業オーナー)であれば、文字通り「死ぬ」可能性があるのです。
なので、ビジネスにおける覚悟は、サラリーマンと全く違うはずです。
会社員だったとしても、起業家と同じ覚悟で臨めば、きっと大きなビジネスを成し遂げられるでしょう。
いつも最悪を想定し、最高の結果を叩き出すのが、僕の経営哲学だ。
幻冬舎は出版不況の中でも好調を維持していますが、「出版の利益がゼロになる前提で経営するべきだ」と語っています。
幻冬舎にとって出版の利益は”メイン収益”になりますが、それがゼロになるような最悪を想定しておけば、さらなる成長が見込めるということです。
仕事でも人生でも、敗色濃厚な時がある。
しかし、それは負けの決定ではなくプロセスである。
この言葉が伝えたいのは「死なない限り負けではない」ということです。
どんなに不運なことが続いても、こてんぱんに打ちのめされても、まだまだ勝機はあります。
チャレンジし続ける限り、負けではなくプロセスになるのです。
幻冬舎に勤めているカリスマ編集長の箕輪厚介さんも「死ぬこと以外かすり傷」という書籍を出版していますよね。
なんとなく幻冬舎のカルチャーが伝わってくる名言だと思います。

死神が大鉈を振るう時、僕はあれもできなかった、これもできなかったと、絶望しきって死んでいきたい。
見城徹曰く「絶望して死ぬのと、絶望しきって死ぬのは全く違う」そうです。
人生は短いので「悔いのない人生」を過ごすことなど不可能ですよね。
なので、あくまでもそれを前提とするのですが、力の限り全力を尽くして人生を全うすれば、きっと最後には「やるだけやった」と言えるはずです。
そう言えない人(=一生懸命に頑張らなかった人)は、ただ絶望して死んでいくのです。
熱狂できることを仕事に選ぶべきだ。
ほとんどの会社員にとって、働くことは”つまらないこと”だと思います。
しかし人生の大半を費やす”仕事”という時間を「単なる時間つぶし」や「生活費を稼ぐため」だけに費やすのはもったいないですよね。
見城徹は「大企業だからとか、安定しているから、という理由で勤め先を決めるなど馬鹿げている」と喝を入れています。
どれほどやっても評価されない、誰も自分を見てくれないと思うかもしれない。
でも、そんな時は、まだまだ努力が足りないと思えばいい。
これは”なかなか努力が実らない人”に勇気をくれる名言だと思います。
自分が努力した通りに評価されることは少ないと思いますが、たとえ評価されなかったとしても「まだ努力が足りなかっただけ」と思えれば、とても前向きな気持ちになれますよね。
正しい努力を続けていれば、必ず結果は実ります。
自分の力を信じましょう!
人生に”if”はない。
- もしあの時、違う判断をしていたら…
- もしあの時、あの会社を選んでいたら…
- もしあの時、別れなかったら…
このような思考回路になっている人は、残念ながら三流のビジネスパーソンです。
過去の失敗を反省するのは大いに結構ですが、過去を後悔したり振り返ることには何の意味もありません。
過去に戻ることなどできないのです。
人間は過去の失敗経験を活かしながら、前進するしかありません。
前を向いて生きましょう!
僕は、ギャンブルをやるべきだと思う。
私はギャンブルが大嫌いですが、きっとギャンブルを毛嫌いする人は多いはずです。
しかし見城徹はギャンブルをおすすめしているそうです。
なぜかといえば、ギャンブルでしか学べないことがあるからです。
例えば麻雀をやったことがある人であれば、運やツキ、流れなどの感覚が分かりますよね。
これらは理論的に説明するのが難しいので、ギャンブルで体感するしかないのです。
この感覚は必ずビジネスに活かせると語っています。
裏プロとかして活躍し、「雀鬼」と呼ばれた桜井章一は「麻雀には人知では理解できないことが確かに存在する」と語っています。
桜井章一の名言集は下の記事をご覧ください。
僕は今でも、休日はよく街を散歩する。
街には、いつも新しい発見や刺激が満ちている。
見城徹が街中で見るのを楽しみにしているのは”看板”だそうです。
看板は集客に使ったりセールスするための道具なので、その看板に携わる人たちの「売りたい!」という気持ちが前面に出ていて、とても参考になるそうです。
講演会、養成講座、人材交流会は、人をダメにする三悪である。
この3つを見城徹は「金と時間の無駄」と言って一刀両断しています。
この3つは”他力本願”の考え方なので、それによって成功が手に入るわけがなく、人生が変わるわけでもないと語っています。
確かに重要なのは「人よりも圧倒的に努力して、自分自身が動くこと」なので、この3つを三悪だと考えているようですね。
僕は日曜日が大嫌いだ。
朝起きて、日曜だとがっかりする。
この理由について見城徹は「会社に行けないからだ」と語っています。
それほど仕事が好きなのだと思いますが、この考え方はサラリーマンと真逆で面白いですよね。
見城徹は一流のビジネスパーソンなので、「休日が待ち遠しい」と思っている人は、きっと三流のビジネスパーソンなのだと思います。
結局、人と差がつくのは、努力の質と量である。
これは100%共感できる名言ですよね。
努力というのは”量”だけこなしても意味がありません。
つまり適切な努力をしなければいけないのです。
それを「努力の質」と呼びますが、その2つが噛み合った時、最高の結果になるのだと思います。
朝をうまく使える人と、使えない人では、ビジネスでも大きな差が出ると思う。
朝をうまく活用することは、様々なビジネスパーソンが推奨していますよね。
例えば、朝活したり、取引先と一緒に朝食を食べたり、趣味のランニングをするなど、朝の使い方はたくさんあります。
もちろん朝早く出社して仕事をするのも良いでしょう。
人生とは1日の積み重ねなので、その1日を有効活用できれば、トータルでは大きな違いになってくるはずです。
僕はトイレにも、手帳を持っていく。
見城徹はパソコンが苦手なので、基本的にはアナログ派のようです。
このやり方が良いか悪いかは別として、自分なりのやり方を確立することが大切だと思います。
実情にそぐわないと思ったら、柔軟に対応し、変えていくべきだ。
硬直した姿勢こそ、諸悪の根源である。
世の中は常に変化しているので、ビジネス環境も刻々と変わっています。
その変化を読み取れなければ、いずれ死ぬことになります。
このような環境の変化に対応した種族だけが生き残れることを、チャールズ・ダーウィンは”種の起源”に記しました。
”種の起源”に書かれていることは「人間は猿から進化して…」みたいなありきたりの話ではなく、「どうやって種族は生き残ってきたのか?」ということなので、これはビジネスにも通用する話なのです。
”種の起源”は教科書に出てくるレベルの有名本ですが、その本質的な中身を知っている人は少ないかもしれないので、まだ読んでいない人はぜひ一度読んでみてください。

ビジネスは当然、勝たなければいけない。
しかし、負けてもいいというところでは、無理して勝とうとしないことが大切だ。
勝ちすぎることは、自分で敗因を作ることにもつながります。
例えば、勝ち続けることによって努力をしなくなったり、ビジネスモデルの問題点を探ろうとしなくなったりします。
それはつまり”現状維持”を意味するので、相対的には衰退することになるのです。
なので、見城徹は「死なないレベルなのであれば、時々負ける方が良い」と語っています。
ビジネスにおいて、不変というものはない。
この言葉には”ビジネスの難しさ”が凝縮されていると思います。
あるビジネスモデルを構築したとしても、ビジネス環境は常に変化するので、明日には陳腐化してしまうかもしれません。
なので常にメンテナンスをして、ビジネスモデルをアップデートしていかなければいけないのです。
つまり「ビジネスに完成形はない」ということです。
社長こそ、現場にいなければならない。
見城徹のデスクは編集部にあるそうです。
社長室を作ることについては全否定していて、「現場を知らない経営者など存在価値がない」と語っています。
この考えと同じく、現場第一主義を貫いているのがユニクロを運営するファーストリテイリング社長の柳井正です。
柳井正の名言集は下の記事をご覧ください。
「失敗は成功の基」、この言葉は当たり前すぎて、僕には全く響かない。
そもそも失敗しないビジネスなど存在しません。
つまり失敗せずに成功することもあり得ません。
なので「失敗は成功の基」というのは当たり前ということです。
成功体験を打ち壊さなければ、先に進むことはできない。
誰でも成功体験にすがりつきたいと考えるはずです。
なぜかといえば、今までと同じようにやるのがラクだからです。
しかしそれでは成長できないので、成功した時こそ気を引き締めなければいけないと思います。
売れたものは、リスペクトしなければダメだ。
自分の価値観からは外れているモノを認めるのは難しいと思います。
例えば漫画に興味がなくて、ONE PIECE(ワンピース)を一度も読んだことがない人からすれば「あんなものはくだらない」という考え方になってもおかしくありません。
しかし実際には「世界で最も売れている漫画」なので、そこにはきっと消費者ニーズがあるはずです。
それを無視して「あんなものはくだらない」と言うのは、正直ビジネスセンスがないと思います。
それだけ世の中に受け入れられているのであれば、四の五の言わず、とりあえず読んでみて「なぜこれほど売れているのか?」というのをビジネスパーソンは追求するべきだと思います。
逆に言ってしまうと、それができない人にヒットは作れないということです。
友情は、ギブアンドテイクだからね。
これは見城徹が「こいつとはお友達になれそうだ」と感じた人に必ず伝えている言葉です。
決して友情は”利害損得”に限りませんが、見城徹は友人に対して新しい価値観を提供したり、色々な刺激を提供する為に尽力しているそうです。
なので、自分を刺激してくれない友人や、新しい視点を与えてくれない友達などいらない、と語っています。
一緒にいると気分がいいとか、一緒にいると気が楽だ、という友人など意味がない、とー両断しています。
仕事では、無償の行為こそ、結果的に大きな実りを生み出す。
ビジネスではGiveすることに専念した方が良いと思います。
絶対にTakerになってはいけません。
このことをまとめた本が、デール・カーネギーの「人を動かす」です。
まだ読んでない人は、ぜひ一度読んでみてください。
僕が感想を言う時、必ず決めていることがある。
まずは褒める。
これはマネジメントの原則とも言えますが、まずは相手を受け入れるということが大切です。
相手のことを褒めてから、自分の意見を伝えれば、相手は聞く体制になってくれます。
しかし「褒めるのは苦手だ…」という人がいるかもしれません。
実はそのやり方にはコツがあるのです。
例えば「今回のプロジェクトは全然ダメだ!」と頭ごなしに怒るのではなく、「今回のプロジェクトは十分満足していない点がある…」と伝えれば、「満足している部分はあるが…」というニュアンスが伝わるので相手のことを一部褒めることになります。
このように「まず相手へGiveする」ことがマネジメントの基本となります。
マネジメントに悩んでいる人は下の記事もご覧ください。
仕事というのは、人間が自然や世界に作用して、新しい価値を生み出すことだ。
このことを「付加価値」と呼んでいますが、「自分の仕事は付加価値を生み出せているのだろうか?」ということを、ビジネスパーソンは常に自問自答するべきだと思います。
まとめ
ここまで見城徹の名言集をご紹介してきました。
見城徹はビジネスに誠実であり、かなり熱い人物であることが伝わったはずです。
あくまでも個人的な意見ですが、日本を代表する芸術家「岡本太郎」と印象が被るので、見城徹が好きな人は岡本太郎の名言集もご覧ください。