
なかなか実績が出せない営業マンは「自分には営業力がない…」と落ち込んでしまうかもしれません。
しかし、そもそも営業力とは何でしょうか?
それが具体的に分かっていなければ、もし仮に営業力がなかったとしても改善できませんよね。
そこで今回は、営業力というぼんやりしたキーワードを分解してみたいと思います。
営業力をアップさせたい、営業力を強化する方法を探しているセールスパーソンは、ぜひ最後までご覧ください。
目次
営業力とは?
営業力と聞くと、どんなものを思い浮かべるでしょうか?
なんとなく口が達者な人、人見知りしない人、コミュニケーションが上手な人の方が営業力は高そうですよね。
確かに優れた営業テクニックや流暢なセールストークができる人はトップセールスに多いかもしれませんが、営業職とはもっとクリエイティブな職種だと思っています。
つまり、ただ表面上の人付き合いが良かったり、雑談が上手いだけでは不十分なので、お客様やシチュエーションに応じた柔軟性も求められるのです。
なので、口下手でも営業力がある人はいるということです。
それでは具体的にどのような能力があれば「営業力が高い」と判断されるのでしょうか?
それは下にある5つの能力になります。
- 観察力
- 判断力
- 行動力
- 説得力
- 忍耐力
この能力が「営業力」を構成しているので、それぞれの役割や使い方を理解して、全体的なスキルの底上げを図っていけば、必然的に営業力がアップするはずです。
これから一つずつ解説していくので、セールスパーソンは是非ご覧ください。
その①:観察力
観察力とは、相手の状態を見抜き、情報を引き出す力のことです。
この能力があれば、お客様は買う気があるのかどうかを判断できるようになります。
例えば洋服屋にお客様が入ってきた場合、ただ洋服を眺めているだけの人と、洋服のサイズ感を確かめている人では、買う可能性が違いますよね。
このように店舗型ビジネスの場合には、顧客の動きによって見込み度合いがある程度判断できるはずです。
それでは法人相手の商談だと、どうでしょうか?
その場合でも観察力は十分役立ちます。
法人担当者が相手の場合には、まず相手の表情をチェックするようにしましょう。
その時にチェックすべきポイントは「相手の視線」と「相手の表情」です。
視線が横に動いている場合には、目が泳いでいるので、あなたの話に興味を持っていません。
しかし目の動きが縦の場合には、あなたの話に興味がある証拠です。
目が笑っていなかったり、口角が上がっていない場合、本当の笑顔ではありません。
目尻にカラスの足跡のような皺ができたり、口角が左右均等に上がっている場合には、本当に笑っている証拠です。
このようなポイントをチェックすれば、相手が自分の話に興味を持っているかどうか判断できます。
しぐさもチェックする
観察力を発揮するためには、相手のしぐさもチェックしなければいけません。
- 手の動き
- 体の動き
- 足の動き
もし商談相手が手を組んで話を聞いているなら、それは防御反応が働いているので、かなり警戒している状態だと思います。
又はテーブルに置いた手のひらを握っている状態も、心を開いてない証拠です。
逆に手のひらを開けている状態は、心が開いている状態なので、お客様も前向きに検討していることでしょう。
そして、前のめりで商談しているお客様ほど受注率が高く、椅子にもたれかかっているお客様ほど受注率が低くなります。
これも心理状態にも影響するので、もし椅子にもたれかかっているお客様の場合には、前のめりになって何かを覗き込んでもらった方が良いと思います。
例えば資料を少し手前に置いて、お客様が前のめりになるように仕掛けることも必要でしょう。
そして意外と無意識に出てしまうのが、足のつま先の向きです。
足のつま先の向きが出口(=扉の方向)を向いているようなら、その人は早く帰りたがっています。
本当に話を聞く気があれば、足のつま先は無意識に営業マンの方を向いているはずです。
このような知識を持っているだけでも、営業効率は変わってくることでしょう。
その➁:判断力
人間は生活する中で、常に判断を繰り返しながら生きています。
なので、基本的に全ての人が判断力を持っていますが、営業現場における判断力ではスピード感が重視されます。
例えばお客様の心理状態によって、
- このまま提案を続けるのか?
- 今すぐに撤退すべきか?
という瞬時の判断は変わってくるはずです。
限られた時間の中で成果を出すためには、ダラダラ商談しても仕方ありません。
なので営業パーソンは、取引すべきお客様を選別しなければいけないと思います。
もし仮に暇つぶしで話を聞いている担当者だとわかった場合、今すぐに撤退しましょう。
他にも、やたら割引を要求してくるお客様や、無駄なクレームが多いお客様、無理難題を強いるお客様など、本来は取引をすべきではない顧客がいるはずです。
もしクレーム対応のやり方に課題感がある場合には、下の記事をご覧ください。
「切るべき相手を見極める」というのは、一見難しい判断のように思われますが、実は自分の中ですでに答えを持っているケースが多いのです。
このような判断ができれば当事者意識が芽生えてくるので、経営者の感覚で営業できるようになります。
これが何を意味するのかといえば、お客様に対する交渉力がアップしたことになるのです。
それが結果的にセールス実績へとつながっていくので、営業パーソンは絶対に判断能力を持つべきだと思います。
その➂:行動力
行動力はビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルだと思います。
営業成績を上げるために”最も重要な要素”だと言っても過言ではないでしょう。
行動力があることはアタック回数の多さに直結していきます。
それは商談機会の最大化につながっていくので、必然的に営業実績も上がっていくのです。
しかし、それを理解していても行動できないのが人間の常です。
人間は失敗を恐れるため、どうしても動きが鈍くなってしまうのです。
例えばテレアポをする時、「お客様から断られたらどうしよう…」と怖くなることがありますよね。
このような心理状態を説明すると、お客様から断られることで見込顧客が一件少なくなることを恐れているのです。
しかしよく考えてもらえば分かりますが、そのような見込み案件を抱えている必要などありません。
受注できるかわからないような薄い見込みをいつまでも抱えていると、それに安心(=見込客がいるという安心感)してしまって、ノルマ達成までの道筋がいつまで経っても描けないのです。
なので、もしそのような案件を抱えているなら、今すぐにアタックして、買う気があるかどうかを聞いてみましょう。
もしそれで断られたとしても問題ありません。
そのタイミングが早ければ早いほど巻き返す時間があるからです。
逆にダラダラ薄い見込みを引きずるのは自分の首を締めることになるので、トップセールスを目指すのであれば、素早い行動を心掛けるようにしましょう。
営業マンは運動(スポーツ)しよう!
これはとてもシンプルな話ですが、行動するためには体力をつけなければいけません。
なので、日頃から体力アップさせるために運動をするべきだと思います。
草野球チームに所属したり、スポーツジムに通ったり、終業後にランニングをしたり、そのやり方は何でも構いません。
とにかく体を鍛えて、疲れにくくしておけば、それは仕事のパフォーマンスに直結していきます。
そして、できれば筋トレもやった方が良いでしょう。
筋トレをすると、身体のラインが綺麗になるので、自分の自信にも繋がっていきます。
その結果、スーツの着こなしもカッコ良くなるので、お客様からの見た目も良くなるはずです。
「人は見た目が9割」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これはメラビアンの法則に基づいています。
見た目を良くすることは、営業成績を上げることに直結するので、メラビアンの法則を知らない人は下の記事を読んでみてください。
その④:説得力
営業マンはお客様のために商材を提案しますよね。
もちろんそれは”お客様の為”なのですが、それが顧客に伝わらなかったり、お客様が抵抗したりするケースもあるはずです。
そんな時に必要なのが説得力です。
営業活動における説得とは、お客様を丸め込むことではなく、あくまでも必要性を説いて、お客様に理解してもらうことを目的にしています。
ここで気づく人は多いと思いますが、営業活動における説得では、トーク力が関係ありません。
お客様に必要性を説く場合、「なぜこの商材を提案しているのか?」という部分を説明するので、誠実な話し方や相手の心に訴えかける伝え方が重要になるのです。
つまり重要なのは話の内容ではなく、言い方や伝え方なのです。
突然ですが「フレーミング効果」をご存知でしょうか?
「コップの水がまだ半分ある」と「コップの水がもう半分しかない」は、どちらもコップに水が半分入っている状態を指しますよね。
しかし状態が同じであるにも関わらず、前者が安心感やポジティブな印象を与えるのに対し、後者は焦りや不足といったネガティブな印象を聞き手に与えるはずです。
他にも、かつて金融機関のCMで使われたのが「給与の貯金額」です。
毎月20万円の給料だった場合、一人暮らしの社会人はカツカツの生活ですよね。
そのような人から「どうすればお金を貯められますか?」と質問された時のシチュエーションです。
その人に対して「収入の8割で生活してみなさい」とアドバイスすると、ほとんどの人が「それは無理だ」と答えるそうです。
それに対して、「収入の2割を貯金してみなさい」と言うと、多くの人が「できるかもしれない」と思うそうです。
このように伝え方を少し変えるだけで、受け手の印象はガラリと変わります。
セールスパーソンはこのような心理テクニックを使いこなすべきだと思います。
もし色々な心理テクニックを知りたい場合には、下の記事をご覧ください。
その➄:忍耐力
忍耐力を言い換えると「我慢する力」だと思います。
まず最初に伝えておきたいのは、お客様と喧嘩するメリットなんて一つも無いということです。
むしろデメリットばかりだと思います。
なので、お客様と喧嘩をしないために、時には我慢することも必要なのです。
横柄で失礼な態度取るお客様や、本質的ではないクレームを言われたとき、注意したり言い返したくなりますよね。
そんな時にも感情的にならず、一瞬でも冷静になって考えるべきです。
これはアンガーマネジメントと呼ばれていて、多くのビジネスパーソンが実践しているスキルです。
営業パーソンには必要不可欠な能力なので、もしやり方がわからない場合には下の記事をご覧ください。
無言の時間に耐える
商談をしていると、絶対に無言の時間があると思います。
例えばあなたが商品説明をして、それを一通りし終わった段階でお客様が無言になるのです。


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これは営業職にとって非常に辛い局面だと思います。
- 自分の説明では不満だったのか?
- 何か説明に不手際があったのか?
- 話が理解できなかったのか?
など色々な考えが頭の中をぐるぐる巡るので、とても不安になってしまうのです。
その結果、営業経験の浅い人は無言の時間に耐えられなくて、お客様を説得する為にベラベラ話し始めてしまいますが、そもそもなぜお客様は無言になるのでしょうか?
この部分さえ理解できていれば、きっと不安感は解消されるはずです。
お客様が無言になる理由とは、商品購入を真剣に考えているからです。
あなたが説明した内容を、自分の中で噛み砕きながら、購入すべきかどうか迷っているのです。
よって無言の時間とは、「購入に至るまでのハードル(心配事)を解消するための質問を考える時間」だと思いましょう。
お客様はどうすれば自分の心配事が解消されるか、一生懸命考えています。
その最中に、あなたがベラベラと話し始めたら、せっかく考えていたことも消え去ってしまいます。
そうするとお客様の心配事が解消されないので、結果的に購入まで至りません。
なので、もし無言の時間が訪れたとしても、決して心配することはなく、そこは忍耐で乗り切るべきだと思います。
30秒でも1分でも、忍耐強く待ちましょう。
無言の時間が長ければ長いほど、「お客様は真剣に購入を考えてくれているんだなぁ」と思えばいいのです。
そう考えれば、無言の時間など怖くありませんよね。
まとめ
ここまで営業力を強化する力について解説してきました。
どれも営業力を高めるために必要不可欠なスキルばかりなので、ここで紹介したスキルを絶対に身につけるべきだと思います。
たくさんの商談を経験して、たくさんトレーニングすれば、誰でも身に付くスキルばかりなので、ぜひトップセールスを目指して頑張って下さい。