アップセルのやり方とは?
アップセルの意味が理解できた人は、アップセールスが顧客にとって良いことだとわかったはずです。
しかし、アップセルすることは決して簡単ではありません。
例えば、アップセルするタイミングは、慎重に選ばなければいけません。
時間かけてじっくりと商品を選んで、いざ会計しようとした時に「こっちの方が性能が上なのでおすすめですよ」と後から店員に言われても、「そんなの今さら言わないでくれ!」と思うかもしれません。
逆に商品購入を諦めたときに「こっちの性能が高い製品はいかがですか?」と言われても、そもそも購入する気持ちになっていないので、その提案は邪魔なだけです。
このように、アップセルを成功させるためには、提案するタイミングが重要なのです。
アップセルする一番最適なタイミングだと言われているのは、商品を比較検討しているときです。
例えばパソコンの例であれば、デスクトップパソコンかノートパソコンにするかも決まっていないのに、性能の良いハイスペックPCを提案されても、お客様は困ってしまいます。
そうではなく、ある程度絞り込んだ段階でアップセルするが効果的だと思います。
パソコンの例で言えば、機種はパナソニックのレッツノートに決まって、後はメモリや CPUなどスペックの検討に入ったとします。
このような比較段階であれば、「性能が良くなると、どう違うのか?」という説明も聞きたいはずです。
なぜかと言うと、消費者は色々な選択肢を得た上で買いたいと考えるからです。
なので、最初からアップセル商品を前面に押し出すと、そのセールスは失敗することになります。
商品価値が分からない状態で高額商品を提示されても、見込顧客にはアンカリングができていないので、単純に「高い!」という感想しか抱かないからです。
何か比較するものがないと、性能の良し悪しは判断できませんよね。
そう考えた場合、まず先にベーシックな商品を出しておいてから、高額なアップセル商品を出す順番が良いと思います。
この時、ベーシックな商品ですら「私には高スペックだ!」と言われたら、ダウンセルするようにしましょう。
ダウンセルとは、アップセルと逆の言葉になります。
「なぜダウンセルするのか?」と疑問になるかも知れませんが、もしダウンセルについて知りたい場合には、下の記事をご覧ください。
アップセルするメリットとは?
アップセールスするメリットは顧客単価を上げられることでしょう。
アップセル商品は基本的に値段が高いはずなので、売り上げアップにつながります。
そして顧客単価アップにも繋がるので、営業効率も良くなるはずです。
セールスする時間はほぼ一定なので、顧客単価が2倍になれば、生産性も2倍になるということです。
また、アップセルすることで、顧客からの信頼を得やすいというメリットもあります。
アップセルをすれば、顧客には高性能な製品サービスが提供されることになります。
顧客からすると値段は高いですが、便利なものが手に入るので、結果的に顧客は高い商品を買って良かったと考えるはずです。
ただし、これは商材自体が良いものであることが前提になります。
もしアップセルで粗悪品を売ってしまうと、逆に信頼を落とすことになります。
なぜかと言うと、顧客からしたら単純に無駄な出費が多くなってしまうからです。
ベーシックの商品を買っておけばまだ良かったのに、勧められた高額商品を購入して、傷を広げたような感覚になるのです。
メリットの多いアップセルですが、使い方次第では逆効果になってしまうので、十分注意しましょう。