
営業管理はセールスを成功させる為に必要不可欠な業務だと思います。
そこで今回は、営業管理職やマネージャーに役立つ情報を解説していきたいと思います。
目次
営業管理する意味とは?
営業管理とは、売上目標を達成するために、管理者を決めて営業組織のマネジメントをすることです。
しかし営業管理のやり方は、商材や組織によってバラバラなので「こうすれば絶対に上手くいく」というモノはありません。
もちろん正攻法はあるのですが、ほぼ全ての営業現場でフルカスタムの仕組みが構築されているはずです。
営業管理を簡単に解説すると「営業組織をマネジメントする」ことになります。
このマネジメントが目指すものとは、
- 現在の仕組みや売上を維持すること
- さらに高いレベルの売上を目指すこと
の2つが挙げられます。
つまりマネージャー職には現状維持を必達とした上で、さらなる高みを目指すことが求められるのです。
その為に必要な業務は、
- 見込み案件の管理
- 営業スタッフの管理
の2つになります。
むしろこの2つをクロスボーダー的に管理するイメージになると思います。
営業業務を管理する
見込み案件を管理することによって、「どんな見込客がいるか?」が可視化されていきます。
見込顧客の全体像が把握できれば、
- 案件の重要性
- 必要な人員
- 受注の確度
- 売上見込み額
が導き出せるので、もし「見込み案件が足りない!」ということが判明すれば、先手を打つこともできます。
営業スタッフの管理も、営業戦略上はとても重要になってきます。
例えば、
- テレアポ件数
- 訪問件数
- 提案件数
- 失注数
- 受注数
などが可視化できれば、誰にどんな課題があるのか一目瞭然になってきます。
このデータを検証して、ダメな部分をテコ入れしていけば、自然に受注率や成約件数がアップしていくはずです。
このようなデータを管理するのは大変なので、SFAやCRMなどのソフトウェアやクラウドツールを導入するのが良いと思います。
営業管理する目的とは?
営業管理の目的には様々なゴールが設定されていますが、最終的には「売上アップ」というポイントに集約されていくはずです。
目標達成する為には計画を策定して、状況によって計画変更できる体制作りが必要になります。
それは、単純に目標達成度が低い営業スタッフを叱咤激励するというやり方ではなく、もっとロジカルなやり方でマネージメントする必要があると思います。
その時のポイントは、目標達成が遅れている原因を洗い出すことです。
- リストアップした見込顧客が間違ったのか?
- 営業マンのアプローチに問題があるのか?
- プロダクトに何か問題があったのか?
- 市場動向に大きな外的要因が働いたのか?
- 競合他社の動きはどうか?
などのいくつかの要因が思い当たるはずなので、これらを分析することも営業管理の一環なのです。
目標への進捗率が低すぎる場合は、場合によってはプラン全体を見直すことも必要になります。
なので、営業を始める前には、最初からリカバリープランを3つほど用意しておいた方が無難だと思います。
営業マンのモチベーションアップも必要
営業管理する目的は「営業目標を達成させる為」ですが、この目的達成の為に最も重要といえるのが「営業スタッフのモチベーション」です。
そもそもモチベーションが低いセールスチームでは、何をしても上手くいきません。
逆に、モチベーションが高い営業部隊には行動力があるので、失敗したとしてもなんとかリカバリーすることができます。
なので営業戦略上では、泥臭い話になりますが、各営業マンのモチベーションアップがとても大切になってきます。
このモチベーションアップさせる為には様々な方法がありますが、最もシンプルなものはインセンティブを提示することだと思います。
お金はシンプルですがストレートな動機付けになるので、とても分かりやすいと思います。
なので、歩合制やインセンティブ制を上手く活用して、営業スタッフのモチベーションアップを図ってみましょう。
CRMやSFAを活用しよう!
営業管理の現場では「CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」と「SFA(セールス・フォース・オートメーション)」という言葉をよく耳にします。
その意味とは、
- CRM=顧客管理ツール
- SFA=営業支援ツール
になります。
またMA(マーケティングオートメーション)という、マーケティング活動を支援するwebツールも営業支援ツールの一種だといえます。
現代はIT社会なので、これらのツールをフル活用することで、無駄のない営業戦略が実現していきます。
例えば、集客業務で利用するMAツールですが、その後の顧客管理や営業管理ではSFAやCRMに軍配が挙がります。
SFAは商談の開始からクロージング、成約に至るプロセスを可視化するシステムで、CRMとはお客様とのコンタクト履歴や顧客情報を管理する為のツールになります。
sansanのような名刺管理ツールもありますが、全てに共通しているのは「営業を管理する」ということです。
これらはいずれも独立したツールとして運営されていますが、実際には他ツールと機能が重複しているケースが多くなっています。
何を契約するかは商材サービスや企業の営業戦略によって異なりますが、多くても2つくらいを利用すれば、営業管理ツールとしては十分なはずです。
営業管理できる無料ツール
営業管理ツールは有料のサービスが多いですが、無料のツールもたくさんあります。
特にSaaSなどクラウド型のサービスではフリーミアム(無料提供)での提供が一般的なので、30日間の無料トライアルが当たり前になっています。
ただし、有料サービスと比較して、
- 機能が制限されている
- 利用人数が制限されている
- 利用期間が限定されている
などのケースがほとんどです。
なので、まずはトライアル(試用版)を使用してみて、良ければ有料版を契約するという流れの方が、仕組み作りには向いているかも知れません。
お試し版を利用する上で確認すべきなのは、
- 求める機能が実装されているか?
- 利用するのにストレスを感じないか?
- セキュリティ面は大丈夫か?
などのポイントになります。
無料版ではサポートが充実していませんが、そのことは逆に使いやすさを判断する目安になるかも知れません。
ツールによっては他社サービスとAPI連携することもでき、スマホアプリとして利用できるケースもあります。
代表的な顧客管理ツール
営業を管理することができるツールはたくさんありますが、その中でも代表的なツールをご紹介したいと思います。
まずは、外資系のツールですが「zoho crm(ゾーホー)」です。
無料版がありますが、3ユーザーまでしか使えない上、機能制限もあるので、中堅以上の企業での利用には力不足だと思います。
しかし、SFAとCRMの両方の機能を備えているので、試しに使ってみるとか、小企業での利用には便利でしょう。
2つ目は、Sales Cloud(セールスクラウド)です。
Sales Cloudは、世界No.1のCRM(顧客管理)・SFA(営業支援)プラットフォームを提供している米国のSalesforce社が提供しているクラウドツールです。
これには30日間の無料トライアル期間が設定されています。
それを利用して営業管理ツールの利便性を実感すると同時に、こうしたツールに対するスタッフの意見収集をしてみるのがおすすめです。
営業管理ツールの課題点
Microsoft Excelなどアナログツールから、ハイテクの営業支援サービスに切り替える企業が増えています。
しかし、営業管理ツールのSFAや顧客管理ツールのCRMを導入しても、それらの営業管理ツールを会社組織としてフル活用できている企業は実際少ないと思います。
営業あるあるみたいな話になってしまいますが、ほとんどのツールは導入した瞬間に満足されてしまって、その後の社内運用まで管理されることがありません。
むしろ、導入後にきちんと運用されている方がレアケースだと思います。
せっかく導入した高額なCRMを「社内の営業マンは全く利用していない…」なんてことは良くある話です。
つまり営業管理システムを導入することは、経営者の単なる自己満足でしかないのです。
でも、見込案件や既存顧客とのやり取りが履歴として管理されたり、取引情報が全営業スタッフに共有されることになれば、組織全体の営業力アップが実現できるかも知れません。
営業という仕事は、もともと属人性が高い仕事なので、その弊害として情報の占有化が起こってしまいます。
営業マンは社内に同期やライバルがたくさんいるので、できる限り自分の持っている情報を出さないように営業活動していますが、善人のフリして出した情報がきっかけになって、「同期がMVPを獲得!」なんて聞いた日にはイライラしてしまうはずです。
しかし、そのような感情を撤廃して”全社的に情報共有を行うことで営業活動の最大効率化を目指す”のが営業管理ツールです。
つまり、一人の成功ではなく、会社全体の成功を目指すという考え方になるので、従来型の営業手法に拘っている営業スタッフからは強い抵抗が予想されます。
また、営業管理ツールに情報入力することに対して、
- めんどくさい
- 時間の無駄
と感じる人もいるでしょう。
しかし、それらは営業組織を管理する為に「乗り越えなければいけない壁」です。
会社の経営者レベルから管理職、現場のスタッフに至るまで、全員が属人性を廃した「標準化した営業」になることで、初めて一枚岩の組織になれます。
属人性のある組織が「絶対悪」ということではありませんが、営業管理ツールを上手く活用することで、各個人が持っているスキルを、会社全体で共有して、営業活動を平準化することができます。
それをコントロールするのは、営業管理を行う管理職やマネージャーであり、経営者の仕事なのです。
まとめ
営業管理システムを導入して、上手く運用すれば、確実に営業活動が合理化されます。
これだけは絶対的な真理なのですが、営業マンはITリテラシーが低いので、どうしても現場は抵抗するはずです。
しかし、そこは経営者自らがミッションとビジョンを共有して、目指すべき営業組織について理解してもらうしかありません。
社内で情報が共有され、セールスノウハウまで平準化することができれば、相当強い営業チームになると思います。
これこそが「ビジネスモデル」になるので、是非そのような営業組織作りを目指してください。