法人営業(toB)は一般的な営業スタイルだと言われているので、多くの人が従事していると思います。
しかしなかなか結果が出せなくて、苦戦している営業マンも多いことでしょう。
そこで今回は、法人営業マンに求められるスキル&ノウハウについて解説したいと思います。
法人営業で結果を出すためのコツや、個人営業との違いについても触れていくので、セールスパーソンはぜひご覧ください。
目次
そもそも法人営業とは?
法人営業とは、企業に対する営業活動をいいます。
そのアプローチ対象は、事業法人、社会福祉法人、学校法人、医療法人、NPO(非営利団体)、地方自治体など多岐に渡ります。
その仕事内容も多岐に渡っていて、基本的なステップだけでも6つ以上あります。
- アタックリストの作成
- アポイント獲得
- 商談&打ち合わせ
- 契約手続き
- 納品手続き
- フォローアップ
他にも見込顧客の集客などもありますが、それはマーケティング担当者が行って、営業部はクロージングに専念しているケースもあります。
会社の営業方針によって様々ですが、中小ベンチャー企業では「一人の営業マンが全て担う」ことが珍しくないので、そのようなケースでは「営業マンが疲弊している…」ということになり得ます。
しかしその反面、何でも自分でこなすので、短期間で一気にスキルアップできるというメリットもあります。
この辺りは自分の求めるスピード感もあるはずなので、入社する前に営業スタイルや社風は確認しておくべきでしょう。
法人営業が活躍している業種&業界
法人営業が活躍している業種&業界、営業商材などは様々ですが、例えば銀行、IT、不動産、メーカーなどが挙げられます。
その中でもメーカー営業は代表的な営業スタイルと言われており、いわゆるメーカーの直販営業マンが日々新規開拓に勤しんでいます。
どの会社も法人営業は売上金額が大きくなるので、いわゆる「花形の営業職」と言われていて、多くの営業マンが憧れるポジションでもあります。
法人営業と個人営業の違い
法人営業と反対の営業スタイルは「個人営業(toC)」と呼ばれています。
この2つの違いは押さえておくべきポイントなので、ここで詳しく解説しておきたいと思います。
個人営業とは?
法人営業は前述した通りですが、個人営業とは個人宅向けの営業活動を指します。
個人営業といっても、
- 戸建て住宅
- マンション、アパート
の2種類があり、それぞれに攻略法や特徴が異なります。
基本的には飛び込み営業をしたり、テレアポからの訪問営業になりますが、商材やビジネスモデルによってはDM営業やインバウンド営業をしている会社もあります。
代表的な3つの違い
法人営業と個人営業で大きく違っている部分は、
- アプローチ対象
- 提案内容
- クロージング方法
が代表的です。
この3つについて詳しく解説していきたいと思います。
アプローチ対象
アプローチ対象とは、ズバり「個人 or 法人」という話です。
このアプローチ対象が違うということは、アプローチ方法も大きく異なってきます。
例えば、個人営業では飛び込み営業が数多く実施されていますが、法人営業ではあまり見かけなくなりました。
大都市圏の法人では、入り口に「飛び込み営業お断りします」という張り紙が貼られているので、ほとんど実施できなくなっているのです。
提案内容
提案内容とは”提示条件”とも言い換えられますが、お客様に提示する条件(又はプラン)のことをいいます。
取引開始する為には、その条件をフィックスさせなければいけません。
例えば、
- 納品個数
- 返答期日
- 予算額
などが含まれますが、法人よりも個人の方が規模感が小さくなります。
クロージング方法
クロージングとは、契約するか否かを決めてもらう作業のことをいいます。
個人営業のクロージングでは、その場で契約獲得する即決営業がセオリーですが、法人営業の場合には難しいのが現実です。
法人は社内稟議を出して、担当役員から承認されないと契約できません。
なので、クロージングトークやセールストークも必然的に変わってくるのです。
法人営業のコツ
法人営業(BtoB営業)のコツは決裁者(キーマン)を探し出すことです。
これこそが法人営業で新規開拓する時の”コツ”だと言えます。
逆説的に言うと、決裁者を見つけられない限り、法人営業で結果を出すことは絶対にできません。
これは法人営業のポイントになるので、必ず理解しておきましょう。
法人営業における決裁者を見つけるコツは、「しつこいくらいにヒアリング」することです。
法人営業では、ヒアリングを重視することで、社内の関係性を把握することができます。
この時に絶対聞き出すべきポイントは、
- 予算について(相見積もり含む)
- 担当部署の人数について
- 導入予定時期について
の3つになります。
この3つが聞ければ「見込度合い」と「キーマン」が炙り出せます。
この辺りについて、順に解説していきたいと思います。
予算について
予算とは、サービス導入についての「予算を確保する」ことをいいます。
つまり、この予算が確保できていないということは「見込み度合いも低い」ということになります。
企業の予算編成は
- 大企業であれば年1回~年2回が普通
- 中小企業であれば年2回~4回ほど
なので相手が大企業なのであれば、決算月を把握するということが営業戦略上、とても重要になってきます。
もし大企業に提案したいのであれば、その決算月の2ヶ月前くらいには見積もりを提出しておかなければ間に合いません。
なのでストレートに「既に予算は確保されてますか?」と聞いても問題ありません。
もしカドの立たない言い方をしたいのであれば、「ご発注いただく予算はどれぐらいでご検討されてますか?」という聞き方が良いでしょう。
これは「ローボールテクニック」や「フットインザドア」と呼ばれる交渉術です。
セールスパーソンが身に付けておくべき心理テクニックなので、まだ知らない人は下の記事をご覧ください。
また、複数の企業に見積もり依頼する「相見積もり」をしているかどうかも、ちゃんと確認しておきましょう。
本気で受注したい場合には、相見積もりしている会社名もヒアリングしておくべきでしょう。
その中に、もしあなたの会社よりも強いライバル企業がいた場合、大胆な提案をしなければ勝てる見込みがないので、それも含めて営業戦略になるはずです。
担当部署の人数について
担当部署の人数は「相手の会社組織」を把握する為に必須と言える情報になります。
キーマンを探し出す為には、相手の会社組織を把握しなければいけません。
例えば、大企業の新商品であれば、意外と5人くらいで立ち上げをしているケースもあります。
すると、そのキーマンは部長ではなく、課長というケースもあります。
しかし、100名以上の営業部であれば、キーマンは社長か事業責任者が普通だと思います。
これらをヒアリングする時には、社内決済のフローも同時に聞いておいた方が無難でしょう。
聞いてマイナスになることでなければ、何でも積極的にヒアリングする姿勢が大事だと思います。
導入予定時期について
導入予定時期とは、提案している商品サービスの導入予定時期をいいます。
これが具体的であればあるほど、見込み度合いは高くなります。
逆に曖昧であるほど、見込み度合いが低くなります。
なので、導入予定時期を聞くことで、労力を掛けるべき対象か否かが判断できるようになります。
これをヒアリングしておかないと、見込み顧客の交通整理ができないので、効率的な営業活動が実現できません。