営業職の人であれば「アライアンス営業」という言葉を聞いたことがあると思います。
直販営業とは違うスキームなので、まだ経験したことが無いかもしれませんが、実は「ビジネスグロースさせる為には、非常に重要な営業活動」だと言われています。
そこで今回は”アライアンス営業”にフォーカスしてみたいと思います。
目次
アライアンス営業とは?
アライアンス営業を簡単に言えば「協業先を探す営業活動」になりますが、そもそも「アライアンス」という言葉の意味は、英語で「提携」「同盟」などの意味を持ちます。
その業務内容は多岐に渡っていて、アライアンス先の選定や調査、提携における条件交渉、契約締結、フォローアップまでを一貫して行う営業活動となります。
基本的な流れは直販営業とあまり変わりませんが、「目的が違う」というのがポイントになります。
直販営業の目的:製品・サービスの販売
アライアンス営業の目的:販路拡大、付加価値の向上、サービスレベルの向上 etc.
このように、直販営業の目的が”セールス”であるのに対して、アライアンス営業の目的はかなり幅広くなっています。
アライアンス営業と代理店営業の違い
アライアンス営業の目的の中には「販路拡大」があるので、代理店営業と混乱する人が多いと聞きます。
確かに”販路拡大”であれば、代理店営業と変わらない気がするので、その違いを見分ける必要がありそうです。
代理店展開とは、販売チャネルを増やしたり、営業リソースを確保するために行われるので、まさに「販路拡大」を目的とするやり方だと思いますが、そう考えた場合「アライアンス営業と何が違うのか?」と疑問に思っても不思議ではありませんよね。
そのような場合には、まず下の図をご覧ください。
この図を見れば一目瞭然ですが、実はアライアンス営業の中に”代理店営業”が内在している構図になっているのです。
このような状態なので、一般的にアライアンス営業と代理店営業の区別がつきにくくなっているのだと思います。
ちなみに、代理店営業のことを「パートナーセールス」と表現することがあります。
「パートナー」というのは「提携先」「協業先」という意味合いを含めるので、このニュアンスはアライアンスという言葉に近いでしょう。
アライアンス営業の目的とは?
先ほどアライアンス営業の目的は、販路拡大、付加価値の向上、サービスレベルの向上 etc.…
このようにお伝えしました。
先程も解説したので「販路拡大=代理店展開」だと理解できたはずですが、その他の「付加価値の向上」や「サービスレベルの向上」とは、具体的にどのようなシチュエーションを指すのでしょうか?
まず「付加価値の向上」ですが、こちらはサンプリングなどが代表例だと思います。
例えばレストランへ行った時、お子様セットに新しく公開される映画のおもちゃが付いてきたとします。
このおもちゃは広告宣伝(PR)の一環として提供されているので、基本的には映画配給会社がそのコストを負担しています。
つまりレストランのアライアンス営業が、映画配給会社に出向いて、「弊社で提供しているお子様セットにおもちゃを付けませんか?」という営業をしているのです。
このような営業スタイルは「企画営業」と呼ばれていますが、行っている実態はアライアンス営業だと思います。
そして「サービスレベルの向上」とは、ITサービスに例えると分かりやすいと思います。
例えばフリーランス向けのお仕事紹介サービス(求人サービス)があった場合、フリーランスを支援する他のサービスも提供した方が良いですよね。
なので「フリーランス向けの保険」「フリーランス向けの報酬先払いサービス」「フリーランス向けのバーチャルオフィス」などが提供できるように、各社へ働きかけるのです。
ちなみに、弊社(WEBX Inc.)も営業フリーランス向けのお仕事情報サイトなので、勿論そのようなサービスへアライアンス営業を行い、色々な提携をしています。
「○○のユーザーであれば10%OFF」などの特典をつければ、さらに協業の効果しやすくなるはずです。
>>フリーランスのお仕事情報サイト|side bizz(サイドビズ)
アライアンス営業は難しい…
世間一般的には「アライアンス営業は難しい」と言われています。
このように言われてしまうのには、きちんとした理由があります。
それは、直販営業のようなパッケージ型のソリューションになっていないことが原因です。
アライアンスは「業務提携」になるので、決して型にハマった営業スタイルにはなりません。
つまり、その場での臨機応変な対応が求められるのです。
例えば、あなたは”求人サイトのアライアンス営業マン”で、下の2つの企業へ業務提携の提案を行うとします。
企業A:スタートアップへの投資(出資)をメイン事業にしているベンチャーキャピタル。
企業B:不動産の仲介会社。全国チェーンなので、色々な賃貸契約に対応可能。
この企業Aと企業Bに対するアライアンスは、どのような提案が良いでしょうか?
もちろん「これが答えだ!」というつもりはありませんが、この2社に対するアライアンス提案を解説したいと思います。
例①:企業Aに対するアライアンス提案
企業Aはベンチャーキャピタル(VC)です。
スタートアップへの投資をメイン事業にしているので、きっと求人サイトとの相性が良いと思います。
つまり、スタートアップとは「VCなどから出資を受けて、短期間で事業成長を目指すビジネスモデル」という定義なので、必然的に求人ニーズが高まりやすいということです。
なので「紹介代理店」と呼ばれるトスアップ型のパートナーになってもらうのが一番良いでしょう。
例えば想定されるシチュエーションは、VCの担当者が出資先と打ち合わせしている時、「今後、事業成長させる上での課題感はありますか?」という質問をしたとします。
その時に出資先から「組織をマネジメントする人材が不足している…」という課題感を聞いた場合、VCの担当者だけでは解決できませんよね。
そんな時に、求人サイトを運営しているあなたを紹介するのです。
そうすればスタートアップ企業の課題は解決され、VCもイグジットが近づくので、双方にとってメリットがあると言えます。
例②:企業Bに対するアライアンス提案
企業Bは全国チェーンの不動産仲介会社です。
一見するとシナジーがなさそうに思えますが、「付加価値の向上」という観点ではお互いにメリットがあると思います。
例えば求人情報を見ている求職者は、基本的に”自分が住んでいるエリア”の求人しか見ません。
しかし、本当は全国の求人情報を見た方がいいと思います。
なぜなら「近所の仕事」を探すのが就職活動の本質ではなく、「自分のやりたい仕事」を探すのが求職だからです。
なので、不動産会社と提携して「住まいのサポート」まで行えば、自分が住んでいるエリア以外の求人情報も見てくれる可能性が高まります。
例えば東京に住んでいる求職者だったとしても、北海道や福岡の求人情報を見る可能性だってあるということです。
そのために必要なのは「住まいのサポート」なので、以下のような特典を付けるアライアンスが良いでしょう。
求人サイトの登録ユーザーであれば、敷金&礼金ゼロ円
このようなアライアンスが締結できれば、もしかしたら居住エリア外も”就職先候補”として検討してくれるかもしれません。
さらに引っ越し業者と提携して、「引っ越し費用を半額にする」などのサポートまで行えば、さらに加速することでしょう。
この時に重要なのは、「アライアンス先にもメリットがある提案をする」ということです。
先ほどのように「求人サイトの登録ユーザーであれば、敷金&礼金ゼロ円」という施策を行う場合、不動産仲介会社にとってはどのようなメリットがあるでしょうか?
もちろん新規顧客の集客につながるので、「仲介手数料=売上」に繋がる可能性があります。
そして引っ越し業者にとっても、新規顧客の集客につながるのですが、単純に半額にすると、利益率も下がってしまいます。
なので、求人サイトを運営しているあなたの会社が、値下げ分を負担したり、双方で折半(半分に分けること)したり、色々なやり方を考えなければいけません。
アライアンス営業をする場合には、決して一方的な要求だけを突きつけないように注意しましょう。
アライアンス営業のやり方
ここまでアライアンス業について解説してきたので、ある程度はその仕組みが理解できたと思います。
それらを加味すると、アライアンス営業やり方とは「アライアンス先のメリットを追求した営業」ということになります。
「どうすればアライアンス先が儲かるのか?」「どうすればアライアンス先のメリットが最大化できるか?」ということを追求するのですが、もちろん自社のメリットも追求しなければいけません。
さらにお客様のメリットまで追求するため、一般的な直販営業よりも難しいと言われているのです。
つまり直販営業の場合には「自社のメリット+お客様のメリット」だけを追求すれば良いのですが、アライアン営業の場合には「自社のメリット+お客様のメリット+アライアンス先のメリット」という具合になるのです。
登場人物が多くなる故に、アライアンス営業の場合には”営業難易度”が高くなるということです。
しかし「お客様(又は取引先)の課題を解決する」という営業活動には変わりありません。
本質的な部分は一緒なので、そこまで肩に力を入れる必要はないと思います。
直販営業よりも難易度が高い営業スタイルが「アライアンス営業」なのだと理解しておきましょう。
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