「営業の仕事はきつい…」と思っている営業パーソンはたくさんいると思います。
その理由は様々だと思いますが、営業という仕事独特のプレッシャーが要因になっていると考えられます。
そこで今回は、営業職が辛いと思う理由や原因を解説していきたいと思います。
目次
営業が「きつい」と言われる理由
営業職として配属された場合、多くの人が「この仕事はきつい…」と口を揃えて言うはずです。
それでは、なぜ営業職がきついと言われるのでしょうか。
その理由とはズバり、「営業ノルマがきつい」からです。
営業では”ノルマ”と呼ばれる仕事上の目標を定める企業がほとんどになります。
ノルマには「受注ノルマ」や「売上ノルマ」など様々な指標が存在しており、ノルマを達成できなければ上司から叱責されたり、怒られたり、酷い時には休日出勤やサービス残業をしてまで挽回しなければいけません。
よく、就職活動で「ノルマが嫌だから営業職は無理!」と言われてしまうのは、このような悪いイメージが先行しているからだと考えられます。
営業職はストレスが溜まる
営業職という仕事は特殊なので、向いている人とそうでない人がいます。
これはあくまでもざっくりとしたイメージですが、以下のような感じになると思います。
- 営業職に向いている=ノルマ達成できる
- 営業職に向いていない=ノルマ達成できない
社交的かどうか、陽キャかどうか、など様々な要素はありますが、結局は毎月のノルマが達成できていれば「営業職に向いている」と言っても過言ではないでしょう。
逆に営業職に向いていない人はノルマが達成できず、周囲に迷惑をかけることになります。
また、訪問営業をしても相手に避けられたり、怒鳴られたりすることもあるので、「自分は嫌われている…」とネガティブに感じてしまうかも知れません。
営業という仕事は、体力だけでなく精神的にも辛い仕事なので、中には「もう辞めたい」「やりたくない」と思っている人も多いはずです。
しかしお金を稼がなければ生活できないので、なかなか辞められずにいるというのが実態だと思います。
営業職はしんどい…
営業職は孤独な仕事なので、周囲からのサポートがほとんどありません。
つまり、自分のノルマは自分自身で達成するしかないのです。
また、仕事量に対してインセンティブの割合が低く設定されている会社が多く、営業マンにとっては不満が多いのも事実です。
ただし、全ての営業がきついという訳ではありません。
業種業界によって営業の辛さは全く違っているので、決してひとくくりにして考えるべきではないと思います。
個人宅への飛び込み営業はきつい
飛び込み営業とは、いわゆるアポなし訪問を意味しています。
お客様の元へ訪問する場合、基本的にアポイントを取るのが一般常識なのですが、個人宅の場合にはアポイントを取らない「飛び込み営業」を実施することがよくあります。
これは、営業マンから見ると効率的な側面がある一方で、飛び込み営業される側から見ると迷惑極まりないという両面を持っているので、使い方には注意しましょう。
個人宅への飛び込み営業は迷惑行為なの?
飛び込み営業は、数ある営業スタイルの中で最もしんどい営業手法だと言われています。
飛び込み営業をする際は「当たって砕けろ」の気持ちで訪問しますが、いざインターホンを押してみると「顧客との会話が続かない…」ということがよくあります。
営業シークのさの編集長も、これまで色々な飛び込み営業を経験してきました。
※下記はさの編集長が飛び込み営業して実際に経験したことです。
- 運よく1,000万円の契約を即受注した!
- 「頑張っている若者を応援したい」と契約してもらえた!
- インターホンを押したら、相手が木刀を持って出てきた…
- 飛び込み営業した先がヤクザの組事務所だった…
- 飛び込み営業したら「酒に付き合え」と言われてビールを飲まされた…
これらは飛び込み営業のあるある話かもしれませんが、このようなエピソードは数え上げればキリがありません。
また、営業マンの中には話すら聞いてもらえず、不審者扱いされた経験のある人もいるのではないでしょうか。
さの編集長が実際に経験したエピソードとしては、飛び込み営業して色々話ができたのに、その後会社へ帰ってみると上司から「女性の○○さんって人から在籍確認の電話があったよ」と言われたのです。
その○○さんは、ついさっき飛び込み営業で話していた人だったのでちょっとショックでしたが、よくよく考えてみると「真剣に取引を考えているから在籍確認をしたのではないか?」という発想に至りました。
実際にその後も継続アプローチをしたところ、無事に新規契約となりました。
アポなしで個人宅に訪問するということは、相手にとっては”突然の訪問者”ということになります。
つまり、不審者でしかないのです。
個人宅によってはセールスお断りなどの張り紙があるところもあり、個人宅への飛び込み営業は迷惑がられてしまうのです。
成果に繋がりにくい
個人宅の飛び込み営業がきついと語られるのは、営業件数に対して成果に繋がる可能性が少ないということがあります。
訪問の場合は「実際に会って話しができる」というメリットはありますが、そもそも話しすら聞いてもらえず門前払いを受けることがほとんどなのです。
セールスしたいのに見込み案件すら獲得できなければ、上司から「仕事をサボっていたのか!」と怒鳴られるハメになるでしょう。
そのような理由から、個人宅の飛び込み営業はきつい営業スタイルだと言われています。
そのようなきつい営業スタイルを卒業したい人は、参考までに下の本を読んでみてください。
きっとヒントが見つかるはずです。
法人営業はきつい
法人営業も辛い営業スタイルの一種だと言われていますが、法人営業の場合には、飛び込み営業のようなアポなし訪問をするのではなく、きちんとアポ取得することが大前提になります。
なぜかと言えば、法人の場合には仕事がスケジュール管理されているので、個人ほどスケジュールの自由度がないからです。
その為、突然の飛び込み営業(訪問者)は、ほとんど対応されることがありません。
また、法人営業は個人宅への営業と違って売上規模が大きく、クライアント側の担当者と信頼関係を構築しなければいけないので、相手の気分を損ねないように動く必要があります。
もし信頼関係が構築できなければ、結局は売上に繋がらない為、営業マンにとっては大きなプレッシャーになるでしょう。
そこに上司からの圧力も加わることを想像すると、大きなストレスになることが容易に想像できるので、「できればやりたくない仕事」と思う営業パーソンが多いのです。
BtoB営業の流れ
法人営業では売上に繋がるまでにいくつかの関門があります。
まず最初の関門は”受付突破”になります。
面倒な受付が突破できれば、次に担当者と商談することになります。
そこで良い提案ができれば、新規プロジェクトとして採用されるのですが、上層部(役員会など)へいく前に、担当者から「いらない」と言われればそこでおしまいです。
担当者をクリアした段階で、やっと上層部に案件がもち込まれ、そこで初めて社内検討されるのです。
法人営業は個人の感情だけでは受注に至らず、役員会に案件が持ち込まれなければ話になりません。
社内検討されて、初めて受注できるという希望が見えてくるということです。
法人営業では接待が大切
法人営業では顧客との人間関係や人付き合いがとても大切になることは周知の事実だと思います。
クライアントと良い関係を築くために、今でも接待をする企業は少なからずありますが、接待は基本的に業務時間外に行われることが多いので、これはいわゆる「サービス残業」に該当します。
「サービス残業」というだけでもやりたくないですが、営業成績を上げる為の接待であれば仕方がありませんよね。
その結果、仕事の拘束時間が多くなってしまい、相対的にプライベートの時間が少なくなっていきます。
このような事情から、飛び込み営業だけでなく、法人営業も「できればやりたくない仕事」と言われているのです。
営業が辛いランキング
営業の種類は様々ですが、業界や職種によってその辛さや厳しさは異なります。
そこで「一体どのような営業スタイルが辛いのか?」というのを独自ランキングにした【辛い営業ベスト5】をご紹介していきたいと思います。
第5位から順に解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
※ランキングは営業シーク調べです。
第5位:ルート営業
第5位はルート営業です。
ルート営業とは、既に取引を開始している既存顧客への訪問営業になります。
ルート営業では、顧客のアフターフォローや新商品の提案などを行っており、営業職にありがちなノルマが設定されていないことが多いです。
ルート営業については下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
第4位:代理店営業
第4位は代理店営業(パートナーセールス)になります。
代理店営業は営業職の中でも特殊な仕事で、その業務は主に2つあると言われています。
1つが自社商品を販売してくれる代理店を探すこと。
もう1つが既存の代理店をフォロー&サポートすることになります。
営業ノルマのないケースもありますが、複数の顧客とやりとりする、一般的には「激務」だと言われています。
代理店営業については下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
第3位:個人向け営業
第3位は個人向け営業です。
個人向け営業とは個人顧客を対象にした営業で、代表的なものには保険や証券などの金融業があります。
個人向け営業は電話だけでなく、訪問することが多くなるので「体力的にきつい営業」と言われています。
また、気まぐれな個人を相手にするので大変ストレスが溜まるそうです。
第2位:テレアポ営業
第2位にはテレアポ営業が入ります。
テレアポ営業は、見込み顧客に電話をしてアポイントをとることが仕事になります。
テレアポでは特殊スキルが求められるので、決して誰でも簡単にできる仕事ではありません。
相手の表情を確認できない”電話”を駆使することが特徴なので、手探りの営業となり、非常にストレスが溜まるのです。
また「電話をかける」という単純作業が苦手な方には苦行の極みかもしれません。
テレアポ営業については下の記事でまとめているので、ぜひご覧ください。
第1位:飛び込み営業
第1位は圧倒的だと思いますが「飛び込み営業」です。
やはり、飛び込み営業は”辛い営業スタイルの王様”とも言える存在です。
ここまでお伝えしてきた通り、飛び込み営業はアポなし訪問して、自社の商品などを売り込むセールス活動になります。
新規開拓で疲労しきった身体で帰社すると、上司から「今日の成果を教えて」と言われ、ノルマが達成できていなければ激詰めされることになるので、体力だけでなく精神的にも辛い仕事だと言われています。
そういった観点では、長い間飛び込み営業を続けられる人は、営業職としての適性がある人だと思います。
営業をやりたくない場合
ここまで営業がきついと言われる理由をいくつか紹介してきました。
人間だれしもセールスが得意という訳ではありません。
営業が得意な人もいれば、苦手な人もいるということです。
もし営業が嫌で、仕事を辞めたいと考えているのであれば、早めの決断をすることも大切だと思います。
たとえ辞めないという判断をした場合でも、部署異動ができないか上司に相談すれば、転職しなくて済む可能性もあります。
精神的に疲れた状態で営業をしても、結果はついてきませんし、決して上手くいきません。
そもそも仕事が楽しくありません。
別の営業職に転職するというのも一つの選択肢ですが、ジョブチェンジするという選択肢もあるので、もし自分の可能性を探っている段階なのであれば下の書籍を参考にしてください。
辛いなら転職も検討する
人間は嫌なことをし続ければ、身体だけでなく精神的にもまいってしまいます。
そんな状態で仕事を続ければ、いづれ精神的なストレスでうつ病を発症するかもしれません。
他の営業マンからすれば、「自分だけが辛いと思うなよ!」とか「甘えるな!」と思われるかもしれませんが、自分に合わない仕事を続けることは決して生産的ではありませんし、前向きな働き方とは言えませんよね。
そんな時には、「退職する!」ことも立派な決断だと思います。
世の中には多くの人が転職を経験していますが、転職する年齢は若いのに越したことがありません。
年齢を重ねれば重ねる程、転職はしづらくなるからです。
また、転職先の面接で志望動機は必ず聞かれるはずですが、その際に「営業が嫌なので…」とか「自分は営業に向いていない…」などと決して言ってはいけません。
そのような志望動機はネガティブなので、常に前向き思考で行動しましょう。
営業職を辞めることも、続けることもあなた次第です。
まずは自分が何をしたいのか考えて、じっくり慎重に行動しましょう。
前職では「ダメ営業マン…」と言われていたのに、「転職したらトップセールスになれた!」なんてケースも実際ある話です。
要するに職場環境や商材との相性もあるので、一概に「ダメセールス」とレッテルを貼ることはできないということです。
「自分には可能性があるんだ!」と信じて、何事も前向きに取り組みましょう。