アポイント代行というサービスをご存知でしょうか?
営業アウトソーシングに活用されているサービスですが、「営業代行との違いが分からない」というケースも散見されます。
そこで今回は、気になるテレアポ代行の料金体系やアポイント代行の仕組み、そして営業代行サービスとの違いについて解説していきたいと思います。
目次
アポイント代行とは?
テレアポ代行は営業代行サービスの一種になります。
クライアントから商談セッティングの依頼を受けたテレアポ代行会社が、アウトバウンド営業を実施して、商談実現に向けて日程調整などを行ってくれるのです。
もちろんアウトバウンド営業する際にはクライアントの会社名でテレアポするので、お客様にはテレアポ代行会社だとわからないようになっています。
しかし、あくまで商談成立を目指す営業支援サービスなので、その案件が受注できるかどうかはクライアントの商材力や営業力次第だと思います。
アポイント代行を提供する会社は全国にありますが、それぞれ特色があったり、強みを持っているので、全く同じサービスはないかもしれません。
アポイントが提供される仕組みは、テレアポ代行会社が時給1,500円ほどでアルバイトを採用して、そのアポインターにテレアポ営業を実施させるのです。
なので、営業代行サービスは意外に泥臭くて「労働集約型」だと言われています。
つまり、人に依存するビジネスモデルなのです。
このアルバイトが、商材に応じた顧客リストに対して架電(アウトバウンド)を行い、1時間で単価1万円以上のアポイントを最低1件以上獲る…というビジネスモデルになっています。
つまり1時間あたりであれば、以下のような計算式(収益モデル)が成り立ちます。
10,000円-1,500円=8,500円
これはあくまでも1時間あたり一人が1件のアポイントを獲得したという前提ですが、このアポインターの人数が「10人なら85,000円」「100人なら850,000円」と粗利が増えていくのです。
アポイントの質にばらつきがある
テレアポ代行会社のアポインターが「テレアポ職人」であれば良いですが、電話営業の未経験者が架電をしているケースもあるのです。
そのような場合は、受注に至るアポイントメントが取れる保証などありませんが、それを調整しているのが、アポインターを取りまとめるテレアポマネージャーの存在です。
とはいっても、テレアポ代行で働く人はほぼ全員アルバイトなので、取れるアポの質にはばらつきがあるものだと理解しておきましょう。
マネージャーがどんなに敏腕でも、相手は所詮アルバイトです。
売れない役者や芸人、バンドメンバー、昼職に転職したい元キャバ嬢など、ある程度セールストークに自信のある人が働いてますが、アポ質が劇的に向上することはそれほど期待できません。
成果報酬型なのでコスト削減になる
ほとんどのテレアポ代行会社では、アポ取りを始める前に研修を実施しています。
なぜかと言うと、クライアントの商材サービスに対する知識をインプットしなければ、アポイント獲得できないからです。
依頼するクライアント側としては、アポイント代行会社を利用することによって、自社の社員にアポ取りをさせる時間や手間が無くなり、直販営業がアポ取り後のクロージングだけに専念できるというメリットがあります。
テレアポ業務をアウトソーシングすることにより「コスト(外注費)が増えるのでは?」と考える人もいますが、多くのテレアポ代行会社では成果報酬型の料金体系が採用されているので、余分なコストがかかる心配はありません。
なので、テレアポを外注することで、基本的にはコスト削減につながるはずです。
アポイント代行と営業代行の違い
アポイント代行と似た言葉に「営業代行」という言葉があります。
この二つの関係性を解説しておきたいと思います。
まず営業代行という言葉が一番外郭にあって、その言葉の中に「テレアポ代行」という言葉が内在しているという理解で良いでしょう。
そしてこの二つの一番大きな違いは業務内容にあります。
アポイント代行を提供している会社では、新規アポイントの獲得までが主な業務になっています。
つまり製品サービスに適した見込み客の掘り起こしまでしかやらないので、そのあとクロージング業務や、受注に結びつくかまではコミットしていません。
しかし営業代行サービスでは、見込み顧客の掘り起こしや、受注までコミットメントしてくれるケースもあるので、顧客の要望に応じてフルカスタマイズできることが特徴的です。
なので営業アウトソーシングはもちろんですが、クライアントの事務所に常駐するスタイルや、既存顧客のフォローアップまで依頼することもできます。
どちらにしても、事前の打ち合わせが非常に重要になってくるでしょう。
営業代行で起業&副業する人も多い
営業活動を外部に委託(アウトソーシング)したい企業は多いと思いますが、昨今のフリーランス化の流れがあって、個人が営業代行を請け負うケースも多くなってきました。
これは働き方改革の影響とも言えますが、パラレルワークやパラレルキャリアを会社員が求めだした結果でもあります。
そもそも営業職というのは就業人口が最も多い職種なので、フリーランスとしてのポテンシャルが最も大きいマーケットだともいえます。
しかも営業代行サービスであれば「原価はゼロ」なので、独立開業する上でも最適だと言われています。
そう考えた場合、フリーランスの営業人材を探すというやり方もきっとあるはずです。
フリーランスであれば事業法人(=営業代行会社)に発注するよりも、格安なのに同レベルのサービスが利用できるはずです。
そのような人材が見つかるリファラル営業サイトも出てきました。
リファラル営業とは紹介営業を意味する言葉で、持っている人脈・販路に対して口コミ営業するやり方のことをいいます。
その口コミの中で興味ある人が出てきた場合、クライアントに見込案件として引き継いでくれるのです。
これはアポイント代行の仕組みと非常に似ていますが、「持っている人脈・販路に限定する」という部分が大きく異なります。
もちろん一般的なアウトバウンド営業よりも受注率が高くなるので、上手く使えばテレアポ代行よりも効果的だと思います。
テレアポ代行の料金は成果報酬が多い
先ほども少し触れましたが、テレアポ代行業者の多くは成果報酬型の料金体系を採用しています。
成果報酬型とは、ある所定の成果に達した場合のみ、報酬の支払いが発生する契約形態のことを言います。
そして、アポイント代行で設定される成果ポイントとは、多くのケースで「商談成立」となっています。
この商談成立というのがキモなのですが、ほとんどのケースでは「座って話ができた」というのを商談成立と定義しています。
なので、受注したかどうかは関係がなく、製品サービスの案内さえできれば、それで商談成立となるのです。
そして気になる料金ですが、初期費用0円というケースが多く、アポイント(=商談成立)1件につき10,000円~50,000円ほどの成果報酬が一般的です。
成果報酬にレンジがあるのは、アポイント獲得の難易度が違うからです。
例えばアポイントが取りやすかったり、商談に進みやすい商材、人事担当者などアポイントが取りやすい場合には、少ない成果報酬でもOKのはずです。
しかし経営者に提案する商材や、開業医との商談セッティングは難易度が高い為、その費用も高額になってしまいます。
悪徳業者に注意しよう!
アポイント代行を請け負ってくれる会社は全国にたくさんありますが、その一部には悪徳業者が紛れ込んでいるので注意しましょう。
テレアポ代行というサービスでは成果報酬体系が多いので、アポイントが成立しなければお金になりません。
よって、この数を最大化させることだけに集中している業者もいるのです。
そこで業者(=テレアポ代行会社)にとっての問題になるのが、「どうすればアポイント成立を最大化できるか?」ということです。
その答えはとてもシンプルで、話を聞いてくれる人をリスト化すれば良いのです。
実はアポイント代行会社には「必ずアポイントが取れる担当者リスト」が存在しています。
あなたの会社にもいるかも知れませんが、営業アポイントを断らない人のリストです。
アポイント代行会社がアウトバウンド営業を実施する中で、毎回アポイントが取れる暇な人が必ず見つかります。
この人をリスト化しているのです。
このリストでは、どの会社のどの部署の誰というところまでが記載されています。
このような人は大抵ヒマな人であり、総じて決裁権も持っていません。
しかし仕事している感じを出したいので、外部からのテレアポをほぼ100%受け入れてくれるのです。
このような人は、テレアポ業者にとってまさに金の卵と言えるでしょう。
よって「顧客獲得コストは10万円」などと聞けば、このような暇人をテレアポ代行会社は必ず紛れ込ませてきます。
顧客獲得コストとは、1件受注する為にクライアントが投資できるコストのことを言います。
例えば売価100万円の商材であれば、そのうち「10万円はコストとして投資できる」というような具合です。
アポイント代行業者と商談すると、この顧客獲得コストを必ず聞かれることになります。
アポイント代行業者もビジネスなので、もし「顧客獲得コストは10万円」と聞けば、10万円ギリギリで効果が出るように調整してくるのです。
つまり本来は「顧客獲得コスト3万円」に抑えられたとしても、無駄なアポイントを紛れ込ませて10万円ギリギリにもっていくのです。
これを「悪徳な営業代行会社」と言うかは微妙なところですが、「クライアントの費用対効果を最大化する」という側面には反しているので、決して誠実な代行業者とは言えないでしょう。
この部分はブラックボックスになっているので、クライアントがいつの間にか損をしているという状態にもなりかねません。
このような無駄なコストが発生してしまうのを避けられないのが、アポイント代行の欠点であり落とし穴だと言えます。
成果報酬ゆえに脇が甘くなりがちですが、発注する側が注意すべきポイントと言えます。
特に難易度が低いのに顧客獲得コストが高い商材は、アポイント代行会社のカモにされがちなので注意しましょう。
法人向け商材と相性が良い
アポイント代行を依頼する場合は、法人向けのBtoB商材がおすすめです。
個人向けの商材の場合は、単価が安く、外部にアウトソーシングするにしても費用面で割に合わないケースが多いのです。
また法人相手の架電とは違い、個人宅への架電は不在が多かったり、相手が気まぐれだったりするので、効率的なアポ取りが難しいケースもあります。
そのようなアポイント代行依頼は業者が儲からないので、そもそも受けたがりません。
その反面、法人営業であれば業務時間中(昼間)は必ず繋がりますし、アポイントも取りやすいのです。
まとめ
テレアポ代行を利用するにはコストが発生しますが、費用対効果が合いそうなら積極的に活用すべきだと思います。
なぜかと言うと、見込み顧客の最大化につながっていくからです。
営業代行を上手に活用すれば、自社の営業マンにアポ取りさせる必要もなくなり、成約に向けたクロージングの準備や資料作成だけに集中できます。
結局それが生産性の最大化に繋がるはずです。
アポイント代行業者にはそれぞれ強みや特徴があるはずなので、それらを比較&検討しながら選ぶのが良いでしょう。