
就職活動をしている新卒学生は、色々な面接対策をしなければいけませんよね。
面接なら「こうすれば絶対に受かる!」というセオリーがあればラクですが、実際の採用面接はそんな簡単ではありません。
そこで今回は、特に重要だと言われている『採用面接時の志望動機』について解説したいと思います。
自己PRの例文集も紹介するので、新卒営業の人、転職希望者の人など、営業職の採用面接が控えている人はぜひ参考にしてください。
目次
営業職の志望理由は様々
新卒で営業部を志望する人もいれば、中途採用で営業職を希望する人、またこれまで営業以外の仕事をしていた人が転職する場合など、営業職に就きたい動機は人それぞれだと思います。
新卒入社の場合、営業の仕事を通してビジネススキルを身に付けたい人もいれば、将来的に独立起業したい人、コミュニケーション能力を高めたい人もいますよね。
中途の場合は、もっと稼ぎを増やしたい人や、もっと魅力ある会社で働きたい人もいるでしょう。
営業以外の仕事をしてきた場合は、努力や実績が直接評価されることに魅力を感じるケースもあると思います。
つまり、人それぞれ志望理由は異なるのです。
ただどのような理由にせよ、大切なことは「なぜ自分は営業職を選択したのか?」という部分を明確にしておくことだと思います。
この動機部分が曖昧なままだと、自分自身のモチベーションアップにも繋がっていきません。
その時のポイントは”俯瞰的な視点”で考えることです。
例えば「自分が採用担当者だったら納得できる理由なのか?」という視点で物事を考えることが何よりも大切です。
特に”営業未経験者”が志望する場合には、これまでの実績がない分、丁寧に伝える必要があるでしょう。
新卒が営業職を志望すべき理由
新卒社員には、特に営業職をオススメしたいと思っています。
新卒が営業職を志望した方がいい理由とは「若いうちからお客様と接する現場を経験できる」からです。
企業には経理、人事、広報、企画、営業など様々な職種がありますが、その中でも営業職は現場の最前線に立って、直接売上に貢献できるポジションなのです。
そのため「どうすればお客様に商品サービスを買ってもらえるのか?」ということを常に考えることになるので、必然的に自社製品・サービスに詳しくなります。
またお客様と商談する為には、名刺交換や礼儀(マナー)なども覚えなければいけませんよね。
このようなビジネスする上で必要な基礎知識や土台部分を形成するのに、営業職は最適だといえます。
この基礎さえあれば、将来的に違う職種へチャレンジするのは決して難しくありません。
つまり営業職で培ったノウハウは”応用しやすい”のです。
例えば、営業現場では価格や機能などについての不満を、お客様の口から直接聞くことになります。
そのため、営業スタッフは市場調査(マーケティング)では見えてこなかった細かなニーズを拾えることになります。
これは将来的に企画部や製品開発部で活かせる経験だと思います。
また、お客様と取引することで”お金の流れ”が把握できるので、その知識を基に経理を担当することもできます。
このように、営業職というのは最前線でビジネスを学べるため、将来的に自分の財産となる様々な能力を多角的に養うことができるのです。
このような恵まれた環境に新卒社員のうちから身を置くことで、圧倒的に成長することができるはずです。
そういった背景もあって、「金持ち父さん貧乏父さん」の著者としても有名なロバート・キヨサキは「必ず営業職を経験するべきだ」と語っています。

ロバート・キヨサキ 曰く、「営業という仕事にはビジネスで成功するための要素がすべて含まれている」そうです。
自分自身の成功体験から伝えているので、その理由を知りたい人は下の記事をご覧ください。
各営業職の志望動機(例文集)
ここでは就職面接する時に必要となる、志望動機について解説していきたいと思います。
各営業職種ごとの志望動機を例文にしているので、ぜひ面接対策の参考にしてください。
ソリューション営業の志望動機
ソリューション営業とは、ただ単純に自社製品を売り込むことだけを目的とせず、製品サービスを活用してお客様の抱える課題解決を目指す職業です。
そのようなソリューションセールスを希望する志望動機は、お客様に寄り添うことと、課題解決への興味関心をアピールするのが良いでしょう。
私が御社のソリューション営業を志望する理由は、御社が得意とする業務効率化システムで働き方を最適化したいと思ったからです。
そう考える理由は、学生時代のアルバイト経験が基になっています。アルバイト先はシステム化(DX化)が不十分な職場だったので、当時の店長がとても苦労していたのを覚えています。
具体的には、アルバイトのシフト管理を全てメールで行っていたため、時間が掛かってしまい、結果的に店長の残業が増えるという悪循環に陥っていました。
そこで、シフト管理のアプリが導入されたのですが、使い勝手が悪かった為、すぐに現場で使われなくなってしまいました。その結果、残業はまったく減りませんでした。
このような実体験から、システム化はただやればいいというものではなく、現場の状況に合わせなければいけないことを実感しました。
そのため、お客様の課題に寄り添い、一つひとつの案件に合わせた提案ができるソリューション営業に魅力を感じて、今回志望するに至りました。
ソリューション営業の魅力は、全く同じ案件が二つとして存在しないところにあります。
顧客が抱える課題が似ていたとしても、お客様が違えば細かな部分でニーズが違ってきます。
そういった細かなニーズに対して、的確に対応しながら提案できるところが、ソリューション営業のやりがいだと思います。
企画営業の志望動機
企画営業に転職する場合は“発想力”が大切になってきます。
なぜなら、企画営業は単純に商材を売り込むだけでなく、企画自体も販売することになるからです。
例えば、食品メーカーがスーパーマーケットに対して、「当社の新製品を売る為に、店内でのブース販売を企画してみました!」という具合で提案していくのです。
雑貨や化粧品、食料品などの商品開発において、企画営業は大切な要となります。
言うなれば、企画営業の能力次第で新商品が売れるか否かが大きく左右されるのです。
そのため、就職するときの志望理由には、自分の企画力についても記載するのが効果的だと思います。
ここでは、企画営業に転職する際の志望動機例文をご紹介したいと思います。
私は以前から商品企画に興味を持っていました。
前職では営業事務をしていましたが、仕事に対してやりがいが感じられず、物足りなさも感じていました。
もっと自分の考えていることをお客様に伝えたり、お客様の課題を一緒に解決する仕事に就きたいと考えた結果、企画営業への転職を決意するに至りました。
御社への転職を希望している理由は、自由な発想力を活かすことができると考えたからです。今までにない発想やアイデアを提案しながら、お客様のと一緒に売上アップを目指したいと思っています。
その時には、事務職で培ったコミュニケーション能力とデータ作成能力を活かして、商品の素晴らしさをお客様にアピールしてみたいと思います。
食品営業の志望動機
食品業界には多くの職種が存在するので、まずは食品業界の職種について学ぶことから始めていきましょう。
大雑把に分けると「メーカー」「卸売業」「小売業」と分類されていきますが、これらを理解するためにはマーチャンダイジングの知識も必要だと思います。
マーチャンダイジングについては下の記事をご覧ください。
大手メーカーだと輸出入もしているため、インボイスなど専門的な知識も要求されるはずです。
また、取り扱う食品への興味が何よりも大切なので、志望動機の中に食品や食事に対する自分なりの考えを盛り込んでおくのが効果的だと思います。
なぜ、食品業界を志望したのかだけではなく、自分なりの考えやアイデアを盛り込むことが大切なのです。
そのようなエピソードトークがある場合は、志望動機に入れてみると良いでしょう。
私が食品業界への就職を希望したのは、「食事こそが人間の基礎をつくる」と思っているからです。
心と身体の健康を維持して、円滑なコミュニケーションを取るために食事が欠かせません。
私自身、過去に健康的な食事を心掛けることで、病気を克服した経験があるので、その大切さを良く理解しています。
御社が手掛ける食品は自然由来の材料や製造方法にこだわっている為、健康的なものだと理解しています。
また輸入食品も多く扱っていることにも興味を惹かれました。
食品の製造工場も見学をさせていただき、ここで働くことができれば、人々の健康や笑顔をサポートすることができると確信しております。
そのためには、もっと多くの人に食事の大切さ、素晴らしさを伝えていきたいと考えております。
IT営業の志望動機
IT業界と聞くと、システムエンジニアやプログラマーを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は多くの営業パーソンが活躍している業界でもあります。
一口にIT営業といっても、その種類は千差万別です。
- ソフトウェアの受託販売
- webサイトの制作請負
- webメディアの広告枠販売
- 自社開発ツールの販売
- SIerのセールス
IT系の商材にはエンタープライズという概念があるので、主に大企業に対してオーダーメイドで対応するスキルや提案力も求められます。
なので志望動機では、エンタープライズに対する興味・関心に加え、お客様とエンジニアの橋渡しをすることのやりがいなどについて言及していくのがいいでしょう。
私が、御社のIT営業を志望する理由は、エンジニアとお客様の橋渡しをして、魅力的なwebサイトを制作したいと考えたからです。
そう思う理由は、学生時代のインターン経験にまで遡ります。
営業インターンとして働いていた時、お客様の要望をうまく把握できないという苦い経験をしました。
具体的には、webサイト制作会社でエンジニアとして長期インターンをしていたのですが、ある案件で、お客様の要望と全く違うものを作ってしまい、少額ですが会社に損害を出してしまいました。
このような失敗体験から、お客様とエンジニアを上手く繋ぐ存在の重要性に気づき、IT営業としてwebサイト制作に携わりたいというように考えるようになりました。
エンジニアとしての見識を深めるため、最新言語を習得したり、外部のエンジニアと交流するなど積極的な努力をしてきました。
サイト制作の知識と経験があれば、きっとお客様に喜ばれるソリューションが提供できると考えております。
IT営業の魅力は、ITという先進的な領域の知識を身につけながら、お客様の要望にオーダーメイドで対応する能力が身に付くことです。
言葉で表しにくいITの要望を、開発者であるエンジニアへ的確に伝えるためには、相応の訓練が必要になると思います。
そのようなスキルは、将来的に重宝されることでしょう。
求人広告の営業志望動機
求人広告の営業職とは、例えば大手求人サイトのリクナビやマイナビ、dodaなどの採用媒体に広告出稿してもらうようなセールス職になります。
採用支援をしている会社は、人を採用したい求人企業と求職者を結び、企業が必要な採用数の目標達成をサポートするのです。
そのため、採用したいターゲットに合わせて、媒体選定や広告戦略を提案しなければいけません。
また、求人広告は実物を売込むのではなく、無形商材になる為、その辺りに難しさがあると思います。
私が御社の求人広告営業を志望する理由は、人々の心を動かす広告で、経済成長の一端を担いたいと思っているからです。
私は学生時代にアメリカへ留学した際、現地の社会人にとって転職することが当たり前であることを知りました。
日本では「何度も転職するのは悪だ」という意識があると感じていたため、そのギャップにはとても驚きました。
企業の採用ニーズが満たせず、また働き手の側も不満を抱えながら働くことは双方にとって不幸なことだと思います。
人がいなければ会社は成り立たず、人材(=人財)こそが企業経営の鍵であると考えております。
御社の求人媒体を通じて、採用ニーズのある企業の課題と、求職者の課題を同時に解決していきたいと考えております。
求人広告営業の魅力は、企業と人のマッチングを手助けするという部分だと思います。
大げさに言えば、人々の人生を“仕事探し“という側面からサポートすることになるので、やりがいは大きいはずです。
法人営業の志望動機
一般消費者向けの商品を販売するビジネス形態を「BtoC営業」と言い、これらの企業の営業職は「個人向けセールス」と呼ばれています。
それに対して企業へ商品サービスを提案するビジネス形態を「BtoB営業」と呼んでいますが、このような企業の営業職は、個人向けセールスと比較して「法人向けセールス」とも呼ばれています。
個人営業と法人営業は、同じセールス職ですが、扱う商材やビジネス規模はかなり違っています。
BtoBの場合はお客様が企業(=法人)になる為、時にはワンショットで数億円といった大型案件も存在しています。
そのため、志望動機では『大規模な提案で社会を動かすことへの興味』を盛り込むのがいいでしょう。
私が御社を志望する理由は、大規模なプロジェクトで社会に貢献していきたいと考えているからです。
御社はメガバンクの一角として、新聞紙面でも取り上げられるような大規模プロジェクトの実績がたくさんあると認識しております。
私は大学で「都市計画のゼミ」に所属しており、再開発事業に興味を持っていますが、その中でも金融という側面を通して都市計画するプロジェクトに大変興味を持っております。
そのような興味から御社を志望するに至りました。
法人営業として、社会に大きく貢献できるような提案ができる「プロフェッショナル営業」になりたいと考えています。
御社を志望した動機は、提供する製品・サービスに魅力を感じたからです。
私はこれまで店舗の販売担当者として働いてきましたが、パッケージ製品を販売していたので、お客様ごとのご要望に対応できませんでした。
よって、以前からお客様に寄り添う提案がしたいと考えていました。
御社の商材はまさにお客様のニーズに寄り添うサービスだと考えておりますので、きっとお客様に喜んで頂けると確信しています。
私も御社の一員となって、お客様の抱える課題を解決したいと考えていますが、残念ながらこれまで法人営業の経験はありません。
しかし、店舗の販売スタッフとして多くのお客様と関わり、売り上げに貢献してきましたので、そこで得たコミュニケーション能力には自信があります。
このコミュニケーション能力が活かせる営業職として、会社の売上に貢献したいと考えています。
法人営業の魅力は、なんと言っても『ビジネス規模が大きい』ことです。
法人営業には、個人向け営業にないような事業予算やビジネス規模があります。
自分が携わった仕事が新聞に掲載されたり、多くの人々の生活を変えると考えれば、かなり大きなやりがいになるでしょう。
法人営業に転職する場合、アピールポイントになるのは高いビジネススキルです。
個人営業と違って、法人営業では企業を相手にするため、高度なコミュニケーションスキルやプレゼン能力が求められます。
そして中途社員の場合には即戦力であることが必須要件でしょう。
法人営業を希望する場合、
- なぜこの会社(又は商材)なのか?
- なぜ営業職なのか?
を具体的に伝える必要があると思います。
法人営業とは、まさに”会社の顔”となる重要なポジションです。
個人営業とは扱う商品もサービスも違ってきますし、予算額も大きくなりがちです。
そのため、これまでどんな仕事を経験してきて、どんな能力に優れているのか、そしてどれだけ会社に貢献できるのかをアピールする事が大切なのです。
販売から営業への志望動機
「販売」と「営業」は似ている言葉ですがニュアンスが異なるので、具体的には以下のような使い分けをされています。
- 販売:店舗などでの接客、来客対応など
- 営業:自分から提案する営業スタイルや売り込み行為
これは一般的なイメージなので、実際は異なるかも知れませんが、まずはこのように理解しておけば大きな差はないでしょう。
販売から営業職に転職する場合、仕事内容が似ているので、転職時に有利だと思われるかもしれません。
しかし、実態はかなり大きな違いがあるので転職希望者は要注意です。
販売職の場合には基本的にインバウンド営業になるはずですが、営業職の場合にはアウトバウンド営業が基本となります。
つまり営業職の場合には『自分で見込み顧客を探さなければいけない』のです。
そのため、販売から営業に転職するときには、これまでの販売実績とプレゼン能力をアピールすることが大切だと思います。
さらに「なぜ販売職から営業職になりたいのか?」という志望動機もまとめておきましょう。
ここでは販売から営業へ転職するときの志望動機例文をご紹介しておきます。
私は以前『お客様の笑顔が間近で見られる仕事』にやりがいを感じて、接客業に従事していました。
目標とする売り上げを達成できたときには、自分自身の成長を感じることもできましたが、その一方で物足りなさも感じていました。
確かにお客様とはコミュニケーションが取れるのですが、店舗で待っているだけでは多くのお客様に商品の素晴らしさをアピールすることができません。
「まだ商品を知らないお客様に、どうやって商品を知ってもらうのか?」を考えた結果、「自分は営業職がやりたいんだ!」という結論に達しました。
積極的にお客様へ提案できる営業職は、販売職とは違った魅力があると考えています。
御社の経営理念やお客様に対する姿勢、また商品開発の素晴らしさを、どんどんお客様へ伝えていきたいと思っています。
この志望動機にあるような考え方は「エバンジェリスト」の感覚に似ています。
志望動機に「エバンジェリスト」というキーワードを入れればインパクトがあるので、もし気になる人は下の記事もご覧ください。
まとめ
ここまで様々な営業職の志望動機を解説してきましたが、一番重要なのは「本音で志望動機を語る」ということです。
取り繕ったうわべだけの綺麗な言葉より、本音で語られる言葉はやっぱり相手に響きます。
なので、ある程度は準備する必要がありますが、最終的には素直な気持ちを伝えるようにしましょう。