ビジネスパーソンであれば、一度くらい「マーチャンダイジング」という言葉を聞いたことがありますよね。
このキーワードは卸売&小売業で良く使われているので、スーパーマーケットに勤めている人や、アパレル販売している人には馴染み深いかも知れません。
しかし「マーチャンダイジングは難しい…」とも言われるので、多くのビジネスパーソンが苦手に感じていることでしょう。
そこで今回は、マーチャンダイジングについてわかりやすく簡単に解説していきたいと思います。
マーチャンダイジングは、モノを販売するセールスパーソンが知っておくべき知識なので、卸売&小売業者以外も幅広くご覧ください。
マーチャンダイジングとは?
マーチャンダイジング(Merchandising)は、「MD」と略されることもありますが、その意味は『適正な商品を適正な数量・価格で、適正な場所に提供する活動』ことになります。
つまりマーチャンダイジングとは、”商品計画”や”品揃え計画”を考えることなのです。
この言葉は主に流通業で使われているので、卸売業や小売業の人には馴染みあると思いますが、それ以外の業種・業態の人はあまり聞いたことがないかもしれません。
卸売業や小売業に多い
これはビジネスモデルの話になりますが、一般的なメーカーは自社製造した商品を、卸売業や小売業へ販売して儲けます。
そして卸売業や小売業は、メーカーから仕入れた分を販売するので、仕入れた量に応じて売上&利益が増大する期待値も上がっていくことになります。
従って、卸売業や小売業にとっては、どんな商品を、いつ、何個仕入れて、いくらで、どのように販売するのかが重要となってくるのです。
それは当たり前の話なので、言葉にするとなんか簡単そうですが、実行するのは「非常に難易度が高い」と言われています。
このような商品の仕入れ、在庫管理、販売に関わる業務全般を「マーチャンダイジング」と呼んでいるのです。
マーチャンダイズとは違うの?
マーチャンダイズは、マーチャンダイジングの略語ではありません。
マーチャンダイズとは、マーチャンダイジングにより生み出された製品、商品、在庫品のことを指す言葉です。
先ほどマーチャンダイジングは”商品計画”や”品揃え計画”のことだとご説明しました。
なので、その計画内で発生したものがマーチャンダイズということになります。
他にも「マーチャント(商人)」という似た言葉があります。
これはビジネス界隈で使われている言葉なので、もしかしたら聞いたことがあるかも知れません。
以上を図で例えると下のようになります。
一番外郭にマーチャンダイジングという概念があって、その中にマーチャンダイズとマーチャントが内在しているのです。
マーチャンダイジングの目的とは?
卸売業や小売業がマーチャンダイジングする目的は下の2つに集約されていきます。
- 商品販売を通じてエンドユーザーの価値を最大化する
- 商品販売を通じて売上高や利益を最大化する
この二つは相互関係にあるので、どちらか一方を求めれば、もう片方も達成されることが一般的です。
なぜマーチャンダイジングが求められているのかといえば、大量購入&大量消費の時代が終わってしまったからです。
これまでの時代は「大量に仕入れて、余った分は廃棄すれば良い」という発想でしたが、2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の高まりから、「適切な量を仕入れ、ロスを最小化して販売する」という方向に社会全体が舵を切り始めたのです。
よって、流通事業者は「儲かれば何でもOK!」という旧態依然の発想を捨てて、顧客志向や社会動向、消費者志向などに合わせなければいけない状態となったのです。