会社組織を円滑に運営するために、誰かをリーダーに指名するはずです。
そのリーダーは社長だったり、執行役員、部長など、企業によって様々だと思いますが、リーダーをサポートする役割の人を「サブリーダー」と呼んでいます。
サブリーダーはキャリア形成する上での登竜門的存在なので、会社員であれば避けて通れない役割だと思います。
そこで今回は「サブリーダーの役割」について解説していきたいと思います。
目次
サブリーダーの役割とは?
サブリーダーは「リーダー」という言葉に「サブ」という呼称が付いているので、バイプレーヤー(脇役)だと思われがちですが、決してそんなことありません。
サブリーダーには重要な役割がたくさんあるのですが、その中でも主な業務内容は「チームリーダーの仕事を代行する」「チーム運営をサポートする」という2つに分類できます。
サブリーダーとして任命される人は「中堅社員」なので、入社して3年~5年ほど経ったチームメンバーから抜擢されるはずです。
それだけの期間働けば、一通りの業務が経験できるので、自分一人でも仕事をこなせる程度に成長するのです。
そう考えた場合、チームリーダーとして活躍できる人物だと思いますが、「船頭多くして山に登る」という諺にもある通り、複数のリーダーがいるチームは良い成果が残せません。
なので、リーダーに万が一のことがあった場合の代替要員、次期リーダー候補生、リーダー不在時の代行要員としての活躍が期待されているのです。
サブリーダーに求められるスキル
チームにおけるサブリーダーは、リーダーの右腕となる存在です。
強い組織や優れたチームには、必ずと言っていいほど「優秀なナンバー2がいる」と言われています。
- チームリーダーよりも、メンバーに近い位置で仕事をしている
- チームリーダーの戦略・戦術を把握し、それをメンバーに共有している
- チームリーダーとメンバーの悩みを理解している
具体的な役割は上記のようなイメージですが、チームリーダー不在時に「リーダー代理」としてチーム運営できることも求められます。
なので、日頃からリーダーと綿密なコミュニケーションを取ることはもちろんですが、上司となるチームリーダーが目指すべき目標やビジョンを正確に理解することも求められるのです。
また、サブリーダーは現場に近いので、現場の問題点をいち早く把握するスキルが必要不可欠だと思います。
もしサブリーダーがそれを見逃すと、大事故に繋がる可能性があるので注意しましょう。
その他にも、メンバーが抱える悩みを把握する必要もあります。
そういった意味ではチームメンバーにとっての”メンター的存在”なのかもしれません。
これらをまとめると、サブリーダーの役割は以下のように言い換えできると思います。
- 現場の指導役
- 現場の問題発見役
- 現場の運営役
この3つの役割について、もう少し掘り下げていきましょう。
現場指導の仕事とは?
現場の指導役における「現場=チームメンバー」なので、最前線で指導する役割ということになります。
なので、自分がお手本となるような存在でなければいけません。
仕事に取り組む姿勢や、ビジネスの基本を忠実に守り、それをチームメンバーに見せるのです。
良くも悪くも、後輩社員は先輩社員の背中を見て育ちます。
つまり、優秀な社員の真似をするということです。
そういった意味では「自分は常に見られている」と自覚するべきなのです。
他にも、チームメンバーの営業ノルマを達成させることもサブリーダーの役割だと思います。
チーム内には実績が少ない若手メンバーもいるはずなので、「どうすれば目標達成できるのか?」というやり方をアドバイスしましょう。
この時のポイントは、実現可能性の高いアドバイスをすることです。
あまりに具体的な指示をしてしまうと、チームメンバーは自分で考えなくなるので、ある程度抽象的なアドバイスで良いと思いますが、実現可能性が無いアドバイスでは意味ありません。
例えば平均受注件数が月10件の商材だった場合、「今月100件売るような行動目標を立てよう!」とか「受注率100%になるやり方を考えよう!」というアドバイスでは、それを聞いたメンバーが意気消沈してしまいます。
この辺りは営業コンサルタントのような立ち回りになるので非常に難しいと思いますが、「それをこなせるだけのスキルがある」と見込まれたのでサブリーダーになれたはずです。
なので、頭をフル回転させてチームメンバーの実績作りに貢献していきましょう。
問題発見役の仕事とは?
仕事をしていると、何らかのトラブルやミスが発生すると思います。
そのような問題を発見する役割がサブリーダーにはあるのです。
この役割の目的には「早期発見」と「早期治療」の二つがあります。
例えば仕事に不満を持っているチームメンバーがいた場合、それを早期発見しなければ、遅かれ早かれ「会社を辞めたい」と言ってくるかもしれません。
そうなる前に先手を打つのです。
チームメンバーとコミュニケーションしながら、仕事に対する不満などをヒアリングし、それが解決できるような治療を実施するのです。
多くの会社では、現場で働く社員の声を全て吸い上げることができません。
なので、それの取りまとめ役となっているのがサブリーダーなのです。
そこで発見した問題を速やかにリーダーへ報告し、意思決定と進んでいきます。
この時注意すべきことは、意思決定をリーダーに任せないことです。
現場の状況をよく理解しているのはサブリーダーなので、リーダーの考え方を聞きつつ、そこに自分の意見もきちんと伝えていきましょう。
逆にリーダーにもそのような要望があるはずなので、たとえそれが反対意見だったとしても、きっと頼もしく感じてくれるはずです。
現場運営の仕事とは?
現場運営とは「オペレーション」を意味していて、つまり円滑に仕事ができる環境作りということです。
一番最初にリーダーがビジネスモデルを考えると思いますが、それに基づいて現場オペレーションも決めると思います。
しかしそのオペレーションは決して完璧なものでなく、99%の確率で修正が必要になるのです。
そのような現場レベルの改善をしていくのがサブリーダーに求められる仕事なのです。
このような改善を日々繰り返していけば、自然と問題点が発覚できる仕組みにもなるので、問題発見役の仕事も満たせるようになるはずです。
現場運営役を全うするためには、とにかく俯瞰的に物事を見なければいけません。
全ての業務を頭に入れた上で、全体オペレーションを遠目で確認するのです。
そうすれば自然と問題点が把握できるはずです。
サブリーダーに向いてる人とは?
サブリーダーに向いている人は「プレイングマネージャー」としての仕事がこなせる人です。
プレイングマネージャーとは、「プレイヤー(現場)」と「マネージャー(管理者)」を兼務している人のことを言います。
そのような人はすべからず優秀なので、企業にとっては核となる人材だと思います。
もちろん仕事内容がプレーヤーだけではないので、指示待ち人間には向いていません。
つまり、自ら仕事を創りに行くような積極性が必要なのです。
そしてチーム全体のメリットを考えながら率先して動きつつ、時にはリーダーの指示に従うような柔軟さも求められます。
そういった意味では「リーダーの相談役」という役割もあるのです。
企業経営に予め定められた正解など無いので、どんな経営者(リーダー)でも判断を迷う局面があると思います。
そんな時、一人で意思決定するのではなく、相談相手がいた方が良いですよね。
そのような「縁の下の力持ち」になれるナンバー2、ナンバー3のような人物がサブリーダーに向いているのです。
サブリーダーの心得とは?
サブリーダーは”リーダーの代替要員”という側面がありますが、そのような考え方では「チームはリーダーが引っ張るもの」というサラリーマン気分が抜けないと思います。
そうではなく、サブリーダーには「チームを運営して、さらに業績を上げる」という考え方を持って欲しいのです。
というのも、このような当事者意識がなければ、サブリーダーとしての役割が全うできないのです。
サブリーダーの具体的な仕事内容は、リーダーが考えた戦略や戦術をきちんと理解して、それをチームメンバーに伝達し、リーダーのマネジメントをサポートすることです。
この場合のサポートとは、チームリーダーが果たすべき役割をサポートして、実現する為の手助けをするということです。
つまりサブリーダーが持つべき心得とは、チームリーダーのサポート役として組織運営に携わり、業績を上げるためにチームの要(エース)として活躍するということなのです。
そういった意味では「プレイングマネージャー」を体現したような存在だと思います。
サブリーダーを言い換えるとどうなる?
実際にサブリーダー制度を導入しようとした場合、その言い方(呼称)に悩みますよね。
一般的には「サブリーダー」と呼ばれていますが、別の言い方もあるのです。
例えば「役職で呼ぶ」というシンプルな考え方もあります。
その場合には「次長」や「課長」となりますが、それでは味気ない気もしますよね。
そんな時にはサブリーダーを言い換えるのも良いかもしれませんが、候補としては以下のようなものが挙げられます。
- 副隊長
- 副部長
- アシスタントマネージャー
- ナンバーツー
せっかくならその役割を誇れるような呼称が良いと思うので、チーム内で色々相談してみましょう。
理想のサブリーダーになろう!
ここまでサブリーダーについて解説してきました。
サブリーダーという役割は、チーム運営する上で非常に重要なポジションだと思います。
人それぞれにタイプがありますが、それでもサブリーダーがやるべき仕事は変わりません。
この記事で紹介した役割を着実にこなしていきましょう。