
大前研一は、早稲田大学を卒業した後、東京工業大学の大学院に進学し、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得するなど、聡明な頭脳を持っている人です。
その後、有名な経営コンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」に入社し、本社ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任しました。
現在は日本初のオンライン教育大学「BBT(ビジネスブレークスルー)大学」の学長として、将来の日本を担う人材育成に尽力しています。
そのような教育者という側面からも、数多くの名言を残しているのです。
そこで今回は、優秀なビジネスパーソンである大前研一の名言集をご紹介したいと思います。
モチベーションがアップする言葉ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。

大前研一の名言集まとめ
「いい上司に恵まれまして…」と言っているようじゃ、君の未来は暗い。
他人に頼っているようでは、社会人として未熟です。
上司に頼っていると、上司に恵まれなかった時、痛い目を見ることになります。
そもそも良い上司がいる確率など低いので、実力で勝負できるようにしましょう。
日本には「大器晩成」という言葉があるが、実際にそういう人はあまりいないと思う。
私に言わせれば、それは最初にサボっているだけだ。
大前研一は、会社員になった以上は、社長になれる「ゼネラリスト」を目指すべきだと言っています。
それが合わない場合には、専門分野を一つ選び「スペシャリスト」を目指すべきだと言っています。
当たり前のことを当たり前にやっていたら、当たり前の結果にしかならない。
どこかに当たり前でない「エキセントリック」なところがないと、他より抜きん出ることはない。
これは起業家として、とても共感できる名言です。
普通のビジネスをやっても大きな成功を収めることなどできません。
人と違うことをやる(=リスクをとる)から成功できるのです。
日本人は従来のサラリーマンのメンタリティを捨てる必要があると思う。
従来のサラリーマンのメンタリティとは、「9時~17時まで仕事してるフリをして、その後に残業代で稼ぐ」というサラリーマン根性のことを指します。
これでは向上心が持てないので、今すぐ改善した方が良いと思います。
「自分から最も遠い人こそ自分の人脈にする」
これが人脈づくりの最大の要点である。
自分と近い人は、居心地が良いですよね。
しかしそのような人達からは新しい情報&経験が得られないので、どうしても視野が狭くなってしまうのです。
ビジネスでは「真実」がボスの言うことよりも上位概念である。
日本人は上司に迎合する癖がありますが、それは自分の頭で考える癖をなくしてしまいます。
自分自身の競争力を落とすことなのでやめましょう。
「腐っても鯛」「寄らば大樹の陰」という諺が日本にはあるが、私に言わせれば、腐った鯛は単なる腐った魚である。
倒れる大樹の陰にいたら潰されてしまう。
確かにこの諺は、自分を甘えさせているだけかもしれません。
もっとストイックにビジネスした方が良いでしょう。
宵越しのメールは持つな。
メールの返事はすぐに出す。
メールを読んだらすぐに返信するのがビジネスの鉄則です。
そして、極力短時間でメールを作成できるように、テンプレートをたくさん用意しておきましょう。
一生懸命時間をかけてメール作成するのは無駄な行為です。
時間は有限なのだと認識しておきましょう。
自ら進んで時間配分を変えない限り、人生は変わらない。
個人がコントロールできる唯一のものは時間配分だからである。
エンタメに没頭したり、ゲームで浪費する時間を「無駄」と切り捨てるわけではありませんが、今やるべきか考えるべきだと思います。
とにかく時間がないので、時間効率を最大化できるように努めましょう。
仕事が遅い人ほど、やらなくてもいいことを延々とやっていたり、大して必要のないところに多くの時間を割いていたりするものである。
仕事に対して優先順位をつけられないと、いつまで経っても効率が上がりません。
マルチタスクは基本ですが、その中で優先順位をつける癖をつけましょう。
与えられた仕事を与えられた通りにやっているだけの人には名札がつかない。
名札がつかなければ、値札もつけられない。
まるで言葉遊びのような名言ですが、なかなか核心を突いている言葉だと思います。
自分自身の価値を上げることが重要なので、ビジネスパーソンはこのような考え方を持つべきだと思います。
むしろ営業マンにとって大事になってくるのは負け方である。
新規受注の割合は10%~20%ほどだと思うので、ほとんどの商談で負けることになるのです。
その時に、次回に繋がるような負け方をしなければいけません。
一番おすすめなのは、顧客ニーズに合った他社製品を紹介するリファラル営業です。
そのやり方が知りたい人は下の記事をご覧ください。
仕事には面白い仕事のやり方と、面白くない仕事のやり方がある。
人から指示される仕事は面白くありませんよね。
でも自ら進んで行う仕事はとても楽しいのです。
ビジネスパーソンは当事者意識を持ちましょう!
プレゼンテーションにおける提言は一つでいい。
クライアントに対する提言がいくつもあると、相手は混乱してしまいます。
大前研一曰く、提言を一つにすることはプレゼンの基本だそうです。
プレゼンテーションを聞いた人から質問が3つぐらい出てくるようでなければ、良い企画とは言えないのである。
もし質問が出てこなければ、そのプレゼンはありきたりだったり、面白みがないということです。
成績の悪い営業マンほど、売れない理由の説明が上手い。
成績の悪い営業マンは、常に出来ない理由ばかりを考えているので、必然的に売れない説明が上手くなってしまうのです。
これからのサラリーマンに大切なのは、社内評論家になってはいけないということだ。
日本のサラリーマンは批評ばかりしていると言われます。
何か問題が発生した場合、それを評論家のように批評して、何もしないのです。
しかし欧米のビジネスパーソンは、何か問題があった場合、その解決策を考えるそうです。
成功する人間としない人間には唯一明らかな違いがある。
それは、成功する人はどんな仕事でも厭わずやるが、成功しない人は仕事を選ぶということだ。
成功する人は仕事を選ばないので、自然的に経験値が増えていきます。
その結果、解決力も高くなり、考え方も柔軟になっていくのです。
自分が「もっと知りたい」と思うことこそ、他人も知りたがっていることである。
これはビジネスチャンスについて語った名言です。
ビジネスパーソンは、世の中のギャップを探すようにしましょう。
私が発想を磨く時は、自分を人の立場に置き換えて考える。
自分のソニーの会長だったらどうするか、日本の首相だったらどうするか、と考えてみるのだ。
これはとてもおすすめなトレーニング方法です。
自分の知識を整理整頓するのにも使えますし、俯瞰的に物事を考えたり、新たな発見があったりするので論理的思考が育つのです。
企画力のない人間は、どうにかひねり出した一つのアイデアにいつまでも固執し、別の発想をしてみたり、同じ発想を別の物や事に当てはめてみる柔軟な発想ができない。
ソフトバンクの孫正義社長は、何か企画を考える場合、300パターン考えるように指示するそうです。
「そんなの無理だよ…」と思ったかもしれませんが、例えば新製品を企画する場合、パッケージの色を青にするか黄色にするか、製品名のフォントをゴシックにするかカリグラフィーにするか、これだけでも4パターンが出来上がります。
- パッケージ青×フォントをゴシック
- パッケージ青×フォントをカリグラフィー
- パッケージ黄×フォントをゴシック
- パッケージ黄×フォントをカリグラフィー
このように考えていけば、意外と300パターンくらいは出来上がるのです。
会社の中で自分の席に座って企画書を書くのはナンセンスだ。
自分の発想の枠を超えることができないからである。
これは管理職に知ってほしい名言です。
もし部下が企画に悩んでいるのであれば、少し環境を変えて考えることを推奨してみましょう。
交渉を成功させるために必要なポイントがいくつかある。
まず交渉を始める時に見抜かなければいけないのが、お互いの「利害対立の構図」を正確に把握することだ。
これはすべてのセールスパーソンが知っておくべき知識だと思います。
特に法人営業では「利害対立の構図」をクリアできなければ、受注を獲ることなどできません。
一冊のビジネス書を読むのに費やすのは1時間が目安だ。
そもそも一回の読書で、本の内容を全て理解することは不可能だと思います。
なので基本的には速読して、ある程度ポイントを押さえればOKです。
もし良い本だと感じれば、その後に3回ほど読み返せば、その本に書かれている内容をマスターできるでしょう。
派閥に入れば出世は早いが、落ちるのも早い。
サラリーマンが出世するために重要なのが派閥争いです。
特に大企業であれば必ずと言っていいほど派閥があるので、どこの派閥に属するかが命運を分けるでしょう。
ちなみに、サラリーマンの鏡と言われている島耕作は、派閥に入るのを嫌がり無所属を貫きました。
そして役員一歩手前で、ようやく派閥入りしたのです。
島耕作の名言集は下の記事をご覧ください。
議論に参加する際に重要なのは、「ここで議論されていることは、さほど重要な問題ではない。だから臆さずに、自分の意見はどんどん言おう。」と開き直ることだ。
日本人はディスカッションが苦手だと言われています。
単純に慣れてないから苦手なのですが、そのやり方を知らないということもあるでしょう。
そんな時には、この名言を思い出してください。
野球の中継ぎやリリーフエースは、ブルペンで投球練習をして、いつ「登板せよ!」と声がかかってもいいように準備している。
サラリーマンもブルペンで常に投球練習をしておく必要がある。
この名言が伝えたいのは、日頃から準備を怠らない人だけが、いざという時にチャンスを掴めるという教訓です。
逆に準備をしていないと、せっかくのチャンスを「チャンスだ!」と認識することすらできないのです。
人は30歳までに3回以上失敗すべきだ。
この名言が伝えたいのは、もし失敗をするのであれば、やり直しがきく若いうちに失敗した方が良いということです。
実際に「失敗からしか学べないこと」はたくさんあります。
失敗を恐れずにチャレンジしていきましょう!
一番いけないのが、「他人の人生」を生きることである。
これは個人心理学に通じる名言だと思います。
個人心理学の代表的な人物といえばアルフレッド・アドラーですよね。
アドラーの名言集は下の記事をご覧ください。
地道に努力して手に入れたスキルは、必ず後で人生に、大きな実りを与えてくれるのである。
努力は嘘をつきません。
正しい努力だったのであれば、苦労した努力は必ず報われるはずです。
最も重要なリーダーの役目は、まず「方向」を決めること、次が「程度(スピード)」を決めることだ。
方向とはビジョンのことだと思います。
目指すべき姿を指し示し、そこに向かってチームを導いていくのです。
それが無い事業運営は、ゴールのない登山をするようなものなので、いづれチームは崩壊することでしょう。
「最前線のリーダー」と「組織を動かすリーダー」では、必要な資質が全く違う。
最前線のリーダーとは、いわゆるプレイングマネージャーを指します。
そして、組織を動かすリーダーとは、ビジネスを仕組み化できるリーダーのことを指します。
優れた組織にするためには、この両方のリーダーが必要なのです。
プロジェクトは、対局的な発想をする人たちが仲良くやっていった時に最も成功するものだ。
これは多様性(ダイバーシティ)について語った名言だと思います。
様々な価値観や発想が組み合わさると、思いもよらない結果が出せるのです。
良い会社の経営者は「我が社の問題はこれだ」と一つのことしか言わない。
企業経営において、目の前の課題はたくさんあると思いますが、それを一度に全部処理することは不可能だと思います。
なので、最もクリティカルな一つの問題に絞って、まずはその部分を解決するように努めるのです。
どんな事柄にも、それを知っている人間と、知らない人間がいる。
この知識格差にこそ、ビジネスチャンスがあるのだ。
これは主にコンサルティングビジネスについて語った名言だと思います。
コンサルティングというのは無形商材、かつ情報商材です。
つまり知識格差や経験格差を埋めるソリューションなので、コンサルティング会社出身の大前研一らしい名言ですよね。
参謀たる者は、if(イフ)という言葉に対する本能的な恐れを捨てなさい。
有名な参謀といえば諸葛孔明(諸葛亮)ですよね。
参謀の役割といえば、戦略を考えて、それを進言し、実行に移すことです。
そこに迷いがあると、経営トップも意思決定しづらくなるのです。
経営者が、よく陥ってしまう落とし穴がある。
それは商品の価格と価値を混同することだ。
モノが売れないと、すぐに価格を下げようとしますが、それは非常に危険な経営判断です。
まずは「どうすれば商品価値が上がるのか?」ということを考えましょう。
マイクロ・マネージャー型の上司が会社で最も嫌われる。
マイクロ・マネージャー型とは、非常に細かい部分まで指示する上司のことです。
このような上司は部下に裁量を持たせないので、チームメンバーから嫌われてしまうのです。
カリスマ的リーダーとは、言葉は悪いが、常にペテン師的要素を持ち合わせている。
「人を動かす」という観点では、真実ばかり伝えても最大効果には繋がりません。
ある程度勘違いさせたり、モチベーションをアップさせるため、大げさに褒めることも必要でしょう。
つまり、相手をコントロールするという考え方が求められるのです。
影響力を持つ人間はみな、経験に裏打ちされた”自分なりの型”を持っている。
これはある意味残酷な話ですが、やはり経験値の多いビジネスパーソンに新人営業マンが勝てることはありません。
経験値というのは代えがたい資産なので、たくさん経験している人ほどビジネスにおける成功確率は高まっていくのです。
戦略プランニングにおいて競合他社の存在を考慮するのは当たり前だが、必ずしも最優先事項ではない。
まず考えるべきは顧客ニーズである。
「顧客ニーズを重視すべき」ということは、経営学者であるピーター・F・ドラッカーも同じことを言っています。
ドラッカーは「経営学の父」と呼ばれた偉人なので、代表的な著書である「マネジメント」は絶対に読んでおくべきだと思います。

時間がある人は、ドラッカーの名言集もご覧ください。
会社というものは「顧客に奉仕すること」以外の目的をもってはいけない。
売上至上主義や利益至上主義の経営者を見かけることがあります。
しかし、そのような経営者は顧客の方を向いていないので、いづれ手痛いしっぺ返しを食らうことでしょう。
私はいつも、カスタマー(顧客)、コンペティター(競争相手)、カンパニー(自分の会社)の3つのCで考えろと口を酸っぱくして言っていた。
これは大前研一が考案した「3C分析」と呼ばれるマーケティングの有名なフレームワークです。
3CとはCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つを指します。
ビジネスパーソンは覚えておきましょう!
先輩社員が新入社員を教育するということは、新入社員をその企業の秩序、言い換えれば従来の鋳型にはめ込む作業をしているということだ。
もし会社を変えたいと思うなら、「新入社員研修を変えろ!」と大前研一は言っています。
入口が変わらなければ、出口も変わらないということです。
人生にはあらかじめ決められたキャリア・プランなど存在しない。
それは自分で作るものなのだ。
優れたキャリア・プランを作るための秘訣はたった一つだけです。
それはただ「行動する」ことです。
待っているだけでは何も変化は起こりませんし、何も進展しません。
私の結論はただ一つ。
「そのうちに…」ということは人生では禁句なのだ。
「そのうちに…」いう言葉には、期待感や先送り感が含まれています。
- そのうちに受注できるだろう
- そのうちになんとかなるだろう
- そのうちにやればいいだろう
どれも行動を先送りしているだけに過ぎません。
人間が変わる方法は3つしかない。
- 1番目は時間配分を変える
- 2番目は住む場所を変える
- 3番目は付き合う人を変える
この3つの要素でしか人間は変わらない。
もし自分を変えたいと思っているなら、この3つの行動をした方が良いでしょう。
個人的に一番重要なのは、3番目の「付き合う人を変える」ことだと思います。
今を楽しめない人は一生楽しめない。
現時点で好きなことがやれていない人は、第二の人生でもやっぱりできないのである。
新しいことに挑戦するのは勇気がいりますよね。
何らかのリスクを取らなければいけません。
しかしそれを恐れていたら、何も変化しないのです。
リスクを恐れずにチャレンジしていきましょう!
40歳になってからキャリア・プランを立てるのでは遅いのではないか、と心配する人もいるかもしれない。
だが、少しも遅くない。
大学を卒業して就職したとしたら、40歳は中間折り返し地点に過ぎない。
今は転職が当たり前の時代です。
一つの会社で終身雇用を貫くことは、決して美徳とは言えないでしょう。
大企業でも倒産する時代なので、会社に残ることが「勝ち組」になるとは限らないのです。
5年後、10年後…、どのような自分になりたいか、しっかりと考えましょう。
