
デール・カーネギーと言えば、世界的に有名な「人を動かす」や「道は開ける」などを残した作家ですよね。
未だにベストセラーを続けている名著を書いた自己啓発家なのですが、「話し方入門」という本もその一部です。

「人を動かす」と「道は開ける」の次に有名な本だと言われていますが、意外なことに「話し方入門」を読んだことのあるビジネスパーソンはさほど多くないと思います。
しかし、ビジネスパーソンにとって会話術を身につけることは必要不可欠であり、絶対的なニーズがあると思います。
例えばセミナーで講演をしたり、討論会に参加したり、大勢の前でプレゼンする機会は、一流を目指すビジネスパーソンであればきっと経験することでしょう。
そのようなチャンスを逃してしまうのは大変勿体ないので、今のうちにデール・カーネギーの「話し方入門」から学んでおきましょう!
そこで今回は、デール・カーネギー「話し方入門」の名言集をご紹介したいと思います。
このまとめ記事では「話し方入門」を咀嚼(要約)しているので、ある意味では”本を読む予習”と言えます。
ここである程度の概要を理解しておいて、時間のあるタイミングでじっくりと書籍を読み込めば、きっと理解度が深まるはずです。
その知識は、きっとあなたのビジネスに役立つので、ぜひ最後までご覧ください!
デール・カーネギー「話し方入門」の名言まとめ
人前に出て話をするように言われると、自意識と恐怖心で頭がボーッとして、考えはまとまらず、何を言おうとしていたのかも思い出せないありさまです。
ほとんどの人がこのような状態なので、それを改善するために作られたのがデール・カーネギーの「話し方入門」という本です。

人前で話すことの快感、そこで得る栄誉や新しい友人は、今や彼の何よりの喜びとなったのです。
「話し方入門」は、デール・カーネギーが考案したパブリック・スピーキング・コースを体系化した名著です。
そこに記されたノウハウを手に入れれば、誰でも人前で話すことが怖くなくなり、むしろ快感を覚えるようになるそうです。
本気で上手くなりたいと思えば、誰でも自分の潜在的な力量を伸ばすことができるのです。
勉強でもスポーツでも、本気で上達させようと思えば、誰でも上手になります。
パブリック・スピーキングも同じで、必ず能力を向上させることができるのです。
目の前に聴衆がいるということは、頭の働きを明晰で鋭敏にする刺激とインスピレーションを与えてくれる。
大勢の人の前に立つと、頭が真っ白になってしまうかもしれませんが、実は大勢の人を前にした方が頭がよく働くと言われています。
なぜかといえば、聴衆がいるということは、あなたを刺激してくれるので、それがあなたの気持ちを高揚させるからです。
実際にパブリック・スピーキングが上手い人は、一人の相手と会話をしている時よりも、複数の人々を前にした方がうまく話せるそうです。
これは意外な事実ですよね。
真に価値ある演説には一つの共通点がある。
それは話し手があがっている、ということだ。
これは「古代ローマ最強の弁護士」と言われていたキケロ(キケロー)の名言を引用したものですが、この言葉から理解できるのは「緊張感をゼロにすることは不可能」ということです。
むしろその緊張感をポジティブな方向に向けることが重要なのだと気がつきます。
キケロの名言集は下の記事をご覧ください。
スピーチの技術とは自分にとって何なのかを問い続け、それを得たいと一途に思い詰めるまでにならなければなりません。
パブリック・スピーキングは、中途半端に取り組んで身につくスキルではありません。
何でも同じですが「これを極める!」と腹をくくらなければ、人間のスキルは上達しないのだと思います。
もし聴衆の前で何か動作ができるなら、ぎこちなさを和らげる一助となろう。
ただ話すだけではなく、ホワイトボードに字を書いたり、グラフを指し示したり、講演しながら歩くことは、気持ちを楽にさせてくれます。
「プレゼンの達人」と呼ばれたスティーブ・ジョブズも、大勢の前で話す時には歩きながら話していました。
あれは自分自身の緊張感を和らげるためだと言われていますが、ジョブズのプレゼンテーションを学びたい人は、下の本を読んでみてください。

聴衆に向かった時に勇気を奮い起こすために、あなたも勇気のある人を演じるのです。
勇気を得るためには、いくつかのアプローチ方法がありますが、一番メジャーなのは深呼吸することですよね。
他にもあがり症を治すコツはいくつかあるので、それを知りたい人は下の記事をご覧ください。
スピーチでの自信を養うための最初で最後、そして決して失敗することのない方法、それはとにかくスピーチをする、ということです。
1に練習、2に練習、そして何度も本番を経験する以外に上達する道はないということです。
デール・カーネギーは「泳げるようになるための一番の方法は水に飛び込むことだ」と語っています。
頭と心の中に本当に言いたいことがあって、聞き手にもそれをぜひ伝えたいと願っている。
スピーチを成功させる秘訣の”半分”は、これに尽きるということです。
そう考えた場合、話のほとんどの部分は自然と出来上がってしまうはずです。
これは意外な事実ですよね。
スピーチの準備とは、考えること、さらに深く考えること、思い出すこと、最も心を惹かれるものを選び出すこと、それらに磨きをかけて一つのパターンにまとめ、あなたの独自のモザイク模様を作ることです。
これはスピーチの準備について語った名言です。
スピーチではあなたの思いや考え、信念、望みなどを聴衆へ伝えなければいけません。
そのために必要な要素を拾い集めて、それをまとめることを”準備”と呼んでいるのです。
ある話題について角度を1つか2つに絞り、十分に論じるようにするのがよろしいと思います。
これは短いスピーチのやり方について語った名言です。
短い時間の中にあれこれ詰め込んでしまうと、時間が足りなくなるどころか、内容も薄っぺらくなります。
聴衆の前でふらつくこともなく、頭の混乱もなしに2~3分話を持たせることができれば、初めのうちはそれで上出来です。
最初から上手にスピーチできなくても、全く問題ありません。
いきなりスピーチが上手くなることはないからです。
徐々に改善していきましょう!
ビジネスその他自分の職業について話すことにしたとしましょうか。
そんな時は何から手をつければいいのでしょうか?
自分のビジネスを人に説明したり、自己紹介する場面はたくさんありますよね。
例えば3分間の自己紹介の時、どのようなスピーチをすれば良いのでしょうか?
まず始めに、全部話すことは諦めることです。
詰め込み型のスピーチは、クオリティが低くなります。
3分間という限られた時間の中に全部詰め込むと、話が断片的になったり大雑把になりすぎるので、相手に伝わらなくなるのです。
なので、まずは1つのテーマに絞りましょう!
例えば「あなたは仕事に就いた理由」という部分にフォーカスした場合、それは必然的だったのか?それとも偶然だったのか?将来の夢だったのか?など、色々と横展開していきますよね。
このように、一部分にフォーカスすることが、短いスピーチのコツなのです。
じっと座ったまま、30分でスピーチをでっち上げようなどと思わないこと。
良いスピーチとは、すぐに生まれてくるものではありません。
早めにテーマを決めて、常日頃からアンテナを張り巡らせて、色々な情報収集をしながら、少しずつ作り上げるので、長いと1ヶ月、半年、1年かけて練り上げる人もいます。
良いスピーチとはそれほど時間がかかるものだと理解しておきましょう。
図書館でテーマについての本を読もう。
約80年前の本なので”図書館”というキーワードが出てきていますが、別に図書館に限らず、とにかくテーマを深掘りしてみることが大切です。
使うか使わないかは別として、テーマに基づく知識(素材)を持っておけば、話の広がりや奥行きが出てくるからです。
イメージとしては「100の素材を集めて90捨てる」という感覚みたいです。
知識が整理されていない時、その量が多ければ多いほど思考の混乱は大きくなる一方だ。
パブリック・スピーキングで混乱する人は、「知識の整理ができていない人」だと言い換えることができます。
きちんと整理整頓できれば、決して焦る必要はないということです。
話の組み立て方について、万能の法則というものはありません。
スピーチのテンプレートというものは存在しないということです。
なので”話し方”を理解しなければいけないのです。
話し手は、自分のテーマについて熟知していなければならない。
自分が話すテーマについてありとあらゆる情報をかき集めて、それを整理し、何を話すのか検討し、自分なりに咀嚼します。
もちろんそれらが単なる憶測ではなく、事実であることも確認します。
優れたスピーチにおいては、この素材集めが重要なのです。
事実を収集し整理したら、そこから必然的に導き出される結論を自分の頭で考え出す。
スピーチにおける結論は必然です。
その必然的なゴール(結論)へ向けて話し始めるのですが、「その結論である理由を肉付けしていく」のがスピーチだと言えます。
スピーチは目的地を持った航海ですから、海図は欠かせません。
何とも分かりやすい比喩ですよね。
見切り発車のスピーチでは、大海原で遭難してしまうのです。
メモというものは、聞き手を退屈させ混乱させるのがオチだ。
スピーチをする時、メモを片手に話す人が多いと思います。
しかしそのスピーチでは気持ちが入らないので、当たり前ですがメモなしの方が良いと思います。
もちろんそれは本番スピーチの話なので、練習中はメモを見てもOKです。
聞き手だけでなく、話し手も退屈にさせてしまうのがメモなので、慣れてきたらメモなしで本番スピーチをしましょう!
大事な商談を控えている時、あなたは座り込んで、言おうと思うことを逐一覚えたりしますか?
この言葉にはスピーチの極意が隠れています。
当たり前ですが、セールストークを一語一句すべて丸暗記している人なんていませんよね。
基本的には話し始めと着地(結論)だけを決めておき、後は場面で適時対応しているはずです。
パブリック・スピーキングもそれと同じということです。
有名な演説家の経歴を調べてみると、その全員について一つの共通点が見えてきます。
練習です、彼らは練習をしたのです。
パブリック・スピーキングが、一朝一夕で上手くなることはありません。
努力して、練習して、失敗するからこそ、本番では流暢に話せるのです。
何か思い出すための手段は2つ、外からの刺激と、すでに頭の中にあるものからの連想です。
スピーチをする場合、ある程度内容を記憶しておかなければいけませんよね。
この言葉は”それ”を思い出すための術について語った名言ですが、外からの刺激というのは”メモ”を活用するやり方です。
しかし、このやり方は前述した通りスマートではありません。
なので基本的には記憶(内側)から引っ張り出すことになりますが、記憶するのが苦手な人も人もいるはずです。
そんな時には連想ゲームのように記憶してみましょう!
一番最初の話(きっかけ)をすると、2番目の話が自然に出てきて、その次には3番目が出てきて…、という風に覚えておけば、あとは自然とゴールまでたどり着きます。
これは記憶術についての話なので、ここで詳しく触れませんが、ポイントは「言葉ではなく”絵(イメージ)”で覚える」ということです。
このやり方は勉強含めて全てに応用できますが、そのやり方を知りたい人は、記憶術の関連本を読んでください。

自信ある話してになりたいと望むなら、なれるだろう。
ただし、その願いが本物であれば。
何事も”本気”で取り組まなければ上達しないということです。
スピーチの直前には、何らかの不安から逃れることはできない。
人前で話す時、緊張するのは当たり前のことです。
しかし努力を続けていれば、次第にその恐怖感はなくなっていきます。
つまり”自信”の方が上回るということです。
これは営業活動でも同じだと思います。
新卒の頃はガチガチに緊張していた商談が、慣れてくるとほとんど緊張しなくなりますが、”緊張感ゼロ”ということにはなりませんよね。
演説をするには大切なことが3つある。
それは、誰が演説するか、どんなふうに演説するか、何を演説するか、だ。
この中でほとんどの人は「何を演説するか?」という部分にフォーカスしていますが、実はそれが最も重要ではないとデール・カーネギー語っています。
一番重要なのは「誰が演説するか?」という部分で、次に重要なのは「どんなふうに演説するか?」、そして一番重要ではないのが「何を演説するか?」です。
そう考えた場合、少し気が楽になりますよね。
現代の聴衆が話し手に求めるのは、気楽なおしゃべりをする時の話し方、つまり、聴衆の中の1人を相手に話すのと同じような普通の話し方なのです。
「同じような普通の話し方」と言っても、声のボリュームは違いますし、身振り手振りも大げさにしなければいけません。
エネルギーの使い方も違いますが、求められているのは”普通の話し方”なのです。
聴衆の中から、後ろの方の一番飲み込みが悪そうな人を誰か一人選び出し、その人に向かって話すのです。
「他にも人がいることはすっかり忘れましょう!」とデール・カーネギーは語っています。
演説が、聞き手の心に深く印象付けたいと思う重要な問題に差し掛かると、体を前に屈めてしばらく聞き手の目をまっすぐ見据え、全く何も言いません。
この突然の”沈黙”は突然の”音”と同じ効果がありました。
これは相手の注意を引く時のやり方について語った名言です。
パブリック・スピーキングでは、自分が伝えたい部分をきちんと伝えなければいけません。
そのためには話に緩急をつけたり、間を活用するなど、上手な話し方のコツを身につけるべきだと思います。
人柄こそ、準備は別として、聴衆を前に話す場合には何よりも大切な要素です。
人柄とは、人間を構成する全てのことを指します。
人間の肉体、精神、知性、特性、好み、気質、考え方、経験など、全てが人柄だと言えます。
そして聴衆から好まれる人柄とは”誠実な人”です。
聞き手に対して誠実な話し方を心掛けましょう!
話し手が自分のテーマに誰よりも興味を持っている。
だから面白いというわけです。
これは当たり前の話ですが、自分が興味のある話であれば、誰でも興奮気味に話せますよね。
すると相手(聞き手)もワクワクするはずです。
なので話すテーマは「自分が興味のある内容」にしましょう。
たとえわずか12人であろうと、1000人の人に話すのと同じようにうまく話すことができます。
ただし、その12人が私の周りに、お互いの体が触れ合うほどにより集まっていれば、の話です。
聴衆がバラけていて隙間があると、会場のボルテージが上がらないだけでなく、話し手はとても喋りづらくなります。
聴衆を1ヶ所に固めるというのは、パブリック・スピーキングのセオリーなので覚えておきましょう!
壇上のテーブルの後ろに隠れてはいけません。
聴衆は話し手の全身を見たがります。
これは意外な事実ですが、話す時には壇上に何も置かないのがセオリーだそうです。
机はもちろんですが、マイクスタンドや水、来賓者など、一切のモノを排除しましょう。
でも確かに、「プレゼンの達人」と呼ばれていたスティーブ・ジョブズは、ステージで話す時に何も置いていませんでしたよね。

先ほどもお伝えしましたが、パブリック・スピーキングにおいて最も重要なのは”話し手(誰が話すのか?)”です。
それがパブリック・スピーキングの極意なのかもしれません。

まとめ
ここまでデール・カーネギー「話し方入門」の名言集をご紹介してきました。
「話し方入門」にはパブリック・スピーキングのやり方、会話術などがたくさん記載されています。
それらの知識は現代でも十分通用するノウハウなので、絶対にビジネスパーソンが身につけるべきスキルだと思います。
そして、デール・カーネギーが残した「人を動かす」という名著は、人間関係の原則がわかる本として有名です。
この本を読めばマネジメントの原理原則が理解できるので、ビジネスリーダーを目指す人は必ず読んでおくべき本だと思っています。
さらに「道は開ける」という本には、人間が抱える”悩み”について書かれています。
具体的には悩みから解放される方法論について書かれており、具体的な解決策まで提示されています。
人間には「仕事の悩み」「子育ての悩み」「恋愛の悩み」など、悩み事がつきませんよね。
それらの悩み事から解放される術について書かれているので、こちらも合わせてご覧ください。