DX(デジタルトランスフォーメーション)というキーワードが注目されており、IT営業のやり方も変化してきています。
これまでのセールスでは成果を出すことが難しくなるはずなので、この記事ではIT・SES営業マンにとって有益な情報をお伝えしたいと思っています。
IT営業(SES営業)のやり方が変わった
IT業界にはシステム開発を請け負っている会社が多く、それに伴う営業マンもたくさんいます。
そのビジネスモデルでは「開発リソースの提供」というのが商品になっており、一般的には「工数×単価」という考え方で提案しているはずです。
しかしこのような営業スタイルはもはや旧態依然と言えるので、今後このようなアプローチでは生き残っていけないでしょう。
もちろんIT業界におけるSaaS(ソフトウェア)営業に関しても同じです。
お客様が要望する機能を付与したり、エンタープライズで提供すれば受注できていたものが、今後は受注できなくなっていくと言われているのです。
なぜかといえば、お客様側にDX(デジタルトランスフォーメーション)という認識が広まってきたためです。
つまり単一の製品サービスのみで判断するのではなく『全体最適』が求めるようになったということです。
これこそが本質的なDXであり、IT化という文脈なので、お客様の行動は決して間違っていませんし、むしろ合理的だと言えます。
逆に「これまでのIT営業やSES営業が変だった」と言えるでしょう。
なので、まずは「お客様の成果にフォーカスした提案を行う」というのはもちろんですが、営業活動には「お客様の業務プロセスを把握して、柔軟に提案する」というのをプラスしなければいけません。
これはエンタープライズとは違う概念なのですが、後で解説したいと思います。
攻めのDX営業に転換する
これまでのIT・SES営業では、基本的に「ヒアリングを重視して、その内容に基づいた提案(工数×単価)をする」というやり方でした。
しかしこれでは今後通用しないことをお伝えした通りなので、このような待ちの姿勢ではなく、基本的には『攻めの営業スタイル』に転換しなければいけません。
例えば、これまでのシステム受託開発といえば「業務管理システムを開発したい」とか「営業管理ツールを導入したい」というような要望だったはずです。
しかし、これからの時代は「○○をしたいが、ITを活用して業務効率化を図れないか?」というような要望に変化していくでしょう。
これこそがまさに”DXの視点”になるのですが、これはつまり、今までのような『御用聞き営業』ではなく、ソリューション型の営業スタイルに変化せざるを得ないことを意味しています。
これはビジネス環境の変化だと言えるので、まずはソリューション営業について理解する必要があるでしょう。
ソリューション営業について知りたい人は下の記事を参考にしてください。
営業職の役割を正しく理解する
「営業職の役割は何でしょうか?」
このように質問された場合、多くの人は「製品・サービスを販売すること」「売り上げを作ること」「会社へ利益をもたらすこと」などと回答するかもしれません。
しかしどれも「バツ回答」だと言えます。
上記の回答はどちらも”会社目線”になっているので、決して営業職としてふさわしい回答とは言えません。
本来の営業職は”顧客目線”であるべきなので、正しい回答は「お客様の課題を解決すること」になります。
例えば、事務所の蛍光灯をLEDに変更したい経営者がいた場合、その社長は本当にLEDが欲しいのでしょうか?
もちろんその答えは「NO」です。
その経営者はLEDが欲しいわけでなく、本当に欲しがっているものは「電気代の削減」や「明るい照明の下で仕事がしたい」「環境問題に貢献したい」など、いわゆる”成果”だと思います。
その成果を得るための手段が「LED」だっただけなので、本質的に「LEDが欲しい」というわけではないのです。
このような理解ができていないと、お客様へDXを推進するような提案ができないので注意しましょう。
ヒアリングを重視しよう!
ここまで読み進めた人は、ヒアリングの重要性に気づいたはずです。
- お客様は何を欲しているのか?
- お客様の課題は何なのか?
- お客様は何を実現したいのか?
このような部分がクリアにならなければ、お客様の求める『本質的なソリューション』を提供することができません。
つまり新時代の営業スタイルを実現するためには、”顧客の本音”を聞き出すヒアリングが必要不可欠となるのです。
よって「どうすればお客様は本音を話してくれるのか?」というのを、各営業マンは真剣に考えなければいけません。
そもそもお客様は本音を話してくれないものです。
この辺りは面倒な話なのですが、お客様は簡単に本音を語ってくれません。
なぜそのようになってしまうのかと言うと、「本音を言ってしまうと押し売りされる」と感じているからです。
例えば洋服を買いに行った時、店員さんから「何かお探しですか?」と聞かれて、「何かいいTシャツがあれば…」なんて話した後には、たくさんのTシャツをおすすめ(押し売り)されるはずです。
本当にTシャツを探しに来ていればいいのですが、「何かいいTシャツないかなぁ~」くらいの温度感の人には、店員のレコメンドが大きなストレスになるはずです。
このような経験は誰もがしたことがあるため、お客様は簡単に本音を言いたがらないのです。
よって、お客様から本音を聞き出すために、営業マンはもれなく心理テクニックを学ぶべきでしょう。
これは営業現場における”交渉術”とも言えるので、トップセールスになるために必要不可欠なスキルだとも言えます。
どちらにしても「お客様のDXを実現させる!」という目的を達成させるためには必要なスキルだと思うので、続きは下の記事をご覧ください。