
ビジネスパーソンであれば、きっと投資に興味がありますよね。
事業拡大させる上でも『投資』という概念は必要不可欠なので、今回は著名投資家として知られているジム・ロジャーズの投資名言をご紹介したいと思います。
ジム・ロジャーズが提唱する投資のコツや、将来を予測する方法について学びましょう!
ジム・ロジャーズの略歴
ジム・ロジャーズは、1942年、米国アラバマ州生まれの投資家です。
5歳の頃からピーナッツ売りの商売を始めたり、どうやら幼い頃からビジネスに関心があったようですね。
イェール大学とオックスフォード大学で歴史学と哲学を修めた後、1970年に世界の金融の中心地と言われている米国のウォール街の投資銀行で働き始めますが、そこで後のビジネスパートナーとなるキーパーソン『ジョージ・ソロス』と出会います。
そしてジム・ロジャーズはジョージ・ソロスと一緒に、1973年クォンタム・ファンドを設立し、10年間で4200%という驚異的なリターンを叩き出すのです。
37歳で早々に引退した後は、テレビ番組の司会者を務めたり、オートバイで世界一周旅行へと出掛けたりしていますが、今は悠々自適に老後を過ごしているようです。
投資家ジム・ロジャーズの名言まとめ
私は学生時代に「歴史」と「哲学」を専攻したが、そこで学んだことがその後の人生に大きく役立っていると感じている。
歴史は繰り返すので、歴史書を読めば過去から教訓が学べます。
そして哲学は、物事に対する洞察力や考える力を養ってくれます。
つまり投資で最も重要だと言われている「本質を見極める力」が身に付くそうです。
人類はたくさんの間違いを犯すものだ。
一個人としての投資家だけでなく、政治家や国でも間違いは犯しますよね。
間違いを起こすのはいいのですが、その失敗から「何を学んだのか?」が重要だと思います。
もしあなたが投資で成功したいのなら、自分を知り、理解する必要がある。
ジム・ロジャーズは「自分が何に関心を持っていて、どんな強みがあり、どんな弱みがあるのか?」を理解することは、投資で成功するための重要な要素だと語っています。
災害や危機に関する記事を見たら、投資を考えることだ。
ジム・ロジャーズは「危機と機会は紙一重」だと語っています。
過去のチャートを見ても、大暴落(危機)の時に買っていれば、それがチャンス(機会)であったことは明白な事実ですよね。
要するに『投資する勇気』さえあれば、危機は機会になり得るということです。
日本国内に円で資金を保有しているのなら、なるべく早くその一部でも海外の投資商品に移すことだ。
日本人は保守的なので、アグレッシブに海外投資している人は少ないと思います。
しかしそれは相対的に見た場合、自分の資産をリスクにさらしている状態なので、正直おすすめできません。
もちろん日本円の現金(預金)100%なんてナンセンスです。
もっと俯瞰的に、グローバルな視野で物事を見ましょう!
人は海外旅行を一度経験すると、「もっと違う国を見てみたい」と思う欲求を抑えられなくなるものだ。
ジム・ロジャーズは世界一周を2度経験していますが、それでも旅行に飽きたことはないそうです。
技術が進化すればするほど、リアルへの渇望が出てくるので、「観光ビジネスはさらに盛り上がっていくはずだ」と予想しています。
賢い人はETFに含まれていない優良銘柄を探している。
ETFは「上場投資信託」なので、リスク分散する時に便利ですよね。
優良銘柄に分散投資できたり、小額投資できるというメリットもあります。
しかしその一方で「ETFは暴落時に弱い」という側面もあります。
決して「ETFは買うな!」とまでは言いませんが、そこに組み込まれていない”優良銘柄”を見つける努力も必要だと思います。
私は「ゴールド」が大好きだ。
大切な2人の娘に資産を残そうと思ったら「ゴールド以外にない」とまで思うようになっている。
株式は会社が倒産すれば無価値になってしまいますが、ゴールドは無価値になることがありません。
だからジム・ロジャーズは実物資産のゴールド(金)が大好きなのですが、シルバー(銀)も好きみたいです。
やがて仮想通貨(暗号通貨)は政府の圧力によって消えていく。
ジム・ロジャーズは仮想通貨(暗号通貨)についてネガティブな考えみたいです。
なぜかといえば、仮想通貨は政府の管理下にないからです。
各国政府は自分たちが管理できない仮想通貨(暗号通貨)に魅力を感じることが少なく、デジタル人民元のような管理システムを独自開発することになるでしょう。
そうなった場合、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨(暗号通貨)は、遅かれ早かれ衰退することになります。
成功したいのであれば、将来を予測しなければならない。
将来を予測するための方法論として、ジム・ロジャーズは「歴史書」を推奨しています。
例えば過去にあった世界的パンデミックの歴史を紐解いてみると、以下のようになります。
- 1918年~1920年 スペインかぜ
- 1957年~1958年 アジアかぜ
- 1968年~1969年 香港かぜ
- 2009年~2010年 新型インフルエンザ
- 2019年~2022年 新型コロナウイルス
これらの発生スパンを見てみると、40年後、10年後、40年後、10年後…、と繰り返しているのが分かりますよね。
そうすると次の世界的パンデミックは2060年前後だと予測することができます。
投資家として成功したいのなら、私は哲学を学ぶことも勧めたい。
哲学的な思考には2種類があります。
- 観察した事実から結論を描く「帰納法」
- 純粋に論理を基に結論を導く「演繹法」
これは両方とも、将来を予測しなければならない投資家にとって必要不可欠な考え方みたいです。
大金を手にしたいなら集中投資をすること。
ジム・ロジャーズ曰く「分散投資は遠回りにしかならない」ということです。
一点張りは良くありませんが、できるだけ集中投資しましょう!
投資家として成功を収める唯一の方法は、自分自身がよく知っているものに投資をすることだ。
「分散投資はリスクが抑えられる」というのは本当ですが、自分の知らない分野への投資は逆にリスクを大きくします。
例えば不動産投資の知識が人並以下なのに不動産を購入したり、「なんとなく儲かりそうな予感がするから」という気分で仮想通貨(暗号通貨)を購入したりする行為です。
投資の大原則とは「わかるものだけの投資をする」ということに尽きます。
これは「投資の神様」と呼ばれているウォーレン・バフェットも同じ考えなので、それを知りたい人は下の記事をご覧ください。
「何もしない」ことこそが投資家にとって、とても大事であることを心に留めてほしい。
成功している投資家は、忙しくデイトレードすることがありません。
そんなことを続けていても、せいぜい数億円、大成功したとしても100億円ぐらいの資産が限界だからです。
世界で最も成功した投資家と呼ばれているウォーレン・バフェットの個人資産は1000億ドル(約15兆円)とも言われており、ジム・ロジャーズも推定資産10億ドル(約1500億円)と言われていますが、この両者の違いは「何もしない投資」を実行できているか否かです。
成功している投資家は、5年でも10年でも、魅力的な投資対象を辛抱強く探し続けます。
そして投資を実行したら、あとは何もせずにじっと我慢して待つのです。
私の意見を聞きたいと思っているのかもしれないが、私の言うことだって聞くべきではない。
ジム・ロジャーズは「自分で考えなければ投資は失敗する」と語っています。
テレビやインターネットの情報を含めて、何一つ信頼してはいけないということです。
投資を実行する時には、投資対象の財務諸表を確認するだけでなく、取引先や顧客、業界構造、競合他社まで分析をして、その会社の経営者のような目線で将来性を判断しなければいけません。
その判断を自分の頭ですることが重要なのです。
もう少し踏み込んでお伝えすると、我慢する(持ち続ける)ことができなくなるから、自分の頭で考えなければいけないのです。
例えば、何か突発的な相場下落が起こった時、人から言われて買った銘柄だと不安になってしまうので、すぐに手放したくなりますよね。
しかし自分で分析して納得しているのであれば、多少の下落は問題ないことが分かります。
なぜかといえば、株価は上がるという”根拠”があるからです。
だからこそジム・ロジャーズは『自分で考えること』を推奨しているのです。
過剰なまで膨れ上がった債務はこれから大きな問題を引き起こす。
アメリカの公的債務残高は、2019年に23兆(約3000兆円)ドルを突破し、日本の債務残高も1100兆円を突破しています。
このような事態について、「国債は借り換えればいいから、いくらでも発行していい」と主張する現代貨幣理論(MMT)もありますが、ジム・ロジャーズは「馬鹿げた理論だ」と一刀両断しています。
もしこの理論が本当なのであれば、ひどいインフレのジンバブエやアルゼンチンはもっと裕福になっているからです。
しかし実際はそうなっていませんよね。
債務残高を解消するためには、通貨を発行しなければいけないので、とんでもないインフレが引き起こされます。
債務残高は増やすよりも減らした方がいいのは明らかなので、現代貨幣理論者の意見は疑った方が良いと思います。
人口動態は、有望な国、衰退する国を見分ける重要な要素の一つ。
日本は少子高齢化社会なので、これからの人口減少が確実視されています。
これは「経営学の父」と言われたピーター・ドラッカーも提唱しているのですが、「人口動態こそが唯一絶対の道標となる」と語っています。
ビジネスパーソンはドラッカーの理論も学んでおきましょう!
歴史的に見て保護貿易がいい結果をもたらしたことはない。
保護貿易とはいわゆる保守的な考え方です。
自由貿易と真逆の考え方なのですが、それを交渉カードに使って貿易戦争している国もあるほどです。
しかしそもそも歴史的観点から見た場合、貿易形態は保護貿易⇒自由貿易へと進化し、WTO(世界貿易機関)も誕生したので、保護貿易が良くないことは既に証明されているはずです。
よって保護貿易を推し進めるリーダーがいる国の株価(経済)は下がる傾向があるそうです。
近い将来、ブラジルが経済大国になることはないだろう。
ブラジルはBRICsの一角を担う新興国なので、なんとなくポテンシャル高そうですよね。
しかし、ジム・ロジャーズはブラジルに関してネガティブに考えているようです。
なぜかといえば、ブラジル経済は商品(コモディティ)価格に振り回される傾向があるからです。
商品相場が上昇している時には上がっていき、急落した時には同じくボベスパ指数が急落する、という傾向があるので、こういう国を投資対象にするのは難しいと語っています。
経済成長と株価が比例しないのは、根本的におかしいですよね。
商品価格の需給で株価が決まってしまうのであれば、そもそも商品(コモディティ)へ投資すれば済む話ですし、その方が為替リスクも抑えられます。
そのような観点から、ブラジルに投資する魅力がないと語っています。
現時点でインドは中国に比べ、世界をリードする可能性は少ない。
インドは世界一の人口を誇る国になりましたが、ジム・ロジャーズは先行きをネガティブに考えているそうです。
その理由について、以下の4つを挙げています。
- 債務を削減したことがなく、逆に毎年増やしている。
- インドの官僚制度は世界最悪レベルに腐敗している
- 言語の数が多すぎる(ヒンディー語、ベンガル語、ウルドゥー語、マラティ語など)
- 宗教問題やカーストが根深い
これらがクリアできなければ、「インドが中国のような急成長を遂げることはない」と語っています。
統一が実現すれば朝鮮半島の未来は明るい。
ジム・ロジャーズは、いづれ南北朝鮮が統一すると考えているようです。
もしそれが実現した場合、北朝鮮経済はとてつもないポテンシャルを発揮すると語っています。
変化は常に起きている。
これからも様々な変化が起きる。
だから、私たちは新しい変化に適用しなくてはならない。
そのような環境の変化に適用するためのヒントは、「未来ではなく過去にある」とジム・ロジャーズは語っています。
ジム・ロジャーズのおすすめ本
ここまで伝説的な投資家と呼ばれているジム・ロジャーズの投資名言集をご紹介してきました。
色々学ぶべき点が多かったと思いますが、その下地になっているのは『豊富な知識』です。
例えば、ジム・ロジャーズはアダム・スミスの「国富論」を読むことを推奨しています。

国富論は「経済学の祖」と呼ばれたアダム・スミスが書いた名著ですが、資本主義経済について説かれています。
「市場原理(自由主義経済)とは何か?」という根本的な部分が学べるので、資本主義に携わるビジネスパーソンは必ず読んでおくべきでしょう。
それと同時に、カール・マルクスが残した「資本論」も推奨しています。

「資本論」の名前とは裏腹に社会主義経済を推奨している本なのですが、この本をきっかけにして社会主義国家「ソビエト連邦共和国(ソ連)」が誕生し、それを真似した毛沢東が中華人民共和国を設立、社会主義国家の北朝鮮が生まれるなど、歴史的に大きな影響を与えた本だと言えます。
つまり資本論は歴史を動かした名著だということです。
それと同時に「なぜ社会主義はダメなのか?」というロジックが理解できる本なので、これを理解しておくことはビジネスに役立つでしょう。
この2つは歴史的な名著と呼ばれていますが、まだ読んだことない人はぜひ手に取ってみてください!