ビジネスの現場ではとにかく「DX化」が叫ばれているので、必然的に営業現場もDX(デジタルトランスフォーメーション)されていくはずです。
機械に任せられる部分は機械に任せて、人間は人間がやるべき業務だけに集中できるので、それはそれで理想的かもしれませんが、その一方で必要とされない営業マンも出てきてしまいます。
そうなってしまうと手遅れなので、今回はこれからのIT社会でも生き残れるセールスパーソンについて触れたいと思います。
目次
どうすれば必要とされる営業マンになれるの?
トップセールスになるため、営業マンはすべからく努力していると思いますが、意外とそのロジックは未だに『気合い&根性論』だったりします。
- 誰よりもテレアポする
- 1日100件飛び込み営業する
- 商品知識を完璧に覚える
もちろんこのような動きも必要だと思いますが、それは本質的な部分ではありません。
例えば以下のような営業マンはこれからの時代どうなってしまうでしょうか?
- 毎回お手本のようなセールストークを完璧に話せる
- FAQ(想定問答)を完璧に覚えている
まるでお手本のような素晴らしいセールスマンですが、これからの時代はAIが活用されるはずなので、上記のような強みだけでは淘汰されるでしょう。
つまりビジネス環境が変化しているので、それに合わせてセールスパーソンも変化しなければいけないということです。
これからの時代生き残っていける営業マンとは、「AIができないことを提供できるセールスパーソン」ということになります。
その上で”人間味”のある、味わい深いセールスパーソンだと思います。
機械には感情がありませんが、人間には感情がありますよね。
これが最も重要な差別化要因になっていくはずです。
自分の長所と短所を理解する
誰もが『完璧な仕事人』になりたいと思うはずですが、実際にそのような人間は一人もいません。
みんな何かしらの長所&短所を持ち合わせているのです。
例えば、paperboy&co.(現在のGMOペパボ)を創業しGMOインターネットグループへバイアウト、国内最大級のクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」を創業し上場準備中、ネットショップ作成サービスを提供する「BASE (ベイス)」を共同創業して株式上場、ベンチャーキャピタルのNOW株式会社を創業して数多くの起業家へ出資しながら日本をアップデートしているシリアルアントレプレナーの家入一真さんは、この実績だけ聞くと『完璧な仕事人』というイメージそのものですよね。
なんとなくすごいビジネスパーソンに感じると思いますが、実は「遅刻の常習犯」として有名なのです。
そして自称ですが「コミュニケーション障害」らしいので、これだけ聞くと典型的なダメ人間ですよね。
しかしビジネスではきちんとした結果を残せているのです。
その理由はおそらく、自分の長所と短所をきちんと理解しているからだと思います。
長所となる部分だけを伸ばして「短所となる部分は放棄する」くらい極端に振り切っているからこそ、普通の人では到底できないないような偉業を成し遂げられたのだと思います。
これはセールスパーソンも同じだと思うので、「どこが自分の強みで、何が自分の弱みなのか?」というのを冷静に分析してみましょう!
具体的な実践方法を解説!
ここから売れる営業マンになるための「実践編」へと入っていきたいと思います。
そこまで難しい話ではないので、ぜひ実践してみてください!
その1:自己紹介を考える
営業マンは商談する時や交流会で名刺交換をする時、必ず自己紹介をしますよね。
この時に「○○株式会社の鈴木です。弊社はIT サービスを提供している会社で、業界No.1のシェアを誇る「×××」というサービスを提供しています。このサービスは~」と自己紹介するのではなく、もっとインパクトのある自己紹介にした方が良いと思います。
例えば以下のようなイメージです。
吉田松陰先生が大先輩の日本史大好きな鈴木です。私は吉田松陰先生と同じ山口県出身の長州侍なのですが、今では「×××」というITサービスをご提供してます。このサービスは~
このようなインパクトのある自己紹介であれば、相手の記憶にも残りやすいので、きっと営業がはかどるはずです。
もちろん上記は一例なので、自分なりの自己紹介を考えてみましょう。
その2:見た目を整える
- コピー機の営業マン
- 求人媒体の営業マン
- コスト削減の営業マン
世の中には様々なセールスパーソンがいるので、その人たちと差別化しなければ生き残ることができません。
そこで理解しておくべきことは「メラビアンの法則」についてです。
メラビアンの法則とは、人とのコミュニケーションにおいて「視覚情報:55%」「聴覚情報:38%」「言語情報:7%」の割合で影響を与えるという心理法則のことです。
この割合の中で最も大きいのが”視覚情報”なので、人間はかなり”見た目の印象”に左右されるというのが分かりますよね。
営業マンであれば清潔感のある短髪にしたり、体型にあったスーツを選んだり、綺麗な革靴を履く、という当たり前のこと以外にも、シチュエーションに合わせたネクタイ選びなども重要となります。
金融業や不動産業であれば、賢く見える銀縁メガネを活用するのも良いでしょう。
このようにファーストインプレッションを変えるだけでも、商談率や受注率は変わってくるはずです。
営業スーツの着こなし方がわからない場合には、下の記事を参考にしてください。
その3:インパクトのあるアイテムを身につける
初めて会った人の名前を覚えるのは、決して簡単ではありませんよね。
それはお客様も同じなので、何かしらインパクトのあるアイテムを身につけた方が印象に残りやすいと思います。
例えば先ほどの「メガネ」というアイテムは代表例で、銀縁メガネの人、黒縁メガネの人など、相手の印象に残りやすいアイテムだと言われています。
経済学者の成田悠輔さんが身につけている”丸四角メガネ”がトレードマークになっている通りですが、少し変わったメガネをつけると印象付けできると思いますよ。
他にも変わったネクタイ(ネクタイピン)をつけていた人、可愛らしいディズニーのボールペンを持っていた人など、自ら印象に残りやすいアイテムをセレクトするのは重要ポイントだと思います。
もし麻雀が大好きなのであれば、麻雀牌をモチーフにしたネクタイピンを身につけておくと、麻雀好きのお客様との雑談にも使えるはずです。
その延長線上の話ですが、自分のテーマカラーを決めてしまうというやり方もあります。
例えば「私のテーマカラーは赤」と決めたなら、名刺入れを赤にしたり、常に赤色をネクタイを着用したりするのです。
そしてお客様にもそのことを伝えておけば、きっと「赤色の人」という認識になるので、相手の印象に残りやすいでしょう。
色には様々なメッセージが込められているので、自分の印象に合うテーマカラーをチョイスしてください。
- 赤:情熱的、活発的
- 緑:やすらぎ、癒し、さわやか
- 青:誠実、知的
- 紫:高級、優雅、神秘的
- 白:清潔、正義
- 黄:明るい、希望
- オレンジ:元気、健康的
- ピンク:可愛い、愛情
その4:営業時の基本姿勢を守る
- お客様と名刺交換する時、ちゃんと両手で名刺を受け取っているでしょうか?
- お客様にお辞儀する時、きちんと90度曲げているでしょうか?
- お客様の姿が見えなくなるまで見送りしているでしょうか?
このような営業時の基本姿勢はないがしろにされがちですが、逆にきちんとできれば差別化要因となり得ます。
言葉遣いを丁寧にしたり、相手の目を見て話すのは当たり前ですが、どうしても忙しい時にはパソコンを見ながらお客様と話したりしちゃいますよね。
でもこれは本当に良くないことだと思います。
お客様は細かい部分までよく見ているので、「自分の誠実さを全面に押し出す」という気持ちで接客しましょう。
その5:顧客主体の営業を実践する
多くの営業パーソンが行っているのは「自分主体」のセールスだと思います。
それは自分のノルマに基づいて、お客様へ一方的な押し売りをしているだけなので、絶対に相手から歓迎されることはありません。
むしろ嫌われることによって、次回の商談アポが取りづらくなったり、取引を拒否されるリスクすらあるので、今すぐに自分主体の営業スタイルはやめましょう。
それと反対に、本来実践すべきなのは「顧客主体のセールス」だと言われています。
顧客主体のセールスでは”ヒアリング”に重点を置いている為、「お客様にはどのような課題があるのか?」というのを丁寧に聞き出します。
それに基づいたソリューションを提供するやり方なので、お客様にとって営業マンは「自分の悩みを一緒に解決してくれるパートナー」という位置づけになるのです。
だからこそ重宝されて、必要とされる存在になれるのだと思います。
その6:絶対に誇張したり嘘をつかない
営業マンはノルマに追われているので、「どうしても受注したい…」という場面はありますよね。
そんな時には効果を誇張したり、嘘をつくこともあるかと思いますが、それは絶対に避けた方が無難です。
例えば求人媒体なのに「絶対に採用できます!」というセールストークは嘘になりますが、もしそれを信じてお客様がサービスを利用した場合、その期待値が剥がれ落ちるのは時間の問題です。
そうなってしまうと、二度とサービスを利用してくれないだけでなく、会社に対しての信頼感もなくなってしまうので、長期的に見た場合かなり大きな損害になり得ます。
そのような愚行をするくらいなら、むしろ開き直って”誠実&正直”に話した方がいいでしょう。
そしてもしお客様にとって自社製品が最適でないと考えるなら、「今回は他社製品にした方がいいですよ」とアドバイスできるぐらいの余裕が必要だと思います。
このような提案ができる営業マンは『お客様に寄り添っている状態』なので、きっとお客様はあなたのことを信頼してくれるはずです。
その時には失注してしまうかもしれませんが、長期的な視点で見れば絶対にプラス効果となるはずなので、目先の売上だけを追うのはやめましょう!
その7:豊富な人脈を持つ
営業は外回りする職種なので、外部の人脈を作りやすい立場にありますが、全てのセールスパーソンは、このようなビジネス環境をフル活用すべきだと思います。
なぜかといえば、自分一人で全てのソリューションを抱えることができないからです。
外部の人脈を増やすことによって、自分が提供できるソリューションが増えるので、必然的にお客様に対する課題解決能力も最大化していきます。
これによってお客様の”顧客満足度”も最大化されるので、理想的なセールスが実現できるはずです。
このような営業スタイルを「リファラル営業」と呼んでいますが、これを実践できているセールスパーソンは少ないので、明確な差別化要因になりえるでしょう。
そのやり方を詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。
まとめ
ここまで営業活動の差別化について解説してきました。
営業環境は常にアップデートされているので、これから必要とされるセールスパーソンも常に変化していくはずです。
それであれば、生き残るために自分自身をアップデートさせながら、営業環境の変化に対応していかなければいけません。
それが必然的にトップセールスへと近づく行為となるので、営業職の人は努力を怠らないようにしましょう!