萬事(ばんじ)前方に極め置くが覺(かく)の士なり
<現代語訳>
万事あらかじめ用意しておくのが悟った武士である。
その場しのぎで対処するのではなく、準備万端で臨んだ方が成功確率は高くなります。
例え仮に、準備をせずに成功できたとしても、それは単に「運が良かっただけ」なので、経験値にはならないのです。
一人の智恵は突っ立ちたる木の如し。
<現代語訳>
1人の知恵は、ただ突っ立っている1本の木のように頼りがいがない。
「三人寄れば文殊の知恵」という諺がありますよね。
一人では限界があるので、周りに相談することが大切だと思います。
ことわざの名言集を知りたい人は、下の記事をご覧ください。
大難大変に逢うても動転せぬといふは、まだしきなり。
大変に逢うては歓喜踊躍して勇み進むべきなり。
<現代語訳>
大変な困難に遭遇した時、気が動転しないというだけではまだ十分ではない。大変な困難に遭遇した時には、喜び勇んで進むべきである。
これは「困難な時ほど喜べ」という意味の言葉です。
「ピンチはチャンス」という言葉もありますが、仕事における”高い壁”は自らを成長させてくれるので、逃げずに挑むべきだと思います。
私なく案ずる時、不思議の智恵も出づるなり。
私を除きて工夫いたさば、大はづれあるべからず。
<現代語訳>
私心を去って考える時には、思いもよらない知恵が湧いてくるものだ。私心を去る工夫をするならば、大失敗することがない。
私心とは”邪念”のことです。
自分中心に考える”よこしま”な動きでは、周りがついてきませんし、誰も得をしません。
例えばディスカッションする時、「間違えたらどうしよう」とか「見当違いだったら恥ずかしい」と思えば、行動できなくなってしまいます。
そのような意識は捨て去って、接客参加するのが良いでしょう。
人のすかぬ者は役に立たず。
<現代語訳>
人に好かれない人は、役に立たない。
武士社会は「人社会」だったので、人間関係がとても重要でした。
特に「人間が持つべき三徳」と呼ばれた智仁勇を持っていない人は、誰からも相手にされなかったのです。
これは現代社会でも通じる話なので、処世術として覚えておきましょう!
まとめ
ここまで葉隠の名言集をご紹介してきました。
武士道精神の詰まった名著が”葉隠”なのですが、他にも有名なのは新渡戸稲造が書いた”武士道”です。
こちらも名著なので、その内容を知りたい人は下の記事をご覧ください。