葉隠の名言10

不足の人に添ひ候は恥になり申さず。

<現代語訳>

気に入らぬ人に縁づいているということは恥にはなりません。

これは”恥”についての基準を語った名言です。

結婚した相手が合わなくても、それは恥になりません。

しかし離婚して、再婚することは”恥”だと捉えていたようです。

これはあくまでも”その時代の価値基準”なのですが、重要なのは「他人に対して恥にはならない」「自分が恥ずかしくない」ことをする、ということでしょう。


葉隠の名言11

武士は、仮にも弱気なことを云うまじ、すまじ。

<現代語訳>

武士は、かりそめにも弱気なことを言わない、しない。

心が負けてしまっては、何事もうまくいきません。

常に前向き思考で生きましょう!


葉隠の名言12

初めより思ひはまりて濡るる時、心に苦しみなし。

<現代語訳>

初めから覚悟を決めて濡れた時、不愉快な思いはしない。

雨が降っている時、傘を忘れてしまったら「濡れたくないなぁ…」と思って帰るよりも、「まー、濡れてもいいか!」と考えた方が不快感は少ないですよね。

人生には、自分の力ではどうにもできないことが度々起こります。

そんな時には、この言葉のように覚悟を決めた方が良いでしょう。


葉隠の名言13

内側には智仁勇(ちじんゆう)を備ふる事なり。

<現代語訳>

身を修めて智仁勇の三徳を備えることだ。

智仁勇とは、論語で語られている「人間が持つべき三徳」です。

  • 智:知恵
  • 仁:優しさ
  • 勇:勇気

これと逆に貪瞋痴(とんじんち)と呼ばれる、人間が持ってはいけない”三毒”というのもあります。

  • 貪:貪欲
  • 瞋:怒り
  • 痴:愚かさ

それぞれ覚えておきましょう!


葉隠の名言14

始末心これある者は義理欠き申し候。

義理なき者はすくたれなり。

<現代語訳>

倹約家は、しばしば世間の義理を欠く。義理にかける者は、卑劣な人間だ。

倹約するのは構いませんが、度が過ぎるケチは良くありません。

もちろん浪費家もよくありませんが、基本的には「気前よく対応する」のがベストだと思います。

なぜかといえば、相手に対してGiveすることになるので、それは結果的に人間関係を円滑にしていきます。

この辺りについて知りたい人は、下の記事もご覧ください。


葉隠の名言15

徳ある人は、胸中にゆるりとしたる所がありて、物毎(ものごと)いそがしきことなし。

小人は、静かなる所なく當(あた)り合ひ候て、がたつき廻り候なり。

<現代語訳>

徳のある人は、心の中にゆとりがあって、物事を進めるにも急ぐところがない。徳のない人間は、落ち着いたところがなくて、衝突ばかりを繰り返し、いつも争っているものだ。

これはつまり、「胸を落ち着かせてゆったりと構える方がいい」という武士の姿勢について語った名言です。

忙しくしていると、焦って失敗したり、イライラしたり、心身ともに疲れやすくなります。

つまり全てが悪循環になっていくのです。


葉隠の名言16

一呼吸の中に邪を含まぬ所が、則ち道なり。

<現代語訳>

一呼吸の間にも、邪念を含まないのが道である。

これは集中力について語った名言です。

”道”というのは概念で、物事に集中することを指しています。

何かを極めようとした場合、一心不乱に取り組むと思いますが、その時は集中しているので時間が早く過ぎますよね。

決して「次のチャンスがある」と考えず、その時一瞬に集中することが大切なのだと思います。


葉隠の名言17

昔は疝気(せんき)のことを臆病草と申し候。

<現代語訳>

昔は腹痛のことを臆病草と言った。

腹痛で動けないことを伝えると、「それは臆病である」と切腹を命じられることがあったそうです。

本当にお腹が痛かったのかもしれませんが、病気を防ぐことも武士(仕事人)の務めということです。


葉隠の名言18

手本作りて習ひたるがよし。

<現代語訳>

良い手本を真似して一生懸命習うのがいい。

見習うべき人を見つけたり、尊敬できる人を見つけて、その人を真似するのが一番早い上達方法だと思います。


葉隠の名言19

昨日よりは上手になり、今日よりは上手になりして、一生日々仕上ぐる事なり。

<現代語訳>

今日は昨日より上手になって、明日は今日よりも上手になるというように、一生かかって日々仕上げるのが道というもので、それには終わりがないものである。

これは日々努力する大切さを伝えている名言です。

一流の人ほどハングリーなので、そのような心意気で取り組みましょう!


葉隠の名言20

紙一ぱいに一文字書くと思ひ、紙を書き破ると思うて書くべし。

よしあしはそれしやの仕事なり。

武士はあぐまぬ一種にて済むなり。

<現代語訳>

この紙いっぱいに、ただ1文字を書くと思い、まだ勢いで紙が破れてもいいと思って書くのが良い。上手下手を言うのは書道家の仕事だ。武士は思い切りよくやるべきなのだ。

これは武士の精神について語った名言です。

「思い切りがよく迷いがない」というのが武士道精神なので、ここで理解しておきましょう!


葉隠の名言21

萬事(ばんじ)前方に極め置くが覺(かく)の士なり

<現代語訳>

万事あらかじめ用意しておくのが悟った武士である。

その場しのぎで対処するのではなく、準備万端で臨んだ方が成功確率は高くなります。

例え仮に、準備をせずに成功できたとしても、それは単に「運が良かっただけ」なので、経験値にはならないのです。


葉隠の名言22

一人の智恵は突っ立ちたる木の如し。

<現代語訳>

1人の知恵は、ただ突っ立っている1本の木のように頼りがいがない。

「三人寄れば文殊の知恵」という諺がありますよね。

一人では限界があるので、周りに相談することが大切だと思います。

ことわざの名言集を知りたい人は、下の記事をご覧ください。


葉隠の名言23

大難大変に逢うても動転せぬといふは、まだしきなり。

大変に逢うては歓喜踊躍して勇み進むべきなり。

<現代語訳>

大変な困難に遭遇した時、気が動転しないというだけではまだ十分ではない。大変な困難に遭遇した時には、喜び勇んで進むべきである。

これは「困難な時ほど喜べ」という意味の言葉です。

「ピンチはチャンス」という言葉もありますが、仕事における”高い壁”は自らを成長させてくれるので、逃げずに挑むべきだと思います。


葉隠の名言24

私なく案ずる時、不思議の智恵も出づるなり。

私を除きて工夫いたさば、大はづれあるべからず。

<現代語訳>

私心を去って考える時には、思いもよらない知恵が湧いてくるものだ。私心を去る工夫をするならば、大失敗することがない。

私心とは”邪念”のことです。

自分中心に考える”よこしま”な動きでは、周りがついてきませんし、誰も得をしません。

例えばディスカッションする時、「間違えたらどうしよう」とか「見当違いだったら恥ずかしい」と思えば、行動できなくなってしまいます。

そのような意識は捨て去って、接客参加するのが良いでしょう。


葉隠の名言25

人のすかぬ者は役に立たず。

<現代語訳>

人に好かれない人は、役に立たない。

武士社会は「人社会」だったので、人間関係がとても重要でした。

特に「人間が持つべき三徳」と呼ばれた智仁勇を持っていない人は、誰からも相手にされなかったのです。

これは現代社会でも通じる話なので、処世術として覚えておきましょう!

まとめ

ここまで葉隠の名言集をご紹介してきました。

武士道精神の詰まった名著が”葉隠”なのですが、他にも有名なのは新渡戸稲造が書いた”武士道”です。

こちらも名著なので、その内容を知りたい人は下の記事をご覧ください。

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