
会食は大きなビジネスを成功させる上で必要不可欠だと思います。
トップセールスを目指すのであれば、顧客との接待から逃れることはできません。
そこで今回は、営業マンが押さえておくべき「会食」や「接待」の基礎知識を解説していきたいと思います。
目次
会食はビジネスの一環
会食は結婚式の顔合わせや葬儀など、冠婚葬祭の場面で使われていますが、ビジネスも例外ではありません。
会食をする目的は、参加者が一堂に会して食事を共にすることです。
同じテーブルで食事をすれば、お互い親睦を深められるので、リラックスしながら交流できるのです。
冠婚葬祭での会食は親族や知人、友人と楽しく会話して、美味しいものを食べることが主な目的になっていますが、ビジネスシーンにおける会食にはより明確な意味があるとされています。
ビジネスシーンの会食目的とは?
ビジネスにおける会食の役割とは、お客様に対しての感謝の気持ちを表したり、商談や交渉などをスムーズに進める接待の色合いが強くなります。
会食するメンバーも基本的にビジネス関係者になるので、通常の会食と違って会社代表者として会食に出席することがポイントです。
よって、会社での役職や立場を踏まえる必要があり、決してプライベートで参加しているわけではないのです。
そのようなビジネス会食は「仕事の一環である」という自覚を常に持ち、会場をセッティングしたり食事会に参加することが重要です。
もし顧客側が「今日は無礼講で!」と口にしても、それを言葉通り真に受けず、ビジネスの場である限り最低限のマナーを守るようにしましょう。
もちろん会食するメンバーとの関係性にもよりますが、基本的には和やかに楽しく食事をしつつ、節度も守ることが成功する秘訣になります。
会食と接待の違い
ビジネスシーンでは「接待」というキーワードを耳にすると思いますが、会食と接待は同じではないので混同しないようにしましょう。
- 会食は相手との信頼関係構築などの目的で開催する
- 接待は交渉を円滑に進めていくことを目的として開催する
会食はビジネス以外にも活用される食事会です。
冠婚葬祭や同窓会なども会食の一部になるので、会食はビジネス用途に限ったものではありません。
これに対して接待とは、ビジネスを円滑に進める為に利用されます。
つまり目的が明確に定まっているのです。
また、会食は参加するメンバーの立場が対等であることが多いですが、接待では「もてなす側」と「もてなされる側」がハッキリ分かれているのが特徴的です。
接待禁止の企業が増加中
接待はただの飲み会ではなく、自社のビジネスを有利に進めていくために行われます。
よって、食事以外にもゴルフや旅行などの機会で実施されていますが、近年は接待禁止のルールを設ける企業も増えてきました。
企業によっては接待した、又は受けた社員に対して降格や減俸処分など厳しい罰則を設けている場合もあります。
接待を禁止する背景には、ビジネスにおける公平性を重要視しようという社会的な動きがあるためです。
接待を禁止することで、横領や不正なキックバックの防止にも役立ちます。
よりクリーン&平等な立場でビジネスは行われるべきだという考えに基づき、接待禁止に踏み切る企業が増加しているのです。
なので、もし接待を行う場合には、自社だけではなく相手企業のルールも事前に確認しましょう。
会食時のビジネスマナー
会食は仕事で活用される場合、接待に近い色合いになるので、ビジネスの一部として捉えるべきだと思います。
ここで重要なのが、ビジネスパーソンとしての会食マナーをしっかり理解しておくことです。
会話する話題に関しては、会食が始まってすぐにビジネスの話をすると興ざめするので、軽い雑談などから始めるのがおすすめです。
基本的には上司が率先して話すので、若手は相槌を打ったり、話しかけられたときに回答するぐらいで良いと思います。
服装はお店の雰囲気に合わせるのが無難なので、お店のドレスコードを確認しておきましょう。
会食にはきちんとしたマナーがあるので、お客様に対して失礼がないようにしなければいけません。
マナー違反で相手の機嫌を損ねるようであれば、本末転倒になりかねません。
特に会食において自分が新人であったり一番若手だった場合には、守るべきマナーが多くなるので十分注意してください。
もしわからない点があれば、上司や事業責任者に相談したり、取引先に確認することも大切な心構えです。
人によってはアレルギーなどで食べれないものがあるので、そのような細やかな気遣いは大切です。
新人営業マンはおもてなしする立場なので、会食でゆっくり食事できることがまずあり得ません。
会社の費用で飲み食いできる為、それは仕方がないと割り切りましょう。
ここでは基本的な会食マナーを記載しておくので、初めて参加する場合にはしっかり押さえておきましょう。
- 内容に合ったお店を予約する(場所、個室有無、BGMなど)
- 日時と場所を電話で伝え、メールでエビデンスを残す
- お店には15分前に入店して準備する
- 全員が座る位置を確認する
- 関係性によっては入口まで迎えにいく
- 最初の注文をスマートに取りまとめる
- 高齢者がいれば気遣いする
- グラスが空いたらお酌する
- トイレの位置を事前に把握しておく
- 見えないところで会計を済ませる
- 関係性によっては出口まで見送りにいく
- 関係性によっては別れ際に手土産を渡す
席順に気をつける
席次は、役職などを考慮して「誰が上座に座るのか?」を事前に確認し、自分が座る位置も確認しましょう。
社会人であれば、ここで紹介する席順くらいは理解しておくのが常識だと思います。
仕事に必要な知識として完璧に押さえるようにしましょう。
※1が上座で、それ以降は順に下座になります






会食時の服装や立ち振る舞い
相手に与える最初の印象は大切なので、服装規定が特になければスーツで参加するのが無難だと思います。
そして、コースなど料理が指定されている場合でも、飲み物を注文することがあるので、もし店員を呼ぶ場合には、新人営業マンが率先して動くようにしましょう。
新人は顔と名前を覚えてもらうためにも、積極的にお酌するのがおすすめです。
ただし、場の雰囲気を壊さないように、あくまでも自然な流れでお酌するようにしましょう。
例えば瓶ビールの場合、ラベルを上にして瓶を左手で添えながら注ぐようにするのがお酌する時のマナーでありポイントになります。
相手に気を遣わせてしまうことは本末転倒です。
場合によっては「手酌で」と断られることもありますので、その際には瓶を近くに寄せるだけにするなど臨機応変に対応してください。
会食する意味とは?
会食をする意味とは、一般的にお互いの理解や信頼関係を深めることです。
飲食を共にして、リラックスした状態で会話することによって、より良い関係性を築くことが求められます。
ビジネスにおいて、取引先やパートナーと良好な関係が保てることは非常に重要です。
顧客との関係性が良ければ、ビジネスをスムーズに進めることができるので、結果的にセールスもしやすくなります。
会食は新しいビジネスに着手する際の顔合わせにも活用されるので、お互いがどのような人物なのかを知る良い機会にもなります。
仕事中にはできないような、趣味の話や砕けた話もできますが、馴れ馴れしくなりすぎないように注意してください。
また会食は、重要な決定事項を決める最後の一押しにも利用されます。
会食は対等な立場で開催されるのが基本ですが、ビジネス活用する場合には「会食によって交渉を希望通りに進める」という目的もあります。
接待はお互い腹を割って話す、つまり飲みニケーションを目指したり、顧客を説得するための場として使用されているのが特徴的です。
しかし、ビジネスを進展させたいという気持ちが強すぎて、あまり露骨に自分たちの要望や希望だけを押し付けてしまうと、逆に印象が悪くなることもあるので注意してください。
会食をビジネスに活用するのは全然OKですが、節度を持って参加するようにしましょう。
会食の効果とは?
会食をするメリットは、料理やお酒を一緒に楽しむことによって相手との距離がグッと近づくことです。
人間は美味しい物を食べると、オキシトシンというホルモンが分泌されると言われています。
オキシトシンは「幸福ホルモン」とも呼ばれ、分泌されると幸福感を感じることができます。
美味しい料理を食べると、幸福な気分になりストレスも軽減されますよね。
同時に他者への信頼性が増したり、社交性が増すのも特徴です。
これらの効果により、会食ではいつもより話が盛り上がったり、意気投合したりするのです。
お互い本音で話せる
会社やビジネスを前提にした会議だけでは、なかなか打ち解けることは難しいですが、食事の場であれば交流を深めることができます。
また飲み会の場という雰囲気があるため、お互い本音で話せるメリットもあります。
実際に「商談している時には言えないけど、飲みの場だからこそ話せた」というケースも多いのです。
お酒を飲むことで抑制力が外れ、自分の気持ちをストレートに伝えることができるので、上司と部下はもちろん、時には取引相手の本音を聞くこともできるのです。
食事会という名目であれ、仕事先の人と食事やお酒を共にすることは大きなビジネスチャンスです。
たくさん話すことで、それぞれの考え方を理解しあい、それらをビジネスに活かしていきましょう。
会食恐怖症の場合はどうする?
人と食事をすることに恐れたり、不安や恐怖を感じることを「会食恐怖症」と呼びます。
「対人関係恐怖症」とも言い換えることができますが、ビジネスパーソンの中には一定数「会食恐怖症」が存在しているようです。
パニック障害のような重症例もあるようですが、もしあなたが会食恐怖症なら、早めに治す努力をすべきだと思います。
仕事する期間は長いので、外部との接待や会食を避けて通ることはできません。
そんなことをしているサラリーマンは出世できませんし、自分のキャリア形成にも響くはずです。
もし経営者や事業責任者の場合には、余計その傾向が強くなります。
なので、早めに会食恐怖症を治療するようにしましょう。
的確なアドバイスをしてくれる書籍もあるので、会食恐怖症の人は一度読んでみることをお勧めします。
