製品(プロダクト)を開発しているメーカーにとって、それを販売してくれる"代理店"はとても重要なセールスパートナーだと思います。
代理店数が多ければ多いほど、販路拡大に繋がっていくので、常に有力な代理店希望者を探しているはずです。
そこで今回は、メーカーが物販代理店を活用するコツについて解説していきたいと思います。
物販代理店は難しい?
何らかの製品を開発して、それを提供しているメーカーにとって、代理店網は必要不可欠だと言えます。
なぜかと言えば、代理店の数が多ければ多いほど、エンドユーザーとの接点が増えるからです。
webサイトで例えれば「ページビューが多い」のと同義になるので、エンドユーザーとの接点が多ければ最終的な購入(CV)にも繋がる数も多くなります。
しかし「物販代理店をやりたい!」という人は意外と少ないですよね。
物販代理店の場合には有形商材を取り扱うことになるので、
- 在庫を持たなければいけない
- 輸送網を構築しなければいけない
- ECサイトを作らなければいけない
など色々な手間がかかるのです。
その中でも特に「在庫を持たなければいけない」というのが一番懸念されています。
在庫を持つということは、先に現金(キャッシュ)が出ていくので、それは経営を圧迫することに繋がります。
また、もし売れ残ってしまった場合は在庫を保管する”倉庫費”がかかったり、棚卸するのが面倒なので、意外と物販代理店を嫌う人は多いのです。
その反面、人気になっているのが無形商材です。
無形商材とは、有形商材と真逆の言葉なのですが、インターネットサービス(SaaSなどのIT商材)が無形商材に該当します。
他にもコンサルティングやコスト削減サービスなど、世の中には無形商材と呼ばれるものがたくさんあります。
それらは在庫を持たないので、代理店希望者としては気軽に始められて、なおかつ粗利率が高いのです。
それであれば、まずは無形商材を販売したくなりますよね。
メーカーサイドは代理店を増やしたいと考えますが、代理店側にメリットを提示できなければ、その数を増やすことはできません。
なので、無形商材に勝てるような「代理店側のメリット」を真剣に考えるべきだと思います。
それが無ければ、そもそも物販代理店の仕組み(代理店制度)は構築できないと思います。
販売代理店の探し方
先ほど、まずは物販代理店の仕組み(代理店制度)から始めるべきだとお伝えしました。
それが出来上がった後、次にやるべきことは「販売代理店を探すこと」です。
先ほどからお伝えしていますが、代理店網は最大限広げた方が良いと思います。
しかし、やたらめったら代理店網を広げるのではなく、自分たちがアプローチしたいターゲットに人脈&販路を持っている代理店だけを開拓するようにしましょう。
代理店展開する場合、良くある失敗事例が「代理店の数を増やしすぎる」ことです。
代理店開拓にはそれなりの労力が掛かるので、多くの営業パーソン(=人的リソース)や販促費(=コスト)を投下することになると思います。
そうすればたくさん代理店開拓できるはずですが、その代理店のほとんどは未稼働になってしまうのです。
なぜかと言うと、とりあえず代理店契約だけ交わして、取引開始は二の次にしてしまうからです。
そもそも代理店制度とは、必要がある時に仕入れて販売する仕組みなので、まずは代理店契約だけ交わしておくことはセオリー通りなのです。
しかし、それをすると対応コストだけが増えていき、せっかくの代理店ビジネスが「全然儲からない…」という状態になるのです。
これは非常にもったいないことだと思います。
なので、「たくさん販売代理店を作る」のではなく「人脈&販路の合う代理店を作る」という思考に切り替えましょう。
そうすれば代理店の稼働率が上がって、代理店営業マンの手間も削減できるはずです。
個人代理店を募集しよう!
代理店開拓をする場合、「人脈&販路の合う代理店を作る」ということをお勧めしました。
そう考えると、まず最初に思い浮かぶのが法人代理店だと思います。
もちろん法人代理店を開拓するのが最優先ですが、それと同時に個人代理店も開拓していきましょう。
- 個人代理店なんて売らないのでは?
- 個人代理店は販売する数量が少ないから嫌だ!
- 個人代理店なんてどうやって探すんだ?
上記のように考える担当者は多いと思います。
しかし、そのような考え方をしている場合、発想の転換が必要かもしれません。
代理店制度には様々な種類があって、個人代理店を活かせる仕組みもあるのです。
それは「紹介店」と呼ばれています。
紹介店とは、見込客を探すことだけを業務内容にした代理店制度です。
いわゆる「口コミ」をしてくれる代理店なのですが、その中で見込み顧客がいれば、それをメーカーの直販や販売代理店に紹介してくれるのです。
紹介された見込顧客に営業して、無事受注に至った場合、紹介者である「紹介代理店」に謝礼をキックバックすればいいので、メーカー側にとってはリスクもありません。
副業解禁に伴って、紹介代理店として動いてくれるセールスパーソンも増えてきました。
それを支援するリファラル営業プラットフォームという仕組みも出てきています。
このような仕組みであれば、「販売代理店に見込み案件を供給する」という仕組みが出来上がるので、代理店開拓もはかどるはずです。
代理店開拓は相対的な営業活動なので、
- 無形商材と比較して何がメリットなのか?
- 他社の有形商材と比較して儲かるのか?
- 他社の代理店制度と何が違うのか?
などが提示できなければ、代理店契約を交わすことができません。
そう考えた場合、「販売代理店に見込み案件を供給できる」というのが非常に大きなストロングポイントであることに気づくはずです。
メーカー(代理店本部)が開拓した紹介代理店を、販売代理店の下につけるような仕組みであれば、きっと代理店開拓側には魅力的に映るでしょう。