なかなか目標達成できない場合、暗闇の中を歩いているような状態なので、どうすれば良いか分からなくなるかもしれません。
たくさん見込案件はあるのに受注することができない…
そんな時には「成約率」を見直してみることも肝心です。
冷静に分析すれば何かヒントが見つかるかもしれません。
そこで今回は、営業する上で重要な要素である「成約率」について解説していきたいと思います。
成約率の意味とは?
営業現場では、成約率が重視されます。
成約率とは、商談や電話営業などで、契約を取り付けることができた割合のことを言います。
英語ではコンバージョンレート(conversion rate)と呼び、略してCVRと表現されます。
成約とは、約束が成立したという意味です。
本来の契約は口約束だけでも成立するので、そのような由来が文字になったのだと思います。
成約率と似た言葉に「受注率」がありますが、これらはどれも同じ意味合いになります。
他にも業種業態や現場の違いによって、契約率や獲得率、案件化率や商談率、電話営業の現場ではテレアポ率などと表現されることもあります。
成約率の計算方法
成約率の計算方法ですが、こちらは比較的簡単な数式で表すことができます。
担当者別の成約率を毎月のように出したい場合は、エクセルなどに計算式(関数)を仕込んでおきましょう。
成約率は、実際の成約件数を案件全体の件数で割って算出できます。
そして、それに100をかけて算出できた数値が、パーセント表記とした成約率です。
成約件数÷全体の案件数×100=成約率
実際に数字で考えてみると、Aという担当者が自社商品を100人の顧客に紹介し、そのうち20人が購入に至った場合は、成約率は20÷100で0.2になります。
百分率で表す場合には、20÷100×100で「20%」となります。
エクセル関数の作り方
解説した成約率をエクセルで作る場合、以下のように入力しましょう。
例えば、エクセルの1行目に表題をつけ、2行目を項目行とします。
そして、A3セルに担当者名を記載します。
B3セルには成約した件数などを入れられるようにしておきます。
さらに、C3セルにはテレアポや営業した全体数を入れます。
そして、D3セルに「B3÷C3×100」と計算式を入れておけば、成約率が表示されるはずです。
そして、3行目の計算式を担当者の数だけ、下にコピーして作っておくと、一定期間内の営業部全体の成約率を簡単に計算することができます。
さらに、E列にRANK関数を仕込んでおくと、成績のランキングも出せるので、各営業部員の成績を把握しておきたい経営サイドや管理者にもメリットがあります。
成約率低い場合はどうする?
どんなに営業面で努力しても、なかなか成約率が上がらないこともあります。
ですが、そもそも成約率の平均は10%~20%ほどが普通なので、そもそも高い数字を期待すること自体が現実的ではありません。
とある調査結果によると、法人営業のテレアポ電話をした場合、平均して18回ほど電話をかけないと、相手担当者と話ができないようです。
そう考えると、受注率は前述したパーセンテージをさらに下回ることが容易に想像できます。
もし成約率が停滞する場合や、極端に成約率が低いケースでは、テコ入れが必要になるかもしれません。
さらに拍車をかけるように、新型コロナウイルスの大流行によってオンライン商談が一般的になってしまいました。
非対面型のオンライン営業は、従来の営業スタイルよりも商談するハードルは下がりますが、そのぶん成約率も下がると言われます。
Zoomなどを使ったオンライン営業では、対面営業と違ったノウハウが求められます。
具体的には、身振り手振りを大きくしたり、画面映りを良くしたり、ヒアリング能力が求められたりします。
直接訪問する対面営業では信頼関係の構築ができますが、Zoom営業ではそれができません。
画面越し故に、従来の営業スタイルよりも課題解決能力が求められるので、論理的思考力を養っておく必要もあります。
Zoom営業にはコツがあるので、詳しくは下の記事をご覧ください。
そして何よりも重要なことが、クロージングスキルを高めることです。
新規開拓においても、既存顧客へのアプローチにしても、クロージングを強化すれば成約率を高めることができます。
クロージングに至るまでは、顧客にヒアリングして、課題を見つけ、その解決策を提案していきます。
しかし、契約成立の前段階であるクロージングに失敗してしまうと、そこまでの営業努力が全て水の泡になってしまいます。
クロージングにはいくつかのテクニックがあるので、それらを上手く使うことで効果的なクロージングが実現するはずです。
例えば、テストクロージングの実施や、ドア・イン・ザ・フェイスなどのテクニックは絶対に身につけておくべきスキルだと思います。
もしクロージングスキルをアップさせたいのであれば、ぜひ下の記事をご覧ください。
成約率をアップさせる営業手法
契約に至る各過程をブラッシュアップする以外にも、成約率アップさせるやり方があります。
それは見込顧客の精度を高めることです。
例えば、下の二つではどちらの方が検討度合いが高いと言えるでしょうか?
- 人気サービスらしいので、どんなサービスか話を聞いてみたい
- 当社の課題解決ができるサービスだと聞いたので、詳しい話を聞いてみたい
これは両方とも見込案件だと言えますが、➁の方が検討度合いが高いと思います。
成約率をアップさせるためには、①のような見込み案件を探すのではなく、➁のような見込み客を増やさなければいけません。
そのために有効的と言われているのが「リファラル営業(紹介営業)」です。
リファラル営業の成約率は一般的に「30%~50%」と言われているので、アウトバウンド営業の成約率と比較すると1.5倍~5倍ほどになるそうです。
なぜこのような成約率になるのかと言うと、リファラル営業が人を介した営業行為だからです。
先ほどの例で言うと、①の場合にはテレビCMやインターネットなどで認知された見込客から問い合わせがあったシチュエーションだと思います。
しかし➁の場合には、”誰か”がお客様の課題をヒアリングした上で、その課題解決できるサービスだと教えたので問い合わせに繋がっています。
この「誰か」が紹介者になるのです。
つまり、一度お客様のニーズをヒアリングした上で、見込案件としてトスアップしてくれる仕組みがリファラル営業なので、必然的に受注率が高まるのです。
ただし、この仕組みを実現するためには「紹介者」をたくさん集める必要があります。
これが非常に大きなハードルになってしまいますが、現代ではリファラル営業プラットフォームがあるので、その課題感もすぐ解決できるはずです。
もしリファラル営業に興味があれば、一度問い合わせしてみてください。
成約率アップで目標達成する
営業の現場では、目標設定が重視されます。
成約率がアップすれば、必然的に目標達成にも近づいていきます。
すると営業部全体のモチベーションがアップしていくので、会社全体の士気が上がっていくことになります。
いつも目標未達成という状態の人からすると、毎月目標を達成することは夢物語かもしれません。
しかし、目標達成するためにはコツがあるのです。
目標達成するためのコツ
目標達成する為のコツの一つが、SMARTの法則を活用することです。
こちらは、アメリカの心理学者である教育者でもある人が提唱した法則ですが、以下の五つに力点を置いて実施していきます。
- 目標の明確性(Specific)
- 目標を数値化する計量性(Measurable)
- 役割や責任、権限などの割当設定(Assignable)
- 実行可能性(Realistic)
- 目標までの期限設定(Time-related)
さらに、製造業などでよく利用されているPDCAサイクルを営業の現場でも応用することで、継続して営業手法の改善を図り、成約率をアップさせて目標達成に至ることができます。
目標達成する考え方のコツとして、自分の弱点や欠点、失敗などマイナスの面を認めるということも大切です。
反省と改善を繰り返すことで、目標達成はしやすくなることでしょう。
また、少し背伸びをしたくらいの「達成可能な目標」を立てることがおすすめです。
あまりにも高い目標を立ててしまうと達成できないばかりか、モチベーションも下がってしまう可能性があります。
あとは「必ず成功できる!」と信じて、ひたすら前進するのみです。
正しい道筋の努力なのであれば、必ず結果は出るはずです。
毎日一歩ずつで良いので、必ず前進するように心掛けてください。