
異業種交流会は東京などの大都市を中心に毎日開催されていて、様々なコラボレーションの場になっています。
その内容は「参加費無料(0円)」から「有料(ワンコイン~1万円ほどが相場)」まで様々ですが、今回は異業種交流会をセールスに活用方法、名刺交換会の実態について解説したいと思っています。
異業種交流会をうまく活用できていない営業マン、独立・起業を目指しているビジネスパーソンは是非参考にしてください!
目次
異業種交流会は東京に多い
営業マンであれば様々な会社の人と情報交換して、それを売り上げに繋げたいですよね。
外部の営業マンはライバルでもありますが、アライアンスパートナーにもなり得るので、いかに多くの人脈を持つかがビジネスの成否を分けると思います。
そんな時に便利なのが”異業種交流会”なのですが、異業種交流会のメリットは、ズバリ「これまでと違う新しい出会いがある」ということです。
そこで出会った人から最新のビジネス情報を得たり、自社が行っていないアイデア、営業方法を聞くこともできるので、業務改善に役立てることもできるはずです。
- 今日、飛び込みで参加したい!
- 明日の営業の谷間時間を埋めたい!
このようなニーズにも合致しているので、交流会は様々なビジネス機会の場として活用されています。
しかし異業種交流会が開催されているのは大都市部に集中しており、東京、大阪、大宮、横浜、千葉、名古屋、福岡などに多い傾向があります。
交通の便を考慮すると、東京の中でも渋谷、新宿、池袋、上野、銀座などの主要駅が開催地として選ばれているようです。
それでは、なぜ東京都に交流会が集中しているのか、そのあたりについて触れてみたいと思います。
東京で異業種交流会が開催される理由
異業種交流会は東京で開催されることが多いですが、その理由は以下の通りです。
- 企業数が多い
- 営業マンの数が多い
- 個人事業主(フリーランス)が多い
交流会を主催する側の心理としては「できるだけたくさんの人を集客したい」という気持ちがあるので、その集客チャンスが多い東京や大阪、横浜などでの開催が多くなっています。
その結果、異業種交流会という文化自体が地方に根付かず、地方の企業や営業マンは多大なビジネス機会を失っていると聞きます。
コロナ禍以降では、オンライン交流会も盛んに行われていますが、やはり直接対面で話せる交流会よりは見劣りしてしまいます。
参加者は不動産業や保険業が多い
異業種交流会に参加する業種・業態は様々ですが、その属性は営業マンや個人事業主(フリーランス)、経営者、マーケティング、広報担当者など職種を選びません。
その中でもダントツの参加数と言われているのが、不動産や保険などを生業にしている営業マンです。
この業種のセールスパーソンが多くなる理由は明確で、彼らが売っている商材に特徴があるからです。
不動産や保険はプッシュ型の営業というよりは、プル型の営業が合う商材なので、つまり本来であればインバウンドマーケティングを仕掛けることが理想的な商材だと言えます。
しかし、検索エンジン対策(SEO対策)で「不動産」や「保険」に関連するキーワードは難易度が高いと言われており、上位表示させようとしてもほぼ不可能だと言われているのです。
そこで、見込顧客を増やす方法として採用されているのが「紹介営業」というやり方になります。
紹介営業は「リファラル営業」とも呼ばれていますが、外部パートナーから見込顧客を紹介してもらうことで、受注に繋げていく新規開拓手法になります。
不動産業界や保険業界では、たとえば税理士や会計士など節税対策を提案している会社とパートナーシップを組んで、紹介営業を推進しています。
そのパートナーを探す場として異業種交流会が活用されているのです。
異業種交流会は気持ち悪いの?
実は、「異業種交流会は気持ち悪い」と思っているビジネスパーソンは多いそうです。
そのように感じてしまう理由は”参加者の属性”にあります。
異業種交流会なので様々な業種・業態の人が参加してきます。
その中には「資産運用アドバイザー」と自称している人や、スピリチュアルな事業をしている人、ネットワークビジネスを主体にしている人、何の事業をしているのかわからない人など、いかにも怪しげな人が紛れ込んでいるのです。
さの編集長もこれまでたくさんの異業種交流会に参加してきましたが、有名な詐欺師が参加していた交流会もあったので、それは肌感で感じたことがあります。
このような人が一人でもいると、
- 怪しい
- 詐欺的
- 気持ち悪い
という感情が出てきてしまうので、異業種交流会自体を気持ち悪いと感じてしまうのです。
異業種交流会は無駄なの?
異業種交流会を気持ち悪いと感じてしまうと、交流会自体を無駄と思ってしまったり、役に立たないと考えるようになってしまいます。
しかし実際にはそんなことありません。
これはあくまでも個人的な主観ですが、異業種交流会は外部の人と出会える”貴重な場”だと考えています。
そんな交流会を「行く意味がない」と切り捨てるのは、事業の可能性を自ら狭めるのと同義だと思います。
なので、交流会は「見込み客を探しに行く」というスタンスではなく、
- 色々な人と情報交換する
- 事業パートナーを探す
- 他社の営業方法を参考にする
などの視点で参加するのがおすすめです。
そして、できる限りギバー(与える人)になりましょう。
テイカー(押し売りする人、奪い取る人)は嫌われるので、初対面の人に対してはとにかくギバーに徹して、相手から感謝された方が良いです。
このような行動がとれれば、きっと実りある交流会になるでしょう。
ビジネス交流会は企画内容を確認する
ビジネス交流会に参加する前に、必ず交流会の企画内容を確認するようにしましょう。
中にはビジネス交流会と謳っていても、実態は単なる合コンというケースも十分あり得ます。
このような交流会では女性の参加が強調されているので、ちゃんと見ればすぐにわかると思います。
逆にプライベートでの出会いや異性との出会いを求めている人は、そのような交流会に参加するのもアリだと思います。
また、交流会中にイベントがあるのかも確認しておきましょう。
中にはビンゴ大会などが催されたり、自己紹介タイムが設けられているケースもあります。
また、参加無料の交流会という見せ方にしていますが、実際の交流時間は30分間で、前半90分はセミナーを聞かされるようなケースも多いです。
このようなケースでは、セミナーに登壇する企業が主催者にPR料金を支払っているので、どうでもいい長丁場の話をだらだら聞かなくてはいけません。
個人的にこのような交流会は時間の無駄なので避けていますが、この辺りは自分の判断で見定めた方が良いと思います。
交流会の選び方
交流会を選ぶときには、まず『参加する目的』を明確にしましょう。
「なんとなく交流会に参加すればメリットがありそう」というファジーなものではなく、きちんとした目的を決めるのです。
しかしほとんどの人は「お客様を見つけること」を目的に設定してしまいますが、この考えは改めた方が良いです。
異業種交流会はその場で商材を売り込む場所ではなく、人脈を広げたり、ビジネス機会を拡大させる場所だと理解しましょう。
つまりお客様を探す場所ではないということです。
異業種交流会に初参加する人は、自社の見込み客を探してしまうのですが、これは間違った活用方法になります。
交流会を上手に活用したいのであれば、まずはその認識を改めてください。
交流会にはネタを持参する
交流会に参加する場合、目的を設定することはお伝えした通りですが、例えばその目的を「協業先を探す」というのにしたとします。
その時は協業先(協業したい相手)のイメージも固めておくようにしましょう。
もし販売している商材が”不動産”なのであれば、節税対策を提案している会社との相性が良いので、保険の営業マンや税理士などをターゲットにします。
このターゲットに出会えた時に話すネタを事前に用意しておいた方が無難です。
その理由とは、短い立ち話で相手の興味を引かなければいけないからです。
その一番良い方法は、相手の見込顧客を用意しておくことです。
交流会で出会った時に「ぜひ協業しましょう!」といきなり伝えても、ほとんど上手くいくことはありません。
なぜかといえば、自分のメリットはあるかもしれませんが、相手にはそのメリットが感じられないからです。
そもそも相手には既にたくさんの協業先があると思うので、ある程度間に合っているという側面もありますが、いきなり知らない人から協業の提案をされるのはちょっと怖いですよね。
合コンで初めて出会った相手から、いきなり「お付き合いしましょう!」と言われても、ちょっと引いてしまうのと同じです。
この感覚と似ているので、このようなやり方で上手くいくことはほぼありませんが、何かネタを仕込んでいるなら話は別です。
例えば「私の知り合いの経営者が節税対策で悩んでいるんです」というネタを用意していれば、保険屋はすぐに喰いついてくるはずです。
その時の保険屋の心境としては「この人の人脈は使えるかもしれない」と感じたり、「この人と協業するとメリットがあるかもしれない」と感じてくれるので、その後の話も順調に進んでいきます。
これがつまりギバーという発想で、相手にとってのメリットをまず提示するのです。
そうすればあなたの立場が有利になるので、その後の協業交渉もスムーズに進めることができるでしょう。
東京には朝交流会もある
東京の交流会は朝早くから開催されるケースもあります。
その時間はAM7:00頃が多く、「朝活」と呼ばれることもあるそうです。
時間を有効活用することはビジネスパーソンにとっての至上命題ですが、朝早くに交流会を開催するメリットには、
- 時間を有効活用できる
- 朝は時間が空けられることが多い
- 一日のスタートダッシュができる
などの点が挙げられます。
夜は会食があったり、残業が長引いてしまったりと読めない部分がありますが、朝であればほぼ確実に時間が取れるだけでなく、終わりの時間(出社時間)が各々決まっているので、夜ほどダラダラと時間を浪費することがありません。
朝一から外部の人と話して刺激を受けることで、頭をフル回転させて「今日も一日頑張ろう!」と思うこともできるので、それは1日のモチベーションアップにつながっていきます。
また、東京都のような大都市では、朝の通勤ラッシュを避けられるというメリットもあります。
このように、朝からストレスなく仕事を始めることができることは大きなメリットだと言えます。
日中や夜の交流会へ参加できない人は、朝の異業種交流会に参加してみてもいいでしょう。
土日の交流会は副業に活用できる
平日の異業種交流会にサラリーマンが参加する場合、仕事の一環として参加しなければいけませんが、休日や祝日などの週末交流会であれば話は別です。
実は、異業種交流会は平日だけでなく、週末にも開催されているのです。
平日は忙しくて参加できない経営者やアクティブな個人事業主などに人気なのはもちろんですが、副業したい会社員にとっても週末交流会はニーズがあるということです。
会社が休みのタイミングであれば、堂々と副業ができるので、既にやりたいことが決まっているのであれば、目的に合った交流会に参加して、人脈拡大やビジネス機会を探すことができます。
まだサイドビジネスが決まっていないのであれば、情報交換を目的にしたカフェ会などに参加するのが気軽で良いかも知れません。
どちらにしても動き出すことが重要なので、まずは行動するようにしましょう。
無料の経営者交流会もある
無料の経営者交流会もたくさん開催されているのですが、東京や大阪に限らず、名古屋や福岡など大都市で良く見かけることがあります。
「なぜ無料で開催できるのか?」と疑問になるかもしれませんが、そのような交流会にはスポンサーが付いているのです。
起業して間もないベンチャー企業にとって、無料(0円)で参加できることは大変嬉しいと思いますが、スポンサーの思惑もあるので、参加したことで強引な売込みを受けるケースや、営業リストに入ってしまうこともあるので注意しましょう。
経営者であれば商工会などが「経営者の会」などの集まりを開催しているので、そちらに参加する方が無難なケースもあります。
その場合には有料の交流会になると思いますが、若手経営者も多く参加しているので、十分刺激になると思います。
「無料だから参加する!」という一元的な考え方ではなく、その交流会の目的や、参加者などをチェックしてから決めるようにしましょう。