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代理店展開のデメリットとは?
代理店展開にはメリットがある一方で、デメリットも存在しています。
なので、ここでは代理店ビジネスのデメリットについて解説したいと思います。
他社の営業力に依存する
代理店展開は代理店が売ってくれる実績に応じて、本部である会社(メーカー)も儲かるという仕組みになります。
逆に言えば、販売パートナーが売らないと代理店本部も儲からないということになります。
これは、経営的な観点から言えば、他社の営業力に依存する仕組みなので大きなリスクがあるでしょう。
例えば、競合他社が自社製品と同レベルの製品を開発したとします。
しかもその値段は「自社製品の半額」で「代理店マージンは同額」だった場合、代理店としては売りやすい方が良いので、競合他社の製品を取り扱ってしまう危険性があります。
これは市場競争の観点から防ぐのが難しいので、代理店の販売能力のみに依存するのではなく、リスクヘッジの為に直販チームも社内に設置するべきでしょう。
リスク分散という観点では、「直販30%:代理店70%」くらいの売上割合にしておいた方が無難だと思います。
その上で、有力な代理店の売上比率を20%以下に抑えて、シェア10%の有力代理店を3社作ります。
残りの50%を細かい代理店に売ってもらうという仕組みであれば、かなりリスクヘッジできるでしょう。
既存顧客を管理できない
代理店展開をした場合、販売代理店が開拓したお客様は”代理店の既存顧客”になります。
この顧客に本部が直接営業するのは原則タブーなので、
- 代理店に許可をもらう
- 代理店と営業同行する
の2択しかアプローチ方法がありません。
代理店に相談したとしても、お客様に提案すること自体を拒否されるケースもあり得ます。
このように自由にアップセルやクロスセルができないのは、代理店展開のデメリットと言えるでしょう。
製品サービスの改良が自由にできない
代理店が製品サービスを販売している以上、本部であるメーカーが勝手に商材のアップデートをするのは「原則NG」になります。
もし勝手に製品・サービスの改良を行った結果、代理店が管理する既存顧客からクレームでも起これば大変です。
もうその代理店は売ってくれない可能性も出てきます。
このように利害関係者が増えると、ビジネスのスピードが鈍くなるというのも代理店展開のデメリットだと言えるでしょう。
代理店営業を成功させるコツ
代理店展開を成功させる為には、代理店ビジネスのコツ&ノウハウを押さえる必要があります。
ここでは代理店展開をする上で知っておくべきコツやノウハウをお伝えしたいと思います。
代理店が売りやすい仕組みを作る
代理店展開では、代理店が売ってくれないと全く意味がありません。
そこで重要になるのは、代理店が売りたくなる仕組み作りです。
例えば、以下のような施策になります。
- インバウンド案件(見込顧客)を本部が提供する
- 期間限定のキャンペーンを不定期で実施する
- 代理店の成功事例を共有する
- 代理店向けの研修会や相談会を実施する
- 積極的に営業同行する
どれも代理店展開を成功させる為の重要なポイントになるので、ぜひ押さえてください。
以下で詳しく解説していきたいと思います。
インバウンド案件(見込顧客)を本部が提供する
問い合わせがあった見込顧客が遠方だった場合、その対応を販売代理店に任せるという方法があります。
遠方で訪問できない案件などは、代理店に渡してしまった方が営業効率が良くなるので、とても合理的な考え方ですよね。
お客様は問い合わせした製品サービスが欲しいのですが、それだけではなく購入後のサポートも含めて検討しているはずです。
説明が必要な商材だった場合、定期的に訪問サポートが必要な商材の場合、近くに販売代理店がいればお客様も安心するでしょう。
なので、全国展開を目指す場合には、エリア代理店制度を活用するのがとても合理的だと思います。
期間限定のキャンペーンを不定期で実施する
期間限定のキャンペーンは、代理店を動かす為の重要な施策になります。
期間限定にすることで「今だけ!」という特別感が出るので、普段動いてなかった代理店も、そのキャンペーンの時だけは稼働してくれます。
しかし、頻繁にキャンペーンを行うと飽きられてしまうので、実施する頻度には気をつけましょう。
他代理店の成功事例を共有する
登録している代理店に成功事例を共有することは非常に重要な施策だと思います。
実は、ほとんどの代理店は登録したとしてもアクティブに稼働してくれないので、一般的な代理店稼働率は20%前後と言われています。
つまり80%の代理店は何らかの理由で、アクティブに動かないということになります。
これは確率論なので、理由云々というよりも「そういうモノなんだ…」と割り切ってください。
ただ、販売代理店が売ってくれない理由で最も多いのは、「商材が売りにくいから…」という現実もあります。
つまり代理店が、
- この商材は売りにくい
- この商材は売れない
と勝手に思い込んでいることが大きな原因なのです。
しかし代理店本部の成功事例や、他代理店がエンドユーザーを開拓した成功事例を見ると、その認識が覆るかもしれません。
つまり「他の代理店ではメチャクチャ売れてる」という事実を見せつければ、代理店が興味を持ってくれるかも知れないのです。
人脈&販路さえ合っていれば、必ず販売代理店は売ることができます。
売れないのには、それなりの理由があるということです。
代理店向けの研修会や相談会を実施する
代理店をフォローアップする上で大切なのが研修会や勉強会の実施です。
このようなプログラムには重要な役割があります。
最も大きい役割が、代理店との信頼関係を構築できることです。
定期的に会うことで、お互い親密さが増していきますし、研修会に参加した代理店から案件を相談されたり、課題を聞くこともできます。
そのようにして代理店制度をブラッシュアップしていくのです。
積極的に営業同行する
先ほど代理店の稼働率は20%ほどだとお伝えしました。
なので、この稼働率を少しでも上げる必要があります。
その施策が営業同行となります。
これはあるある話なのですが、本当はアタックするべき顧客に対して、代理店が提案していないというケースが散見されます。
それはお互いの機会損失になるので、代理店本部であるメーカーから「○○社へ提案したいので、営業同行できませんか?」と販売代理店へ声掛けしてみましょう。
代理店としてもメーカーが一緒に営業同行すればセールスも楽になるので、きっと歓迎してくれるはずです。