賄賂という言葉には悪い印象があるので、違法な行為と認識している人がほとんどだと思います。
しかし、実際には合法的なリベートも存在しています。
ここでは注意が必要な賄賂の扱い方や、違法と合法の境目について解説していきたいと思います。
賄賂の意味と定義とは?
民間企業で仕事をしていると、何らかの形で給与以外の金銭を得られる場合があります。
例えばキックバックなどで現金が得られることもあるのですが、そのような資金は賄賂になる可能性があります。
賄賂とは、自分の立場を利用して不正にお金を得ることを言います。
例えば、政治家や公務員がキックバックをもらうことは賄賂と見なされるので違法行為になります。
また民間企業でも同じように責任を問われる場合があるので、取引で何らかの資金を受け取る時には注意しなければいけません。
賄賂の定義は立場を利用して資金を得ることを指しますが、多くの場合は法律に違反しているケースをいいます。
賄賂は古くから行われており、中世の頃は普通に利用されていました。
それが規制されたのは近代に入ってからです。
実は日本でも昔はそれほど制限されておらず、役所に相談する時に現金を持っていくなど、そういう形で賄賂が利用されていた時期もありました。
しかし現在は法的な規制が厳しくなっているため、そのような行為自体を法律で禁止しています。
民間企業は公務員などに比べると制限は緩いですが、会社に損害を与えると、背任罪に問われるケースがあるので注意が必要です。
賄賂は時代によって定義が変わりますが、現代は厳しく規制されているのです。
賄賂の語源とは?
テレビなどで賄賂を受け取った政治家などがニュースになることがありますが、この言葉はかなり古いものです。
賄賂の語源は古代日本で作られて、当時はそれほど悪い意味ではありませんでした。
古代の日本ではシャーマンが社会の中心にいて、国のトップもそのような人物が務めていました。
宗教的に支配されていた当時の日本は、神様への貢物を献上する習慣がありました。
その献上する行為を賄賂と呼んでいたのです。
古代から中世になると今度は武士の時代になって、賄賂はあまり良い表現ではなくなりました。
江戸時代は武士が社会を支配していましたが、国の事業などをする時に金品を要求することがあったからです。
そのような形で要求する行為は、社会に悪影響を与える場合もあります。
中世になると賄賂のイメージがさらに悪化して、不正や犯罪として裁かれる機会が増えてきました。
賄賂という漢字には「貝」の字が使われていますが、貝は古代においては通貨の意味を持っています。
そのような字が使われている賄賂という言葉は、金品のやり取りをする行為を表現してます。
以前はそれほど悪い意味ではなかった賄賂ですが、現在では犯罪行為としての意味合いが強いです。
賄賂を「袖の下」という理由
賄賂という言葉は良く使われますが、似たような表現として「袖の下を贈る」というものがあります。
この言葉の由来は江戸時代に和服を着ていた頃の人々が、「便宜を図るために金品を要求した」のを起因にしています。
和服には袖があるので、そこに金品を入れるように言い、十分な資金を渡せば見返りに協力してもらえたのです。
現在の服には袖がないのであまりイメージできませんが、江戸時代までは良く使われていた言葉になります。
今でも直接「賄賂」を言うと問題になりそうな時は、「袖の下を贈る」と表現することがあります。
袖の下を贈るという表現は賄賂を意味しますが、実際にそういう形で金品が渡されていたわけでもありません。
和服の袖はそれほど丈夫ではないため、本来は重い金品を入れるのには向いていません。
そのため実際は別の形で渡されることも多く、本当に袖に小判などを入れていたケースは多くないようです。
賄賂と聞くと犯罪を連想させるため、袖の下を贈るという表現は民間企業でも時々使われる時があります。
民間企業のキックバックには合法なものが多いため、賄賂という表現には合わないケースがほとんどですが、そういう時には袖の下を贈るという言葉を使わなければ、問題になることもないでしょう。
賄賂は違法行為?
国家は国民の税金で運営されているため、使われている資金を公務員や政治家が勝手に悪用してはいけません。
贈賄罪や収賄罪はそのような問題行為を制限している法で、何らかの金品をもらっているのがバレると重罪になります。
賄賂に関する処罰は公務員や政治家に対して問われていて、種類としては贈賄罪や収賄罪があります。
2つは良く似た言葉ですが、賄賂を贈った側が問われるのが贈賄罪で、受け取った側が問われるのが収賄罪です。
それぞれ別の罪ですが賄賂は贈る側と受け取る側がいるので、賄賂の問題が起きた時は両方の責任が問われるのが一般的です。
政治家や公務員が公共事業などに関与して、リベートをもらった場合は賄賂として罪を問われます。
なぜ責任を問われるのかというと、税金は政治家や公務員のもの(私的なもの)ではないからです。
本来国民の資産である税金を、特定の個人が勝手に使ってしまえば大きな問題になります。
そのようなリスクを避けるためにあるのが、贈賄罪や収賄罪なのです。
この法律で裁かれるということは、非常に重い罪として裁かれることになります。
ただ公務員以外の民間企業ならば、賄賂として問われる可能性は低いです。
民間企業で働いている人は公務員に比べて、賄賂の責任を問われづらく、罪に問われるケースはほぼありません。
合法的な賄賂とは?
建設会社などと癒着して不正な形で工事の支援をして、見返りに政治献金をもらう政治家が稀にいます。
そのような形で不正をしているのがバレれば、賄賂の罪を問われて処罰されてしまいます。
賄賂には問題点もありますが、取引を円滑に行うために必要な時もあります。
特に民間企業の取引では販促費としての役割が強く、法で規制してしまうとビジネスが上手く回らない可能性すらあります。
そのため民間企業の取引では賄賂の責任は問われづらく、政治家や公務員に比べるとかなり緩くなっています。
金品をもらっても罪に問われないケースも多いので、良く考えて対応すれば法的には全く問題なく受け取ることができます。
賄賂はキックバックやリベートといわれる時もありますが、本来はビジネスで行われる一般的な商行為なのです。
仕事を受注するために相手の会社の幹部を接待するなど、ビジネスでは良く行われていますよね。
このような行為も公務員や政治家に対して行うと、賄賂を渡したと同罪に問われる可能性がありますが、民間企業同士の取引ならば大きな問題にならず、違法行為と問われる可能性も低いです。
ビジネスでキックバックなどをもらう時は、それが誰かの損失にならないように気をつける必要があります。
もし損失を発生させてしまうと損害賠償請求される場合があるので、金品を受け取る時は良く考えて行動すべきだと思います。