営業歩合の相場はいくら?歩合制導入のメリット&デメリット

歩合制(ぶあいせい)とは、営業独特とも言えるインセンティブ制度です。

歩合が貰えることでモチベーションを維持している営業パーソンも多いと思います。

しかし、会社によって割合が違っていたり、決め方も様々です。

そこで今回は「営業歩合」についてフォーカスしていきたいと思っています。

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営業歩合とは?

歩合制とは、取引量に応じて支払われるインセンティブのことをいいます。

営業職といえば、売上や粗利を稼いで会社の利益に貢献する仕事ですよね。

その仕事や貢献度に応じて支給される一時金が”歩合給”ともいわれています。

なので、一般的な営業サラリーマンであれば、「固定給+歩合給」という給与体系が普通だと思います。

歩合制にするメリット

歩合制にするメリットは、実績に応じたインセンティブが出ることです。

営業職がいることで、会社は売上があがって、利益を残すことができるので、営業職こそ会社を発展させる原動力だと言えます。

よって、「営業パーソンのやる気をいかに喚起させるか?」ということで、会社の業績は180度変わってくるのです。

これをコントロールする為の”ハンドル”になり得るのが営業歩合になります。

例えば下記のような営業歩合が考えられます。

  • ノルマを達成したら5万円を支給
  • 120%の達成でさらに3万円を支給

このようなマイルストーンを設定すれば、それが営業マンのモチベーションアップに繋がってセールスに励んでくれるのです。

また、歩合を支給することで営業現場の競争心を煽る目的もあります。

歩合とは、シンプルに解釈すると「成績の良い人にだけ支給されるインセンティブ」なのです。

なので、成績が悪い営業マンには、歩合給が支給されないことになります。

営業職の特徴といえば、

  • 負けず嫌い
  • 競争心が強い
  • プライドが高い

ので自分だけ支給されなかった悔しさをバネに奮起するはずです。

営業歩合は、このような競争環境を作り出すきっかけにも利用できるのです。

歩合制にするデメリット

先ほど歩合給を支給するメリットについて解決しましたが、逆に歩合を支給するデメリットも存在するので、ここでチェックしておきましょう。

会社の営業マンの中で稼ぎ頭と言われる人は20%しかおらず、残りの80%は稼げないダメ営業マン、又は普通の営業マンということになります。

この80%の営業マンには、ほとんど歩合が支給されないどころか、最悪のケースでは「歩合給ゼロ円」という人も多いはずです。

このように歩合給が支給されないことで、社内がギクシャクして、営業現場が混沌とする可能性があります。

結果的に多くの営業パーソンがモチベーションを下げてしまい、悪循環を生み出す可能性すらあります。

また、インセンティブをもらえないことを不満に思って、退職する人が増加するという懸念もあります。

よって、歩合給は出し過ぎないくらいの金額が適当で、あくまでもアメ玉としての利用くらいに留めることが賢明なのかも知れません。

歩合給の決め方

  • 歩合を支給するか?
  • 支給しないのか?

を決めるのは所属している会社の経営者だと思います。

それでは、インセンティブの支給基準はどのように決められているのでしょうか?

それはビジネスモデルによって様々ですが、定量的な指標によって決定されることが多いです。

定量的な指標とは、以下のようなモノが当てはまります。

定量的な指標の例
  • 売上
  • 粗利
  • 利益
  • 販売数量
  • 契約件数
  • 継続率
  • 新規顧客数 etc.

しかし、売上は値引きされる可能性があるので、残った利益以上に歩合を支払うことが無いようにしましょう。

これでは逆ザヤ現象になりかねないので注意が必要です。

そのような観点では、売上は歩合の指標から排除した方が無難だといえます。

また、販売数量についても注意が必要です。

販売数量のみを指標にすることは、安売りを促進してしまう可能性が出てくるので、一時的なキャンペーンの利用くらいに控えておきましょう。

よって総合的には”粗利”を指標にすることが好まれる傾向にあります。

新規と既存のバランスを考える

歩合給を決める場合は、先ほど解説したような指標をベースにして決めていくはずです。

この時の考え方としては、下記の2種類を考慮する必要があります。

  1. 新規顧客
  2. 既存顧客

この2種類はどちらも企業経営をする上で重要なお客様でありますが、「どちらに重点を置く」という考え方にはなりません。

結論から言ってしまうと、両方とも大事なお客様なのです。

なので、

  • 新規開拓をした時に歩合を発生させる
  • 既存顧客にクロスセルした場合、歩合を発生させる

ような仕組みが必要だと思います。

ただ、新規開拓件数だけにフォーカスしてしまうと、営業現場が「とにかく件数を稼げばいい」という考えになってしまいます。

また、「既存顧客にクロスセルする」というシチュエーションは限定的なので、大枠では「粗利」という数字を用いて良いと思います。

なので、これらを組み合わせた「新規開拓件数×粗利」という指標にすることをお勧めします。

具体的には、下記のような計算式になると思います。

計算式:新規開拓件数×粗利

営業A:新規開拓件数5件×粗利100万円=500P

営業B:新規開拓件数10件×粗利30万円=300P

営業C:新規開拓件数2件×粗利400万円=800P

この計算式では「営業C」が最も優秀だという判断ができます。

ただ、この計算式では新規開拓をおろそかにするケースが散見したり、そこそこ粗利を稼いだら新規開拓のみに注力するという営業パーソンが出てくる可能性があります。

よって、この計算式をベースにしてもう少しカスタマイズする必要があると思います。

ぜひ歩合テーブルを決めるための参考情報にしてみてください。

営業歩合の相場とは?

「今月の歩合は一体いくら支給されているか?」

営業職であれば毎月自分の給与明細書をチェックしていることでしょう。

しかし「他社の歩合額や、歩合の相場を知らない…」という人は意外と多いはずです。

このような情報を知らなければ、所属する会社のインセンティブが高いのか低いのかという判断すらつきませんよね。

しかし、そもそも営業歩合に”相場”という考え方は無く、利益に応じた還元しかできません。

よって利益が少ない商材であれば、その分歩合も少なくなって、利益が大きい商材であれば歩合額も高くなります。

例えば、不動産業界が典型的な例です。

不動産は契約金額が大きいので、1受注でも数千万円~数億円の売上実績になります。

手数料率は決まっているにしても、例えば1億円を超える高級物件であれば粗利が100万円以上になることも珍しくありません。

そんな時には50万円の歩合を支給することも現実的には可能なのです。

不動産業界はそのような理由から歩合額が高くなる傾向にあり、”固定給よりも歩合の方が高い”という逆転現象もしばしば起こっています。

そういった意味では、歩合で稼ぎたい人は不動産業界に向いているのかも知れません。

また、稼げる業界として有名なのは金融業界です。

証券会社や保険会社がそれにあたります。

金融業界が扱う金融商品は「粗利100%」という商材ばかりなので、営業現場へ還元を大きくすることができるのです。

なので、金融業界の営業パーソンでは、年収1億を超えるプレイヤーが多数輩出されています。

歩合が出る仕事を紹介

歩合が支給される仕事は営業・セールス職などの販売職が一般的ですが、その他にも歩合やインセンティブが支給される職種はいくつかあります。

例えば購買担当者です。

購買担当者とは会社内の物品などを購入する担当者のことを言いますが、なぜこの購買担当にも歩合が出るのでしょうか?

それは企業利益に関係してきます。

会社は利益を出すことを目的に経営されています。

シンプルに利益を出す為には、

  1. 売上を上げる
  2. コストを下げる

の2種類しかありません。

「売上を上げる」ことは営業の仕事だとして、「コストを下げる」のは購買担当者などの仕事になります。

つまりコストを下げた結果、利益が増えたので、購買担当者にも歩合を支給することができるようになるのです。

営業と比較すれば少額かも知れませんが、”社内にコスト削減の意識が芽生える”という意味ではとても効果があるかも知れません。

完全歩合制という働き方

歩合制の1携帯に「完全歩合制」という働き方があります。

これは別名”フルコミッション”とも呼ばれており、サラリーマンのような固定給がなく、歩合給のみを収入源にしている働き方をいいます。

フルコミでは歩合やインセンティブだけが収入源になる為、実績が出せなければ「収入ゼロ」という最悪の状態にもなり得ます。

逆に実績が出せれば、固定給を貰うよりも多くの収入が得られるハイリスク・ハイリターンの働き方になります。

フルコミッションの雇用形態

それでは完全歩合制を導入したい場合、どのように実現すれば良いのでしょうか?

それは契約形態を”業務委託”にすることで解決できます。

業務委託とは外部のパートナーを意味する言葉なので、雇用契約には当たりません。

この業務委託に対しての報酬は自由に設定できる為、いわゆるフルコミッションとして働いてもらうことが実現できるのです。

ただし業務委託の場合には、

  • 事務所に拘束できない
  • 指示命令ができない

などのデメリットも存在しますので、こちらも鑑みて決めるようにしましょう。

フルコミッションは法令違反に注意

フルコミッション制度は企業からすれば”とても都合が良い仕組み”なので、不動産業界や保険業界などで多く活用されているビジネススキームになります。

どんな会社でも取り入れることができる仕組みになりますが、フルコミ営業には注意すべきポイントがあります。

それは先程解説した通り、雇用関係がないことです。

フルコミッションとは”業務委託契約”を意味しますので、正社員のような”雇用契約”は締結しません。

なので、労働する上での強制力を持たせることができないのです。

勝手に労働者のような扱いをすれば、それは法令違反と指摘される場合があるので十分注意しましょう。

まとめ

ここまで営業職の歩合制度についてご紹介してきました。

歩合は使い方次第で営業を加速させる”起爆剤”にもなり得る良策といえます。

なので、新規開拓に課題がある企業であれば、ぜひ積極的に活用してみましょう。

しかし、歩合が出ないことでモチベーションの低下や、士気の低下にも繋がる危険もはらんでいます。

ぜひ適切な営業歩合の利用方法を学んだ上で、会社の売上アップに活用してみてください。




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