内勤営業という営業職種があります。
営業職といえば「きつい外回り営業」というイメージを抱く人が大半だと思いますが、現代の営業職は決してそんなことありません
そこで今回は、インサイドセールスとも言われる「内勤営業」にフォーカスして解説していきたいと思います。
目次
内勤営業の仕事内容とは?
営業経験がある人なら、「内勤営業」を知っている人は多いと思います。
内勤営業とは、お客様に訪問する「外回り営業(フィールドセールス)」をせずに、オフィス内で仕事をする営業職のことをいいます。
外勤営業と対照的な仕事として知られていますが、オフィス内で働くセールス職のことを「インサイドセールス」と呼んだりすることもあります。
内勤の営業マンが対応する相手は、
- 店舗に来店した見込顧客
- 問い合わせしてきた見込顧客
- すでに契約している既存顧客
などです。
そのようなお客様に対してカウンターセールスをしたり、電話営業やメール営業などで販売することが仕事になります。
このような内勤営業マンが雇用されている会社は、店舗営業をしている会社や、webや雑誌などで広告宣伝している企業など幅広い業種業態になります。
内勤営業は”営業ウーマン”に最適な仕事
外勤営業との違いは”オフィスから一歩も外に出ない”ことなので、内勤営業では、丸一日デスクワークをすることもあります。
カウンターセールスの場合では来店したお客様との対面営業になりますが、それ以外の場合には
- 電話営業
- メール営業
- web商談(オンライン商談)
がセールスの基本になります。
なので、わざわざ外回りしてアピールする必要がなく、天気や服装も関係ありません。
その結果かも知れませんが、内勤営業の担い手には女性が多いことが知られていて、現場によっては「ほぼ全員が女性営業」ということも珍しくありません。
これは外勤営業のように、長時間歩き回ることがない職業だからと言われています。
営業ウーマンは高いヒールの靴を履くことがあるので、外回りをしていると、足がむくんだり、足が疲れてしまいます。
そのような理由からも、女性は外勤営業というより、内勤営業に向いているかも知れません。
また、テレアポ営業やカウンターセールスでは、営業時間が終わったら仕事も終了するケースが多いので、ほとんど残業がないこともメリットと言えます。
子育てする女性レディにとっては、このようなポイントも内勤営業を選ぶ理由になりますよね。
そして電話営業は、そもそも女性向きの営業スタイルだと言われています。
これは、女性特有の優しい声色や、声のトーンが影響しているのだと思います。
特にカウンターセールスを実施している場合、受付業務も兼ねていることが多いため、女性の雇用を積極的にしているケースが少なくないのです。
内勤営業はテレアポが多い
内勤営業の求人で最も目立つのは「テレアポ営業」です。
テレアポ営業は、飛び込み営業と同様に新規顧客を開拓するための営業方法で、見込客リストに対してアポイント獲得の電話営業を仕掛けていきます。
セールストークをまとめたトークスクリプトを片手に、営業時間内であればひたすら電話をかけ続けるので、精神的なタフさが求められる仕事になります。
取り扱う商材も様々で、
- 個人向け商材(BtoC商材)なのか?
- 法人向け商材(BtoB商材)なのか?
によって営業ノウハウは違ってきますし、注意しなければいけないことも違ってきます。
個人営業(BtoC)のノウハウ
個人営業の場合には、電話しても誰も出ないことが多くて、たとえ電話に出てくれてたとしても、社名を名乗っただけで「ガチャ切り」されてしまうことが少なくありません。
ただ、電話を掛ける「営業リスト」が豊富にあれば、必死に電話をしているうちにいつの間にかコツを掴めてしまう可能性もあります。
この辺りはスキルアップや慣れも関係してきますが、「結構奥が深い…」と言われているのが戸建て住宅向けの営業なのです。
この記事では割愛しますが、個人宅向けに営業している人は以下の記事を参考にしてみてください。
法人営業(BtoB)のノウハウ
一方、法人営業の場合には、「誰も電話に出ない…」というケースが少ないので、まずは受付に連絡して、そこから担当部署に繋いでもらうことになります。
法人営業ではこの「受付けを突破できない!」というケースが普通なので、多くの営業マンが頭を悩ませています。
お互い法人同士なので、一応提案を聞いてくれることも多いですが、結局は時間の無駄に終わるというケースが一般的なのです。
このように法人営業では対応時間が掛かる割りに「全然売上に繋がらない…」なんてケースがザラに出てきます。
そして見込リストにも限りがあるので、丁寧な営業トークが求められる仕事と言えます。
この辺りについて詳しく知りたい場合には、下の記事を参考にしてください。
インサイドセールスとも呼ばれている
内勤営業は、別名では「インサイドセールス」と呼ばれていることがありますが、厳密に言えば「内勤営業の一形態」を意味しています。
内勤営業には、
- カウンターセールス
- テレアポ営業
- メール営業
などの種類がありますが、その中でも電話やメール、オンライン商談システムを駆使する営業スタイルが「インサイドセールス」になります。
見込み顧客とのコミュニケーションを図って、関係性の構築、取引の維持、および取引の強化が目的の営業活動なのです。
このように、お客様との関係性を重視する代表的な営業スタイルに「ルート営業」がありますが、
- お客様を定期訪問するルート営業
- お客様を訪問しない内勤営業
という違いがあります。
インサイドセールスの業務内容
インサイドセールスでは、見込顧客や既存顧客に対して電話したり、メールをして現状をヒアリングしていきます。
つまり、お客様の見込度合いを調べていくのです。
過去に見積もり依頼をもらっただけの見込み客でも、将来的には購入してくれる可能性があるので、良好な関係性を保つのが無難でしょう。
正直このようなフォローアップ営業は面倒な作業ですが、その役割を果たしているのがインサイドセールスになります。
インサイドセールスは徐々に注目を浴びてきていますが、そのようになった理由は”インバウンドマーケティングが一般化してきた”という背景があると思います。
インサイドセールスでは、インバウンドマーケティングによって得られた新規リードにコンタクトして、受注に繋げていきます。
新規見込みにアタックし続けるのは「辛くてしんどい」ですし、とても泥臭くてきつい作業になります。
ですが、インサイド営業は業務効率化の一翼を担う可能性があるので、ぜひ積極的に導入してみてください。
内勤営業はきつい?
内勤営業は、一般的に「きつい仕事」と言われていますが、外勤営業と違って「お客様のオフィスや家を飛び回らなくても良い!」という点では、体力的に楽だと思います。
しかし、一日中デスクワークをすることになるので、腰痛になったり、肩コリに悩まされることも珍しくありません。
女性の場合には、もともと腰痛持ちだったり、肩こりに悩まされている人が多いので、その症状が悪化してしまうリスクもあるでしょう。
また、動けないと血流が悪くなって腱鞘炎を起こす場合もあります。
ストレスも溜まりやすく、テレアポばかりしていると耳が痛くなってしまうこともしばしばあるのです。
営業という仕事の性質上、ある程度のストレスを抱えることは避けられないと思いますが、気分転換ができないというのは問題でしょう。
せめて、定期的に休憩をとりながら、身体を動かすように意識しましょう。
内勤営業は”ラクな仕事”じゃない!
内勤営業として働く上で、「これが辛い!」という決定的なものがある訳ではありません。
しかし、全体として負担が大きい仕事であることには間違いないので、十分注意するようにしましょう。
内勤営業は決して楽な仕事ではありません。
しかし、あくまでも営業職なので、「成果を上げれば、それ相応の評価をしてもらえる」ということをモチベーションに働くことができると思います。
また、顧客第一主義に立って、お客様から「ありがとう!」という喜びの声が聞ければ、営業職としてはやりがいを感じますし、それだけでもOKだと思うので、「お客様が本当に喜んでくれる仕事をする!」という気持ちで働くようにしましょう。
内勤営業の求人内容
内勤営業の求人には様々な種類があります。
その内容によっては、年収&待遇がかなり違ってきますので、転職するときには慎重に選ぶ必要があります。
内勤営業の求人例
代表例として挙げられるのが、不動産会社の求人で、仲介アドバイザーとして募集されているのが一般的です。
この仕事はカウンターセールスになるので、対面営業が基本になってきます。
想定年収としては、入社5年で400万円程度が相場になっていますが、地域や企業によって差があるので、よく比較検討してみましょう。
不動産会社と同様に、カウンターセールスをする職種では銀行が挙げられます。
その年収相場は、400万円~500万円程度になっています。
しかし、インセンティブが大きい会社の場合には、この年収の二倍以上がモデルケースとして紹介されていることも少なくありません。
一方、テレフォンアポインターの募集は比較的多いですが、正社員だけでなくパートタイマーやアルバイトも求人募集されています。
年収にすると300万円~450万円程度が一般的ですが、パート・アルバイトになると、その時給は1,000円~1,500円ほどです。
コールセンターでのテレアポ営業もよくある求人で、給与相場は少し高めになっています。
反響営業の求人数は決して多くはないですが、しばしば見かけることができるので、ぜひ探してみてください。
これらの営業ではインセンティブが設定されているケースが多いので、月に100万円を超える給与も紹介されています。
やはり営業職なので、全体的な給料は高めに設定されるケースが多いようです。
まとめ
ここまで内勤営業の特徴について解説してきました。
内勤営業は女性向きの仕事と言われていますが、もちろん男性にもおすすめできる仕事です。
他の営業職と違ったキャリアを描けるので、もしよければ一度検討してみてください。