
セールスパーソンであれば、一度くらい「フォローアップ」という言葉を耳にしたことがあると思います。
しかしビジネスの現場において「フォローアップをどう活用すれば良いか?」ということを言語化できる人は少ないと思います。
そこで今回は、顧客をフォローアップする意味、ビジネスでの活用方法などをわかりやすく解説していきたいと思います。
目次
フォローアップの意味とは?
「フォローアップ」という言葉は、ビジネス用語として一般的に認知されていますよね。
この言葉は医療現場でも使われたり、離乳食の栄養補完として「フォローアップミルク」という具合で使われたりもしています。
しかし一般的なビジネス用語のフォローアップとは、すでに習得している技術やスキルに対して、もう一度勉強しなおしたり、確認することを指します。
フォローアップの中には「ただ確認する」という作業だけでなく、現在のスキル精度を高めて強化することも含まれているのですが、例えば過去に導入したシステムが「現在どのような働きをしているのか?」「十分な効果を上げているか?」という確認をする時にも「フォローアップ」という言葉は使われているようです。
このように、フォローアップする意味には「仕事の質をより高める」ということが含まれているのです。
つまりフォローアップには、
- 追跡調査
- 経過観察
- 補填
- サポート
- バックアップ
といった意味が”全て含まれている”と言えます。
ビジネスではフォローアップが重要
まずはフォローアップの意味について触れましたが、「営業現場でのフォローアップ」という使い方になると、別の意味合いに変化していきます。
実はビジネス現場で使われているフォローアップには、「サポート」や「アフターフォロー」といった意味に変化するのです。
例えば、商品を購入したお客様に対して、
- 商品をお使いになった感想はいかがですか?
- 何か不都合な点はございませんか?
- 正しく利用できていますか?
といった連絡を取ることもフォローアップに該当します。
このような活動を総称して「フォローアップ営業」と呼んだりもしますが、ビジネスシーンは常に変化しているので、その変化をつかみ取る為にも「顧客サポート」はとても重要な意味を持っているのです。
各企業が「フォローアップ営業は重要だ」と考えている理由は、お客様の”生の声”をヒアリングできるからです。
顧客をフォローアップすることで、密接なコミュニケーションをとることができるので、それによって得られた「顧客の声」を製品サービスに反映していくことができます。
例えば、ある商品を販売したい場合、その商品のメリットや魅力をアピールすることになりますよね。
しかし購入者から実際に、「この商品を買って良かった!」と思って貰えなければ本質的には意味がありません。
つまり、営業活動は売ったらお終いなのではなく、「その利点や魅力を実感できたか?」ということがポイントになるということです。
もし購入者が満足しなかった場合、途中解約やクーリングオフにも繋がりかねません。
なので、企業は常に顧客満足度を高くするように改善していくことが求められるのです。
このようなフォローアップ営業をすることで、商品の課題点&改善点を把握できるようになるので、現代のセールスでは絶対に欠かすことができない役割にもなっています。
フォローアップすると顧客満足度が上がるの?
前述したように、フォローアップ営業を徹底すれば、お客様の満足度をアップさせることができます。
その結果、売上&利益の向上が期待できるため、様々な企業が一生懸命に取り組んでいるのです。
もし新入社員や経験の浅い営業スタッフが多い場合には、フォローアップ研修などの勉強会を行って、しっかりと知識の習得をサポートすることが必要でしょう。
それをすることで、既存顧客からの信頼を勝ち取ることができるからです。
お客様をフォローアップしたり、アフターフォローすることで、再び商品を購入してもらえる可能性が上がるので、それがリピーターの獲得にも繋がっていき、結果的に利益の最大化につながっていきます。
もし今現在、定期的なフォローアップを行なっていないのであれば、お互いの信頼関係を高めるために、今日から今すぐにフォローアップ営業を実行しましょう。
フォローアップ営業を強化しないと、問題点が放置されたままになってしまうので、これでは穴が開いたバケツと一緒です。
いくら新規顧客を開拓したとしても、リピーターの増加が期待できないので、ずっと自転車操業(ラットレース)を強いられてしまいます。
新規開拓営業は大きなコストと時間を要する作業なので、営業マンへの負担も大きいですが、既存顧客にリピートしてもらうことは、新規開拓と比較してコストが少なくて済むだけでなく時間効率も良いです。
なので、とにかく既存顧客の継続率を高めましょう!
常に顧客をフォローアップすることが、結果的に”最短距離”で事業拡大させるビクトリーロードになっているのです。
フォローアップはメールでもOK
ここまで読み進めた人は「フォローアップ営業する意義」について理解できたと思いますが、顧客をフォローアップするには手間と時間が掛かるという現実もあります。
ユーザーに対して直接コンタクトを取るほうが効果は高いですが、それでは人材リソースが必要になるので、どうしてもコスト高になってしまいますし、この辺りは悩ましいところです…
よって、その折衷案として、フォローアップ営業はメールやDMを活用しましょう。
メールであれば簡単にアプローチできる上に、費用も削減できるので、それは一石二鳥だと言えます。
最近ではGoogleフォームのように、アンケートフォームを簡単に作成できるサービスがたくさん出てきています。
これらのサービスを使って、作成したURLをお客様に対してメール送信するだけでも済むはずです。
しかし、メールの場合には見落としがありますし、めんどくさがって回答してくれるとは限りませんので、発信のやり方には十分注意しましょう。
フォローアップメールの内容によっては返信が期待できませんが、そんな時にはDM(ダイレクトメール)を活用してみてください。
DMとはお客様に対して郵送物を送る方法をいいます。
メールが見られないのであれば、直接送れる郵送物の中にアンケートを同封して返信してもらうのです。
「アンケート返信で粗品をプレゼント」などを実施すれば、一定数の返信が期待できることでしょう。
メールやDMの本文はどうする?
まず、漠然とした問いかけだとユーザーはどう答えればいいかわからないので、明確な問いかけが肝になります。
- その後、いかがでしょうか?
- 使用した感想はいかがですか?
- 何か気になる点はございましたか?
上記のような漠然とした内容だと、相手はテキストを考えるのが面倒になってしまうので、結果的に返信率が低下してしまいます。
このような場合には「Yes or No」で回答できる限定質問をいくつか並べる方が効果的です。
このような質問形態であれば、先ほどご紹介したGoogleフォームで無料&簡単に作成することができます。
その時には、商品のセールスポイントを「お客様がどのように感じたか?」という本音を聞きだせるようなメール内容を目指しましょう。
なぜフォローアップメールを送るのかという目的がはっきりしてないと、ユーザーからのフィードバックを有効活用することができません。
フォローアップも営業職の仕事
セールス職や販売業の人は、顧客が商品を購入したり、サービスを利用してもらうこと、つまり受注(=契約締結)を目的にしてしまいがちですが、決してそこがゴールではありません。
そこから次につなげていくことが、持続的な企業経営を実現する為には大切なのです。
どんなに素晴らしいプロダクトだったとしても、ただ切り売りしているだけでは徐々に伸び悩んでしまいます。
フォローアップは企業努力の一環であり、あくまでも努力義務のようなものですが、営業職の場合には仕事の一環だと言えます。
「フォローアップを疎かにする人は多い」という現実もありますが、決して一方通行の営業活動にならないように注意しましょう。
顧客満足度を上げることが大切
フォローアップをしっかり行うことで、顧客満足度(customer satisfaction)を上げることができます。
最近では「CS向上」を掲げて”カスタマーサクセス”というチームを設置するほど、多くの企業で意識が高まっているのです。
顧客満足度は、ユーザーが商品・サービスなどを購入した際の満足度を指しますが、満足度が高いということは商品・サービスのレベルが高いことを意味しています。
顧客満足度を上げる為には、ユーザーニーズを把握することが必要であり、そのためにフォローアップが重要な意味を持ちます。
よって、フォローアップは全ての企業が積極的に実施するべきなのです。
十分に実施するためには、社員研修やセミナーを実施して、フォローアップに対する理解をしっかりと深めていきましょう。
可能であれば定期的にフォローアップ研修の機会を持つか、実施チェックなどを行い、社内管理体制を構築するなどの対策も行いましょう。
既存対応と新規開拓を両立させる
ビジネスでは、常に既存対応と新規開拓のバランスが問題になります。
既存対応とは「すでに契約締結している顧客を対応すること」を意味しています。
一度商品を販売した顧客に対してフォローアップを行ったり、新しい商品の案内を送ったりするなどの取り組みがありますが、それと比較して新規開拓とは、これまで自社商品・サービスなどを購入したことがない、新しい顧客獲得を目指すことを言います。
既存顧客へのフォローアップが不十分であった場合には、やがて行き詰まりすることが予想され、新規顧客の増加が見込めなければビジネスの発展は厳しくなる一方です。
よって、この両輪が上手く回らない会社は、いづれ倒産することになるのです。
なので、必要であれば「新規開拓営業のチーム」と「既存顧客のカスタマーサクセスチーム」に分けて、それぞれの目的に専念させるということもおすすめです。
マーケティングが重要
営業活動においては、既存対応と新規開拓を両立させることが大切なのですが、両立させるためにはフォローアップが必要不可欠です。
現代のようなモノ余りの時代では、「商品を作れば売れる」「商品が良ければ売れる」ということは、ほぼあり得ません。
もちろん商品のクオリティは重要なのですが、それに加えて顧客に商品の良さをどのように伝えていくのかというマーケティングの要素が重要になってきます。
つまり、現代社会は情報過多なので、まずは見込み客に認知してもらうことが大切なのです。
その為にも新規見込みに対してフォローアップ営業を実施して、商品と見込み顧客を効率よくマッチングさせる必要があるのです。
フォローアップすることによって、商品のメリット&デメリットなど様々な情報を顧客から収集することができます。
フォローアップを上手く活用して、より良い商品・サービスにブラッシュアップしていきましょう。