
DeNA(ディーエヌエー)といえば、日本を代表するITベンチャー企業ですよね。
その創業者である南場智子は、マッキンゼー出身のビジネスパーソンで、大変優秀な経営者だと言われています。
そのような”超一流”のビジネスパーソンから学ぶべきことは多いので、今回はDeNA創業者である『南場智子の名言集』をご紹介したいと思います。
独立・起業を目指している人は、ぜひご自身のビジネスやお仕事にお役立てください。
南場智子の名言まとめ
一度でいいから自分で考えた事業やサービスが世の中に生み出されて、大暴れするまで主体的に関わってみたい。
南場智子はマッキンゼー出身なので、いわゆる経営コンサルタントでした。
なので、他社の新規事業についてアドバイスをするのですが、それはあくまで”アドバイザー”としての役割に過ぎません。
「どうしても一度自分でやってみたい!」という衝動にかられて起業へ踏み切ったそうです。
ものすごい高い確率失敗しますよ。
これは起業の成功率について語った名言です。
南場智子は経営コンサルタントをしていたので、「自分が経営者だったらもっとうまくできるのでは…」と考えていたそうですが、現実は甘くなかったそうです。
インターネットを用いて売りたい人と買いたい人の距離をぐっと縮めるような流通革命を起こしたい、そんな遺伝子を広げよう、という気持ちを込めた。
これは『DeNA』という社名の由来です。
ちなみに当社名は「ウェブエックス株式会社(英語表記:WEBX Inc.)」なのですが、その由来は「インターネットを活用して新しい価値を創造する」というものです。
【創造性の追求】と【未知なる体験の提供】という当社のミッションを、社名の一部である『X(エックス)』が表現しているのですが、会社名には”創業者の想い”が込められているので、経営者にその由来を聞くのは面白いと思います。
調整ではなく決めるのが仕事である。
これは経営者の役割について語った名言です。
会社組織には様々な利害関係者(ステークホルダー)がいるので、それらをうまく調整しなければいけません。
一番最初の頃は各人の要望を調整するのに手こずったそうですが、最終的に「私(社長)はこうしたい!」というのを決めて、それを推し進めたそうです。
IBMのエリートが「ホームレス」になった。
これは共同創業者の一人である茂岩氏について語った名言です。
IBMで働いていたエリートが、自宅を引き払い、住民票を会社に移してまでがむしゃらに働いていたのですが、それによって「住所不定」のいわゆる「ホームレス」になったそうです。
まさに起業時の苦労が伝わってくる名言ですよね。
起業を経験したことがある人にはわかると思いますが、この程度は序の口です。
むしろこの程度の覚悟がない人は、起業家に向いていないと思います。
互いに切磋琢磨し、時に激しく競争しても、チームのゴールを達成した時の喜びが全員に共有され、その力強い高揚感でシンプルにドライブされていく組織を作ろう。
創業した後、色々な苦労や失敗を積み重ねますが、ネットオークション『ビッターズ』をローンチした時、「チーム力、組織力を強化しよう!」と思いついたそうです。
サービスローンチはDeNAにとって最初の成功体験となりますが、DeNAという会社が目指す方向性について語った貴重な名言だと思います。
ユーザーと徹底的に対話することでサービス業の本質を手探りで掴んでいった。
インターネットサービスは、ユーザーが見えにくいですが、DeNAではリピート率や離脱率などの数字を定量的にまとめていたそうです。
その上で直接ユーザーと会話していたそうですが、意外とこのような地道な努力が良いインターネットサービスへとつながっていきます。
これは同じウェブサービスを提供している経営者としての意見ですが、ローンチ間もないWebサービスは、100%ユーザー側に振り切っていいと思っています。
赤字は積み上がる一方で、資金は減る一方だ。
これはベンチャー企業の”宿命”とも言えますが、とにかく新しいWebサービスを作るのには資金が要ります。
どんなにしょうもないITサービスだったとしても5000万円くらいは確保しておかないと、かなり大きなストレスを抱えるハメになります。
そのお金がどんどん減っていくので、ストレスで不眠症になったり、円形脱毛症ができたり、吐き気をもよおすことも日常茶飯事です。
これはある意味『生き地獄』なのですが、見方を変えれば”どん底”なので、後は上がる一方だと思います。
このチームでやってダメなら、世の中に成功なんてないんじゃないか。
業界最大手のYahooオークション(現・ヤフオク)に追いつくことができず、むしろジリジリと引き離されているのを実感していましたが、決して諦めることはなかったそうです。
なぜかといえば『超一流のチーム』が揃っていたからです。
ビジネスは「仕組みが重要」だと言われますが、その中には人材も含まれています。
ベンチャー企業で一緒に働くメンバーは『ある特定分野において自分よりも秀でてる人』だけを直接ヘッドハンティングしましょう!
何の寄るところもなく起業する者は、有名な大企業のサポートをとても心強く感じてしまいがちだ。
DeNAは創業時にソネット(SONYグループ)とリクルート社から33%ずつ出資をしてもらいましたが、結局は相手方の都合で株式売却されてしまったそうです。
この出来事によって、「たとえ大株主であっても、支援内容や有用性、株の保有意向など、不変のものなど何一つもない」ということを学んだそうです。
普通に物事が回る会社、普通にサービスや商品を提供し続けられる会社というのが、いかに普通ではない努力をしていることか。
DeNAはトラブル続きだったので、「特に問題がなく普通である」というのに憧れていたようです。
起業にトラブルはつきものなので、綺麗&スマートにビジネスすることは諦めましょう!
赤字の経営はきつい。
これは私も経験していますが、赤字経営は本当にきついです…
毎日自分の身体を削ぎ落とされているような感覚に陥ります。
つまり本当に「このままだと死ぬ」という感覚に陥るのです。
私は創業当時、ストレスからすぐに帯状疱疹を発症し、しばらくは嘔吐が続き、3年ぐらいは熟睡することができませんでした。
限界まで働くので一瞬で眠りに落ちるのですが、悪い夢を見て、真夜中に何回も起きてしまうのです。
人よりもストレス耐性は高い方だと思っていましたが、やはり身体は正直で、”起業”という重圧には勝てなかったということです。
そのようなストレスを抱えながら事業を垂直立ち上げしていくのですが、その一方でお金は減り続けて、個人の銀行口座は一番最悪時に『残高2万円』まで減ってしまい、この時は息子の誕生日プレゼントに300円のトミカすら買えず、本当に情けなくておもちゃ屋で泣いたのを覚えています。
それでも起業家という人間は「世のため人のため」という”自己犠牲の精神”で突き進んでいくのです。
絵は描いたが確信の持てる精緻なプランは全くなく、そうなりたい、という意志の表明に過ぎなかった。
DeNAはモバオクのヒットで株式上場を果たしますが、その時に掲げた3ヶ年計画に具体的な達成プランなど無かったそうです。
南場智子は外資系コンサル出身なので、色々緻密な計算をしそうですが、意外と大雑把な性格みたいですねw
社長という立場は一瞬にしてものを作り出すことができないが、一瞬にして破壊することはできるので、気をつけなければならない。
企業のトップが不祥事を起こして、一気に会社の信用をガタ落ちさせるニュースが度々流れますよね。
経営幹部は背負っている責任の重さを痛感しましょう。
狙ってもなかなか達成できないような難しいことが、狙わずにできるはずがない。
目標を高く持つことは、自分の視点を上げてくれます。
あまりに現実と乖離している目標は空虚ですが、「頑張ったらもしかして届くかもしれない…」くらいの数字、つまり120%~130%くらいを目標に掲げるのが良いと思います。
真の競合は「ユーザー嗜好のうつろいのスピード」だと私は認識している。
IT業界は変化のスピードが早いので、競合他社の動きを逐一チェックしなければいけません。
しかしそれよりも重要なのが『ユーザーニーズ』だと語っています。
ユーザーは浮気がちなので、それを読み切って半歩先に行動するのが正解みたいです。
成功のモデルは壊される前に壊さなければならない。
人間は過去の成功体験に引きずられてしまいますが、それでは沼に足を取られている状態なので、遅れ早かれいずれ沈んでいきます。
そこから抜け出すためには、過去の成功体験を綺麗さっぱり捨て去って、全く違う視点から物事を見なければいけません。
そうすればきっと新たな道が見つかるはずです。
人材は多様な方が強い組織ができると信じている。
多様性はダイバーシティ(diversity)とも呼ばれますが、現代の企業経営においてとても重要なポイントになっています。
様々な価値観が混在することで、それがイノベーションの種(ビジネスシード)になるからです。
会社は良い時もあれば苦しい時もある。
会社経営は、いつも順風満帆というわけにはいきません。
常に『山あり谷あり』なので、どのような状況であっても油断しないようにしましょう!
ベンチャーと創業社長は通常べったりセットで認識されるが、会社は私の寿命や能力を超えて隆々と発展していかなければいけない。
これは世代交代の難しさについて語った名言です。
中小ベンチャー企業は『創業者のリーダーシップ』に依存していますが、そのような状態ではいつまで経っても安定しません。
これは創業者自らが決意するしかありませんが、「どのようにバトンタッチするのか?」を考えておくべきだと思います。
ドン・キホーテ創業者の安田隆夫は「私は65歳で辞める!」と宣言して、それを実行しました。
創業者にはこのような決断が必要なのかもしれませんね。
継続討議はとても甘くて楽チンな逃げ場である。
意思決定を先送りすることにはデメリットが伴います。
南場智子は「緊急でない事案も含め、継続討議にしないということが極めて重要だ」と語っています。
DeNAの競争力の源泉は、とよく訊かれるが、答えは間違いなく「人材の質」だ。
企業は法律によって付与された人格にすぎないので、その実態は人間(社員)で構成されています。
よって、その人間たちが会社の細胞となり、企業を活性化させていくのです。
もし将来起業することを知っていたら、コンサルティング会社ではなく、事業会社で修行したかった、というのが私の偽らざる本音である。
コンサルタントは「言う人&手伝う人」ですが、事業リーダーは「実行する人」なので、その差は歴然としていますよね。
もし将来的に独立・起業したいのであれば、事業会社(ベンチャー企業)での修行をおすすめします。
事業リーダーにとって、「正しい選択肢を選ぶ」ことは当然重要だが、それと同等以上に「選んだ選択肢を正しくする」ということが重要となる。
これはつまり『有言実行』ということですね。
ビジネスリーダーは”不確実性のあるビジョン”を掲げますが、それを実行できた人だけが”官軍”となるのです。
私が採用にあたって心がけていることは、全力で口説く、誠実に口説く、の2点に尽きる。
これは人材採用について語った名言です。
企業の根幹は”人”なので、とにかく優秀な人材の採用活動にはリソースを割いているそうです。
なぜ育つかと言うと、これまた単純な話で恐縮だが、任せる、という一言に尽きる。
これは人材育成について語った名言です。
人材育成については、連合国軍総司令官の山本五十六が有名な名言を残しているので、それを知りたい人は下の記事もご覧ください。
経営課題の前に階層なし。
南場智子は上下関係が好きではないので、フラットな組織を目指しているそうです。
フラットな組織にすることで『全員参加型の社風』が出来上がるので、これがDeNAらしさに繋がっているそうです。
熱病は続く。
「熱病」とは、熱中していることを表現した言葉です。
それはもちろん仕事に対してですが、「とにかく仕事が楽しくて仕方がない」という様子が伝わってくる素晴らしい名言ですよね。
起業家の名言から学ぼう!
ここまでDeNAの創業者である南場智子の名言集をご紹介してきました。
世の中にないものを創造する”起業家”は、一流のビジネスパーソンだと言えるので、その名言からは学ぶべき点が多いように感じます。
下の記事にも起業家の名言をまとめていますので、もしよければご覧ください。