
フリーランス化が加速する昨今、営業マンの働き方についても議論が行われています。
そこで今回は、新時代の働き方や、セールス活動について触れてみたいと思います。
目次
そもそも「働き方改革」とは?
ビジネスパーソンであれば、一度くらいは「働き方改革」というキーワードを聞いたことがあると思います。
これは国策として行なっているので、ある程度の内容は把握しておくべきでしょう。
「働き方改革」で目指すことは、労働者の置かれた個々の事情に応じて、多様な働き方が選択できる社会を実現し、労働者一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることです。
それを実現するためには、長時間労働の是正、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保、柔軟な働き方に対応できる制度設計、労働環境の整備、ダイバーシティの推進、賃金引き上げ、労働生産性の向上、副業解禁、再就職の支援、人材の流動性確保 etc.…
これら多くの課題が挙げられていますが、それを徐々に実現しながら、働きやすい環境を整備することが「働き方改革」と呼ばれているのです。
営業現場の働き方はどう変わる?
2019年、コロナパンデミックになった関係で、営業パーソンの働き方も大きく変わりました。
会社員は出社することが「原則NG」となったので、営業活動のオンライン化が進んだと思います。
例えば、ZoomやGoogle meets、Microsoft teamsなどの「オンライン商談システム」を活用するのが一般化しましたよね。
以前の営業活動といえば「対面営業で顔を合わせながら商談する」のが当たり前でしたが、もはやそれは旧態依然のやり方で、今では全くイケてない手法だと思います。
むしろ非効率ということで、訪問営業は推奨されなくなっており、これからますます営業のオンライン化は進んでいくことでしょう。
この流れは「営業活動の合理化」という文脈なので、誰も抗うことができません。
そう考えた場合、営業現場では様々な合理化が行われていくはずですが、一体どのような合理化が行われるのでしょうか。
営業活動のDX化が進む
まず挙げられるのが、営業活動のDX化だと思います。
ちなみにDXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、IT技術を用いることで、日常業務を変革させる概念のことです。
その代表例と言えるものが「SFA」や「CRM」などのITツールだと思います。
月額数百円~数千円程度のITツールを導入すれば、営業が合理化できるなんて、とてもお得ですよね。
例えば、弊社が導入してDX化に成功した月額数百円のサービスといえば、日程調整ツールが挙げられます。
自分から都合の良い日程を3つほど提示して、お客様の都合が悪ければまた日程を3つほど提示して…、というやり取りはもはや原始人です。
このITツールを使うことによって業務時間(日程調整時間)は1/10になって、アポイント獲得率も300%アップしました。
営業職であれば毎日のように日程調整するはずですが、その業務効率が飛躍的に伸びるので、使わないという判断はないと思います。
日程調整ツールは無料(0円)で使えるので、とりあえず登録してみてください。
このようなITツールがたくさん出てくれば、少しずつ営業現場が効率化されていくはずです。
そうすると、人間は”やるべき業務”だけにフォーカスして、それ以外は自動化したり、効率化するような流れになっていくはずです。
具体的に人間がやるべき営業業務とは「商談」の部分なので、そこだけに営業リソースは割かれていくはずです。
例えば、下に記載するような「それ以外の営業業務」は仕組み化されるのが理想的だと思います。
- 見込み顧客を集める
- 希望する製品サービスを選んでもらう
- 契約手続きを行う
- プロダクトの使い方を説明する
- 追加発注をもらう
このあたりはシステムによって自動化されていくと思いますが、サービス導入部分の「商談」だけは、どうしても人間からの説明を求められるはずです。
というのも、お客様のニーズは千差万別なので、それをシステマチックに機械化することは不可能だと言えるからです。
なので、最終的なクロージングだけは営業マンが行なって、それ以外は合理化が図られることになるでしょう。
ここでご紹介したSFAやCRMの運用方法に悩んでいる人は、下の記事をご覧ください。
営業マンはいらなくなるの?
まず結論から言ってしまいますが、営業マンの数自体は減っていくと思います。
しかし、営業マンがゼロになることはないでしょう。
前述したとおり、クロージングだけは営業マンが行うため、それを行うセールスパーソンだけはどうしても必要となるからです。
なので一定数は残り続けますが、今ほどのセールスパーソンは必要ないので、数的には減っていくはずです。
しかし一元的な見方ではダメなので、もうひとつマーケティング部分についても着目するべきでしょう。
営業活動というのは、実は二つの役割に分けることができます。
それが「セールス」と「マーケティング」だと思います。
セールスというのはクロージング部分を指しますが、マーケティングとは見込み顧客の集客を指しています。
- セールス=クロージング
- マーケティング=見込み客を集める
つまりセールス部分だけを強化しても、見込み顧客がいなければ、そもそも「提案する相手がいない…」という状態になってしまうのです。
なので、セールスとマーケティングは必ずセットで考えなければいけません。
「優秀な営業マンは、優秀なマーケッターである」という格言は有名ですよね。
そう考えた場合、マーケティングニーズが一定数残り続けるので、これまで営業マンとして活躍していた人は、今後マーケティング人材として活躍することになるかもしれません。
マーケティングのニーズが増えていく
今後は益々マーケティングニーズが増えていくことが想定されます。
なぜかといえば、案件の奪い合いになるからです。
営業活動が自動化されていくと、インターネットを活用してマーケティングしようという企業がさらに増えるはずです。
しかし現代社会は「情報過多」と言われているので、お客様に対して適切な情報を届けるには莫大なコストがかかります。
つまり「莫大な広告宣伝費がかかる」ということです。
もちろんマーケティング人材も必要になりますが、常日頃から人材不足である中小企業にはキツい現実ですよね。
このような事実がある前提で、果たして中小企業は大企業に勝てるでしょうか?
大企業は広告宣伝予算をたくさん持っているので、現実論として中小企業ベンチャーは勝てませんよね。
それでは、予算の少ない中小ベンチャー企業が生き残るには、どうすればいいのでしょうか?
そこで選択肢にあがってくるのが「人海戦術」です。
営業活動における人海戦術は、大きく3種類あります。
- 直販の営業マンを増やす
- 営業代行を活用する
- 販売代理店を増やす
まず「直販営業マンを増やす」という案ですが、これは即座に却下されるはずです。
広告宣伝費の乏しい中小ベンチャー企業が、いきなり直販営業マンを増やせるわけありませんよね。
そして2番目のアイデアである「営業代行を活用する」というのも難しいと思います。
営業代行サービスは「営業活動のアウトソーシングサービス」ですが、その契約形態は業務委託契約になるので、直販営業マンを採用するよりもコストが高くなるのが一般的です。
そうすると3番目の「販売代理店を増やす」という施策が良いような気がしてきます。
なぜかといえば、代理店には固定費(人件費)がかからないので、成果報酬(又は成功報酬)だけでも依頼できるからです。
一番ネックとなる「人件費」が増えず、販路が拡大できるのであれば、中小ベンチャー企業にとっては願ったり叶ったりですよね。
代理店展開に関するノウハウが知りたい場合には、下の記事をご覧ください。
代理店として独立開業するフリーランスが増える
ここまで説明したような流れが起きた場合、次に「代理店として独立する人が増える」ことが想定されます。
企業には一定数のクロージング人材がいて、マーケティングニーズが高まってきた場合、それを担ってくれる代理店のニーズも増えていきます。
そうなった場合、独立開業して代理店として稼ぎたい人が増えていくでしょう。
そもそも現代社会では、正社員(会社員)として働くメリットが少なくなっているので、そのあたりも拍車をかけそうです。
これは「営業のフリーランス化」という文脈にも関係してきます。
代理店は決して「組織であるべき」という定義がないので、個人事業主でも十分成り立ちますよね。
個人事業主を現代風にアレンジした言葉が「フリーランス」なので、必然的にフリーランスが増えていくことになるでしょう。
そしてこの後は、徐々にフリーランスが組織化し始めるのです。
フリーランスが組織化する
フリーランスとして独立開業した代理店は、企業の営業活動を支援しますが、自分一人ではできることが限られます。
そのような課題感を持ったフリーランス同士が出会った場合、「二人で一緒にビジネスをしよう!」と画策し始めるのです。
その結果、営業フリーランスがたくさん集まった”一つの組織(チーム)”になるでしょう。
いろいろなスキルや人脈を持ったフリーランスが集まれば、仕事はやりやすくなりますよね。
これは昔ながらの株式会社(法人格)ではなく、DAOのような世界観だと思います。
DAO(Decentralized Autonomous Organization)はブロックチェーン技術の発達によってできた概念ですが、日本語に訳すと「分散型自律組織」ということになります。
皆がそれぞれ意見を出し合い、ひとつの組織を運営するという考え方なので、これからこのようなやり方が一般化していくはずです。
企業としてはどう対処する?
ここまでの流れを見てきた人は「だからといって、一体どうすればいいのか?」と不安になるはずです。
ここで解説した流れは”必然性(ある意味では偶然性)”を持っているので、遅かれ早かれきっとこのような世界観になるはずです。
そう考えた場合、企業としてやることは「営業活動のDX化」はもちろんですが、「営業フリーランスを受け入れる体制作り」をしておくべきでしょう。
これからの営業活動は、古臭い「直販営業」というやり方ではなく、極力外部にアウトソーシングするやり方になると思います。
その最有力候補が”営業フリーランスを活用する”ことになるので、「どうすれば営業フリーランスを活用できるか?」という課題に今から取り組んでおくべきだと思います。
きっと、このような準備をした企業が生き残り、その準備を怠った企業が徐々に衰退していくはずです。
ビジネスにおいては環境の変化を読み取ることが求められますが、将来を見通すことも重要だと思います。
これからの営業活動の中心となり得る「営業フリーランス」について知りたい人は、下の記事を参考にしてください。