本業の合間に「簡単に副業で稼ぎたい!」という人が増えている影響で、悪質な副業サイトやサイドビジネスが横行するようになりました。
そのような詐欺被害に遭わないためには、一体どのような対策を立てれば良いのでしょうか?
そこで今回は、詐欺行為の典型例や、悪質な副業サイトについて解説していきたいと思います。
目次
悪質な副業サイトとは?
悪質な副業サイトを見抜ける為には「どのような詐欺手法があるのか?」を理解しておくことが肝心です。
副業サイトは会員登録して、そのサイトの方針に従ってアクションを起こすと報酬が手に入るのが一般的ですが、悪質な副業サイトの会員になってしまうと大損する可能性があるので注意が必要です。
例えば、会員登録をするときに法外な登録料を求められる場合があります。
登録料はあまり高くなくても月額利用料が高かったり、サービスを利用するにあたって「教材費」「ソフトウェア代金」という名目で料金を支払うケースも珍しくありません。
また、一度払ってしまえばそれで終わりというわけではなく、さらに追加料金を請求されたり、追加支払いがないと報酬が受け取れないシステムになっているケースも散見されます。
これは心理学でいう「サンクコスト効果」を巧みに利用した仕組みなので、一度ハマってしまうと抜け出すのが難しいですが、サンクコスト理論を理解しておけば未然に防げるかもしれません。
もし不安な人は、事前に下の記事を読んでおきましょう。
お金を払うと仕事が貰える仕組みになっているものの、実際にはなかなか仕事が紹介されず、放置されるケースも多いです。
音沙汰が無いのを不審に感じて、いざ問い合わせしてみると「既に連絡が取れなくなっていた…」というケースもあるほどです。
このように運営会社が巧妙にお金を掠め取り、登録した人は支払うだけでまったく稼げない仕組みになっているのが、悪質な副業サイトの典型例です。
このような怪しいサイトには十分注意が必要です。
実際に出ている被害とは?
悪質な副業詐欺については、国民生活センターが注意喚起していますが、例えば以下のような事例が紹介されています。
- 1日数分の作業で月に数百万円を稼げる
- 100万円が1億円になる投資手法
このような儲け話しが巷に溢れているのですが、このようなビジネスに使われているのが情報商材です。
情報商材とは、ソフトウェアなどの教材にノウハウを詰め込んだもので、それを販売して儲けるビジネスモデルになっています。
先ほどの例で言うと、「1日数分の作業で月に数百万円を稼げるノウハウ」が収められたソフトウェアを販売することになります。
これ自体に違法性があるわけではないですが、あくまでも「ノウハウ」なので、その情報が有益か無益なのかは、人それぞれの判断によって大きく異なります。
そこに目を付けたのが詐欺師なのです。
情報商材自体がグレーゾーンなので「捕まらなければOK」という判断で、多くの人がアフィリエイターなどを活用しながら情報商材を販売し始めたのです。
それを支援するASPまで登場し、かなりカオスな状態になった情報商材界隈ですが、人の弱み(不安感)に付け込むビジネスなので、根絶するのが難しいという側面もあります。
- 起業したいが、やり方がわからない
- 転売で儲ける方法が知りたい
- SNSのフォロワーってどう増やすの?
このような不安や疑問はなかなか無くなりませんし、このような想いを抱いてる人がいる限り、情報商材屋は狙い続けるはずです。
高額な情報商材を購入した結果「全然儲からなかった…」という事例が多発していますが、情報商材屋が儲かることをコミットメントしているわけではないので、警察も捕まえることができず、もはや無法地帯と化しているのです。
悪質サイトの特徴を知ろう
悪質サイトを見極めるためには、その特徴を理解しておくことが大切です。
悪質サイトにはある程度の特徴や謳い文句があるので、まずはその辺りをチェックしていきましょう。
- スキマ時間で稼げる
- 簡単に儲かる
- たった10分で高額報酬
- 初心者でも安心
- 初期投資ゼロ円
このようなフレーズを見たら、とりあえず疑いの気持ちを持つのが無難だと思います。
例えば情報商材の場合には、特定商取引法に則って運営者の開示が必須となっています。
しかし、詐欺が発覚したときに追跡されることを恐れて、悪質なサイトは運営者を明記していないケースもあるのです。
屋号だけ記載されていて、代表者名や所在地などの会社概要が記載されておらず、メールアドレスもGmailなどのフリーメールアドレスの場合には警戒したほうが良いでしょう。
このような特徴を知っているだけで、詐欺に引っかかるリスクはかなり抑えられるはずです。
実態がわからないものに飛びつくのはリスクが高いので、きちんと仕事内容を把握することが、副業サイトを利用する上では必要不可欠だと思います。
悪質サイトを見抜くためには「どのようなタイプの副業があるか?」を知っておくと役に立つはずなので、具体例を4つご紹介しておきたいと思います。
①クリックするだけで高額報酬
クリックするだけで高額収入が得られるというタイプは、昔からある詐欺パターンです。
わずかな時間でも簡単に稼げると勘違いさせますが、いざ登録してみると全く稼げず、登録料で大損してしまうというのが常套手段です。
そもそも、クリックするだけで高額収入が得られるなんてありえないので、冷静に考えれば被害を回避できるはずです。
あくまでも「楽に稼げる仕事がある」と誤解させて誘い込むやり方だと理解しておきましょう。
➁成功マニュアルの販売
アフィリエイトやネットビジネスに興味を持った場合、成功している人もいる一方で、失敗している人も多いのに気付くはずです。
そんな時には、成功するためのノウハウが欲しいと思いますよね。
そこに付け込む詐欺があるのです。
- 私はアフィリエイトで月300万稼いでいます
- ネットビジネスで年商1億円
このような魅力的なフレーズを使って、ノウハウがない人をカモにしているのです。
まずそもそも理解して欲しいのは、アフィリエイトや転売で月100万円稼ぐのはとても難しいということです。
一昔前は違いましたが、現代のwebはレッドオーシャンなので、片手間の副業で儲かるような話などありません。
なので、もし本当に月300万円稼いでいたノウハウだったとしても、それは現代ビジネスにおいて全く通用しないノウハウになっているはずです。
そして年商1億円というのは「売上1億円」を意味しています。
ここで気付いた人はビジネス感覚が鋭い人だと思いますが、年商というのはアピールする上で全く無意味な数字なのです。
例えば、1万円の商材を1万個売るのは凄いですが、原価率が90%だった場合、年商1億円でも粗利は1千万円しか残りません。
この1千万円から販管費が差し引かれるので、実際の利益は「ほぼゼロ」という可能性も十分あります。
このような全く儲からないビジネスモデルだったとしても、「年商1億円」と謳うことはできるのです。
そう考えた場合、注目すべきは「利益がどれだけ出ているのか?」ということに気付くはずです。
販管費まで含めたP/L(profit and loss statement)、つまり損益計算書を見せてもらって、実際にどのようなビジネスモデルなのか把握することが重要だと思います。
➂登録料や手数料がかかる
悪質な副業サイトは退会が難しかったり、登録するのに費用が発生するというパターンが多いです。
警戒されるのを避けるため、入会金という見せ方はせず「システム利用料」という名目で請求してくる場合もあります。
ただ、この手口で詐欺をするケースがよく見られた影響で、もう少し変化球的なやり方も出てきました。
それはフリーミアム戦略のようなやり方です。
最初の1ヶ月は無料にして、そのまま登録していると月額料金が発生するという「自動更新」の仕組みにしているのです。
さらに自動更新時の契約内容は12ヶ月間縛りになっていて、途中解約する場合には多額の違約金が発生するという悪質サイトも存在します。
もう一つ典型的なのが、報酬の受け取りにお金がかかるパターンのサービスです。
仕事を終えて、ようやくお金が手に入るという時に、手数料という名目で報酬から勝手に差し引かれてしまうのです。
振込作業には人手が必要ですし、銀行の振込手数料もかかるので、ある程度の手数料が差し引かれるのは仕方ありませんが、その金額はせいぜい1回あたり数百円が一般的です。
もし千円以上取られていたり、数万円も差し引かれているようなら、それは悪徳業者だと思った方が良いでしょう。
④スマホがあれば稼げる
現代はスマホ社会なので、「スマートフォンさえあれば誰でも稼げる」というキャッチフレーズが横行しています。
このような中には、副業詐欺を目論んでいる業者もいるので十分注意が必要です。
スマホ副業はLINEやTwitter、Instagram、tiktokなどのSNSで募集されており、ビジネス知識の薄い若年層がターゲットになっています。
高額報酬につられて、多くの人が騙されているため、消費者庁も注意喚起している状態です。
しかも厄介なのが、リアルミックスの詐欺集団が出てきていることです。
出会い系アプリなどを入り口として、リアルに出会った人を勧誘するやり方なので、SNSを通じて人に会う場合には注意しなければいけません。
中にはセミナーを開催してネットワークビジネス(MLM)の仕組みを模倣している集団もいるので、十分注意してください。
【※注意】SNSの副業詐欺が横行中!
SNSの流行の影響を受けて、SNSを舞台にした副業詐欺がとても多くなっています。
SNSはターゲットを絞り込んで広告を出せるため、性別や職業、年齢などに応じて興味を持ってくれそうなペルソナへ簡単にリーチできてしまうのです。
TwitterやInstagramで怪しいDMが届いた経験のある人はきっと多いはずです。
例えば下の画像は、実際に編集部メンバーに届いたDMです。
これが詐欺かどうかは正直わかりませんが、日本語が変ですし、怪しさ満点だと思います。
そもそもLINEに誘導している時点で、決してクリーンなビジネスではないと判断できます。
しかし知識がない人は、このような案内に興味を持ってしまい、LINEで繋がってしまうのです。
このようなオファーは、出会い系サイトやゲーミングコミュニティなど、様々なSNSを通じて行われています。
ポンジ・スキームと呼ばれている有名な詐欺手法もあるので、騙されないために知識武装することも大切だと思います。
たとえウマい話だと思っても、一度冷静になってから、その分野に詳しい人にアドバイスをもらったり、時間をかけてゆっくり説明を聞くことが大切なのです。
詐欺だと気付いたら?
どれだけ悪質な副業サイトに詳しくなったとしても、騙してお金を取ろうと考える人は次々に出てきます。
十分な対策をしていたにもかかわらず、詐欺被害に遭ってしまう人もいるでしょう。
そのような場合、どのように対処すれば良いのかを知っておくことは、副業サイトを使う上で欠かせないことだと思います。
まずは怪しい副業サイトだと感じたら、あるいは副業詐欺の可能性があると気づいたらすぐに退会するのが賢明です。
まだ一切支払いをしていないのであれば、たとえ仕事をしてしまった後だったとしても金銭的な損失が生まれるわけではありません。
早く決断できるほど時間や労力の無駄遣いも減らし、個人情報の漏えいリスクも低下するはずです。
そして、もしお金を払わなければならないという状況に立たされたら「詐欺ではないか?」と疑ってかかりましょう。
もし既にお金を払ってしまっていて、明らかに詐欺だという確証があるなら、すぐに警察へ連絡したほうが良いと思います。
振り込んだ事実を示す書類や副業サイトのURL、規約などを用意しておくとスムーズに対応してもらえるはずです。
内容によっては消費者センターが対応してくれる場合もあるので、一度相談してみるのもいいでしょう。
国民生活センター:https://www.kokusen.go.jp/index.html
そして法的手続きを取る場合には、身近な弁護士事務所の無料相談を申し込んでみてください。
内容によっては、専門家ならではのアドバイスがもらえるかもしれません。
もしお金を支払ってしまったとしても、早めに対処すればお金が取り戻せる可能性が高まるので、大きなトラブルになるのを防げるはずです。
副業詐欺から身を守るコツ
ここまで悪徳サイトや、詐欺的なサービスについて解説してきましたが、もちろん副業サイトの中には優良サイトの方が多いと思います。
しかし、悪意を持って運営しているサイトがあるのも事実です。
とにかくインターネットの進化が早いので、
- ブロックチェーン
- 暗号資産(仮想通貨)
- NFT
など、それっぽいことを言って、巧みな話術で騙すケースも散見されています。
ここで重要なことは、絶対に自分が理解できないものには手を出さないということです。
例えば、暗号資産(仮想通貨)が流行っていますが、「なぜ価格が変動するのか?」「どういう仕組みになっているのか?」など、疑問は尽きませんよね。
これらの疑問に回答できないようであれば、その本質が理解できていないので手を出すべきではありません。
これと同じように、サービス内容が理解できていないのであれば、その副業サイトに登録してはいけません。
最終的に意思決定するのは自分自身です。
全て自己責任なのだと理解して、責任ある行動を取りましょう。