営業力を強化することは、全ての企業の課題になっているはずですが、色々なテコ入れをしても、なかなか売上アップに繋がらないので、かなり悩ましい問題ですよね。
多くの経営者や営業責任者を悩ましている”営業力強化”ですが、そのやり方にはコツがあります。
そこで今回は、営業力を強化して売上目標の達成につなげるやり方を解説したいと思います。
営業活動に悩みがある人はぜひご覧ください。
目次
売上目標はなぜ必要?
永続的な企業活動をするためには、やはり”売り上げ”が源泉となりますが、そもそもなぜ売上目標を設定しなければいけないのでしょうか?
売上目標は「予算」と呼ばれたり「ノルマ」とも言われますが、営業職であれば馴染み深い言葉だと思います。
まずはこの部分をスッキリさせましょう。
企業経営は「キャッシュフロー経営」と言い直すことができるほど、売上が重要な役割を担っていますが、まずは分かりやすいように一般家庭に置き換えてみたいと思います。
例えば、夫婦合わせて100万円の世帯所得があったとします。
その家庭では100万円の範囲内でやりくりすれば、赤字になることはありませんよね。
企業経営もこれと全く一緒で、キャッシュイン(100万円)の範囲内でやりくりすれば問題ありませんが、企業経営の場合にはキャッシュアウトが大きく、支出の数も多い為、一般家庭よりもコントロールが難しいのです。
- 地代家賃
- 役員報酬
- 人件費
- 備品・消耗品費
- 外注費
- リース代金
- 原材料費
- 顧問料
- 光熱費
- 会議費
- 雑費
- 旅費交通費
- 交際接待費
- 広告宣伝費
- 借入の返済
- 支払い手数料
どれをとっても個人とは比較にならないほど大きな金額になっています。
これらの金額が100万円を超えてしまうと、ある意味で「逆ザヤ」となる為、事業運営すればするほどキャッシュが減っていくのです。
しかし継続的な成長を目指す企業経営においては、ある程度キャッシュアウトが大きくなる局面(=事業投資)も出てくるはずです。
そのような攻めの経営をする場合には、将来どうなるのか不安ですよね?
そのような場面で重宝されるのが”売上予算”です。
基本的には「キャッシュイン-キャッシュアウト」がプラスになればOKなのでシンプルな話ですが、実際の企業経営は下のようなP/L(損益計算)となりがちです。
1月:売上100万円-販管費80万円=営業利益20万円
2月:売上100万円-販管費110万円=営業利益-10万円
3月:売上150万円-販管費120万円=営業利益30万円
4月:売上80万円-販管費130万円=営業利益-50万円
5月:売上110万円-販管費120万円=営業利益-10万円
6月:売上120万円-販管費120万円=営業利益0万円
上記のような例では6ヶ月間(半期)の営業利益が-20万円となっています。
このようにキャッシュアウトの方が多い状態が続くと、企業は倒産する羽目になります。
そうならないためには、きちんと販管費(キャッシュアウト)を管理して、それ以上の売上(キャッシュイン)を得なければいけません。
そのような道筋を社内に共有するのが売上目標であり、販売計画だと言えます。
逆に言ってしまうと、売上目標が明示されていなければ「いくらで損益分岐点を超えるのか?」が社内共有されないので、慢性的な赤字経営に陥る可能性すらあります。
ちなみにこの数字(売上目標)を営業マン個々人へ割り振ったのが「営業ノルマ」と呼ばれています。
つまり営業ノルマを達成しなければ、キャッシュアウトの方が多くなってしまうので、企業の存続に関わる話になっていくのです。
これで経営者(又は事業責任者)が営業ノルマの達成について口酸っぱく言う理由が理解できましたよね。
売上目標を達成するコツについて理解する前に、まずは会社経営の仕組みについて押さえておきましょう。
営業力強化の意味とは?
「売上目標を達成するためには、営業力を強化しなければいけない」
このようなフレーズを聞いたことがあるビジネスパーソンは多いと思いますが、ところで「営業力を強化する」とはどういう意味なのでしょうか?
下の選択肢の中から”営業力強化”の意味を選んでみてください。
- セールストークを磨く
- 営業マンのスキルアップ
- アタックリストの数を増やす
- テレアポの件数を伸ばす
- 商談件数を増やす
- ロールプレイングを強化する
- 製品・サービスをブラッシュアップする
- 営業マンの数を増やす
- 代理店を増やして販路拡大する
- 問い合わせの数を増やす
「営業力強化」という言葉は曖昧なので、結論から言ってしまうとどれも正解だと思います。
しかしここで注目して欲しいのが、「そもそも営業力強化する目的とは一体何なのか?」ということです。
それは「継続的な売上向上」だと思います。
短期的ではなく、長期的な売上アップを目指すために営業力を強化したいのです。
そう考えた場合、上の選択肢の中には正解がないような気がしてきます…
- セールストークを磨けば売上アップするでしょうか?
- 営業マンのスキルアップを図れば売上アップするでしょうか?
- 代理店を増やして販路拡大すれば売上アップするでしょうか?
短期的には効果があるかもしれませんが、長期的に効果が出るかは未知数ですよね。
つまり売上向上を図るためには、複合的な要因が必要だということです。
これは一つ気付きになると思います。
実は、上にあるような要因を組み合わせたものを「営業力強化」と呼んでいるのです。
世間はスーパーセールスマンを期待している
営業力強化が複合要因であることは説明した通りですが、それでも経営者は「優秀な営業マンが欲しい!」と考えています。
そもそもこの考え方が間違っているので、ここで指摘しておきたいと思います。
営業職の採用においては「トップセールスを採用できなければ失敗」というギャンブル採用が横行しています。
そのような顧客の無知に付け込み、求人サイトや人材紹介会社は予算を消化しているのです。
そしてたまたまトップセールスが採用できたとしても、その営業マンが活躍してくれるとは限りません。
前職で売っていた商材との相性が良くてトップセールスになっていたケースもあり得るので、どの会社でも営業実績を出し続けられるとは言えないのです。
しかも追い打ちをかけるような話ですが、そのような優秀なセールスパーソンが、ネームバリューのない中小ベンチャー企業に転職してくれることは少ないでしょう。
実力のある営業パーソンであれば、きっと給料が高くて福利厚生の充実している大手企業に転職するはずです。
そして転職先の大手企業でも実績を出し続けるのです。
なぜかといえば、大手企業は営業支援する仕組みが用意されているからです。
- 企業のネームバリューが高い
- 商品・サービスの知名度が高い
- しっかりした広告宣伝活動
- CRMやSFAなどのシステム導入
- 充実した営業教育・研修制度
営業シークの「さの編集長」は、新卒で大手企業の営業職として就職しましたが、入社した4月~支店配属される8月までは研修制度が設けられていました。
4ヶ月間もみっちり研修したおかげで、きちんとした商品知識やビジネスマナーが身につき、現場では即戦力として活躍できたのです。
そして100年の歴史がある大企業というだけでなく、テレビCMも頻繁に流れていた為、幸いなことに「会社名を知らない」というお客様はゼロでした。
おかげで新規開拓のハードルが下がって、商談機会を得るのも簡単だった記憶があります。
そして子会社が開発していたCRMやSFA、CTIなどの業務管理システムによって見込客管理も簡単で、アプローチ対象をすぐに絞り込むことができました。
このようなバックアップ体制があれば、営業実績を出すのは容易いと思います。
つまり営業力強化の本質とは、このような「営業活動の再現性」を意味しているのです。
この部分に気づかないと、いつまで経っても「優秀な営業マンを採用しろ!」という意味不明な指示を人事担当者へ出したり、営業研修を外部にアウトソーシングしたり、使われもしないCRMやSFAを契約し続ける羽目になるのです。
そして、それだけの巨額予算を投じても「一向に売上がアップしない…」という悪夢のような目に遭うのです。
営業の属人化から脱却する方法
ここまで読み進めた人は、売上アップを目指すために「とびきり優秀な営業マンなどいらない」ことに気づいたはずです。
セールスパーソンは”普通”であればOKなのです。
普通というのは、一般的な倫理観を身に付けていて、一般的なビジネスマナーを習得しており、一般的なコミュニケーションができる人のことを言います。
たった一人のスーパーマンに頼ってしまうと、もしその人が抜けた(退職)場合、すぐに売り上げが急降下するリスクを背負う羽目になります。
なので、営業力強化を目指す上では属人化から脱却する必要があるのです。
世間一般では「プロフェッショナルな営業マンであれば何でも売れる」という誤解が生じていると聞きます。
確かにベテラン営業マンは売るのが上手いかもしれませんが、仕組み化できていないプロダクトを売ることは難しいでしょう。
例えば販促資料が魅力的でなかったり、FAQすら用意されていなければ、どんなに優秀な営業パーソンでも売れないケースはあると思います。
全てを営業マン任せにするとマネジメントは楽ですが、売り上げは伸びず、後になって大きなトラブルが起こる可能性も潜んでいます。
営業の属人化から100%脱却することは難しいですが、90%くらいは脱却できるはずです。
今現状、営業活動がどれほど属人化しているのかを把握し、それを仕組み化するように考えましょう。
営業とマーケティングはセットで考える
売上が伸び悩んでいる場合、営業活動のテコ入れを考えるはずです。
そのようなケースでは営業部にハッパをかけたり、業務効率化を図ったりしますが、実はそれ以外に要因が潜んでいるケースもあるのです。
- 競争力の低下
- 市場環境の変化
- 顧客ニーズの変化
例えばライバル企業が出てきて、単純に競争力が低下してしまったケースが考えられます。
そのような場合には営業活動のテコ入れではなく、プロダクトのテコ入れが必要だと思います。
そして市場環境の変化が生じるケースもあり得ます。
2019年に大流行したコロナパンデミックでは、ビジネス環境が大きく変化しました。
その結果、コロナ前まではもてはやされていたスタートアップ企業(オンライン商談システム)が一気に衰退し、アメリカのZoomに置き換わったのは記憶に新しいと思います。
それ以外にも顧客ニーズの変化という要因も考えられます。
これまで義務感があって挙式していたカップルが、コロナパンデミックをきっかけに結婚式を挙げなくなったそうです。
もともと「結婚式は高いから嫌だな」とか「結婚式は身内だけでやりたいな」というカップルが多かったので、その人たちに口実を与えてしまった結果、顧客ニーズが大きく変化したのでしょう。
このような売り上げ不振の要因はマーケティングをしなければ発見できないはずです。
実はこの「マーケティング」と「セールス」がセットであることに気づいている経営者は少ないので、その辺りについても触れておきたいと思います。
売上アップの方程式を解説!
営業活動は気合い&根性論で語られる事が多いので、未だにテレアポ営業を強要したり、飛び込み営業を指示するセールスマネージャーがいると聞きます。
そのような人はもはや”化石”と言えるので、旧態依然というか、思考停止状態になっています。
ビジネス環境は常に変化しているので、以前は上手く回っていた仕組みでも、今は合わないケースもあるのです。
特に現代ビジネスでは、セールスを強化しただけで売上アップに繋がることはほぼありません。
なぜかといえば、情報が氾濫しているからです。
インターネット(Web1.0)やSNS(Web2.0)が発達しておかげで、消費者は情報の取得が容易になりました。
なので、これまで通りのプッシュ型セールスだけでは、売上アップを目指すのが難しいと思います。
例えばラーメン屋さんを思い浮かべてみてください。
ラーメン屋でいう「セールス」とは、美味しいラーメン(=商材)を売ることです。
お店の看板メニューが醤油ラーメンだった場合、その醤油ラーメンを売りたいと考えますが、その為にはお客様から注文してもらわなければいけません。
しかしそのラーメン屋が、人里離れた山奥にあったらどうでしょうか?
もちろんラーメン屋の前は誰も通らないので、そのラーメン屋に気づくこともありません。
残念なことに”認知”が行き届かないのです。
これはどのような企業でも一緒で、どんなに素晴らしい優れたプロダクトを作ったとしても、それが認知されなければニーズは喚起されません。
そのニーズ喚起をするのがマーケティング活動です。
先ほどのラーメン屋でいえば、看板メニューの醤油ラーメンをSNSで宣伝したり、ラーメン雑誌に掲載することがマーケティング活動にあたります。
一昔前までであれば、「あの店のラーメンが美味しい」という口コミだけで商売できましたが、情報化社会ではもう一工夫する必要があると思います。
そのような努力をすれば認知が行き届くので、たとえ立地が悪かったとしてもお客様は来てくれるはずです。
その来店したお客様に対して「人気No.1の看板メニュー:醤油ラーメン」とおすすめするのがセールスに当たります。
そこからさらに口コミを利用するのです。
これが「マーケティング×セールス=売上アップ」という方程式になっていきます。
口コミ営業のやり方について知りたい人は下の記事をご覧ください。
営業活動を仕組み化しよう!
ここまで読み進めた人は、営業部だけが頑張ったとしても売上アップには繋がらないことが理解できたはずです。
売上が下がった時、営業マンに対して「もっとテレアポしろ!」とか「商談数を増やせ!」と言っている経営者(又は事業責任者)はセンスが無いので猛反省しましょう。
現場の営業マンは、売上アップさせるための構成要素の一つに過ぎません。
売上目標を達成するためには、社長や幹部社員が問題点を把握し、それを改善(=仕組化)できることがポイントとなります。
もしそれができないという判断であれば、それができる営業代行会社や営業支援会社へ依頼するのが良いでしょう。
「ウチの会社は商材が特殊だから難しいよ」と言い訳をするのは簡単ですが、それをやっても何も解決しません。
結論を言ってしまいますが、仕組み化できない営業活動など無いと考えています。
ただ仕組み化できるノウハウがあるかないかの違いだけです。
例えば、弊社(WEBX Inc.)が提供しているside bizz(サイドビズ)には様々な営業プロフェッショナル人材が登録しているため、顧客ニーズに応じた営業チームを構成することができます。
【30代男性】
営業マネージャーとして活躍してきたので、営業の仕組み作りが得意です。
webマーケティングと掛け合わせながら、営業活動の最大化を実現できます。
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約4,000社の経営者と人脈あり。
ご要望に合った取引先をすぐに紹介できます。
【30代男性】
大手証券会社を昨年退職。
潜在顧客の掘り起こしが得意です。
新規のテレアポ営業もOKですがリスト提供が条件です。
【30代男性】
新規営業などが得意です。
様々な企業で実績を残したトップセールスですが、月の半分ほどはリソースが余っている為、案件次第で支援できます。
【30代男性】
旅館・ホテル業界に100社以上のコネクションがあります。
観光業界での新規開拓を希望している場合、決裁者との商談セッティングをすぐに実現できます。
【20代男性】
全国の建設会社300社以上とコネクションあり。
建設&工務店の社長をすぐに紹介できます。
【20代男性】
テレアポ営業に強みを持っている営業フリーランスです。
トークスクリプトの設計も得意です。
新規リストを用意してもらえれば、どのような商材であっても商談セッティングを実現します。
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最後は宣伝っぽくなりましたが、営業を仕組み化できる会社は決して多くありません。
一般的な営業代行会社に依頼すると、営業の仕組み化のレベルに応じて「一人アサインするのに月100万円~200万円程度」の見積もりが出てくると思います。
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