
新規開拓営業をしている場合には、「どうやったら効率的なのか?」という事に頭を悩ましているはずです。
その選択肢の中には「営業セミナーを活用する!」というやり方があるはずです。
セミナーを活用すれば、自分達からアウトバウンド営業をするのではなく、インバウンド営業のスタイルが構築できるからです。
そこで今回は、営業セミナーを活用して新規開拓営業を強化するやり方について解説していきたいと思います。
かなり実践的な内容なので、以下のような人は是非ご覧ください。
- 効果的なセミナーを開催したい!
- オンラインセミナーを開催したい!
- インバウンド営業を強化したい!
目次
セミナーを新規開拓営業に使う
セミナーを使って新規見込み客を集めたり、新規受注を量産している会社をたまに見かけると思います。
そのような会社みたいに、「ウチの会社もセミナーを使って新規開拓営業ができれば…」と考えたことが一度くらいはあるはずです。
しかし、営業セミナーを開催するノウハウも、セミナー講師を務めるような人材もいない場合、想いとは裏腹に断念しているケースが多いと思います。
これは非常にもったいないことだと思います。
よくよく考えてみると、セミナーに来てくれる人達は、かなり角度の高い見込み顧客になり得るはずです。
そこに集まった人達に対して、自社商材をアピールし、受注(=契約締結)することができれば、かなり効率のいい営業活動が実現するはずです。
世の中にある大半の企業は「見込み顧客がいない!」と嘆いています。
確かに見込み顧客を探すことは大変ですが、開催したセミナーに自ら見込み顧客が参加してくれるのであれば、新規営業のやり方が180度変わる可能性もあります。
時代の変化(=環境の変化)とともに、営業活動の仕組みも進化しています。
これまでのやり方ではいづれ通用しなくなるので、早めに新しいやり方を模索していきましょう。
「いいセミナー」とは?
営業セミナーを開催する前に、まず押さえておくべきことがあります。
それは「いいセミナー」の定義についてです。
まず押さえておくべきことは、開催するセミナーの目的は「新規開拓営業をするため」ということです。
このように考えれば、自ずと「いいセミナー」の定義が見えてくるはずです。
参加者が多いセミナー ⇒ No
参加者を満足させるセミナー ⇒ No
参加者からたくさん受注が取れるセミナー ⇒ Yes
今回開催する「いいセミナー」の定義とは、参加者からたくさん受注が取れるセミナーのことです。
たとえ、たくさんの参加者がいるセミナーであっても、そこからの受注ゼロという状態であれば、それは決して「いいセミナー」とは言えません。
また、セミナー参加者が満足してくれたとしても、そこからの受注ゼロという状態であれば、それは決して「いいセミナー」とは言えません。
そうではなくて、セミナー参加者の中から「受注が出る」ことが必要なのです。
このようなセミナーを開催できれば、それはあなたにとって「いいセミナー」ということになります。
セミナーを開催するたびに「新規受注が取れる」という仕組みが出来上がれば、これほど新規開拓営業が楽なことはありません。
今やっている新規開拓営業の概念すら覆る可能性があるので、セミナーを使った新規開拓営業はどの会社も取り組むべき施策だと思います。
セミナーで提供すべきこと
「いいセミナー」の定義が理解できたら、次はセミナーで提供すべきことを押さえていきましょう。
一般的に「セミナーで提供すべきことは何でしょうか?」という質問をすると、たいていの人は「ノウハウを提供すること」とか「コツを教えてあげること」などの表面的な回答します。
しかしこれは大きな間違えです。
セミナーに参加する人に提供すべきことは、もっと奥深い部分にあるのです。
よくよく考えてみればわかると思いますが、セミナーに参加する人は、何らかの課題を持っている人だと思います。
その課題感は人によって多少ばらつきがあると思いますが、それをまとめる役割がセミナーなのです。
そう考えた場合、セミナーで提供すべきことは「理想と現実のギャップを埋めること」だということが理解できるはずです。
つまり、セミナー参加者は何らかの課題感があってセミナーに参加しますが、その課題解決の手段を提供することこそセミナーの役割なのです。
セミナー講師の中には、参加者から敬われることが快感になっていて、「自分が持っている知識を教えてあげたい」と考える人が一定数いますが、それでは本来の目的が達成されません。
そのような自己満足のボランティア活動ではなく、商売をしなくてはいけないのです。
セミナーの企画方法
営業セミナーを開催する場合には、まず「セミナーを開催してどうしたいのか?」という目的を定める必要があります。
それは「新規受注をとる」ということに集約されていきますが、そのアプローチ方法が2つあることを理解しておきましょう。
- 知識提供型セミナー
- 集客目的型セミナー
一つ目の知識提供型セミナーとは、一般的に行われているセミナーのことです。
知識の習得や情報提供、ノウハウやスキルの提供が目的になっているため、興味関心の薄い人がたくさん集まるという傾向があります。
このセミナーの目的は、参加者に満足感を与えることです。
良いアンケート結果や、良い評価をもらうことがこのセミナーの成功定義なのです。
つまり、このセミナーはその場で受注を取ることが目的になっておらず、あくまでも良い評価を集めることが目的になっているのです。
これはつまり潜在ニーズの掘り起こしが目的になっているといえるでしょう。
潜在ニーズとは、自分自身のニーズをまだ気づいていない見込み顧客のことを言います。
自分自身のニーズに気づくことができないので、外部から情報提供してあげることでニーズ喚起していきます。
そのようなお客様にとって、セミナーはとても相性が良い場所なのです。
そして集客目的型セミナーこそが、本来目指すべきセミナーの形です。
このセミナーに参加する人は顕在顧客なので、その参加人数は少人数が原則になります。
なんとなく「セミナーを開催する」と聞くと、沢山の人数を集めた方が良いと思いがちですが、実はそんなことありません。
もし契約率の高いセミナーを開催したい場合には、たくさんの人数を集めるのではなく、出来る限り人数を絞った方が賢明だと思います。
マーケティングに携わっている人であればなんとなく理解できると思いますが、ビッグワードよりもミドルワード、スモールワードよりもロングテールキーワードの方がコンバージョンレート(CVR)が高くなります。
セミナーの考え方もこれと全く一緒なのです。
つまり、たくさんの人数を集めてしまうと、見込み顧客のニーズが分散するので、セミナー全体をぼんやりした内容にさせざるを得なくなってしまいます。
そうではなくて、最もCVRが高くなるやり方は、ターゲットを絞り込んだニッチセミナーです。
そう考えた場合、理想的な参加人数は5人~10人ほどになると思います。
これくらいの人数であればセミナー会場全体に一体感が作りやすくなって、受注率も高まるはずです。
受注することを目的にしたセミナーの場合は、満足度を得ることが目的ではなく、クライアント獲得が第一優先とされます。
セミナーを企画する場合には、まずその目的を明確にすることが大切だと思います。
起承転結が重要
「起承転結」という言葉をご存知でしょうか?
この言葉には以下のような意味が込められています。
起:現在の課題や悩み
承:課題や悩みが起こっている背景や理由
転:課題を解決するための方法
結:解決した結果、何が手に入るか?
セミナーでは聞き手にとって理解しやすいストーリーを作るため、「起承転結」を利用することが基本になります。
起承転結は、物事の順序や組み立てに使われる手法なので、知ってる人は多いはずです。
ここでは一つずつ解説していくので、営業セミナーを企画する担当者は必ず押さえるようにしましょう。
「起」とは?
まず最初の「起」ですが、これは問題提起を意味しています。
営業セミナーに参加する人は、何らかの課題感がある人達なので、その問題や悩みについて再確認することが必要なのです。
やり方としては「皆さんが抱えている悩みは●●ですよね?」ということをセミナーの冒頭で問いかけるのです。
この入口を間違ってしまうとセミナーは失敗に終わる可能性が高くなります。
「承」とは?
「承」とは、抱えている問題や悩みが起こっている原因を探ることです。
人によってその背景や理由は様々だと思いますが、それをセミナー参加者ごとに紙に書いてもらうのが良いでしょう。
そうすることで自分の課題感を再認識できるので、セミナーに対しての真剣度が高まるはずです。
そして「承」にはもう一つ重要な役割があります。
それは会場の一体感を生成するということです。
抱えている問題はあるが、その悩みを抱えているのは自分だけではないと気付ければ、会場全体に仲間意識が生まれます。
そうすると安心感が芽生えるので、緊張せずにセミナーへ参加できるようになります。
「転」とは?
「転」は、セミナーの核となる部分です。
ここでは「どうすればあなたの課題が解決できるのか?」という情報を提供します。
具体的なノウハウ提供になるはずなので、営業セミナーの中でも一番盛り上がる部分だと思います。
とはいえ、あまりにボリューミーな内容にしてしまうと、それだけで満足感が出てしまうのも否めません。
なので、少し物足りないぐらいの情報量にしてあげることが大切だと思います。
そして聞き手が理解しやすいように、ポイントをまとめてあげることも重要です。
例えばポイントを三つに絞り込むなど、いろいろと工夫してみましょう。
「結」とは?
「結」はセミナー全体をクローズさせるステージなので、「転」で聞いた情報やノウハウを実行することで、「どのような結果になるのか?」をまとめる段階です。
顧客は製品サービスが欲しいわけでなく、自分自身の課題を解決したいだけなので、その課題解決には「●●を購入しましょう!」と促す役割もあります。
ここでのポイントは、課題解決すると「どのような自分になれるのか?」を具体的にイメージしてもらうことです。
これがイメージできないと、セミナー参加者が購買に至ることはないでしょう。
プログラムは最後から作る
多くの人はセミナーを企画する時、冒頭から作り始めると思います。
「まず最初に問題提起して、次に問題が起こっている原因を探って…」という具合に考えるはずです。
しかしこのやり方はアプローチ方法が間違っています。
本来やるべきプログラム作りとは、一番最後から作り始めるのです。
冒頭でお伝えしたと思いますが、営業セミナーを開催する目的は「新規受注数を増やすため」です。
それであれば、最終到着地点である「●●を販売する」というゴール地点からストーリー設計しなければいけません。
そこから逆算的にプログラムを作っていくのです。
集客ターゲットを明確にしよう!
ここまで営業セミナーの開催目的や、企画方法について解説してきました。
次に、開催するセミナーの集客について触れていきたいと思います。
先ほど営業セミナーは「集客目的型セミナー」にすべきだとお伝えしました。
そして参加人数は5名~10名ほどにするべきだともお伝えしました。
これだけ小規模のセミナーであれば、参加者のペルソナがある程度定まるはずです。
セミナーを成功させるためには、まずこの集客ターゲットを明確にすることが大切です。
集客ターゲットはできる限り具体性を持たせて、あえて狭くしていきます。
そしてそのターゲットが目にしそうな場所に広告配信したり、チラシを撒いたりするのです。
このような一連の流れはマーケティング活動になるので、ある程度のマーケティング知識が求められるはずです。
セミナーで新規受注を取ることはセールスに該当しますが、セールスは必ずマーケティングと対になるのです。
「セールス×マーケティング」で新規受注を最大化させましょう。
セミナー講師の話し方はどうする?
次にセミナー講師について触れておきたいと思います。
良いセミナーを企画して、そこに参加者を集められた場合、その人たちを受注まで持っていく重要な役割を担っているのがセミナー講師です。
とても重要な役割なので、当たり前の話ですがセミナー講師は誰でも良い訳ではありません。
話し方や身振り手振りなど、最も効果的なプレゼン方法があるので、それらをきちんと理解している人でなければセミナー講師は務まらないのです。
もしあなたがセミナー講師をやる予定なら、まず意識改革から始めていきましょう。
一般的なセミナー講師のほとんどは、開催目的を誤って認識しています。
つまり、情報提供やノウハウの提供を目的にしてしまっているのです。
そうではなくて、あくまでも「新規受注を獲得する」ことをセミナーの目的に据えるべきです。
なので、セミナー会場はショールームだと認識しましょう。
セミナー参加者はショールームに見学に来た見込み顧客です。
そこに来た人達に、セールスする役割がセミナー講師なのです。
このように考えるだけで、だいぶセミナー講師としての心構えが変わるはずです。

自己満足のセミナーにしない
これはセミナー講師あるあるですが、話し上手なセミナー講師は自分のトークに陶酔してしまって、情報提供しただけで満足するケースがあります。
このようなセミナーは自己満足でしかないので、絶対に避けるようにしましょう。
参加者全員が満足するようなセミナーは良いセミナーと言えません。
参加者の満足度にばらつきがあるセミナーこそ、本当に良い営業セミナーなのです。
なぜかと言うと、セミナー参加者の課題感にリーチできているからです。
参加者全員が満足するセミナーとは、上辺だけの情報提供を行っているセミナーだと思います。
もっと突っ込んだ話や、具体例などを出していけば、そこに該当しない人にとっては満足感が低いセミナーになるはずです。
しかし、「まさにそのような課題を持っていた!」という参加者も一定数出てくるはずです。
そのような人にとっては、あなたが提供する製品サービスこそ自分が探し求めていたものだと思われるはずです。
つまり、セミナー参加者全員を刈り取る(=受注)のではなく、その中から一人二人を刈り取るだけで良いのです。
人は貪欲なので、どうしても「参加者全員を契約に持ち込みたい…」と考えてしまいますが、それをやればやるほど営業セミナーの効果は落ちていきます。
この辺りは十分注意するようにしましょう。
「もっと知りたい!」と思わせる
営業セミナーでは「転」の部分で情報提供やノウハウ提供を行います。
この部分であなたが持っているノウハウを提供することになりますが、全ての情報を無償提供するのではなく、多少足りないぐらいに収めた方が良いと思います。
腹八分目くらいの提供ボリュームにして、「もっと知りたい!」と思わせることが大切です。
そうすれば営業セミナー終了後に相談されるケースが多くなるでしょう。
そして「自分で実行するにはハードルが高い…」と思わせるセミナー内容にしましょう。
「もし自分で実行できる人がいれば、それはご自身で課題解決してください」と投げかけて、「もし難しいと感じるなら弊社にご相談ください」と伝えておくのです。
例えば、海外不動産の投資商材があったとします。
人口増加で急激な経済発展をしているインドネシアの不動産に投資する商材だった場合、自分一人の力で不動産を購入することもできるでしょう。
しかし、それをする上での障害や手続きの難しさなどをお伝えすれば、一定数は「自分でやるのは無理だ…」と断念するセミナー参加者が出てくるはずです。
そのような人だけを顧客にすれば良いのです。
演出を大切にする
セミナー講師は複数人に対して語りかけるように話すはずです。
この時の目線は「Z」を描くようにしましょう。
「Z」の目線で話をすれば、全員にまんべんなく話しているように見えるので、会場全体に一体感が生まれます。
そして、その中でも真剣に聞いてくれてる人には、時々目線を合わせながら話すと効果的です。
これはプレゼンでも使えるノウハウなので、ぜひ実践してみましょう。
セミナー冒頭で質問をする
営業セミナーを開催する時、おすすめのやり方は、冒頭(開催5分以内)で参加者に質問をすることです。
セミナーというのは、良くも悪くも参加者&講師が多少なりとも緊張しているはずです。
その緊張感を和らげる側面と、セミナーに対して前のめりで参加してもらうという役割が「質問」にはあります。
例えば「起」の部分で参加者の一人を指名して、「今日はインドネシアの不動産事情についてご説明しますが、インドネシアには行ったことありますか?」というような質問をしてみるのです。
こうすると参加者には「次は自分が指名されるかも…」という緊張感が生まれるので、セミナーの内容を真剣に聞こうとしてくれます。
ただし注意点としては、この時にする質問内容は「正解&不正解」があるような問いかけにしてはいけません。
もし不正解となった場合、質問された参加者は恥をかきますし、もしかしたら不機嫌になるかもしれません。
なので、自分の主観や考え方で答えられるような質問にするべきなのです。
指名することなく、いきなりセミナー参加者に質問することもタブーだと心得ましょう。
セミナー参加者は多少なりとも緊張しているので、突然質問されることを嫌がりますし、人によってはビックリして嫌な気持ちになるはずです。
もちろん一人を指名するのではなく、会場全体に対して「●●はどのような意味か分かりますか?」というような質問でも構いません。
セミナー冒頭で質問することはとても効果的ですが、使い方を間違えると逆効果になりえるので注意しましょう。
セミナーの品格を上げる方法
営業セミナーを開催する場合、セミナーの品格を上げておいた方が良いと思います。
セミナーの参加者と講師は「生徒と教師」という立ち位置になりますが、この立場が明確なほど受注率は高まるのです。
そのためにやるべきことは、まず受付を設置することです。
セミナー講師ではない別の人が受付するだけで、セミナーの品格は格段にアップします。
くれぐれもセミナー講師が受付することはないようにしましょう。
そして二つ目が司会者を設けることです。
セミナー講師を神格化するためには、司会者を設置することが効果的です。
できればその司会者からセミナー講師の経歴や実績などを紹介してもらいましょう。
そうするとさらにセミナー講師の品格が上がるはずです。
そして、三つ目がタイムスケジュールをきちんと守ることです。
セミナーの開始時間や終了時間はもちろんですが、休憩時間に関しても気を遣いましょう。
例えばセミナーの合間に休憩時間を設ける場合の話です。
今現在11:18で、休憩時間が10分間だった場合、多くのセミナー講師は「今は11:18なので…、キリ良く11:30に再開しましょう」と言ってしまいます。
そうではなくて「10分間の休憩なので、11:28に再開します」と伝えるべきなのです。
1分単位の時間まできちんと計ることは、そのセミナーの品格をアップさせるために役立ちます。
これも含めて全て演出の一部なので、営業セミナーを開催する前に理解しておきましょう。
まとめ
営業セミナーを開催する目的は、ズバリ「新規受注を増やすため」です。
そのためには、行き当たりばったりのセミナーを開催するのではなく、きちんとしたシナリオ&企画が必要です。
ここで解説したセミナーノウハウは全て実践的なモノですが、もちろんオンラインセミナーにも応用できます。
なので、積極的に実践してみてください。
