営業活動は「オンライン」と「オフライン」に分けられますが、もしこれからオンラインセールスを強化しようと思っているなら、セールスライティングについて学んだ方がいいと思います。
この知識さえあれば、オンラインセールスの効果を最大限実感できるはずです。
そこで今回は、セールスライティングについて解説していきたいと思います。
営業責任者はもちろんですが、マーケティング担当者、webライター、フリーランスまで幅広くご覧ください。
目次
セールスライティングとは?
セールスライティングは「セールスコピー」とか「コピーライティング」と呼ばれており、Webマーケティングには必須のスキルだと言われています。
例えば、商品について書いた文章をホームページにアップし、その文章を読んだ人が商品を買ってくれる…
このような”商品を売るための文章”のことをセールスライティングと呼んでいます。
インバウンド営業に必要不可欠
セールスライティングはインバウンド営業に必要不可欠だと言われています。
ちなみにインバウンド営業とは、見込み顧客からのお問い合わせ(資料請求など)を待つ営業スタイルのことを言います。
起点となるのはリスティング広告やポスティング、DM送付、展示会の出展など様々ですが、基本的には「仕掛けて待つ」というスタイルを取ります。
その中で最も一般的なやり方はインターネットマーケティングになりますが、それを実施する時に重要なことは競合他社と差別化することです。
ライバルよりも目立つタイトルを考えて、そのページをクリックしてくれたユーザーに対してメリットを訴求し、購入orお問い合わせ(CV)へ繋げなければいけないのです。
そう考えた場合、セールスライティングの重要性が理解できるはずですが、実はこのノウハウを持ってる人は非常に少ないと言われています。
もしあなたが優秀なセールスコピーを考えれば、それが24時間365日働いてくれて、勝手に商品が売れていくのです。
このような仕組みは再現性があるので理想的ですよね。
ビジネスにおいて再現性は最も重要な要素なので、これが手に入るセールスライティングは現代ビジネスにおいて必要不可欠なスキルだと言えるのです。
顧客の行動心理を理解する
秀逸なセールスコピーを考えたい場合、まず顧客目線に立たなければいけません。
この顧客目線というのは「どのような心理でモノを購入したいと考えるのか?」ということです。
例えばお客様がネットショッピングでスニーカーを購入したとします。
この時お客様は「スニーカーが欲しい!」と心から願ったわけではありません。
もう少し平たく言えば、本当はスニーカーが欲しい訳ではないのです。
ではなぜ購入に至ったのかといえば、そのスニーカーを履いて外出したいからです。
- 友人と食事に行ったり
- 恋人とデートしたり
- 家族と旅行に行ったり
このようなシチュエーションの時に履けるスニーカーを探していただけなのです。
つまり、そこには何か目的があるということになります。
そう考えた場合、スニーカー以外にもローファーやブーツなど、様々な選択肢があったはずです。
その中でも、自分のシチュエーションと照らし合わせて、一番最適だと考えるスニーカーを購入しただけなのです。
これが理解できれば、目的(出かけたい)と事実(スニーカーの購入)が違うこともわかりますよね。
つまり顧客心理に刺さるセールスコピーとは、お客様がワクワクするフレーズなのです。
「欲しい!」という感情を刺激する
人間はほとんどのケースで不必要な買い物をしています。
例えば、先ほどのスニーカーの例で言えば、これまで履いていた靴があったり、他にも何足か靴箱にストックがあるはずです。
それでも新しいスニーカーを購入してしまうのが人間なのです。
つまりこの時の行動心理というのは、「必要なモノ」を購入するのではなく「欲しいモノ」を購入していることになります。
ということは、人間というのは感情でモノを買って、後から理屈でそれを正当化しているということです。
そういった意味では、そもそも人間は買い物が好きなのでしょう。
新しいものを手に入れると物欲が満たされるので、ワクワクしたり心地良い気持ちになるのです。
このように欲求や感情というのは理屈や理論よりも強いので、セールスライティングをする時にはこの点を意識しておきましょう。
このようなセールスに使える心理術を知りたい場合には、下の記事もご覧ください。
セールスライティングに向いている商材とは?
「顧客ニーズ」という言葉を良く聞きますよね。
お客様が欲しいと思う感情が「顧客ニーズ」なのですが、厳密に言えば顧客ニーズは2種類に分けられます。
- ニーズ(Needs)=必要不可欠
- ウォンツ(Wants)=欲しいという欲望
顧客ニーズに合わせたマーケティングを実施しなければモノは売れませんが、セールスライティングが意識するべきは「ウォンツ」の方です。
例えばティッシュペーパーという商材があった場合、それは生活するうえで必要不可欠(ニーズ(Needs))なモノなので、消費者は価格をよく見てきます。
すると結果的に「価格の安い商品が売れる」という状態になるのです。
ティッシュペーパーには絶対的なニーズがありますが、「欲しい!」というウォンツがないので価格勝負になってしまうのです。
それと比べてウォンツは欲望を刺激するため、価格勝負にならないことが特徴的です。
例えば同じティッシュペーパーであっても、柔らかくて肌に優しいティッシュは価格が高いですよね。
これをさらに発展させて、化粧水入りのティッシュペーパーなどを販売すれば+αの付加価値が出せます。
そのような商品はウォンツを刺激する為、販売価格が多少高くても売れるのです。
このような商材こそセールスライティングと相性が良い製品サービスということになります。
セールスコピーで注目すべきポイント
先ほどセールスライティングでは「ウォンツ」にフォーカスするべきだとお伝えしました。
これを考える上で前提になっているのは「人間は怠け者である」ということです。
基本的にはラクをしたい生き物が人間なので、セールスコピーを考える場合にはその部分に訴求するのが効果的でしょう。
例えば、一度歯磨きするだけで真っ白な歯になる”歯磨き粉”という商品があれば、きっとバカ売れすると思います。
この場合には「一度歯磨きするだけで真っ白な歯」という部分を強調するのです。
そして一粒飲んだだけで体重が-10kg減るダイエットサプリがあれば「たった一粒で-10kg」という部分を強調するのです。
このような魔法の薬はないかもしれませんが、伝えたいことは「商品が魔法のプロダクトであることを考えるのがセールスライティング」だということです。
もしこれからセールスコピーを考える場合、このような視点で考えると良いキャッチフレーズが出来上がると思います。
ダイレクト・レスポンス・マーケティングが基礎になる
「ダイレクト・レスポンス・マーケティング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
セールスライティングを実施する場合、ダイレクト・レスポンス・マーケティングについても知らなければいけません。
ダイレクト・レスポンス・マーケティングとは、直接反応型のマーケティングを意味しています。
直接反応型とは、広告宣伝を見た人から何らかのアクションをもらって、そのお客様と良好な関係を築いていくことを言います。
例えば、ピザ屋がチラシ配布している割引クーポンがダイレクト・レスポンス・マーケティングに該当します。
ポストに入っているチラシを受け取った消費者は、その内容を電話で伝えて割引特典を受けようとします。
この時にクーポンコードを伝えますよね。
それによってピザ屋は費用対効果を計測できるだけでなく、チラシの内容を変えることでPDCAサイクルを回して効果測定することもできるのです。
セールスライティングではこのような効果測定が求められるため、ダイレクト・レスポンス・マーケティングを前提とした取り組みにしなければいけないのです。
大量のリストを取得する
ダイレクト・レスポンス・マーケティングを成功させるためには、大量のリストが必要となります。
このリスト収集のことを一般的には「リードジェネレーション」と呼んでいます。
もしこれから大量のリストを取得しようと思った場合、注意すべきことはリストを業者から購入してはいけないということです。
あくまでも顧客が自らの意思でハウスリストに入るような仕掛けをするべきなのです。
そのために必要なのがフロントエンド商品です。
フロントエンド商品とは「儲からないがたくさん売れる」ような製品サービスのことを指します。
つまり、フロントエンド商品をばらまくことで、たくさんのハウスリストが手に入ることになります。
その後にバックエンド商品をクロスセル提案していきます。
一般的にバックエンド商品とは「利益率が高い製品サービス」なので、企業は本質的にこれを売りたいのですが、なかなか売れない商品であるケースが多いので、まずはフロントエンド商品を買わせて、その後に利益率の高いバックエンド商品へと繋げていくのです。
このようなシナリオが作れれば、費用対効果の算出が容易になってきます。
CPAやCPOを算出しよう!
CPAとはCost Per Actionの略で、一人の見込み客を集客するためにかかったコストのことを意味します。
そしてCPOはCost Per Orderの略で、一人の顧客が購入するまでにかかったコストのことを言います。
先ほどフロントエンド商品とバックエンド商品について触れましたが、この二つが決まれば粗利率が導き出せるはずです。
その金額が例えば10万円だった場合、一般論として4万円の広告宣伝費であれば6万円の利益(10万円-4万円=6万円)が残りますよね。
このように儲かるビジネスを作るためには、費用対効果が合う採算ラインを導き出さなくてはいけません。
この時の”4万円”という広告宣伝費がCPA(又はCPO)であり、採算ラインになります。
セールスライティングの考え方(アイデア出し)
ここから優秀なセールスコピーを考えるやり方についてお伝えしていきたいと思います。
まず大前提となるのは、届けるべきペルソナをきちんと思い描くことです。
ペルソナとは「顧客イメージ」とも言い換えられます。
その人、つまり顧客目線に立ちながらセールスライティングを実施していきます。
なぜかといえば、そもそも自分に関係ないと思われてしまうと、どんなに優秀なセールスコピーであってもお客様の深層心理に届かないからです。
なので「あなたにとってメリットがありますよ」という情報が、適切なペルソナへ届くことが大前提なのです。
セールスコピーの書き方
セールスライティングする場合には、出来る限り短い文章にしながら、段落も短く区切っていきましょう。
その方が見やすいだけでなく、離脱率も下げられるからです。
冒頭で解説した通り、セールスライティングはWebマーケティングと絡めるケースが多いため、CTR(=クリック率)やCVR(=転換率)などを考慮しなければいけないのです。
そして難解な言い回しや、専門的な言葉遣いは避けるようにしましょう。
大切なのは「伝えること」なので、相手に伝わらない表現では全く意味がありません。
そして、セールスライティングする場合には、メリハリがつくように図形や数字を活用していきましょう。
例えば、今ご覧になっている営業シークは、月間20万人のセールスパーソンが閲覧しているWebメディアですが、それを表現する場合、下のようなキャッチコピーではどうでしょうか?
【営業シークは、たくさんのセールスパーソンが閲覧しているWebメディアです。】
これだと抽象的なので下のように改善してみます。
【営業シークは、月間20万人が閲覧しているWebメディアです。】
メディアという表現はわかりにくいので、下のように改善してみます。
【営業シークは、月間20万人が閲覧しているWebサイトです。】
さらにインパクトを加えるため、太字にして枠を設けてみます。
営業シークは、月間20万人が閲覧しているWebサイトです。
こうすると視覚的な凹凸が出て、内容も伝わりやすいですよね。
もし営業シークという商材を販売する場合、このようなキャッチコピーをLP(ランディングページ)の一番上(見出し部分)に設置するのが良いでしょう。
特徴を顧客メリットに言い換える
商品サービスには何らかの特徴があると思います。
例えば営業シークであれば「月間20万人のセールスパーソンが閲覧している」というのが特徴ですよね。
これをメリットに書き直さなければ、お客様にセールスできないので、その部分を考える必要があります。
営業シークはWebメディアなので、広告媒体として使えるはずです。
そう考えた場合、下のような顧客メリットが考えられるでしょう。
月間20万人のセールスパーソンに月2万円で広告宣伝できます。
実際にこのような広告プランは用意していませんが、これはとてもわかりやすいメリットだと思います。
これを一つのコンテンツと考えた場合、さらにメリットを訴求するようなセールスコピーを追記(肉付け)していきます。
月間20万人のセールスパーソンに月2万円で広告宣伝できます。
- セールスパーソン一人当たり、たった10円で認知できます!
- セールスパーソンだけを集めているサイトなので、広告宣伝費に無駄がありません!
このような内容であれば、営業支援ツールを提供しているSalesforceのような企業や、営業職専門の人材紹介業者にとっては魅力的に感じることでしょう。
このような感じでセールスコピーを考えていくのですが、これをやるためにはまず製品サービスの特徴をまとめなければいけません。
その数が多ければ、それだけたくさんのメリットを訴求できることにもなります。
なので、まずはチームメンバー間で自社製品の特徴を出し合ってみましょう。
セールスコピーのアイデア出し
セールスライティングに馴染みのない人は、ゼロからセールスコピーを考えるものだと思い込んでいます。
しかし実際のセールスライティングではそのようなアプローチをしません。
それではどのような手法をとるのでしょうか?
そのやり方とは、ずばり地道なマーケティング活動です。
実はほとんどのセールスコピーは世の中に出回っているので、それを一つずつ丁寧に拾っていくのです。
例えば「人事部向けの採用支援ツール」を売りたい場合、まずは人事部向けの採用支援サービスについて調査する必要があります。
ウェブサイトだけでなく、業界雑誌、チラシ、販促資料、展示会のブースなど、様々な場所でセールスコピーを見かけるはずです。
それらを一つずつピックアップして、グルーピングしていくのです。
- 求職者のエントリー数が10%アップする
- 採用活動の工数が30%ダウンする
- 面接希望者のデータが3ステップで抽出できる
各社・各製品が打ち出している上記のようなセールスコピーの中から、自社商材に合ったキーワードを抽出し、それらを掛け合わせて一つのセールスコピーに仕上げるのです。
つまりセールスライティングとは、世の中にあるセールスコピーを掛け合わせて、自社製品サービスにフィットさせる作業なのです。
確かにクリエイティブな部分はありますが、ほとんどの部分はコネクト(繋ぎ合わせる)する作業ということです。
なんとなく「セールスライティング」と聞くとクリエイティブな仕事だと思いますよね。
しかし実際には、泥臭いマーケティング活動がその実態なのです。
まとめ
ここまでセールスライティングについて解説してきました。
これからWebマーケティングを始める場合、セールスライティングについてきっと悩むはずです。
- 自分にはアイデアがない…
- クリエイティブな仕事は苦手だ…
ここまで読み進めた人はこのような悩みが不要であることに気がついたはずです。
セールスライティングを成功させる秘訣とは、心理テクニックや行動心理学などを知っている多少の知識量と、泥臭いリサーチ活動だけです。
決して難しい話ではないので、ぜひ取り組んでみて下さい。