営業管理ツールの課題点
Microsoft Excelなどアナログツールから、ハイテクの営業支援サービスに切り替える企業が増えています。
しかし、営業管理ツールのSFAや顧客管理ツールのCRMを導入しても、それらの営業管理ツールを会社組織としてフル活用できている企業は実際少ないと思います。
営業あるあるみたいな話になってしまいますが、ほとんどのツールは導入した瞬間に満足されてしまって、その後の社内運用まで管理されることがありません。
むしろ、導入後にきちんと運用されている方がレアケースだと思います。
せっかく導入した高額なCRMを「社内の営業マンは全く利用していない…」なんてことは良くある話です。
つまり営業管理システムを導入することは、経営者の単なる自己満足でしかないのです。
でも、見込案件や既存顧客とのやり取りが履歴として管理されたり、取引情報が全営業スタッフに共有されることになれば、組織全体の営業力アップが実現できるかも知れません。
営業という仕事は、もともと属人性が高い仕事なので、その弊害として情報の占有化が起こってしまいます。
営業マンは社内に同期やライバルがたくさんいるので、できる限り自分の持っている情報を出さないように営業活動していますが、善人のフリして出した情報がきっかけになって、「同期がMVPを獲得!」なんて聞いた日にはイライラしてしまうはずです。
しかし、そのような感情を撤廃して”全社的に情報共有を行うことで営業活動の最大効率化を目指す”のが営業管理ツールです。
つまり、一人の成功ではなく、会社全体の成功を目指すという考え方になるので、従来型の営業手法に拘っている営業スタッフからは強い抵抗が予想されます。
また、営業管理ツールに情報入力することに対して、
- めんどくさい
- 時間の無駄
と感じる人もいるでしょう。
しかし、それらは営業組織を管理する為に「乗り越えなければいけない壁」です。
会社の経営者レベルから管理職、現場のスタッフに至るまで、全員が属人性を廃した「標準化した営業」になることで、初めて一枚岩の組織になれます。
属人性のある組織が「絶対悪」ということではありませんが、営業管理ツールを上手く活用することで、各個人が持っているスキルを、会社全体で共有して、営業活動を平準化することができます。
それをコントロールするのは、営業管理を行う管理職やマネージャーであり、経営者の仕事なのです。
まとめ
営業管理システムを導入して、上手く運用すれば、確実に営業活動が合理化されます。
これだけは絶対的な真理なのですが、営業マンはITリテラシーが低いので、どうしても現場は抵抗するはずです。
しかし、そこは経営者自らがミッションとビジョンを共有して、目指すべき営業組織について理解してもらうしかありません。
社内で情報が共有され、セールスノウハウまで平準化することができれば、相当強い営業チームになると思います。
これこそが「ビジネスモデル」になるので、是非そのような営業組織作りを目指してください。