就職や転職を考えている場合、「営業企画部」を希望するという選択肢もあると思います。
営業企画部はあまり聞き慣れない部署かもしれませんが、営業会社においてはとても重要な役割があるのです。
そこで今回は、営業企画部について解説していきたいと思います。
営業企画部の業務内容
営業企画部の役割とは、営業部が目標達成するための支援をしたり、売り上げが最大化されるような施策を実施することです。
その仕事内容は多岐に渡っていて、以下のような業務があります。
- マーケティング活動
- 販促キャンペーンの企画
- 営業ツールの制作
- 営業インセンティブの設定
- 営業コンテストの実施 etc.
マーケティングなどの販促キャンペーンでは「どうすれば新規見込みの集客が最大化されるのか?」ということや、「どうすれば受注数が最大化されるのか?」ということを考えます。
例えば、今月契約したお客様には無料トライアルを提供したり、発注してくれた製品価格を10%割引するなど、セールスが最大化される施策を考えるのです。
そのような内容が記載されたチラシやプレゼン資料など、セールスする時に使える営業ツールを提供することも役割の一つです。
それに伴って、実績を出した営業パーソンにはインセンティブを還元するキャンペーンも企画しましょう。
それをコンテスト形式で開催したり、年間MVPとして表彰すれば、現場の営業マンはモチベーションが高まるはずです。
これらの業務内容は、ストレスなく営業できる環境を用意することにも繋がります。
つまり、営業企画部とは「縁の下の力持ち」と言えるような存在なのです。
企画営業は営業職ではない
営業企画部という言葉には「営業」という言葉が入っているので、なんとなく「セールスをするのかな?」と思われがちですが、実際には先ほどお伝えしたような企画職なのです。
なので、エンドユーザーとなり得るお客様と商談したり、セールスをする機会は基本的に無いはずです。
どちらかと言うとデスクワークの色合いが濃いので、オフィスに籠って仕事することになると思います。
そう考えた場合、体育会系出身の人や、アクティブ系の人にとっては、ストレスの溜まる辛い職種になのかもしれません。
営業企画とマーケティングの違い
先ほど、営業企画部の仕事内容にはマーケティング活動があることをお伝えしました。
しかし、このマーケティング活動は下の2つに分かれます。
- 企画:マーケティング戦術を考える
- 実働:マーケティング戦術を実行する
営業企画部が担当するのは、どちらかと言うと「企画」の方なので、実際に広告PRしたり、web広告を出稿することは別のマーケティング部署が担当するはずです。
ある程度大きな会社になると、電通や博報堂などの広告代理店に丸投げするケースもありますし、営業企画部とマーケティング部を兼ねた「営業推進部」を設けている企業もあると思います。
とはいえ、中小企業にはそのような予算が無いので、マーケティング企画をはじめとした、実際の広告運用やデータ分析まで営業企画部が担っているケースもあります。
もしそのようなポジションに就く場合、マーケティングに関する基礎知識が必要不可欠になると思います。
マーケティング活動と言っても、そのやり方は様々なので、かなり幅広い知識が求められるのです。
もし「自分は知識不足だ…」と感じる場合には、市販されているマーケティング本を読んだり、勉強する努力を欠かさないようにしましょう。
せめてマーケティングの第一人者と言われるフィリップ・コトラーの本くらいは読んでおいた方が無難だと思います。
営業企画部は花形なの?
営業企画部は企業の中でも「花形職」と言われることがあります。
そのように言われる理由は、セールスにおいての上流工程に位置しているからだと思われます。
つまり、営業企画部が考えた絵(プラン)の上で、現場の営業マンたちは動いているのです。
そう考えた場合、中国三国時代の有名な軍師である「諸葛亮」のようなポジションになるはずです。
「どうすれば戦に勝つことができるのか?」ということを考えながら、現場の戦力や競合他社の動向を分析し、営業戦略や戦術を考えるのです。
このようなポジションに就くためには、現場のセールスも経験しなければいけません。
営業現場でセールスをすると製品サービスに詳しくなることはもちろん、お客様の声も聞けるので、そのような経験はきっと営業企画部でも役立つはずです。
営業職として現場でセールスするときから、「自分が企画部だったら、一体どんな企画をするだろうか?」ということを色々考えてみましょう。
そのように企画することが「面白い!」と思えるなら、あなたは営業企画部に向いていると思います。
営業企画に向いている人
営業企画に向いている人は、アイデアが豊富で既存の枠にとらわれない発想力のある人だと思います。
社歴の長い会社では既に轍ができているので、その轍の上を歩けば大きな怪我をすることはありません。
しかし、それでは大きく成長することもできないので、いづれジリ貧になってしまいます。
そのような安全な道ばかりを選ぶのではなく、営業企画部で活躍するためには多少なりともチャレンジすることが求められます。
なので、世の中のニーズを把握して、どのような施策が効果的なのかを自分なりに調査・分析しましょう。
これをやるためには、ある程度の地頭の良さが必要だと思います。
そして自ら作り上げたシナリオを、社長や事業責任者にプレゼンするのです。
そう考えた場合、事前に根回しをしたり、社内営業するスキルも必要でしょう。
- 柔軟な発想力
- 豊富なマーケティング知識
- データ分析能力
- プレゼンスキル
- コミュニケーション能力
営業部にいた頃は、ただパッケージ商材をセールスすれば良かったので、「売り込む力」さえがあれば大丈夫でしたが、営業企画部の場合には「売り込む力」だけでは通用しません。
上記のような能力を有している人が、営業企画部では活躍できるのです。
まとめ
現在、営業職として働いている人は、次のキャリアについて色々と考えているはずです。
営業企画部はこれまで営業職としてやってきた業務やスキルが活かせる仕事なので、キャリアの選択肢には「営業企画部」を加えてみるのも良いでしょう。
経験したことがないマーケティング活動にも携われるので、仕事に対する新鮮味もあるはずです。
「セールス×マーケティング」の知識があれば、きっと幅広い分野で活躍することができます。
自分自身のキャリアアップも含めて、ぜひ営業企画部で働くことを検討してみましょう。