歩合給を固定金額にするのもアリ
歩合給を支払う場合、社内規定で歩合率を設定すると思いますが、その金額を固定給にすることも可能です。
その場合には、「月間賞」「年間MVP」などの制度を設けることが良いと思います。
例えば、今月の売り上げ上位3名の営業マンには、一律5万円を支給するような歩合制度になります。
このようなやり方であれば、予算組も簡単になると思います。
つまり、歩合率で計算してしまった場合、その金額は毎月の変動費になりますが、歩合給を固定にした場合は毎月決まった金額の販管費で済みます。
この方が企業経営する上では支出が少なくなりますし、上位3名に選ばれた営業マンの自尊心をアップさせることもできます。
もちろん上位3名ではなくて、上位5名は上位10名でも構いません。
また、社内表彰制度は入賞できなかった営業マンを鼓舞することにも繋がるので、営業部全体の士気を上げる為には効果的だと思います。
ノルマ達成に対して還元する
もっとシンプルな考え方としては、ノルマを達成した営業マン全員にインセンティブを還元するという考え方もあります。
例えば今月のノルマが売上100万円だった営業マンがいて、そのノルマ100万円を無事に達成したとします。
その営業マンに対して、歩合給5万円を支給するような仕組みのことを言いますが、このやり方も非常に効果的だと思います。
まず、営業マン自身がノルマ達成することのモチベーションに繋がりますし、企業経営する上でも非常に読みやすい予算組みができます。
つまり、ノルマ達成した場合は売上100万円が確定するので、その粗利が50万円だった場合、その10%である5万円を支給するという構図になってきます。
すると、残り45万円が会社の粗利になるので、きちんとノルマ達成してくれる営業マンが100人いれば、4,500万円の粗利が確定することになります。
このような計算式が成り立つのであれば、事業責任者は全ての営業パーソンに対して「絶対にノルマ達成の歩合給を取るように!」という指示が積極的にできるようになります。
そして、この言葉を受け取った現場の営業マン達は、とても前向きな気持ちで仕事ができるはずです。
企業経営者からすると歩合給はなんとなく「コスト(無駄金)」のような見え方になってしまいますが、上記のような考え方であれば、むしろ「積極的にインセンティブを支払いたい!」という気持ちになれるはずです。
このような仕組みは、社長と従業員双方にメリットのある仕組みだと思います。
歩合率は変更できるの?
会社の規定として歩合率を設定した場合、その後に割合を変更できないと思っている人がいますが、決してそんなことはありません。
経営方針によって歩合率は柔軟に変更しても構いません。
例えば、景気が悪くて業績が悪化した場合、「当面の間は歩合給なし」とするのでも大丈夫なのです。
あくまでも相手は会社員なので、毎月の固定給さえ払っていれば何の問題もありません。
歩合給とは社員のモチベーションを上げるためのカンフル剤なので、絶対に支給しなければいけない給与ではありません。
先ほどもお伝えした通り「日頃の頑張りのお礼」くらいの感覚が歩合給になります。
しかし、この歩合給を期待している営業パーソンがいるのも事実だと思います。
例えば、前職でバリバリ歩合給をもらって稼いでいた優秀な営業マンがいた場合、「歩合給ゼロ」という会社には恐らく転職しないと思います。
なぜかと言うと、年収が減るのを嫌がるからです。
そう考えた場合、営業部がある会社ではある程度の「歩合制」や「インセンティブ制度」を設けておくべきだと思います。