導入プロジェクトはどうする?
CRMやSFAは営業支援ツールなので、一般的には「ITツール」の一つに分類されています。
なので、ほとんどの企業は「ITシステムの導入プロジェクト」としてCRMやSFAを検討するはずです。
そもそもこの前提が間違っているのです。
CRMやSFAを実際に使うのは営業部のメンバーですよね。
それなのに多くの企業では情報システム部門が導入を担当していて、営業部が気づいた時には「既にオペレーションマニュアルが作成されていた…」なんて事態に陥っているのです。
よく考えてもらいたいのですが、営業支援ツールを導入するということは、戦略実行のマネジメントサイクル(PDCAサイクル)を構築するということです。
それはつまり『営業活動の仕組み化を目指す』ということなので、情報システム部門ができるはずありません。
なぜかといえば、情報システム部門のメンバーに営業経験がある人は少ないですし、営業現場の実態を知る人なんていないからです。
そのような人材が最適なマネジメントサイクルを作れるはずありませんよね。
それでは、誰が導入プロジェクトを担うべきなのでしょうか?
営業部門とマーケティング部門が担当するべき
前述した通り、営業支援ツールの導入にあたっては、情報システム部門がしゃしゃり出る必要はないはずです。
むしろ最適なチームメンバーというのは営業部門とマーケティング部門だと思います。
営業部門はお客様対応をしているので現場を一番理解していますし、マーケティング部門は集客を担っているので営業活動と密接に関わっています。
そもそも営業活動とは「セールス(販売)×マーケティング(集客)」の掛け算なので、この二つがうまく絡み合って、初めて営業活動が最大化されていきます。
そう考えた場合、営業部門とマーケティング部門が導入プロジェクトを担当することは自然な流れだと思います。
ただ、専門的な話になっていくと、どうしても情報システム部の知識が必要になるはずなので、商談には下のようなメンバーで臨みましょう。
- 営業部門の部長職
- 営業部門の課長職
- マーケティング部門の部長職
- 情報システム部門のメンバー
基本的には営業部門とマーケティング部門で話を進めていき、実際の導入ハードルを見定めるという意味で「情報システム部門からアドバイスをもらう」くらいの感覚で良いでしょう。
CRM&SFAの活用方法
CRMやSFAを導入した後、なかなか上手く運用できないケースが散見されます。
このようなケースに陥る場合、ほとんどのケースでは現場の抵抗が生じているはずです。
- 画面が見づらい
- 求める機能が見つからない
- 操作が複雑で分かりにくい
- 管理されるのが嫌
- Excelで十分
このような現場での抵抗が出た場合、営業支援ツールを浸透させるのは難しいと思います。
ここで問題点に気づいた人はいるかもしれませんが、実はCRMやSFAを導入したのに上手く運用できない原因は、『ツールの問題ではなく、それを扱う人間側の問題』なのです。
ほぼ全てのケースで「ツールが悪い」と決めつけていますが、根本的な原因は違うのです。
- そもそも、なぜCRMやSFAを導入しようと考えたのでしょうか?
- 自分たちに最も合ったPDCAサイクルの回し方は何なのでしょうか?
このような課題点を解決してくれるのがCRMやSFAなどの『営業支援ツール』です。
上手に活用するためには、まずこの辺りをクリアにすることが必要でしょう。
営業活動を管理することが目的ではない
前述した「営業現場の抵抗例」でもご紹介しましたが、ほとんどの営業パーソンは「管理されるのは嫌だ!」と感じています。
それ故に、クラウド型ツールへの入力をサボってしまうのです。
そのような人が多くなると、営業マネージャーは指導するのが面倒くさくなり、自然とCRMやSFAは使われなくなってフェードアウトしていく羽目になります。
このような事態を避ける為に、CRMやSFAを導入する目的は「営業活動を管理することではない」と明確に宣言するべきだと思います。
営業支援ツールを導入する目的とは『戦略実行のマネジメントサイクル(PDCAサイクル)を構築すること』だと再三ご説明してきました。
なので、個々人の営業活動を可視化して、サボってる営業マンを炙り出すことが目的ではないのです。
この時点で「Excelでは代替不可能」ということが理解できるはずです。
マネジメントサイクル(PDCAサイクル)を構築する前提は、チーム間での情報共有です。
しかしExcelはMicrosoft Officeのソフトウェアなので、デバイス(パソコン)に依存してしまいます。
よって、エクセルでは属人的な管理になってしまうため、役割として不十分なのです。
これはメールの日報も同じです。
チームメンバー含めてCcメールで送信すれば情報共有できるかもしれませんが、その情報を管理&分析するという役割としては不十分ですよね。
せっかく時間をかけて作成した情報が、色々な場所に散らばっているのでは全く価値がありません。
なので、きちんとクラウド型ツールの中で管理していくべきなのです。