独立開業するためには様々な努力が必要ですよね。
その中でも、業種業態に関わらず重要だと言われているのが「セールス(営業)」についてです。
しかし全ての起業家がセールスを経験しているとは限らないので、営業が苦手な人は「新規開拓はどうすればいいのか?」と不安に感じるかもしれません。
そこで今回は、営業が苦手な人でも起業できる方法について解説していきたいと思います。
セールスのやり方やコツを覚えるだけで、苦手だった営業活動が強みになるケースもあります。
これから独立起業する場合には営業スキルを身につけておきましょう。
目次
セールスの基本とは?
セールスの基本とは、顧客(見込顧客を含む)との繋がりを作ることです。
顧客ゼロの状態では扱っている製品サービスが売れないので、会社を存続させることができません。
そのために、まずは顧客とのつながりを意識しないといけないのです。
新規顧客を作るのは大変ですが、一度顧客と太いつながりが持てれば、長期にわたって取引してくれる可能性が出てきます。
つまりストック収益になり得るのです。
しかし、自社製品の強みや特徴をきちんと理解しない場合、顧客にセールスするのは難しいはずです。
なので、まず最初にやるべきことは「他社製品と比較して、自社製品の優れている部分を分析する」ことだと気づくはずです。
その時のアプローチ方法は、ニッチ戦略を取った方が良いと思います。
商材で差別化するニッチ戦略とは?
例えばありきたりな「カップラーメン」を売っている会社の場合、普通のカップラーメンを販売しても話題にすらなりませんよね。
しかし博多とんこつラーメンで有名な「一蘭」がやったような「高額な具なしカップ麺(490円)」というジャンルに特化すれば、日清食品やエースコックなどの大手企業と差別化できるはずです。
このように、ある特定分野でナンバーワンを目指す戦略は「ランチェスター戦略」と呼ばれています。
この辺りを詳しく知りたい人は下の記事をご覧ください。
これから独立開業する場合には、大手企業と戦わなければいけませんよね。
しかし「ヒト・モノ・カネ」が潤沢にある大手企業と真正面から戦っても、ベンチャー企業が勝てる見込みなどありません。
なので、大手企業が戦わない分野に絞った上で、競合他社よりも優位性がある分野に特化すべきなのです。
そうすれば「戦わずして勝つ」というのが実現でき、ビジネス自体が軌道にのっていくのです。
「戦わずして勝つ」は孫氏の兵法に記載されている常套手段です。
その内容が気になる人は下の記事をご覧ください。
そして、製品サービスをただ売るだけではなく「顧客が何を求めているのか?」ということを追求しましょう。
ただ自社の製品の良いところを伝えても、顧客が求めているものでなければセールスできません。
必ず相手の立場に立って物事を考えながら顧客の不満を察知して、それを解決できるような製品を売るのがコツなのです。
そうすれば、さらに製品やサービスが売れるようになります。
このように「セールスの基本」と言えるポイントはいくつかありますが、常に顧客目線で物事を考えることが重要なのだと思います。
起業家に営業力は必要なのか?
もし独立開業したい場合、営業力は必要不可欠だと思います。
何故かというと、トップセールスで活躍している人を従業員として雇ったり、セールスのプロフェッショナルである「営業代行サービス」を使うのであれば問題ありませんが、立ち上げ当初はそんな余裕ありませんよね。
ビジネスを立ち上げたばかりの段階では、製品サービスの開発だけでなく、経理や営業、マーケティングまで一人で担うことが普通なのです。
なので、営業力がなければ話になりません。
営業が苦手なら独立開業は無理?
独立開業する場合には営業力が必要ですが、「営業力がないから起業は無理…」というロジックも存在しません。
というのも、ビジネスモデルによってはセールスしなくても成り立つケースがあるのです。
例えばシステム受託が典型例でしょう。
システムが得意な場合、大手企業と提携してシステム開発を受託してしまえば、特に営業活動することなく稼げるはずです。
実際にそのようなスキームで経営しているシステム開発会社はいっぱいあります。
しかし、そのような経営方針はとても危険だと思っています。
よく考えてもらえば分かりますが、発注者(=大手企業)としては、常にコスト削減を考えているからです。
なので、色々な理由をつけて開発コストを下げようとしてきます。
事業責任者であれば、今発注している会社よりもコストが安くてクオリティが高い会社があるのであれば、そちらに鞍替えすることもやぶさかないですよね。
現在はグローバル社会なので、海外で安くシステム開発してくれるオフショア開発や、システム開発会社がたくさんあります。
「日本人だから安心です」とか「日本人だからオペレーションが楽です」という旧態依然のセールストークでは、もはや通用しないのです。
この話からも分かるように、大口取引先に依存しているビジネスモデルは非常に危険だと思ってください。
もし独立開業する場合、大口取引先に依存することを考えている人は危ない経営者です。
そのような会社の経営を安定させるためには、新規開拓営業をするしかありません。
自分たちで小口の取引先をたくさん開拓して、大口取引先の割合を薄めていくのです。
大口取引先とのビジネスは、あくまでも「独立開業したばかりの今だけ…」「ご祝儀発注」だと割り切って、ゆくゆくはその取引割合を2割以下にしていきましょう。
マーケティングを勉強しよう!
新規開拓営業をする場合、「どうやって見込み顧客を集めれば良いのか?」という問題に直面しますよね。
そのやり方は色々ありますが、基本的に広告宣伝したりPR活動するしかありません。
例えば独立開業して事務所や店舗を構えている場合、屋外看板や外装を工夫すればある程度の集客が見込めるかもしれませんが、それだけでは安定した集客が実現しません。
例えば現代はSNSの全盛期なので、FacebookやTwitter、Instagram、tiktokなど、あらゆるSNSを活用すべきだと思います。
それらを活用して着実に顧客を増やしていくのが理想的です。
また、ホームページを活用したコンテンツマーケティングというやり方もあります。
これはSEO対策と言い換えることもできますが、ホームページのアクセスを増やすには、検索エンジンで上位表示されなければいけません。
SEO対策は奥が深く、専門のコンサル業者がいるくらいなので、無知な素人が頑張っても中々上手くいかないと思います。
そのような場合は、SEOに詳しい人に相談してみたり、専門書読んでみたり、外部のコンサル業者に依頼することも必要でしょう。
どちらにしても、製品サービスの開発と同じように、集客も試行錯誤して失敗を繰り返しながら続けることが必要なのです。
新規開拓営業したいなら人脈を増やそう!
新規開拓営業のやり方はたくさんありますが、一番楽な営業手法は「口コミ営業」でしょう。
口コミ営業とは、知り合いに自分の製品サービスを口コミしてもらうセールス手法のことを言います。
このやり方を選択する場合、絶対に必要なのが人脈数なのです。
人脈が多いということは、それだけ見込み顧客を探し当てる可能性が高くなるということです。
テレアポして訪問営業する場合、その受注率は10%~20%ほどだと言われています。
それでは結果を出すのが大変ですよね。
しかし、自分の人脈をフル活用すれば、飛躍的に受注率が高まるのです。
その理由は「知り合い(人)」というフィルターを介すからです。
知り合いを介する場合、「信頼しているAさんの紹介」という前提が出来上がります。
すると「Aさんの顔を立てなければいけない」という義務感が生じてくるので、基本的にきちんと対応してくれるのです。
そして「Aさんの紹介だから間違いない」という先入観もあるので、間違った提案でない限り、とりあえず受注できるはずです。
このやり方は「リファラル営業」と呼ばれていて、古くから活用されている代理店制度の一種になります。
近年ではリファラル営業を支援するプラットフォームが出てきているので、もし気になる人は一度確認してみましょう。
独立開業するなら準備が必要
ここまで「独立開業×セールス」というテーマについて解説してきました。
もし起業する場合、営業力がなければ話になりませんが、ケースバイケースで営業力がなくても成り立つことがあるのです。
しかし、そのビジネスモデルは決して長続きしません。
いづれ新規開拓営業をしなければいけない局面がやってくるのです。
それであれば最初から新規開拓営業をする前提で起業した方が良いと思います。
それを成功させるためには、周到な準備が必要だと思うので、これから「独立したい!」と思っている人は、念入りな準備を怠らないようにしましょう。
最後に、参考になる書籍をご紹介しておきます。
独立起業する前に読んでおきましょう。