どうせ起業するなら稼げるビジネスが良いですよね。
しかし、ビジネス経験が浅い人にとって、儲かるビジネスモデルを作ることなど容易ではありません。
そこで今回は、独立起業を目指す人にとって最初の難関となる「ビジネスモデルの作り方」について解説していきたいと思います。
起業家である営業シーク@さの編集長が監修した記事なので、独立起業するためのヒントが隠れているかもしれませんよ。
ぜひチェックしてみてください。
目次
儲かるビジネスモデルとは?
独立起業する場合、できるだけ儲かるビジネスをやりたいですよね。
それでは「儲かるビジネスの定義」とは一体何なのでしょうか?
この記事ではまず「儲かる」定義から解説していきたいと思います。
会計的に儲かるとは、大きな利益が出ることを意味しています。
利益とは、最終利益のことを意味するので、決して売り上げのことではありません。
つまり「どれだけのキャッシュが手元に残ったか?」ということなのです。
例えば売上が1億円あったとしても、利益がマイナス500万円だった場合、そのビジネスは儲かっているとは言えません。
会計的な言葉を使ってしまえば「稼げるビジネス」ということになるはずです。
売上1億円分のニーズがあるので、たくさんのお金が集まってきますよね。
しかし「稼ぐこと=儲かること」とリンクするわけではないのです。
ホリエモンの4原則とは?
ホリエモンこと堀江貴文さんが提唱している4原則をご存知でしょうか?
- 小資本で始められる
- 在庫を持たない
- 利益率が高い
- 定期的な収入
この4原則は、儲かるビジネスを作るための「絶対要件」だと言えます。
この考え方は決して堀江さんが提唱し始めたわけではなく、ビジネス界隈では古くから言われているビジネスセオリーなのです。
小資本で始めることができれば、事業リスクを最小化できます。
さらに仕入れが発生せず、在庫もなければ事業リスクはほぼゼロと言えるでしょう。
そして定期的なストック収益が入ってきて、利益率が高いとなれば、問答無用で儲かるはずです。
果たしてそのようなビジネスなどあるのでしょうか?
恐らく絶対的要件としては、インターネットを活用したビジネスになると思います。
インターネットを活用したITサービスは、初期投資が少なくて、在庫リスクもありません。
さらにクラウド型のソフトウェアにすれば、ストックビジネスになり得ます。
そのようなビジネスの利益率は高く、「利益率90%以上」なんてケースもあるのです。
小売業やサービス業の利益率は数パーセントと言われているので、ITサービスの利益率の高さが窺い知れますよね。
なので、儲かるビジネスを起業しようとした場合、現代ではインターネットを絡めることが必要不可欠になるはずです。
自宅(家)で儲かる仕事になる
インターネットを活用したサービスを作るのであれば、自宅で起業することができるはずです。
Webサービスを作る場合、パソコン1台あれば十分です。
パソコン1台あれば、ドメインを取得して、サーバー環境設定して、プログラミングすればソフトウェアは完成します。
後はそれをセールスするだけです。
セールする場合には、代理店を活用したり、Webマーケティングを最大化させれば、見込み顧客からの問い合わせが殺到するので、面倒な営業活動をする必要がありません。
これなら週末起業やサラリーマンの副業でもビジネスできるはずです。
在宅ビジネスは「所詮スモールビジネス」と言われますが、決してそんなことありません。
インターネットをうまく活用すれば、億万長者になれるようなビジネスモデルが設計できるはずです。
ITサービスの場合、プロダクトを事務所で開発しようが、自宅で開発しようが、そのクオリティは変わりません。
むしろ、そのような地の利を活かせるのがインターネットサービスの強みだと言えるでしょう。
儲かる新規事業の作り方とは?
ここからは具体的なビジネスモデル設計について触れていきたいと思います。
まず結論から言ってしまいますが、ビジネスモデルを設計する事は決して簡単ではありません。
地頭が悪い人は儲かるビジネスモデルを設計することができないでしょう。
なぜかと言うと、ビジネスモデルを設計する場合、ありとあらゆるシチュエーションを想定しなければいけないからです。
事業やっていると、どうしても想定外の事態が起こったりします。
しかしそれを「想定外だからしょうがないね…」と受け入れてしまっては、せっかく作ったビジネスモデルが壊れてしまいます。
そのようなイレギュラーの事態さえ想定しておいて、全てが「想定の範囲内」という状態を作らなければいけません。
この状態に近づけば近づくほど、そのビジネスモデルは強固になります。
逆に、想定している範囲が狭ければ狭いほど、そのビジネスは簡単に崩壊してしまうのです。
世の中の課題感を探そう!
新規事業を創造する場合、多くの人は自分がやりたいことを始めてしまいます。
しかし、そのようなアプローチ方法は決してお勧めしません。
なぜかと言うと、あなたのニーズと世の中のニーズは一致していない可能性があるからです。
ビジネスとは、製品サービスを提供して、お客様からその対価を頂く一連の流れをいいます。
ということは、提供する製品サービスによって、お客様の課題が解決できることが重要なのです。
例えば、あなたは日常的にオムツを履いているでしょうか?
普通の成人であれば、オムツなんて履いていませんよね。
しかし、世の中には赤ちゃんやお年寄り、障がい者などオムツを必要としている人がたくさんいます。
そのような考え方に立った場合、「一番重要なことは世の中にニーズがあるのか?」ということです。
これはマーケット(市場)とも言い換えることができます。
マーケット規模が大きければ大きいほど、ビジネスはグロース(成長)していきます。
例えば、「整理整頓ができず、バッグの中がごちゃごちゃになってしまうので、なかなか欲しいものが取り出せない」という課題をあなたが持っているとします。
その課題を解決するために、スケルトンバッグを開発したとしましょう。
スケルトンバッグは透明なので、中身が透けて見えることが特徴的です。
これであれば、どこに何が入っているのか一目瞭然なので、取り出す時のストレスがありません。
確かにこれであなたの課題は解決されるかもしれませんが、果たして世の中のニーズはどうでしょうか?
「バックの中身を人に見られても良い」と思っている人は、どれだけいるのでしょうか?
バックの中身が透けてしまうと、「財布の場所がわかってしまうので、防犯上良くない」と考える人がいるかもしれません。
他にも「裸で歩いているようで嫌だ…」と感じる人もいるでしょう。
このように自分の課題を解決することと、他人の課題を解決することは別問題なのです。
なので、もし起業する場合には極力マーケットが大きなビジネスを狙いましょう。
戦わずに勝つ方法を探す
「戦わずに勝つ」というのは、古代中国「孫氏の兵法」に記載されている有名な言葉で、戦では「戦って勝つよりも、戦わずに勝つほうが理想的だ」ということを説いた名言です。
これはビジネスも一緒で、立ち上げたばかりのベンチャー企業が、大手企業と戦っても勝てる見込みはありませんし、もし勝てたとしても相当深い傷を負うはずです。
なので、出来る限り競合が参入してこない、つまり参入ハードルが高い業界を選ぶようにしましょう。
さらに将来性のあるビジネスを選べればベストです。
この時のポイントは「人口動態」です。
人口動態とは、「これから人口がどうなっていくのか?」をシミュレーションしたものです。
日本はすでに少子高齢化社会ですが、これからますます加速していくことが想定されています。
その少子高齢化社会を補うため、移民の受け入れが検討されています。
もしそれが実現できなければ、テクノロジーによって補完されることでしょう。
このような流れは不可避と言えるので、実現する可能性が非常に高いのです。
ということは、人口動態さえチェックすれば、将来を予測できることになります。
それをもとにニーズを導き出して、そこに開発したプロダクトを当てていくのです。
その時に選択するマーケットは、大手企業が参入してこない分野にしなければいけません。
これは絶対的な数字ではありませんが、おそらく年商で1億円から10億円程度のマーケットであれば、大手企業は参入してこないと思います。
なので、そのようなニッチマーケットに的を絞りましょう。
独立起業したばかりの弱小企業が勝つためには、局地戦を選ばなければいけません。
なぜかと言うと、経営に必要と言われている「ヒトモノカネ」が常に不足しているからです。
このような考え方で参入するマーケットを選択すれば、きっとあなたは戦わずに勝つことができるはずです。
この辺りはランチェスター戦略で学ぶことができます。
詳しく知りたい人は下の書籍を読んでみてください。
5W1Hを意識しよう!
ビジネスモデルを設計する場合には、5W1Hを意識しましょう。
5W1Hとは、
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:だれが
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
の頭文字を取った言葉です。
例えばウォーターサーバーを提供する場合、
- When:何時でも
- Where:自宅で
- Who:家族が
- What:ミネラルウォーターを
- Why:喉の渇きを潤すために
- How:飲むことができる
という具合になります。
これを作り込むことで、ペルソナが具体化していきます。
つまり、顧客イメージや利用シチュエーションが湧いてくるのです。
これをやらないと、マーケティング活動ができないので、セールスを最大化させることができません。
マーケティングコストをゼロにしよう!
ビジネスを立ち上げるためには、マーケティングが絶対に必要です。
しかしマーケティング活動は欲を言い出すとキリがありません。
例えばテレビCMを売ったり、タレントを起用してイメージ戦略を強化すれば、きっとあなたの製品サービスの認知は広くなるでしょう。
しかし、独立起業したばかりの弱小企業にはそのような予算がありません。
エクイティファイナンスで資金調達する「スタートアップ」のような生き方を選ばない場合、資金的余裕など無いのです。
なので、その辺りは割り切ってしまって、マーケティングコストを極力ゼロにする施策を考えましょう。
現代ではインターネットが発達しているので、幸いなことにマーケティングコストをゼロにすることができます。
代表的なやり方は、SEO対策をしてトラフィックを集めることです。
これによって認知が広まるので、ブランディングと集客が同時に実現していきます。
他にも、SNSが使えるはずです。
FacebookやTwitterなどのSNSは、無料で使えるツールなので、コストがかかりません。
それらのツールは、うまく活用すれば広告宣伝にも使えるはずです。
広告宣伝費はランニングコストになってしまうので、極力ゼロにすべきだと思います。
逆に広告宣伝費用をゼロにできれば、競合他社と比較して圧倒的な優位性が実現できます。
なぜかと言うと、そのコストメリットを価格転嫁することができるからです。
ミート戦略を実施しよう!
ここまで解説してきたように、ニッチマーケットであなたの会社が圧倒的なシェアを奪ったとします。
その時には、製品サービスの価格を下げる「ミート戦略」をお勧めします。
ミート戦略とは、英語のMEETを語源にしています。
MEETには「真正面から対抗する」という意味合いがありますが、あなたを追従してくる競合他社に真正面からぶつかることを意味しています。
つまりミート戦略とは、業界No.1のサービスが、業界No.2以下のサービスを潰すための施策なのです。
たとえニッチマーケットだったとしても、競合他社の参入はあり得ると思います。
そのような競合他社に勝つため、又は新規参入を抑制するためにミート戦略はとても効果的なのです。
例えばニッチマーケットではあるが業界No.1の製品サービスが圧倒的に安い価格で提供すると、競合他社が儲からなくなります。
なぜかと言うと、お客様は安くて実績の多い「業界No.1の製品サービス」を選んでしまうからです。
このような圧倒的なサービスがあると、新規見込み客の獲得は難しくなります。
するとNo.2以下のサービスは顧客が増えないので、ジリ貧になっていき「戦わずに勝つ」が実現するのです。
ただでさえ儲からないニッチマーケットで、さらに価格を抑えるミート戦略を取られると参入障壁が高くなるので、そのような状態を作り出せれば、もはやあなたの独断場だと思います。
まとめ
新規事業を創造する事は、決して簡単なことではありません。
とにかく「行動力」が求められます。
最初に考えた製品サービスが、顧客ニーズにピッタリはまるということは99%あり得ません。
なので高速でPDCAを回す必要があるのです。
これを実現するためには圧倒的な行動力が欠かせません。
そして、自社サービスに磨きをかけると同時に、競合他社にも勝たなければいけません。
この時のポイントは、「競合他社にやられて嫌なことを自分から仕掛ける」ということです。
例えば、先程も例に出したスケルトンバッグを開発したとします。
これが一定数市場から受け入れられたという前提の話ですが、そのマーケットに同じようなプロダクトを競合他社が投入してきたとします。
この時に、競合他社からやられて嫌なことを考えるのです。
例えば以下のようなことが想像できるでしょう。
- 2WAYのスケルトンバッグにする
- ボタン一つでスケルトン化が解除できる
- 特徴的なデザインのスケルトンバッグにする
- 大手ブランドとコラボレーションする
- インフルエンサーに使ってもらう etc.
これらはどれもあなたが競合他社にやられたら嫌なことだと思います。
ということは、競合他社もあなたにやられたら嫌なことなのです。
なぜかと言うと、自分のビジネスにとってマイナスに働くからです。
これはある意味ウィークポイントを突く攻撃だと言えます。
格闘技では、相手のウィークポイントを探すのが大変だと思いますが、ビジネスの場合、相手のウィークポイントは自分自身がよく知っているのです。
ということは、積極的にそのウィークポイントを攻めるべきだと思います。
もしあなたがそれをやらないのであれば、競合他社がそれを仕掛けてくるだけです。
このことから理解できるはずですが、ビジネスとは勝つか負けるかの真剣勝負であり、常に争い続けることが必要なのです。
それをすればするほど製品サービスに磨きがかかり、結果的にユーザーメリットが最大化されます。
これこそが資本主義のロジックなのです。
単に「ユーザーメリットを追求する」と掲げることは言葉でしかありませんし、形骸化してしまいます。
本当にユーザーメリットを追求したいなら、競合他社と真剣に争うべきです。
起業家として事業を興すということは、少なからず外部に敵を作ることになります。
そのような相手とずっと戦い続ける度胸がなければ、起業家は務まりません。
これから独立開業する人は、このような心構えを持つようにしましょう。