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フルコミッションは違法なの!?
フルコミッションは完全出来高払いなので、雇用する側からすると、とても都合の良い制度だと思います。
例えば、営業職を全員フルコミッションにしてしまえば、売れない営業マンに対するストレスは無くなることでしょう。
なぜかと言えば、売れれば報酬を払うし、売れなければ報酬を払わないで済むからです。
しかし、労働者の保護を第一とする法律「労働基準法」がそれを許しません。
出来高払いの保障給(労働基準法 第27条)
出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。
これだけ見ると、フルコミッションの労働契約は違法になる気がしますよね。
それでは、フルコミッション制度を採用する場合、どのような仕組みにすれば良いのでしょうか?
業務委託契約を活用する
結論から言うと、フルコミッションを扱う為には、業務委託契約を活用するしかありません。
業務委託契約とは、ビジネスパートナーと取り交わす”相対契約”を意味しています。
このような業務委託契約は”雇用契約”に該当しない為、フルコミッションの場合に良く活用されるスキームになります。
しかし、業務委託はあくまで外部パートナーになるので、「拘束力が弱い」「業務を拒否される」などの不都合を生じさせる可能性もあります。
かといって制約を強くすれば、雇用逃れのようになるので、なかなかバランスが難しいと言われています。
この辺りを慎重に検討したい場合には、社会保険労務士に相談したり、労働局に相談するなど、色々話を聞いてみましょう。
これらを加味しながら、自社の戦略に合った、適切な雇用形態にすることをおすすめします。
フルコミッションの副業もある
先ほどお伝えしたように、フルコミッションは完全出来高払いなので、副業として取り組むこともできます。
実際に、フルコミッションで働ける副業はたくさんあって、様々な業種・業態で募集されています。
営業・セールス系が人気
フルコミッションの代表格と言えば営業系のビジネスなので、やはりセールス分野の仕事が多い気がしています。
しかし、営業活動を副業にする場合、就業後や土日に飛び込み営業したり、テレアポ営業することになりますよね。
このような取り組み方は現実的でなく、ニーズも少ないはずです。
そこで最近、リファラル営業という取り組みが注目されつつあります。
リファラル営業とは「紹介営業」を意味する言葉ですが、副業解禁の流れで”営業職のサイドビジネス”として一般化しました。
リファラル営業の業務内容は「見込案件を紹介するだけ」なので、隙間時間(5分くらい)でも十分取り組めることが特徴的です。
ただ単に「見込み案件を紹介するだけ」という簡単な業務内容なのですが、商材によっては数十万円~数百万円、1000万円を超える紹介報酬が支払われるケースもあるので、決して「単なる副業」とは馬鹿にできないような内容なのです。
フルコミッションの募集方法
フルコミッションという働き方に興味が出てきたところで、フルコミッションの募集方法について触れておきたいと思います。
フルコミッション制度を作った後は、実際にフルコミッションで働いてくれるセールスパートナーを見つけなければいけません。
その時に、一番手っ取り早いのは個人事業主(フリーランス)として活躍している人をヘッドハンティングするやり方だと思います。
個人事業主はフルコミッションが当たり前という感覚があるので、特別な提示は必要なく、話も早いと思います。
なので「まずは個人事業主を狙ってスカウトしてみましょう!」と言いたいところですが、そう簡単に行かないのが現実です。
FacebookやTwitterなどのSNSには「営業フリーランス」を名乗っている人がたくさんいます。
しかしそのような人に営業活動を依頼しても、レスが無かったり、「リソース不足なので受けられません。」と虚しい返信が来るだけです。
というのも、そのような営業フリーランスはマーケティングが上手いので、たくさんの営業依頼が来ています。
そのような状態だと、相手側は好条件(簡単&儲かる)の案件しか受けてくれないので、ほとんどの案件はレスすらきません。
このような現実はありますが、それでも「ウチは好条件だから大丈夫!」というのであれば、ぜひ一度試してみてください。
異業種交流会に参加してみる
交流会には様々な事業主が参加しています。
その中にはもちろん個人事業主がたくさんいるはずです。
そのような異業種交流会をきっかけに、個人事業主との接点を持ち、時間を掛けてフルコミッションのご提案をしてみるのが良いかもしれません。
フルコミ募集サイトを利用してみる
フルコミッションを募集することができるサイトはいくつかあります。
代表的な募集サイトには「リファラル営業サイト」「代理店募集サイト」「フルコミ募集サイト」などがあります。
料金体系やサイト規模はまちまちなので、まずは問い合わせしてみるのが良いでしょう。
まとめ
フルコミッションはアイデア次第で様々な活用ができる制度ですが、営業系のニーズが高いというのが特徴です。
実際、「フルコミッションで働きたい」という人がいるから成り立つ仕組みでもあります。
なぜかといえば、フルコミッションとして働くのは自由度が高くて、営業力のあれば社員よりも稼げるからです。
フルコミッションという仕組み自体は双方にとってメリットがある仕組みなのですが、契約周りなどの注意点もあります。
きちんと調べた上で、ぜひ積極的にフルコミッションを検討してみましょう!