消費者ニーズは多様化していない。
これは目から鱗の名言ですよね。
「消費者ニーズが多様化している」と叫ばれて久しいですが、鈴木敏文に言わせれば「それは表面上だけ」ということです。
本質的な部分(便利なものが好き、美味しいものが食べたい etc.)は、今も昔も一緒だということです。
売上じゃない。
利益を上げるにはどうするかを考えるんだ。
これはP/L(Profit and Loss Statement)についての名言です。
日本語では「損益計算書」とも呼ばれますが、商売ではまず「売上-原価=粗利」を導き出します。
そこから販管費を差し引き、営業利益を導き出すのですが、一般的にはこれが”本業の儲け”となります。
なので「売上よりも利益を見ろ」と語ったのです。
これはつまり売上100億円だったとしても、営業利益がマイナスの場合には事業価値が低くて、それよりも売上100万円で利益10万円の方が「ビジネスとしては優秀」だということです。
過去の成功体験を否定し、改革を続ける。
これは鈴木敏文らしさが凝縮された名言ですよね。
セブンイレブンは常に時代の変化に合わせて、柔軟に変化してきました。
つまり、この言葉を実体化したのが『セブンイレブンというビジネスモデル』なのだと思います。
発表者個人を叱っているんじゃない。
出席者全員に語りかけているんだ。
鈴木敏文といえば「業務改革委員会」が有名ですよね。
これは全国から集められたマネージャー達が「どのように現場を改革していくのか?」を真剣に考える会議のことですが、そこでは毎回のように鈴木敏文のゲキが飛んでいたそうです。
なので、いつも業革委員会は緊張感で一杯だったみたいですが、鈴木敏文としては誰かを吊るし上げる目的で叱ったわけではなく、全員のコンセンサスを一致させるという目的があったみたいですね。
後入れ先出しが徹底されていない。
「後入れ先出し」はセブンイレブンの店舗経営における基本原則です。
一般的な小売業では、賞味期限の近いものから先に出して、最近仕入れたものを奥の方に入れると思いますが、セブンイレブンではその逆を実践していて、常に新しいものを最前面に出すということをしているそうです。
これは小売業界にとっての常識はずれなやり方なのですが、これによって「お客様は常に新鮮な商品を手に取ることができるので、またセブンイレブンに来てくれる」と鈴木敏文は語っています。
先ほど「フレッシュさが大事」という名言もご紹介した通りですが、実はこれがセブンイレブンというビジネスモデルの肝になっているのです。
しかしこのやり方を聞くと「売れ残りが多くなるのでは?」と感じるかもしれませんが、だからこそ鈴木敏文は『徹底的な在庫管理(購買数=仕入れ)』をするように命じたのです。
たとえOFCの陣容が1000人、1万人を超えたとしても、なんとしてでも全体会議を続けていく。
OFCとは「オペレーション・フィールド・カウンセラー」の略称です。
つまり全国の店舗を回るスタッフのことなのですが、OFCのクオリティ担保はとても重要だと感じてたのでしょう。
鈴木敏文は「OFCは店のプロなんだ。店内を10分見れば、問題点を指摘できなくてはならない」と語っています。
交差点を渡る前に考えるな。
渡ってから考えればいいんだ。
これは問題が起こる前から考えてばかりいる馬鹿馬鹿しさを揶揄した言葉です。
鈴木敏文は現実主義者であり合理主義者なので、実際起こった問題だけに対処して、その都度解決策を実行していけば、必ず成果が得られると考えていたようです。
僕がしたいのは、チェーンストア理論の否定なんだ。
時代の変化に対応すべき時に、マニュアルで社員をがんじがらめにするなんてナンセンスじゃないか。
前述した通り、鈴木敏文はチェーンストア理論を否定していました。
それよりも人間味(温かみ)のあるビジネスを求めたのです。
現場に入り込めば業界の常識や売り手の都合が体に染みつく。
そして玄人の常識は必ず、変化に柔軟に対応する妨げとなる。
鈴木敏文は「現場を知らない」ということに価値を見出していました。
だからこそ業界未経験の人間を積極採用していたのですが、素人目線は斬新なので、業務改善するきっかけになると考えていたようです。
消費者に驚きを持ってもらうには、200円くらいの弁当が必要ではないか。
これはデフレまっただ中、セブンイレブンが250円弁当を発売した発端となった名言です。
金額はさておき「消費者に驚きを持ってもらう」という部分は商売において重要なポイントだと思います。
やはり購買行動と「ワクワクする」という気持ちはセットなので、良い意味で『期待を裏切るような驚き』を提供しなければいけないと思います。
変化には時間がかかる。
ゆっくりでもいいので、必ず一歩ずつ前進していけば、きっと結果に結びつくはずです。
焦らずに日々精進しましょう!
鈴木敏文は日本を代表するカリスマ経営者
ここまで実質的なセブンイレブン創業者である鈴木敏文の名言集をご紹介してきました。
鈴木敏文は、控えめに言っても「小売りの天才」だと思いますが、それはイトーヨーカドー創業者の伊藤雅俊も認めていることです。
実質的には伊藤雅俊が上司で、鈴木敏文は部下という構図だったのですが、伊藤雅俊は「鈴木の方が私よりもマネジメントが上手い」「ビジネススキルは鈴木の方が上」と手放しで褒めています。
そのような信頼関係があったからこそ、鈴木敏文は自分の能力を最大限発揮できたのだと思います。
このような日本を代表するカリスマ経営者には学びが多いので、ぜひ下の記事もご覧ください。