ストックビジネスのデメリット
ここまで読み進めた人は、ストックビジネスにはメリットしか無いと思うかも知れませんが、実はデメリットも存在しています。
それは事業への投資金額が大きくなってしまうことです。
ストックビジネスは月額サービスなので、どうしても料金を高くすることができません。
例えば、月額制の動画サービスであれば月1,000円くらいが普通ですし、フィットネスジムの会費だった場合には1万円くらいが請求金額の限界だと思います。
月額10万円とか20万円という金額を請求するビジネスモデルはなかなか構築しづらいのです。
しかし、高級ブランドのアパレルやバッグであれば、ひとつ10万円とか100万円で販売することもできます。
例えば1個10万円の高級バックの粗利が90%(9万円)だった場合、その金額をストックビジネスで稼ぐにはどれほどの時間軸が必要なのでしょうか?
月額1,000円のサービスであれば、「9万円÷1,000円=90ヶ月」になりますし、月額1万円のサービスだったとしても「9万円÷1万円=9ヶ月」という計算になります。
新規契約をコツコツ積みますとしても、数年かかることは容易に想像できると思います。
つまり、それだけ長い期間をかけなければ、大きく稼ぐことができないのです。
ここまでの話で理解できたと思いますが、ストックビジネスとは少額をちょっとずつ積み上げていくビジネスモデルなのです。
なので、儲かるためにはどうしてもある程度の時間軸が必要になってしまいます。
これはつまり、損益分岐点が長くなることを意味しています。
大企業であれば体力(=資金力)があるので問題ありませんが、体力のない中小企業は赤字を出し続けるとすぐに倒産してしまいます。
よって、中小企業がストックビジネスを構築することは現実的に難しいのです。
これがストックビジネスを始めるにあたっての大きな障害でありデメリットだと言えます。
ストックビジネスの副業は最高!
ストックビジネスのデメリットについて理解できたと思いますが、そのような側面をうまく利用するには副業や副商材に使うという選択肢が良いと思います。
つまり、メインとなる稼ぎ頭(キャッシュカウ)がある状態であれば、たとえ時間軸が必要だったとしても何の問題も無いからです。
例えば個人レベルで考えてみましょう。
毎月の生活費が30万円だった場合、30万円の給料が支払われるサラリーマンとして働いていれば、とりあえず生活できますよね。
そのような状態で以下のようなストック型の副業を始めた場合を考えてみたいと思います。
- 月額1,000円のソフトウェアをインターネットで販売する
- 毎月の新規契約は5件
上記のような副業をした場合、以下のようなシミュレーションが成り立ちます。
- 1ヶ月目:5件×1,000円=5,000円
- 2ヶ月目:(5件×1,000円)+(5件×1,000円)=10,000円
- 3ヶ月目:(10件×1,000円)+(5件×1,000円)=15,000円
- 4ヶ月目:(15件×1,000円)+(5件×1,000円)=20,000円・・・
このように毎月5,000円ずつストックが増加していったと仮定した場合、60ヶ月で30万円に到達します。
もし仮に解約が出たとしても、高い継続率であれば70ヶ月くらいで30万円に到達することでしょう。
ということは、約5年から6年ほどで損益分岐点を超えることになります。
これはある意味で不労所得になるので、損益分岐点最高でしまえばサラリーマンを辞めて個人事業主(フリーランス)として活動することもできるはずです。
しかし、これを実現するためには5年~6年間は経営的な意味の赤字を出し続けるという覚悟が必要になってしまうのです。
よって、その赤字分を本業で補填できているサラリーマンにとっては非常に有利な状況であることが理解できるはずです。
もし会社員として副業する場合には、このようなストックビジネスを構築するようにしましょう。
この概念はもちろん法人にも適用できます。
例えば人材紹介会社のように大きな稼ぎ頭(キャッシュカウ)があれば、そこで稼いだお金をストックビジネスに投資することができるはずです。
つまり、既存顧客に対してストック型の副商材をクロスセルし、少しずつ月額収益を積み上げていくのです。
このような地道な努力が、5年後に花を咲かせるのです。
代理店募集にも使える
もしあなたが経営者だった場合、代理店募集するタイミングがあるかも知れません。
もしそのような機会があった場合、代理店マージンはストック型にした方が良いと思います。
冒頭お伝えした通り、どの企業もストック収益を欲しがっています。
なので、代理店報酬をストック収入にすることで、販売したがる人が必ず増えるはずです。
その結果、代理店募集も成功しやすくなります。
ただし、ストックビジネスにする場合には、その報酬管理が問題になってきます。
一度きりの支払いであるフロー収入であれば問題ありませんが、ストック収入の場合には代理店の過去実績を全て集計&管理していかなければいけません。
この集計がうまくいかず、代理店制度が崩壊してしまった例は後を絶ちません。
なので、もし代理店募集をする場合にはストックビジネスにすることをお勧めしますが、その集計方法についてはしっかり考えるようにしましょう。
まとめ
ストックビジネスを構築することは難しいですが、一度出来上がったストックビジネスはとても強固な地盤になります。
なので大変だとは思いますが、必ずストックビジネスを持つようにしましょう。
もし月額制のストックビジネスが難しいのであれば、「実質ストック」というやり方もあります。
これは「実質的なストックビジネス」という意味合いがある言葉です。
例えば化粧品などが典型例になります。
化粧品は自分の好みの製品を毎月購入する傾向があります。
月額制ではないですが、毎月購入されるという観点では実質的なストックビジネスになっているのです。
リピート商品とも呼ばれますが、このように「毎月必要とされる」「消耗品である」という製品サービスであれば、実質的なストックビジネスにできるはずです。
きっとあなたの商材にもストックビジネスにできる要素が何かしらあるはずです。
このあたりはアイデア次第だと思うので、色々と試しながら考えてみましょう。