シックスシグマの具体的なプロセス例
「MAIC」という概念が理解できたところで、具体的なプロセスを検証してみたいと思います。
この記事を見ている方は”ビジネスパーソン”だと思うので、「会社に出社する」というシチュエーションを、シックスシグマで改善してみたいと思います。
サラリーマンは「会社に遅刻する」のがご法度だと思いますが、朝ダラダラしていて、始業時間である9時に間に合わなかったと仮定します。
すると上司から「二度と遅刻をするな!」と怒られたので、今回の改革テーマは「遅刻をしない」ということに決めました。
朝起きてから会社に到着するまでは1時間ですが、その内訳は以下の通りです。
朝8時に起きる
10分で身支度を整える
20分前後で朝食を取る
バス停まで10分歩く
バスに10分乗る
バス停から10分歩いて9時に会社到着
これらを全て足すと「10分+20分+10分+10分+10分=60分」なので、これでは出社時刻である9時ギリギリになってしまいます。
そして製造においては何らかの制約があるはずなので、今回は「起床時間の8時と始業時間の9時」を制約にしたいと思います。
このプロセスを改善するため、まずは身支度を整えるというプロセスを改善してみましょう!
サラリーマンの身支度といえば、髭を剃ったり整髪したり、スーツを着ることですよね。
朝起きて「どのスーツを着ようか?」と決めて、それに合うワイシャツを選び、アクセントになるネクタイを選ぶ…という作業は、日によってバラツキ(σ)が出てしまいます。
なので、その作業は前日寝る前に済ませましょう。
これでバラツキがなくなるので、毎朝きっちり5分以内になりました。
そして朝食を手作りするとバラツキが出てしまうので、前日に購入したパンとインスタントコーヒーにメニューを変更します。
これで食事の時間は10分以内に統一できました。
すでに15分節約できているので、これでかなり余裕ができましたよね。
しかし、なぜか次の日も遅刻してしまったのです。
なんでプロセスを改善したのに遅刻してしまったのでしょうか?
その原因はバス(移動手段)にありました。
バスは交通状況によって到着時間が変化するため、想定よりも到着が遅れてしまったのです。
到着時間にバラツキ(σ)が出ないように、今度は会社までの移動手段を改善することにしましょう。
会社への移動手段は「自家用車を購入する」「電車を利用する」など複数ありますが、その中から”最適解”を見つけて、今回は電車での移動に切り替えました。
電車でも人身事故や遅延は発生しますが、別の迂回ルートがあるため、バスほどバラツキが出なくなりました。
しかし電車に乗る時間帯によって、到着時間にバラツキ(σ)が出たので、今度は最もバラツキが出にくい時間帯を探すことにしました。
これまでは8時30分の電車に乗っていましたが、もう少し早い8時20分の電車であれば、到着時間のバラツキが出にくいことに気がつきました。
しかし起きる時間は朝8時という制約があるので、食事の時間を5分改善したいと思います。
そのためにインスタントコーヒーから、缶コーヒーに切り替えました。
これでお湯を沸かす時間が節約できますよね。
まとめ
ここまで読み進めた人は、シックスシグマ(6σ)という手法が「決して特別な手法ではない」ことに気がついたはずです。
実は私達が日常的に行っているプロセス改善こそが”シックスシグマの原型”であり、それをデータ化して分析し、論理的に仕上げたのが「シックスシグマ」という経営手法なのです。
もちろんこれは表面的な話なので、実際にはもっと奥深い分析が必要だったり、改善プロセスがあります。
しかし表面的にはこのような理解で十分だと思います。
他にもビジネスに活かせるノウハウはたくさんあるので、ぜひ下の記事も参考にしてください。