キャッシュバックは意味がないの!?
ここまで「なぜキャッシュバックが貰えるのか?」ということを解決してきましたが、そもそも販売する代理店側からしたら「キャッシュバックすることは意味がない」と思われています。
なぜかと言うと、キャッシュバックは単純な消耗戦(=体力勝負)になってしまうからです。
ビジネスの現場は資本主義なので、常にライバルと競争し続けなければいけません。
そんな中、一社が現金キャッシュバックを始めると、競合他社もキャッシュバックで追随することになります。
それによって顧客へのキックバック競争が加熱するだけなので、本来やるべき「顧客満足度の向上」という趣旨からズレ始めてしまうのです。
キャッシュバックはとても強力な集客ツールなので、一度手を出すとなかなかやめることができない麻薬のような恐さもあります。
しかし実際には、「あの店はキャッシュバックしてくれるので、契約するならあの店にしよう!」と考える消費者が少なくありません。
このように、競合他社がキャッシュバックしているのに、自分達は何も還元しないのであれば、集客力に差が出てしまうのは当然だと思います。
なので、決してキャッシュバックは意味がないことはありませんが、消耗戦になりがちなので、ある程度体力のある企業でなければ経営リスクが高いかもしれません。
現金以外は訴求力が弱い
- 5万円分をポイントでキャッシュバック
- 現金5万円をその場でキャッシュバック
なんとなくこの2つは似ているように見えますが、大きく意味が異なります。
どちらも「5万円キャッシュバック」という言葉を使っていますが、消費者の受ける印象は別物でしょう。
やっぱり「すぐに現金で貰いたい!」というニーズの方が圧倒的に多いと思います。
5万円分のポイントを貰ったからといって、次回買い物するタイミングはいつになるか分かりませんし、ポイントカードを失くしてしまう可能性だってあります。
なので、Amazonや楽天市場のように消費者がリピートしやすいビジネスモデルの場合にはポイント付与でも問題ありませんが、そうでない場合にはやり方を考えなければいけません。
一概にポイントでキャッシュバックしたからといって、消費者はメリットを感じてくれないのです。
このような観点で考えると、「いかに消費者目線に立てるか?」というのが大事なのだと思います。
お返し&お礼の種類
キャッシュバックは現金支払いというより、割引されることが多いと思います。
値引きをすることでも「実質的なキャッシュバック」になりますが、実際に現金を支払う場合には会計処理が面倒なので、実際のビジネスでは基本的には割引(値引き)が適用されています。
例えばインターネット回線の場合、一年間の通信費を半額にするなどです。
インターネット回線は長期契約になるので、一年間の通信費を半額にしたとしても、将来収益で回収できるのです。
このような先行投資型の営業スタイルは、キャッシュリッチな大手企業向きの戦術だと思います。
他には「粗品を渡す」という還元方法もありますが、お客様が望んでいるのは「キャッシュバック」なので、それではインパクトが弱いでしょう。
さらに、冒頭で解説したような「ポイント還元」という方法もあります。
お店によって色々なポイントがあるので、普段使っているポイントが貯まるのであれば「買おうかなぁ~」という気になる人もいるかもしれません。
また、商品券をキャッシュバックするお店もあります。
商品券は現金と同じように使えますが、やはり使い勝手は現金のほうに軍配が上がります。
次回以降に使えるサービス券やビール1杯無料券などをキャッシュバックするお店もありますが、どちらも現金に変わる還元方法としては、インパクトが強くありません。
やはり一番強烈なインパクトを残す方法は、現金での還付と言えるでしょう。
キャッシュバックは顕在ニーズに刺さる
ここまで読み進めた人は、キャッシュバックがどのような見込み顧客に有効的なのか、なんとなく理解できたはずです。
キャッシュバックが効果的な見込み客とは「顕在ニーズ」があるお客様になります。
例えばゴルフクラブを買う場合、以下のような条件があったとします。
※ゴルフクラブは同一製品で、価格も同じだったと仮定します。
- 量販店で買った時にはポイント1%を還元
- 楽天で買った場合にはポイント3%を還元
このような条件だった場合、絶対に楽天で買った方がお得ですよね。
つまり「ゴルフクラブを買う」というニーズが既に顕在化していて、後はどこで買うかを決める場合、キャッシュバックはとても効果的なのです。
このように、顧客の意思決定を促す仕組みのことを営業現場では「トリガー」と呼んでいます。
お客様をクロージングするため、キャッシュバックという「トリガー」にはとても大きな役割があるのです。
紹介キャンペーンを活用しよう!
キャッシュバックは、見込み顧客を探すのにも使えるのです。
例えば「お友達紹介キャンペーン」が代表的だと思います。
紹介キャンペーンとは、「紹介営業(リファラル営業)」のような営業手法のことを言います。
ちなみに、お友達とは「既存顧客」のことを意味しています。
そのお友達から紹介されると、双方が値引きやキャッシュバックを受けられる仕組みなので、それであれば「私の友達を紹介します!」という人が一定数出てくるはずです。
現代的な紹介制度としては、FacebookやTwitter、Instagaramを利用したキャンペーン方法もあります。
Twitterで拡散したらキャッシュバックが貰えるのであれば、「シェアしてみよう!」と思う人は多いでしょう。
また、Instagaramに投稿すると「ドリンク無料」になるのであれば、「投稿してみよう!」と考える人は少なくないはずです。
このように、紹介キャンペーンには来店促進や販売促進など、様々な活用方法があると思います。
影響力のあるインフルエンサーからの紹介だと来店促進に繋がることは多いので、SNSは積極的に活用しましょう。
活用方法を間違えなければ、大きなメリットを生むのがSNS紹介キャンペーンですが、影響力が薄い人を活用しても効果は薄いので、その辺りは注意が必要です。
まとめ
キャッシュバックは、上手く活用すればセールスの起爆剤になる可能性を秘めています。
口コミを利用すれば、潜在顧客(=潜在ニーズ)の掘り起こしにも繋がるはずです。
どのような業種業態でも活用すべきキックバック制度なので、ぜひ積極的使っていきましょう。