人の扱いが酷い企業や、労働環境が劣悪な企業のことを世間では「ブラック企業」と呼んでいます。
そのような企業は減少傾向にあると思いますが、まだまだいっぱい存在しているのが実態だと思います。
しかし「ウチの会社はブラック企業だ!」と思うのは個人の主観なので、経営者はまさか自分の会社がブラック企業だなんて気づいていない可能性もあります。
そうような温度感があると、労使問題に発展するケースがあるので注意しなければいけません。
そこで今回は、ユーモア溢れるブラック企業の名言集をご紹介したいと思います。
営業シーク編集部のメンバーが実際に体験したブラックフレーズもご紹介していきます。
身に覚えのある「あるある系のフレーズ」ばかりですが、自分の所属会社がヤバいブラック企業でないか確認することにもなるはずなので、ぜひ最後までご覧ください。
ブラック企業の名言集
仕事は定時を過ぎてからが本番
定時は会社によって異なりますが、多くのケースで18時頃だと思います。
労働契約における基本的な考え方とは、就業時間中は労働して、定時を過ぎたら残業扱いになるのですが、ブラック企業の場合にはそんなのお構いなしです。
そこから先はサービス残業の始まりです。
やる気がある人は定時に帰らない
特に日本の会社で顕著なのが同調圧力です。
「周りが帰らないから、帰りづらい…」という人はきっと多いはずです。
定時を過ぎたら堂々と帰れるのが当たり前なのですが、ブラック企業ほど同調圧力が強い傾向にあります。
サービス残業は社会人の常識
「サービス残業」はブラック企業が大好きなキーワードです。
社員がサービス残業をすればするほど、経営者は得をするので、とにかくサービス残業をさせようと仕向けてきます。
従業員側には「サービス残業が違法行為である」という認識が薄いので、それを甘んじて受け入れてしまうのです。
家に帰ってもすることないでしょ?
まるで「会社こそが生きがい」と言いたげなブラック名言ですよね。
このような発言をしてくる上司は、おそらく会社に洗脳されているはずです。
付き合っても損するだけなので、十分注意しましょう。
上司より先に帰るなんて非常識
このブラック名言は、新卒社員に対して言われるケースが多いはずです。
新卒社員は右も左も分からないので、言われたことを真に受けてしまいます。
そのような純粋な新卒社員をコントロールするため、入社した段階からマインドセットするのがブラック企業の常套手段なのです。
定時になったらタイムカード押して!
もしこの言葉を聞いた経験があるなら、あなたが所属している会社はブラック企業かもしれません。
タイムカードを押すと、その時点で退社したことになります。
「みなし残業」という便利な仕組みがあるので、それを利用しているブラック企業は多いですが、タイムカードを押した先はサービス残業の始まりなのです。
ボーナスなんて本来もらえない
この言葉も相当やばいブラックフレーズです。
ボーナスを支給するかしないかは、会社の就業規則に明記してあります。
あくまでも雇用主(会社)と労働者の契約条件を明記したのが就業規則なので、ボーナスをもらえるかどうかは既に明らかなのです。
それを独自の理論で「ボーナスなんて本来もらえない」と論破するのは、明らかな労働契約違反と言えるでしょう。
経費を立て替えるのはやる気がある証拠
これは会社にとって非常に都合の良いブラックキーワードだと思います。
営業活動する上で、どうしても必要経費は出てきますよね。
それを自分で建て替えることを推奨しているブラックフレーズなので、かなり危険だと思います。
接待費は自分への投資
ビジネスを大きくするためには、クライアントや取引先と会食する機会があるはずです。
逆に会食をしなければ、なかなか信頼関係は深まっていかないですよね。
そのような会食費は、一般的に「接待交際費」として処理されています。
しかし、ブラック企業は「接待費は自分への投資」と、自分たちにとって都合のいいロジックを展開するので、接待交際費として申請することができません。
むしろ「身銭を切る人ほどやる気がある」と、わけのわからない論理を振りかざすのです。
有給なんて都市伝説
結論から言ってしまいますが、有給休暇を取ることは労働者の権利として保障されています。
なので、有給を申請する人に、有休を与えないことはそもそも労働基準法違反になります。
ブラック企業は「無給」を与えたがるのです。
死んだらいくらでも休める!
この言葉はとても極端だと思いますが、そもそも「死=休み」という考え方がよく理解できません。
この名言はブラック企業が都合よく使いそうなフレーズだと思います。
風邪で休むなんて気が緩んでる証拠
このブラックフレーズは、ほとんどのサラリーマンが言われたことのあるキーワードだと思います。
あまりに一般的なので、口癖になっていたり、部下に言ったことがある人も多いでしょう。
しかし本質的に、気の緩みと風邪を引くことには、何の因果関係もありません。
現代社会でこのような言い回しを使うのは非常に危険なので注意しましょう。
仕事は見て覚えるもの
責任を部下に押し付けるブラック企業が大好きなフレーズだと思います。
確かに仕事は自分で考えるものですが、作業は上司が教えるものです。
仕事の基礎となる作業ができて、初めて本来の仕事に取り掛かれるのです。
仕事ができない責任を部下に押し付けるようなブラックフレーズですよね。
過労死するなんて自己管理不足
時代錯誤甚だしいブラックフレーズだと思います。
このような考え方を持っている企業に勤めていると、いづれ過労死する可能性があります。
命をかけてまで働く必要などありません。
そんな会社とは、さっさとおさらばしましょう。
お前の代わりはいくらでもいる
いかにもパワハラ上司が言いそうなフレーズですよね。
この言葉をチョイスするセンスもそうですが、部下のマネジメント方法も無能としか言いようがありません。
このような上司にならないように、今のうちからコーチングを学んでおきましょう。
給料が出るのを当たり前だと思うな!
まず言いたいのは、給料が出るのは当たり前のことです。
労働者は労働力を提供して、その対価(賃金)を受け取る権利を有しています。
なので、このブラック名言が言っていることは支離滅裂でよく分かりません。
給料を貰いながら学べるなんてラッキーだな!
この考え方はブラック企業が得意とするロジックです。
従業員に対して後ろめたさを持たせることで、優位性を維持しようとするのです。
これはマインドコントロールの一種なので、このような上司がいる場合は注意した方が良いでしょう。
仕事とプライベートを分けるなんて損してる
このブラック名言は「とにかく馬車馬のように働かせよう」という魂胆が丸見えのフレーズです。
勤務時間はもちろんですが、プライベートタイムにサービス残業をさせることで、会社への忠誠心を高めて、都合良く使い倒す意図があるのです。
「ワーク・ライフ・バランス」が叫ばれている現代で、このような発想はもはや原始人と言わざるを得ません。
寿退社する奴は人間のクズ
40歳前後の独身男性やお局さんが言いそうなフレーズですよね。
退職するかどうかは本人の自由です。
もちろん仕事に影響を与えないような退職タイミングを選ぶべきですが、タイミング的に悪くないのであれば、寿退社することは全く問題ありません。
単なる個人的な嫉妬だと思いますが、それを言える環境が整っているのは問題だと思います。
顧客を殺して一人前
このブラックフレーズは、以前証券会社に勤務していたメンバーが実際に上司から言われた言葉です。
「顧客を殺す」というのは、実際に刺したりするわけじゃなくて、「顧客の資産をゼロにする」という意味です。
顧客が持っている資産を身ぐるみ剥がして、そこから手数料を掠め取るのです。
すると顧客の資産はどんどん減っていきますよね。
結果的に顧客の資産はゼロになり、金融的には死んでしまうのです。
その反面、資産運用していた証券マンは莫大な手数料収入を得るため、会社では出世していきます。
すると晴れて「一人前」と呼ばれるのです。
殺人以外なら何をやってもいい
もちろん「殺人」はやってはいけない犯罪です。
しかしブラック企業も収益を求めているので、極端な発想で現場を鼓舞するのです。
ノルマを達成するまで絶対に帰ってくるな!
営業職であれば、一度くらいはこのセリフを言われたことがあるはずです。
実際にノルマ達成できなければ会社に帰れないので、いつまでたっても外回り営業をする羽目になります。
これは営業職にとって生き地獄と言えるでしょう。
ナチュラルハイになるぐらいが丁度いい
ナチュラルハイとは、麻薬や覚醒 (かくせい) 剤などを使用することなく、合法的かつ自然に幻覚症状を体験することを言います。
人間は疲れたり、生命危機に追い込まれると、自分の身を守るため「ナチュラルハイになる」と言われています。
これは自分を極限まで追い込んでいる状態なので、大変危険な状態だと思います。
しかし、ブラック企業ではそれが常態化しているのです。
1分で寝れないのは頑張ってない証拠
なんでもそうですが、一生懸命頑張っているとクタクタになって、すぐに寝れますよね。
それを逆手に取るように、ブラック企業は「仕事を頑張れば人間は疲れるので、すぐに寝れないのは頑張っていない証拠」だと主張するのです。
これは極端な発想なので、ブラック企業らしい論理の名言だと思います。
上司が「白」と言ったら、カラスだって白くなる
これは軍隊式の考え方ですが「上司の言うことが絶対」という極端な思想を持っている会社があるのです。
今でもこのような考え方を持っている会社はたくさんあるので、そのような会社は間違いなくブラック企業だと思います。
悩みがないのは仕事をしていない証拠
これはとある大企業の社長が廊下ですれ違った社員に対して、いきなり「何か悩みはあるか?」と質問した逸話に基づいています。
その時に社員は「特にありません」と答えたそうですが、それに対して「悩みが無いのは仕事をしてない証拠だ!」と怒鳴ったそうです。
昭和の時代であれば通用したかもしれませんが、このようなワンマン社長がいる場合には注意しましょう。
売れれば何でもOK!
これはブラック企業の営業理念ともいえる考え方です。
ブラック企業は生き残るために必死なので、とにかく何でもやります。
もし経営幹部からこのような発言があれば、間違いなくブラック企業でしょう。
ウチは実力主義だから厳しいよ
もし入社前にこのようなセリフを言われたら要注意です。
実力主義は、雇用主(企業)にとって都合いい仕組みなので、やりがい搾取されるケースが多いのです。
経費申請するなんて生意気
顧客との商談でカフェを利用し、その時のコーヒー代500円を経費申請した時、編集部メンバーが前職の時に実際言われたセリフです。
所属会社のトップセールスとして活躍していたメンバーでしたが、コーヒー1杯すら経費申請できない環境にうんざりしたそうです。
ランチタイムは15分以内が常識だぞ
このブラック名言も、大手企業に以前勤めていた編集部メンバーが1時間の昼休憩後、実際に上司から言われたセリフです。
「昼休憩は1時間」と就業規則に明記されていたにもかかわらず、上司は平気で「ランチタイムは15分以内が常識だぞ」と言ってきたそうです。
その時は「すいません…」と受け入れたそうですが、今考えると異常だったことに気付くそうです。
喫煙所は上司とコミュニケーションする場所
これは編集部メンバーが新卒社員として入社した時に前職の上司から言われたセリフです。
そもそも喫煙していること自体が時代遅れ&ナンセンスですが、まるで自分(上司)が喫煙しているから一緒に喫煙することを推奨している感じさえあります。
そのような旧時代的な考え方の人は無視して良いでしょう。
飲みニケーションは絶対に必要
飲み会を嫌う若手が増えています。
しかし、年配者ほど人と人との関係性を重視するので、どうしても飲みニケーションの必要性を説いてしまいます。
それでも参加したくない場合には「参加しない自由」もありますが、それを強要してくる人がいる会社は注意が必要です。
そもそも社風が危ういので、パワハラが横行している可能性すらあります。
社長よりも早く出社しろ!
出社すべき時間は就業規則に明記されています。
それまでに出社すれば何も問題ありませんが、社長よりも早く出社することを強要してくる人がいます。
重要なのは仕事に対するパフォーマンスなので、精神論で語る上司には注意しましょう。
顧客からクレームが来たら一人前
これも編集部のメンバーが前職で実際に経験したセリフです。
新規開拓営業をしている時、失注して手ぶらで帰る日があったそうです。
会社に帰ってから上司に言われた台詞がこの言葉です。
「契約してくれるまで絶対に帰るな。顧客には契約してくれるまで帰れませんと言え。それで顧客から会社へクレームが来たら一人前だ。」
とても迷惑な営業行為ですが、それぐらい粘ることを強要したのです。
誰も得をしない、ブラック企業特有の精神論だと思います。
アポイントが取れるまで競争だ!
編集部メンバーが前職で経験したことです。
朝出社すると、思い立ったように支店長が朝礼でこう言いました。
「全員でアポイントを取れるまで競争だ!アポイントが取れるまでずっと立ってろ!アポイントが取れたヤツから座っていい。」
この号令をきっかけに、すべての営業スタッフが立ったままテレコールする羽目になりました。
とんでもないパワハラ上司が世の中にはいるのです。
売上が足りないなら、お前の着ているスーツを売ってこい!
IT企業の営業職として働いていた編集部メンバーが前職で経験したブラック名言です。
営業ノルマが未達成の状態で結末を迎えた時、社長から呼び出されて鬼のように詰められたそうです。
その時社長が口にしたのは「売上が足りないなら、お前の着ているスーツを持ってこい!他にも売れるモノあるだろう、頭使ってノルマを達成しろ!」というセリフです。
確かに頭を使ってノルマ達成することは大切ですが、「私物を売ってこい!」というのはあまりにやりすぎです。
このようなセリフが飛び交う会社は、間違いなくブラック企業だと思います。
仕事を教えてるんだから、こっちが金貰いたいよ。
このセリフは多くのブラック企業で使われている言い回しです。
従業員に後ろめたさをもたす為、「無料で提供している」ことをアピールするのです。
これは論理のすり替えなので、詐欺師が使う常套手段です。
十分注意しましょう。
雨の日は傘をささずに営業しろ!
これは知り合いが勤めている会社で実際にやっていた営業活動です。
個人宅向けの飛び込み営業をメインにやっている会社でしたが、相手から同情を誘うため、雨が降ってきた場合は傘をささずに営業することを命じられたそうです。
もちろんそれで風邪引いたり、うつ病になる社員もいたそうですが、そんなのお構いなしに今でもその文化は続いているそうです。
これも編集部の営業メンバーが前職で実際に経験したブラック名言です。
大手企業と大型契約が受注できた時、それを解約されたくないため、社長が言ってきたセリフがこれです。
連絡がつかないように、今すぐ海外へ高飛びしろ!
この号令の後、すぐに香港へ出張(何の予定もない)になりましたが、出張中は常に携帯電話をOFFにしておくように命じられたそうです。
その旅費が個人負担だったことは言うまでもありません。
まとめ
ここまで超絶ブラックな名言をご紹介してきました。
「本当にそんなことあるの?」と疑問になるセリフもあったと思いますが、それが現実なのです。
サラリーマンは狭い世界で生きているので、マインドコントロールされてしまうと常識が分からなくなってしまいます。
常に正しい判断ができるように、ビジネスパーソンは自分をコントロールする術を身につけましょう。