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代理店制度と営業代行の違いは?
代理店ビジネスを語る上で、絶対に押さえておきたいのが”営業代行との違い”です。
営業代行と代理店を混同している人を稀に見かけますが、根本的に全く異なる仕組みなので注意しましょう。
営業代行とは”商材を売る為の仕組み作り”を支援するアウトソーシングサービスのことをいいます。
つまり営業代行を依頼するクライアント側には、
- 販売方法
- 営業ノウハウ
など「どうすれば売れるのか?」というマーケティングノウハウが無いという前提に立ちます。
それに比べて代理店展開とは、「こうすれば売れる!」というロジックを代理店本部(メーカー)が持っているので、それを販売代理店に共有して、その通りにセールスしてもらうだけです。
よって、営業代行と代理店は全く異なる販路拡大方法だと言えます。
代理店制度を利用してるメーカーとは?
代理店営業を採用している業界は、製造メーカーや保険会社、通信会社など様々です。
特に有名な会社で言えば、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどの大手携帯キャリアになります。
携帯キャリアは個人・法人向けの携帯電話を販売代理店に売らせています。
代理店といっても、携帯電話は専属販売して会社が成り立つほど儲かるビジネスなので、様々な会社が代理店希望者として、こぞって参入してきました。
ただ、総務省がリードした2021年の携帯料金引き下げの関係で、携帯電話を売る代理店ビジネスは崩壊しつつあります。
他にもOA機器やコスト削減ビジネス、化粧品、健康食品など、様々な業種・業態で代理店制度は活用されています。
また光通信や大塚商会など、代理店制度を上手く活用して大企業へと成長した事例は、数え挙げればキリがありません。
つまり代理店制度は「上手く使えばとても儲かるビジネスモデルになる」という事が既に実証されているのです。
逆に、代理店展開をしているのに儲かっていない場合は、
- 商材やビジネスモデル(報酬条件含む)が悪い
- 組む代理店(パートナー)を間違えている
のどちらか一方に原因があると思われます。
代理店展開するメリット
代理店制度にはたくさんのメリットがあると聞きますよね。
そのように聞くと、代理店展開に興味を持つ経営者はきっと多いはずです。
ここでは代理店展開するメリットについて触れていきたいと思います。
一気に販路拡大できる
販売代理店は、自社製品・サービスを売ってくれる、外部のビジネスパートナーになります。
この”代理店”を増やすということは、自社の販売網を拡大させるのと同義なので、売上アップの要因になり得ます。
一般的に販売代理店は数の理論になってくるので、「多ければ多いほど良い」と言われています。
なので、できるだけ短期間で一気に販路拡大を目指す場合には、代理店展開がオススメだといえます。
自社の限界値を突破できる
自社の経営資源(ヒト、モノ、カネ)だけで販路拡大しようとすると、どうしても限界がありますよね。
しかし、他社の経営資源も使えるとしたらどうでしょうか?
経営者や事業責任者を経験している人であれば、このメリットが十分に理解できると思います。
つまり代理店展開するという事は、固定費を上げずに営業リソースを確保して、マーケティング活動ができることになります。
コストを上げずに売上を増やせる
前述した通り、代理店展開のメリットは、固定費を上げずに営業リソースを確保できることです。
これは販管費を増やさずに、売上アップを目指せる仕組みなので、これが最も大きな代理店ビジネスのメリットだと言えます。
売上増加の期待感があるだけでも魅力的なのですが、代理店展開ではコストも増えない仕組みになっている為、「活用しない」という選択肢はもはやナンセンスなのです。
代理店展開のデメリットとは?
代理店展開にはメリットがある一方で、デメリットも存在しています。
なので、ここでは代理店ビジネスのデメリットについて解説したいと思います。
他社の営業力に依存する
代理店展開は代理店が売ってくれる実績に応じて、本部である会社(メーカー)も儲かるという仕組みになります。
逆に言えば、販売パートナーが売らないと代理店本部も儲からないということになります。
これは、経営的な観点から言えば、他社の営業力に依存する仕組みなので大きなリスクがあるでしょう。
例えば、競合他社が自社製品と同レベルの製品を開発したとします。
しかもその値段は「自社製品の半額」で「代理店マージンは同額」だった場合、代理店としては売りやすい方が良いので、競合他社の製品を取り扱ってしまう危険性があります。
これは市場競争の観点から防ぐのが難しいので、代理店の販売能力のみに依存するのではなく、リスクヘッジの為に直販チームも社内に設置するべきでしょう。
リスク分散という観点では、「直販30%:代理店70%」くらいの売上割合にしておいた方が無難だと思います。
その上で、有力な代理店の売上比率を20%以下に抑えて、シェア10%の有力代理店を3社作ります。
残りの50%を細かい代理店に売ってもらうという仕組みであれば、かなりリスクヘッジできるでしょう。
既存顧客を管理できない
代理店展開をした場合、販売代理店が開拓したお客様は”代理店の既存顧客”になります。
この顧客に本部が直接営業するのは原則タブーなので、
- 代理店に許可をもらう
- 代理店と営業同行する
の2択しかアプローチ方法がありません。
代理店に相談したとしても、お客様に提案すること自体を拒否されるケースもあり得ます。
このように自由にアップセルやクロスセルができないのは、代理店展開のデメリットと言えるでしょう。
製品サービスの改良が自由にできない
代理店が製品サービスを販売している以上、本部であるメーカーが勝手に商材のアップデートをするのは「原則NG」になります。
もし勝手に製品・サービスの改良を行った結果、代理店が管理する既存顧客からクレームでも起これば大変です。
もうその代理店は売ってくれない可能性も出てきます。
このように利害関係者が増えると、ビジネスのスピードが鈍くなるというのも代理店展開のデメリットだと言えるでしょう。
代理店営業を成功させるコツ
代理店展開を成功させる為には、代理店ビジネスのコツ&ノウハウを押さえる必要があります。
ここでは代理店展開をする上で知っておくべきコツやノウハウをお伝えしたいと思います。
代理店が売りやすい仕組みを作る
代理店展開では、代理店が売ってくれないと全く意味がありません。
そこで重要になるのは、代理店が売りたくなる仕組み作りです。
例えば、以下のような施策になります。
- インバウンド案件(見込顧客)を本部が提供する
- 期間限定のキャンペーンを不定期で実施する
- 代理店の成功事例を共有する
- 代理店向けの研修会や相談会を実施する
- 積極的に営業同行する
どれも代理店展開を成功させる為の重要なポイントになるので、ぜひ押さえてください。
以下で詳しく解説していきたいと思います。
インバウンド案件(見込顧客)を本部が提供する
問い合わせがあった見込顧客が遠方だった場合、その対応を販売代理店に任せるという方法があります。
遠方で訪問できない案件などは、代理店に渡してしまった方が営業効率が良くなるので、とても合理的な考え方ですよね。
お客様は問い合わせした製品サービスが欲しいのですが、それだけではなく購入後のサポートも含めて検討しているはずです。
説明が必要な商材だった場合、定期的に訪問サポートが必要な商材の場合、近くに販売代理店がいればお客様も安心するでしょう。
なので、全国展開を目指す場合には、エリア代理店制度を活用するのがとても合理的だと思います。
期間限定のキャンペーンを不定期で実施する
期間限定のキャンペーンは、代理店を動かす為の重要な施策になります。
期間限定にすることで「今だけ!」という特別感が出るので、普段動いてなかった代理店も、そのキャンペーンの時だけは稼働してくれます。
しかし、頻繁にキャンペーンを行うと飽きられてしまうので、実施する頻度には気をつけましょう。
他代理店の成功事例を共有する
登録している代理店に成功事例を共有することは非常に重要な施策だと思います。
実は、ほとんどの代理店は登録したとしてもアクティブに稼働してくれないので、一般的な代理店稼働率は20%前後と言われています。
つまり80%の代理店は何らかの理由で、アクティブに動かないということになります。
これは確率論なので、理由云々というよりも「そういうモノなんだ…」と割り切ってください。
ただ、販売代理店が売ってくれない理由で最も多いのは、「商材が売りにくいから…」という現実もあります。
つまり代理店が、
- この商材は売りにくい
- この商材は売れない
と勝手に思い込んでいることが大きな原因なのです。
しかし代理店本部の成功事例や、他代理店がエンドユーザーを開拓した成功事例を見ると、その認識が覆るかもしれません。
つまり「他の代理店ではメチャクチャ売れてる」という事実を見せつければ、代理店が興味を持ってくれるかも知れないのです。
人脈&販路さえ合っていれば、必ず販売代理店は売ることができます。
売れないのには、それなりの理由があるということです。
代理店向けの研修会や相談会を実施する
代理店をフォローアップする上で大切なのが研修会や勉強会の実施です。
このようなプログラムには重要な役割があります。
最も大きい役割が、代理店との信頼関係を構築できることです。
定期的に会うことで、お互い親密さが増していきますし、研修会に参加した代理店から案件を相談されたり、課題を聞くこともできます。
そのようにして代理店制度をブラッシュアップしていくのです。
積極的に営業同行する
先ほど代理店の稼働率は20%ほどだとお伝えしました。
なので、この稼働率を少しでも上げる必要があります。
その施策が営業同行となります。
これはあるある話なのですが、本当はアタックするべき顧客に対して、代理店が提案していないというケースが散見されます。
それはお互いの機会損失になるので、代理店本部であるメーカーから「○○社へ提案したいので、営業同行できませんか?」と販売代理店へ声掛けしてみましょう。
代理店としてもメーカーが一緒に営業同行すればセールスも楽になるので、きっと歓迎してくれるはずです。
代理店募集の広告方法
ここまで代理店営業マンに向けた、代理店展開のやり方をお伝えしてきました。
次は”代理店を募集&獲得する広告方法”について解説していきたいと思います。
代理店開拓も、営業マンに課せられた立派な仕事の一つになります。
代理店募集をして代理店網を広げなければ、そもそもパートナーセールスする相手がいませんよね。
もちろん代理店営業マンが1社づつテレアポして開拓するのも良いですが、前述した通り代理店稼働率は20%なので、そのようなやり方は決して効率的とはいえません。
代理店開拓する一番効率的な方法は、代理店希望者を一気に集めるやり方になります。
その方法とは、webサイト(インターネット)を活用するやり方でしょう。
募集サイトの種類
代理店募集を支援しているサイトはいくつかありますが、代表的な選択肢は下の3種類だと思います。
- 代理店募集サイト
- フルコミ募集サイト
- リファラル営業サイト
代理店募集サイト
代理店募集サイトは、メジャーなサイトを含めて10サイトほどが存在しています。
しかし、効果があるサイトと効果が無いサイトの差が激しいので、サイト運営会社に実績などを問い合わせてみましょう。
また、代理店募集サイトは月額10万円以上の掲載料金が必要なので、予算額に注意しましょう。
代理店募集ドットコム:https://b-seeds.com/
フルコミ募集サイト
フルコミ募集サイトの数は決して多くありません。
しかも、フルコミッションという働き方自体がそもそもメジャーでは無いので、登録している会員数が少なく、効果も薄いことが難点です。
その分、掲載料金は安いのですが、スピード感はありません。
世の中にはフリーランス化の流れもあるので、今後はフルコミッションのような働き方が広まっていくかも知れません。
フルコミドットコム:https://fullcomi.com/
リファラル営業の募集サイト
リファラル営業サイトは最近人気のクラウドソーシングサービスで、新しい代理店展開のやり方として注目されています。
リファラル営業とは紹介営業を意味する言葉で、見込案件を”紹介”してくれる代理店(紹介店や取次店)を集められます。
説明が難しいコンサル商材やSaaSビジネス、顧客へのフォローアップが多い商材の場合、「提案は自社(代理店本部)がやりたい!」というケースもあるはずです。
このようなケースでは、クロージングまで行う販売代理店というよりは、「見込顧客の紹介だけでOK」というニーズになるはずです。
そのような”紹介者”を集めてプラットフォーム化しているのがリファラル営業サイトです。
色々な販路を持った”日本全国の営業マン”を会員として抱え、”その人脈&販路を紹介してもらう”という仕組みをプラットフォーム化しているので、「見込み客はリファラルで探す」というスタンスの会社にはぴったりだと思います。
リファラル営業サイトは掲載料が安いことや、副業解禁の流れで人気を博しています。
side bizz(サイドビズ):https://www.sidebizz.net/
代理店営業のノウハウを理解する
ここまで、代理店営業には様々なノウハウや知識が必要だとお伝えしてきました。
特に「代理店の開拓業務」と「代理店のサポート業務」の2つはしっかりと押さえておきましょう。
どちらも代理店展開には欠かせない大事な仕事となります。
また、代理店営業マンは「どうすれば販売代理店が気持ち良く売ってくれるか?」というのを真剣に考えるようにしましょう。
代理店との信頼関係構築について、常に意識しながら業務に当たることをおすすめします。
代理店展開を成功させる為には、代理店と一緒にステップアップしていくという気持ちが大切なのです。
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