
インターネットは生活の隅々まで行き渡っていますが、今後それはさらに加速していく傾向があります。
もはや社会生活する上で、インターネットは必要不可欠なインフラとなったのです。
なので、これからも伸びていくIT業界で起業したいという人が増えるのは必然だと思います。
そこで今回は、ITビジネスで独立起業した営業シーク「さの編集長」が、ネットビジネスの基本から、ビジネスモデルの作り方まで徹底解説していきたいと思います。
これからインターネットビジネスで独立起業したい人や、スタートアップを起業したい大学生まで幅広くご覧ください。
目次
ネットビジネスで起業するのは難しい?
インターネットを使ったビジネスを立ち上げる場合、そのハードルの高さは人によって変わると思います。
例えば、全く違う業界に所属している人にとっては、ITで起業することは夢物語のように感じるはずです。
しかし、さの編集長は大手証券会社に勤務していた単なるサラリーマンだったので、最初の頃はITなんて全くわかりませんでした。
Yahoo!とGoogleの違いすらわからないような、世の中でいう「IT音痴」だったのです。
そんな人でもインターネットビジネスで起業できて、現在は複数のWebメディアとwebプラットフォームを運営しています。
そのような観点で言えば、インターネットビジネスで起業することは決して難しくないはずです。
そもそも、インターネットビジネスには仕入れが必要ありません。
つまり、ネットビジネスとは原価がない商売なのです。
例えばリンゴを販売する場合、まずリンゴを仕入れなければいけませんよね。
その仕入れ値が一個あたり30円で、販売価格が100円だった場合、粗利が70円となります。
そのリンゴを1万個仕入れる場合、「30円×1万個=300,000円」が必要になります。
これがビジネスを始めるにあたっての初期投資と言えます。
今回はリンゴで例えましたが、本来の初期投資とは数百万円~数千万円が普通だと思います。
そのような初期投資が必要ないという点では、ITビジネスは新規参入のハードルが低いと言えるでしょう。
事業立ち上げにかかるお金は?
インターネットビジネスには仕入れがないことをお伝えしましたが、だからといって0円で独立開業できるわけではありません。
会社を設立するのには登記コストがかかりますし、名刺やデスクなどの備品を揃える必要もあります。
そのような費用は一旦置いておいて、インターネットビジネスそのものを立ち上げるためのコストはどれくらい必要なのでしょうか?
これはやろうとしているビジネスモデルによってかなり大きく変動します。
例えば、インターネット業界で大人気のSaaS(Software as a Service)で起業することを想定してみましょう。
SaaSとはクラウド型ソフトウェアを意味する言葉ですが、企業価値が高まりやすいので多くのスタートアップがこぞって参入しています。
まず最初にビジネスモデルが設計できていると仮定して、次にそのビジネスモデルを実現するための設計図を描きます。
これがIT業界では「仕様書」と呼ばれているものです。
この仕様書はなるべく簡易的なものにしておきましょう。
独立起業を目指す人は情熱が凄いので、自分が思い描いてるイメージを最初から全て実現しようとします。
しかし、そのビジネスモデルが当たるかどうかはまだ分からないので、まずは簡易的な仕様で一度作ってみた方が無難だと思います。
もし機能がてんこ盛りのシステムを作ってしまうと、後で修正するのが大変になるので、後々とても苦労する羽目になります。
そして、必要最低限の機能を実装した仕様書を作成して、それをシステムエンジニアに提出し、作業工数を見積もってもらいましょう。
それが開発期間で6ヶ月だった場合、後は人月単価をかけていけば良いのです。
一般的なエンジニアの人月単価は100万円ほどなので、開発期間6か月の場合には「6ヶ月×100万円=600万円」というコストが導き出せます。
他にもドメイン費用やサーバー代などがありますが、それは誤差の範囲内だと思います。
インターネットビジネスには初期費用がありませんが、プロダクトを開発するためのコストはかかります。
上記の例では、仕様書を自分で作成して、さらにエンジニア1名×6ヶ月間という想定でしたが、実際のWebシステムはもっとコストがかかるはずです。
一般的なSaaSをローンチする場合のコストは、3千万円~5千万円くらいを見積もった方が無難だと思います。
というのも、プロダクトができたからといって、それがすぐに売れるとは限らないからです。
つまり、セールスとマーケティングがセットにならなければ事業はグロースしていかないのです。
なので、必然的に膨大なマーケティング予算が必要になります。
稀に「良いモノを作れば、必ずニーズがある」と勘違いする人がいますが、
この読みが甘くて、多くのITサービスがローンチ後に潰れていくのです。

ネットビジネスは大学生に向いている
ITサービスを作りたいと思っていた人は、前述した投資金額にビックリしたかもしれません。
「3,000万円もの大金をどうすればいいのか…」と思うかもしれませんが、もしあなたの年齢が若いならその心配は必要ありません。
なぜかというと、現役大学生など20代~30代の若い起業家に対しては、比較的資金の付きやすい環境が用意されているからです。
つまりお金が無いなら、資金力のある投資家からお金を集めてしまえば良いのです。
現代日本ではスタートアップ界隈のエコシステムが出来上がりつつあるので、多くの投資家が有望な起業家(=投資先)を求めています。
それはエンジェル投資家だったりVC(ベンチャーキャピタル)、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)だったりします。
自分が実現したいビジネスモデルをプレゼン資料に描いて、それを実現するために必要な予算を投資家に提示するのです。
この作業をエクイティファイナンスと言います。
さらに日本政策金融公庫などの金融機関から創業融資(デットファイナンス)を受ければ、きっと3,000万円ぐらいは集まると思います。
このような話をすると「借金してまでは…」という考えになる人がいますが、その考え方は起業家ではありません。
起業家とは「リスク&リターン」で物事を判断するのです。
つまり、シンプルに儲かる or 儲からないで物事を判断すれば良いのです。
3,000万円を投資して、高い確率で3億円の期待リターンがあれば、それを獲りに行くのが本当の起業家です。
もしあなたが「借金してまでは…」という発想になるのであれば、その事業計画は失敗する可能性が高いのでしょう。
そのような意気込みではそもそも投資家が出資してくれませんし、どうせ失敗する事業なのでやらない方が良いと思います。
起業家とはリターンを求める代わりに、世の中に価値を提供するイノベーターです。
大学生など若年層の場合には、何度失敗してもやり直せると思います。
なのでウジウジと考えるよりは、果敢にチャレンジすることをお勧めします。
ネットビジネス初心者はどうする?
インターネットビジネスを立ち上げたいと思っても、全く無知の場合にはどうしたら良いのでしょうか?
その知識量にもよりますが、例えば下記のような質問に答えることができるでしょうか?
- ブラウザとは何ですか?
- デバイスとは何ですか?
- SSL認証とは何ですか?
- 開発環境とは何ですか?
- レスポンシブ対応とは何のことですか?
- IMP、PV、UU、CVの意味をそれぞれ教えてください。
- ドメイン、サブドメイン、ディレクトリの違いを教えてください。
- ネットビジネスではなぜサーバー契約が必要なのか教えてください。
- AWSとGCPの違いを教えてください。
上記はインターネットサービスを立ち上げる上で、絶対に理解しておくべき基本項目のごく一部です。
この程度の知識すら無いのであれば、まずはIT企業での修行が必要でしょう。
おおよそ3年~5年くらい現場で働けば、基礎知識が身に付くはずなので、後はタイミングをみながら独立起業すれば良いと思います。
もし基本的な知識が既に身についているのであれば、後はビジネスモデルを練って、それを実現するためのシナリオを考えれば良いだけです。
ネットビジネスの始め方とは?
インターネットビジネスを始める場合には、まずビジネスモデルを構築しなければいけません。
ビジネスモデルを考える場合、いくつかポイントがあるのでここでご紹介しておきたいと思います。
- 参入障壁が高いこと
- 大手企業が参入してくる可能性が低いこと
- 年月に比例してストック収益が増えていくこと
- フリーミアム戦略が取れること
- 労働集約型にならないこと
- 時代のニーズに合っていること
- 出口戦略を考えておくこと
ここで記載したことは一部抜粋ですが、1~5のポイントは必ず潰しておくべきだと思います。
インターネットビジネスは良くも悪くも参入障壁が低いビジネスモデルが多くなっています。
つまり資本金さえあれば誰でも参入できるのがネットビジネスなのです。
そう考えた場合、大手企業が参入してくる可能性が十分考えられるのです。
もし上場企業とタイマン勝負した場合、ベンチャー企業は99%負けることになります。
なので、最初の段階で大手企業が参入してこないようなビジネスを構築しなければいけません。
このようなベンチャー企業独特の戦い方は「ランチェスター戦略」と呼ばれています。
ランチェスター戦略に関するビジネス書も発売されているので、気になる人は一度読んでみてください。

出口戦略を考える
そしてできれば、出口戦略も一緒に考えておきましょう。
インターネットビジネスは赤字先行型のビジネスモデルなので、前述した通り「資本力がある方が有利」になります。
つまり、ある程度ビジネスがグロースしていって、市場が出来上がった場合、そこから先の戦略は二つに分かれます。
- IPO(新規上場)を目指す
- バイアウト(事業売却)を目指す
IPOとは、株式を上場させて公開することです。
株式公開することでたくさんの資本金が集まるので、その資金を元手に事業投資ができるようになります。
そしてバイアウトとは、大手企業などに事業売却することを意味しています。
自分たちでIPOする気がないのであれば、大手企業のグループに入ってしまって、その企業の資本力や人脈&販路を有効活用するのです。
そもそも、エクイティファイナンスを実施した場合、投資家たちはイグジット(株式売却)できなければ儲かりません。
なので、エクイティファイナンスをした場合には、必然的に出口戦略が求められるのです。
また、起業家がやりたいことは世の中に価値を提供することなので、その手法論は本来どうでもいいはずです。
起業家は自分の提供した価値で世の中が良くなれば、そのぶん自分にインセンティブが跳ね返ってくることをよく理解しています。
なので、もしインターネットビジネスを立ち上げる場合には、初期段階で出口戦略を考えておくようにしましょう。

副業から始めるのもアリ
もし最初から事業を立ち上げるのが大変だと判断した場合、まずは副業から始めてみることもおすすめです。
現代は多くの企業で副業解禁されているので、サイドビジネスがしやすい環境が整っています。
なので、会社員として働きつつ、自分のやりたいことを少しずつ週末起業するというのも良いかもしれません。
その方がリスクが少なくなりますし、アフィリエイト収入が入る仕組みを構築しておけば、起業後に少しは楽になるはずです。
独立起業する場合、いきなり100%のリスクを負ってやらなければいけない訳ではありません。
個人的にオススメするのは、きちんと儲かる仕組みを構築してから退職するやり方です。
その方がリスクが少なくなりますし、もし事業の立ち上げに失敗したとしても、そのままサラリーマンを続ければ良いだけです。
それが一番賢い起業方法だと思います。
まとめ
インターネットビジネスには様々な種類があるので、まずはどのようなサービスを立ち上げるか検討する必要があります。
- webポータルサイト
- webプラットフォーム
- SaaS
- IOT
- AI
- ブロックチェーン
- データベース
- web3 etc.
ITサービスの種類は数え上げればキリがありません。
しかしここで重要なことは、その事業に情熱を持って取り組めるかどうかです。
起業家は良くも悪くも飽きやすいと言われます。
確かに、次から次へとやりたいことが出てくるので、飽きやすいというのは的を得ている気がします。
しかし、情熱さえあれば飽きずに続けることができます。
なので、自分の情熱を全力で注ぎ込めるビジネスを模索しましょう。
