営業マンがダウンセルすべき理由とは?セールスが加速するコツ

営業活動する上で、覚えておいた方が良いマーケティング用語がいくつかあります。

その中には覚えにくい単語もありますが、意味と一緒に覚えておけばきっと役に立つので、言葉だけを知っておくのではなく、きちんと中身も理解することが大切です。

そこで今回は、営業職が知っておくべき「ダウンセル」について解説していきたいと思います。

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ダウンセルの意味とは?

営業職であれば一度ぐらい「ダウンセル」という言葉を聞いたことがあると思います。

しかしその意味や使い方まで理解している人は少ないかもしれません。

ダウンセルとは、ある製品を販売する際に、最初に提案していた製品よりも価格や品質を下げた提案をし直すことを言います。

ちなみに英語では「down-sell」と表記します。

一見すると「なんでわざわざ下げるんだ?」と思うかもしれませんが、この辺りは後で解説していきます。

ダウンセルを理解するためには、反対の意味の言葉も知っておくべきだと思います。

その言葉は「アップセル」と言います。

これはダウンセルの対義語ですが、最初に勧めていた製品よりもさらに価格や品質を上げた製品を提案して、販売に繋げるやり方を言います。

これは英語にすると「up-sell」となります。

アップセルについて詳しく知りたい場合には、下の記事をご覧ください。

ダウンセル、アップセルの類義語には「クロスセル」という言葉もあります。

こちらは、当初販売しようとしていた製品に加え、それに関連する商品も一緒に勧めるというものです。

英語では「cross-sell」と書きますが、使い勝手の良いセールス手法なので、クロスセルについては詳しく理解しておいた方が良いと思います。

もしクロスセルについて知りたい場合には、下の記事をご覧ください。

ダウンセル提案をする理由

先ほども少し触れましたが「ダウンセルする理由」とは一体何なのでしょうか?

結論から言ってしまうと、ダウンセルする理由は「お客様のメリット」を最大化させる為です。

つまり無理に高価な製品をセールスしなくても、お客様の課題は解決できると判断した場合、提案内容を変更するのです。

当初の予定よりもいらない部分をそぎ落とせば、お客様の導入コストは下がりますし、その分手間も減るはずです。

価格や品質を下げた製品を販売することは、なんとなく損をしそうなイメージがありますが、決してそんなことありません。

営業現場で重要なことは、お客様に高い商材を販売することではないのです。

営業パーソンが目指すべきことは、あくまでも「顧客の課題解決」であり、お客様の満足度を高めることなのです。

その結果として売上が紐づいてくるのです。

そう考えた場合、お客様に対して最適な提案をして、次の営業につなげることが重要だと理解できます。

短期的に見れば損するように見えますが、営業活動は長期的な視点で考えるようにしましょう。

末永く取引していただいて、お客様と関係性構築することも、営業マンにとっては重要な仕事の一つなのです。

【事例紹介】ダウンセルはどんな場面で使う?

ダウンセルを実践すべき場面はいくつかあります。

ここではダウンセルした事例をご紹介するので、参考程度にご覧ください。


ダウンセルした事例①

販売員Aはお客様に対してインテルCore i7搭載のパソコンを提案しました。

しかし、お客様の使用用途はMicrosoft Officeを使ったり、メールやネットサーフィンする程度の利用シチュエーションだった為、インテルCore i5搭載のパソコンにスペックを下げました。

この事例はパソコンのCPUを下げた事例ですが、結果的にお客様の購入予算も下がったはずです。

お客様の利用シチュエーションを聞いた上で、その用途に合った提案に切り替えたのです。

営業マンの中には「Core i7のまま売ってしまえば良い」と考える人もいるはずですが、そのようなやり方は決して賢明ではありません。

もしCore i7の提案をそのまま受け入れてしまうお客様であれば、恐らくパソコンに対するリテラシーが低い人のはずです。

そのようなお客様が、後でパソコンに詳しい人から「それはオーバースペックのパソコンを買わされたね」と聞けば、きっと販売員Aに対して不信感を持つことでしょう。

これは企業にとって致命傷になるはずです。

一時の売り上げだけを追った結果、お客様に逃げられてしまっては、元も子もありません。

なので、あくまでもお客様に合った提案を素直にした方が良いのです。


ダウンセルした事例➁

保険営業マンAは、お客様が他社で契約している保険契約をヒアリングしました。

すると、明らかにオーバースペックな保険を契約していることが判明しました。

なので、保険営業マンAは他社で契約している保険を解約してもらい、実態に合った保険契約を提案しました。

この事例は他社製品を含めたダウンセル提案になります。

ダウンセルと聞くと「自社製品のスペックを下げる」と思い込んでしまう人がいますが、それはとても身勝手な考え方だと思います。

営業の主体はあくまでもお客様になります。

なので、お客様にとって最適な提案をすることこそがダウンセルなのです。

そう考えた場合、他社製品と比較してスペックを落とす提案もダウンセルに該当するはずです。

お客様に提案するのはあなただけでなく、競合他社を含めたライバル全てになります。

それを忘れて自分勝手な提案をしてしまうと、上記の競合他社みたいな状態になってしまいます。

恐らく、保険契約を解約したお客様の不信感は大きいので、二度と戻ってこないはずです。

この事例も、一時の売り上げだけを追った結果、自分自身の首を絞めてしまう結果になりました。

ダウンセルに向いている商材

ダウンセルに向いている商材はといくつかありますが、一番相性が良いのはインターネット関連商材だと思います。

IT商材にはハードとソフトがありますが、その両方ともダウンセルに向いていると言われています。

  • ハード:部品がたくさんあるのでダウンセルしやすい
  • ソフト:原価がないのでダウンセルしやすい

ハードの場合には、CPUやメモリ、HDD(SSD)など細かな部品がたくさん入っているので、それら一つ一つがダウンセル材料になり得ます。

お客様の要望に応じてカスタマイズしやすいので、提案の幅も広がるのです。

そしてソフトと言えばクラウド型のSaaSですが、実体ある製品とは違って原価がないのでダウンセルしやすいという特徴があります。

よくある例としては、上位プランの「プロフェッショナル」を下位プランの「ベーシック」にダウンセル(プラン変更)するようなイメージですが、これをするに当たってメーカー側のリスクは何もありません。

ただシステム上でプランを変更すれば良いだけなのです。

お客様の利用状況を聞いた上で、もしオーバースペックだと思えば、下位プランに変更してあげた方が顧客満足度も高まるはずです。

もしそれをしなければ、競合他社に鞍替えされてしまったり、最悪のケースでは「そんなに使ってないから」という理由で解約されてしまうかもしれません。

最初から高価な製品ばかりを売るのではなく、「とりあえず使ってみたい」というニーズもあるので、お客様主体で提案していきましょう。

保険商品もダウンセルしやすい

保険商品もダウンセルしやすい商品だと思います。

保険商品の設計は、まず基本プランがあって、そこに特約を足していくやり方だと思います。

基本のプランにオプションを付ければ付けるほど、様々な付加価値が付けられるのは便利ですが、そこが保険商品の落とし穴になっています。

これはクロスセルという販売方法で、営業現場でよく使われている手法になります。

まず基本プランを決めてもらって、その後にあれもこれもと特約を提案しついで買いを誘発するのです。

クロスセルの特徴は、軸となっている商品(保険商品では基本プラン)よりも高い商材は売れないということです。

逆にそれよりも価格が低い商材であれば、クロスセルできる可能性があるので、顧客単価アップに貢献します。

しかし、現実的にそこまで盛りだくさんの保険契約を必要としている人はほとんどいません。

基本のプランに、少し特約を付与するだけで十分なはずです。

お客様にヒアリングした上で、最初に提案した内容をダウンセルすることは、とても誠実な人に映るはずです。

上手にダウンセルを活用すれば、顧客の信頼感は高まりますし、次回以降の取引にも繋がりやすくなります。

ダウンセルが営業を加速させる

ダウンセル提案することは、販売する営業マンよりも、顧客側の方がメリット大きく見えますよね。

確かにその通りですが、自分のことを考えてくれる営業マンに対して、お客様の信頼感は高まり、絆も強くなるはずです。

つまり、ダウンセル提案することは、営業パーソンにとってもメリットが大きいのです。

お客様の満足度が高まれば、競合他社に取られる可能性が下がりますし、継続的な取引も期待できます。

周りの取引先に対して「あの人は誠実な営業マン」という口コミをしてくれる可能性もあるので、それがリファラル営業に繋がっていくことも期待できます。

そういった意味では、ダウンセルすることが営業活動を加速させることにもなるのです。

営業とは販売することがゴールではなく、販売した後からが本当のスタートなのです。

企業が永続的な繁栄をするためには、既存顧客の積み上げが何よりも大切です。

ラットレースのような新規開拓営業を繰り返すだけでは、いづれジリ貧になってしまいます。

なのでサービス提供する側が積極的に働きかけ、顧客満足度や成功体験を上げることにより、サービスの継続や新製品の購入などに繋げていかなければいけません。

ダウンセルすることは、決して悪いことではありません。

必要であれば積極的にダウンセルするように心掛けましょう。

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