フランスを代表する哲学者アランをご存知でしょうか?
哲学に興味を持ったり、幸福について考えたことがある人は、きっとアランの「幸福論」に辿り着いたはずです。
しかし、100年ほど前の書物なので、ちょっと読みにくく感じたり、なんとなく途中で読むのをやめてしまった人もいるでしょう。
※ちなみに私もその一人です。
そこで今回は、アランの名言集を解説していきたいと思います。
アランとは?
アランという名前は有名ですが、実は本名ではありません。
アランの本名はエミール=オーギュスト・シャルティエと言います。
フランス出身の哲学者で、エリートを養成する名門リセで哲学を教えていた教授なので、フランス国内に限らず多くの人々に影響を与えてきました。
その代表作といえば、名著と言われている「幸福論」でしょう。
1905年から1926年まで書き続けられた93編のプロポ(哲学断章)で構成されています。
幸福論は哲学的な考えを述べた難しい書物ではなく、日々の暮らしの中の考察や感想を書き綴っているので、時系列に沿って書かれているものでもありません。
そういった意味では詩集のようなイメージで読みやすい書物だと思います。
しかし注意深く読み込んでみると、アランの深い考え方が理解できるので、ビジネスパーソンはぜひ手に取ってみてください。
アランの名言集まとめ
注目すべきは、情念から解放される「考え方」ではなく「行動」である。
情念とは、悪い意味での想像力を生み出すものです。
アランはこのように情念のことを「ネガティブな感情」として捉えていたので、そこから生まれる悲観主義は、全てネガティブなものと考えていました。
よって、情念に基づくのではなく、思い切って行動することを推奨したのです。
ある意味では楽観主義とも言えますが、行動することによって不安は払拭され、思考もポジティブになると考えたのです。
礼儀を大切にすることは、私たちの考え方に大きな影響を与えている。
ここでいう「礼儀」とは、お辞儀をしたり、笑顔を振りまくことを指します。
このような行為はポジティブなので、周りの人達を幸せにしてくれるのです。
ちょっとしたことで原因を取り除ける例はたくさんある。
何か問題が起こったとき、その原因を追究して、真正面から対応しようとしますが、もう少し角度を変えた方が良いかもしれません。
「灯台下暗し」という言葉もありますが、意外と最適解は身近に隠れているのです。
過去を誇るのは、過去を嘆くのと同じく馬鹿げたことである。
例えば「もっと勉強しておけばよかった」と思うことがありますよね。
でもよく考えると、これから一生懸命に勉強し直すこともできるので、それは単なる”怠け者の言い訳”なのです。
今この瞬間、どう動くかが重要だと思います。
私の知る限り、重大な事態は予見されることなく訪れるものだ。
私達はどうあがいても、将来のことを確実に予見することができません。
もちろん備えることはできますが、それを超える重大な事態が、現実には起こり得るのです。
そう考えた場合、見えない未来を不安視するよりも、今現在を一生懸命生きた方が良いと思います。
楡(にれ)の木に比べれば、毛虫など小さな存在である。
しかしその小さな歯で噛み続けているうちに、森をも食い枯らしてしまうのである。
これは小さな努力でも、積み重ねれば大きな成果になることを伝えています。
何事も続けることが大切なのです。
世界は思い通りにならない。
というより、世界は私たちに無関心なのだ。
これは名言らしい名言ですよね。
確かに世界が私たちに何かを与えてくれることなど期待しない方が良いでしょう。
人生は自分の手で切り開くしかないのです。
自分以外に原因を求め文句をいう人は、決して満たされることはない。
原因はいつも自分の中にあると考えて反省しましょう。
経験には二つの種類がある。
一つは気を重くするもので、もう一つは気を軽くするものだ。
生きていれば様々な経験をすると思います。
その出来事をどう捉えるのかは、あなた次第だと思います。
私たちの暮らす世界は、自ら求めようとしない人には何も与えることがないシステムだ。
「自ら求めようとする人」とは、常に挑み続け、常に努力し続ける人のことを言います。
そのような努力もせずに、何か特別なものを与えられることなど無いのです。