
営業マンであれば営業成果を最大化させたいと思うはずです。自分の商談数や受注数を上げる為には営業活動の効率化が必要です。
そこで今回は、営業プロセスを改善したり見直すコツをご紹介していきたいと思います。
概要
営業活動の業務内容とは?
営業の主な業務は、自社製品やサービスなどの商材を、お客様に対して提案して、最終的に購入してもらうことです。
ただ、これは表面的な一部の仕事でしかなくて、実際には
- アタックリストの作成
- テレアポ営業の実施
- 提案資料の作成
- 値下げなどの社内調整
- 既存顧客のフォローアップ
などもの凄く沢山の仕事があります。
他にも、生産性向上に取り組むことにより、効果的な営業戦略を練ることも、営業職の重要な仕事だと言えるでしょう。
また、「営業マンは足で稼ぐ!」と言われるように、フィジカルや体力が必要になるケースも多いため、苦労が多い職業というイメージがあるのも事実です。
しかし、業務を効率化して大きな利益をあげることができれば、「サラリーマンとしてこれ以上やりがいのある仕事は無い!」とも言われています。
関連記事:営業戦略と営業戦術の違いとは?経営者なら知っておきたい戦略立案
営業スタイルはたくさんある
営業マンの業務内容は、取り扱う商材サービスによって異なってきます。
例えば、複雑な商材やエンタープライズ要素がある商材では、ソリューション営業というスタイルをとっているのが一般的です。
このようなソリューション営業では、お客様の現状を把握したうえで、問題解決のための最善策を提案することになります。
よって、「ヒアリング能力」や「課題の明確化」といったコンサルティング能力が必要になってきます。
そして、OA機器やソフトウェアなどを扱う営業の場合は、プロダクト営業というスタイルをとります。
プロダクトセールスでは、自社商品の特徴やメリットを正しく伝えることが主な業務内容になります。
競合他社との違いを明確にすることで、「自社商材を選んでもらう」ことを目指します。
しかし、自社商品の特徴を十分に伝えることができたとしても、必ずしも成果に結び付くとは限りません。
受注を獲る為には、より深い潜在的ニーズに対してアプローチしていくことが大切です。
この他にはバリューチェーン営業やコンセプト営業といった営業スタイルもあります。
それぞれ業務内容が多少異なりますが、自社サービスや商材を顧客に提案したり、売り込むという点は共通しています。
関連記事:営業スタイルが劇的に進化!最新の営業手法&営業種類を徹底解説
代表的な3例を紹介
一般的に、営業方法は以下の三種類に分類されると言われています。
ここでは代表的な3種類の営業方法について、詳しく解説していきたいと思います。
- 新規開拓営業
- ルート営業
- 代理店営業
新規開拓営業とは
新規開拓営業とは、その名の通り、新規顧客を開拓する為の営業手法になります。
そのやり方としては、以下のような方法が挙げられます。
- 電話営業
- 訪問営業
- 飛び込み営業
電話営業とは、電話で商材を売り込み、販売するスタイルのことを言います。
電話だけで売込みをするので、少し難易度の高い営業手法と言えるでしょう。
訪問営業や飛び込み営業は、いづれも企業や個人宅に訪問して、商材を売り込みする営業スタイルを言います。
訪問営業と飛び込み営業の違いは、事前にアポイントを取っているか否かということです。
アポイント後に面談する訪問営業と比べると、飛び込み営業の方がより難易度が高いと言えるでしょう。
関連記事:営業をサボりながら新規開拓できる方法|サボり癖を売上に繋げるコツ
ルート営業とは
ルート営業も営業マンにとって重要なお仕事の一つです。
既存顧客をグルグルと回って、フォローアップしたりサポートするルート営業は、契約継続率を上げる大切な営業行為になります。
このルート営業を強化することで、既存顧客との信頼関係を作り上げることができるので、新たなビジネスチャンスが生まれることもあります。
ルーティン業務のようなルート営業ではありますが、お客様が抱えている課題に対して、自社サービスを通じた解決策を提示することができれば、ビジネスパートナーとして信頼してもらえるかも知れません。
そのような信頼の蓄積ができれば、知人・友人などの見込み顧客を紹介してもらえるかも知れません。
関連記事:ルート営業は未経験者でも簡単?一般営業とはどう違う?
代理店営業とは
代理店営業では、自社商材を販売してくれる販売代理店(外部パートナー)を開拓するほか、販売代理店と一緒に営業同行したり、サポートすることも含まれています。
自社商材を直接販売する訳ではないので、新規開拓営業やルート営業とは性質が大きく異なってきます。
この代理店営業はセールスの中でも、難易度が高い営業スタイルだと言われています。
その理由は、提案スキームが「代理店毎のオーダーメイド型」になるからです。
代理店展開をすると”代理店経由の売上”が増えるので、代理店が売りやすいようにサポートして、必要に応じて営業同行や研修も実施する必要があります。
代理店各社の状況によって要望は大きく異なりますので、このような点から代理店営業が難しいと言われています。
関連記事:代理店営業が辛い理由は?成功する為のコツとやりがいをご紹介!
営業活動のプロセス
営業活動のプロセスに正解はありませんが、正攻法といえるやり方はあります。
この記事では代表的な営業活動プロセスについて解説していきたいと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
営業活動の流れ
営業活動の流れは決められたフェーズをクリアしながら進められてきます。
- リスト作成
- アポイント獲得
- 訪問提案
- クロージング
- 契約手続き
まず最初はアタックリストの作成から始めていきます。
このリスト作成は業者から購入する方法もありますが、インターネットのホームページから情報収集する方法もあります。
そのようにして作ったリストにテレアポを仕掛ける段階が次のステップになります。
テレアポを成功させる為にはコツやテクニックが必要になるので、得意な人を真似するなどまずは慣れることから始めていきましょう。
もう少し詳しく知りたい人は下の関連記事をご覧ください。
関連記事:テレアポ営業を極める|電話営業のコツやノウハウ【虎の巻】
アポイント獲得できたら見込み顧客に訪問して提案を行います。
最近では訪問しない「オンライン商談」というやり方もあるので、徐々に業務効率化が図られています。
この訪問営業は営業活動で最も難しいと言われる段階なので、もう少し詳しく知りたい人は下の関連記事をご覧ください。
関連記事:訪問営業や飛び込み営業で結果を出すコツ|個人宅&法人への販売方法
営業活動は、提案したからOKという訳ではなく、最終的にクロージングしなければいけませんよね。
ただこのクロージングにもコツがあります。
お客様に対してストレートに「買ってください!」と言っても、実はあまり上手くいきません。
この辺りはかなり深い話になってきますので、もう少し詳しく知りたい人は下の関連記事をご覧ください。
関連記事:クロージングとはセールスの極意!営業力を高めるトークスキル&コツ
その後は、契約手続きになるので、この辺りは作業といえる部分だと思います。
お客様との関係性構築をしながら、継続利用して頂けるようにフォローアップしていきましょう。
営業フェーズ毎に管理する
ここまで営業フローについて解説してきましたが、この流れの中に1件だけ見込み顧客がいるのであれば、管理する必要はありませんが、10件、100件と案件が増えてくるとそうはいきません。
「どの見込み客が、どのフェーズにいるのか?」ということを管理して「見える化」する必要がどうしても出てきてしまいます。
頭の中に記憶するだけでは限界がありますので、SFAやCRMなどのツールを使って管理したり、ファンネルチャートとして表示すれば、営業活動を可視化することができるようになります。
売り上げや顧客数の推移といった指標を直感的に把握することによって、より効率の良い営業活動に改善することも大切です。
各フェーズにおける効果を確認することができるため、受注数のみならず、受注率を上げることもできるはずです。
関連記事:営業の見える化とは自動化すること|属人的な営業から脱却するコツ
営業活動のKPI
営業業務で最も重要な使命は、売り上げ目標や利益目標(KGI)の達成です。
いくら充実したプロセスを経ても、成果が上がらなければ、営業マンとして評価されることはありません。
そして、最終的な目的を達成するために意識したいポイントとして、「KPIマネジメント」の充実が挙げられます。
KPIとはKey Performance Indicatorの略で、最終目標を達成するための短・中期的目標のことです。
KPIを設定することによって、最終的なゴールに到達するまでの業務改善が容易になってきます。
どこが「良かった or 悪かったのか」といった細かい活動分析が可能になるので、PDCAサイクルも循環しやすくなります。
その結果、より効率良く目標達成を目指せるようになっていきます。
関連記事:効率的な見込顧客の集め方|見込み探しが楽になる紹介営業とは?
KPIの設定方法
営業現場であれば、
- アタックリストの件数
- テレアポ営業の件数
- 訪問営業の件数
などをKPI設定することが多いです。
このKPIをもとに、日々のToDoを導き出すことが、理想的な営業活動と言えるでしょう。
結果的にそれが受注数を増やすためのコツにもなります。
また、KPIと関連性が高い単語として、CSF(Critical Success Factor)が挙げられます。
CSFには「重要成功要因」という意味があり、CSFを数値に落とし込んだものが、KPIにあたります。
よって、適切なKPI設定には、まずCSFを特定することが必要です。
CSFを特定するには、プロセスの洗い出しと明確化が必要となる他、各プロセスにおける数値を数式化することが欠かせません。
そして、全体に及ぼす影響力が大きく、かつコントロールしやすいプロセスをCSFに選定します。
営業活動を効率化する方法
営業活動を効率化するには、営業活動のなかで常にPDCAサイクルを循環させることが重要です。
PDCAとは、
- Plan
- Do
- Check
- Act
の略語になります。
つまり、計画を立てて、実行し、その結果を分析して、次回の対策を練るという業務改善のサイクルを指します。
営業マンが業務改善に取り組むうえで欠かせない、有名なフレームワークなので、ご存じのビジネスマンは多いですよね。
このPDCAサイクルは、営業活動の無駄を省くことにつながります。
省力化とは、より少ない行動で成果を出すという考え方になります。
営業の生産性を向上させることによって、同じ労力でも、より大きい成果(受注数)を上げることができます。
関連記事:PDCAサイクルを回す効果は?営業マンが知るべき売上アップのコツ
効率化するアイデアを紹介
PDCAサイクルを見直す他に、システム導入によって雑務を減らすことも大切です。
行動量が多い営業ほど、雑務も多くなりがちですが、ITツールなどのシステムを導入して、雑務を減らしていけば、商談など重要なプロセスに営業リソースを集中させることができます。
同時に、ECRS(イクルス)という考え方を取り入れることでも業務を効率化できます。
ECRSとは、
- Eliminate
- Combine
- Rearrange
- Simplify
の略になります。
Eliminateから始まるのが特徴で、「排除できる業務はすぐに撤廃しよう」という考え方をとっています。
あらゆる非効率を省くことにより、シンプルで効果的な戦略を構築できるので、ECRSは会社経営に取り入れられることが多いフレームワークです。
しかし、営業マンの業務改善にも取り入れやすい考え方ですし、今すぐにでも取り組むことができます。
なので、積極的に取り入れるべき効率化の手段と言えるでしょう。
また、代理店展開も業務効率化する為の良策と言えるでしょう。
自分で営業する直販と違って、外部パートナーのマンパワーをたくさん利用することで、効率の良い営業活動が実現します。
そのため、業務を効率化するという意味では、代理店展開も検討すべき手段と言えるのではないでしょうか。
関連記事:代理店と販売店の違いとは?気になる代理店の種類や募集方法まで解説!